国会質問

質問日:2008年 4月 4日 第169国会 厚生労働委員会

戦没者の父母に対する特別給付金法案、後期高齢者医療制度問題

 日本共産党の高橋千鶴子議員は四日の衆院厚生労働委員会で、厚労省が後期高齢者医療制度の通称を「長寿医療制度」と発表したことについて、「名前を変えても、お年寄りの不安は変わらない」とのべ、国民の不満や怒りを名称変更だけでかわそうとする姑息なやり方を批判しました。

 高橋氏は、政府が制度の周知徹底のために二億五千万円以上もかけて広報活動をしたにもかかわらず、問い合わせが殺到していることを指摘。「このうえ名称を変えて、政府は一体何をやろうとしているのか」とただしました。

 舛添要一厚労相は、「『長生きしてよかったな』と思える一つの手段として判断した」などと答弁。高橋氏は「通称を変えるだけで『長生きして良かった』と思えるなら政治はいらない。名前の変更は、制度の中身そのものが破綻したことの証明に他ならない」と述べ、制度の廃止・撤回を重ねて求めました。

 また高橋氏は、四月十五日から実施される年金からの天引きについて、準備の関係上、十月から天引きを始める自治体があるが、「それらの所では、まとめて払うことになる」と指摘。天引きそのものを辞めるべきだと求めました。

 高橋氏は、四月から始まったメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策を目的にした特定健診・保健指導について質問。

 厚労省が設けている、健診実施率などの目標が達成できない場合、後期高齢者医療制度への支援金を通じたペナルティーをやめよと迫ったのにたいし、舛添厚労相は「経過を見たい」と答えました。

(2008年4月5日(土)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正についてですが、昭和四十二年に額面十万、一万七千件からスタートした本制度が、今や百二十件、平均年齢も九十二歳以上と聞いております。だからこそ、すべての方に一刻も早く、そして漏れなく届くことが大事だと思います。

 同様の趣旨の質問が前にもありましたので、二つの質問を一本で伺いたいと思います。

 申請主義をやめて、すべての対象者にこちらから知らせるべきではないか。また、他の、戦傷病者の妻あるいは遺族への特別弔慰金制度などもありますが、同様に扱うべきだと思います。時効が三年と短く、知らずに弔慰金をもらえなかったという相談がたくさん寄せられております。いずれの制度も対象者が減ってきていることもあり、この際、時効をなくすべきではないか。この点、伺います。

○中村政府参考人 お答え申し上げます。

 戦没者の父母等に対する特別給付金につきましては、対象者の方が大変御高齢にもなっておる、それから、委員の方からも御指摘がございましたように、約百二十名と推計されておりますので、漏れのないように、また遅滞なく手続が進むように最大限努力してまいりたいと存じます。

 請求主義をとっていることについていかんということでございますが、これは非常に形式的かもしれませんが、この特別給付金は、平成二十年四月一日という基準日までに子も孫もいないこと等独自の要件がございまして、形式的に考えますと、まだ戦傷病者で患っているお子さんがこの期間に亡くなる、この五年間に亡くなるというケースも想定されないわけではないということもございまして、法律的にそういった意味で請求主義をとらせていただいているところでございます。給付金の取り扱いなどについて、そういうことが第一点。

 また、時効の点につきましては、法的な安定性を図るという時効制度の基本的な考え方もございますので、我々の方では、申請を希望される方が漏れなくするということを、広報等を通じ、また、きめ細かくお知らせするということで防いでまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。

○高橋委員 少なくとも、前回申請したけれども時効だったという方が、今回またそういうことがないように、それから、仮に新たな方があったとすれば、知らないということがないように、これは徹底していただきたいということを重ねて要望したいと思います。

 次に、駐留軍関係離職者等臨時措置法の延長についてでありますが、もちろん我が党は、日米同盟と思いやり予算にも反対をしております。しかし、そこで働く労働者の身分を保障することは当然のことであり、雇用状況が厳しい今日にあって、在日米軍基地の再編に伴い離職を余儀なくされる方々の再就職支援をすることは必要な措置だと考えております。

 あわせて、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法についても、近年のカツオ・マグロ漁業などを取り巻く環境を考え、必要な措置であり、両案とも賛成としたいと思っております。

 そこで次に、きょうは、後期高齢者も大切にしてほしいという立場から質問をさせていただきます。

 一日から後期高齢者医療制度が始まり、各県の広域連合や市町村役場には問い合わせが殺到しました。三日付の西日本新聞によると、新しい保険証が従来の材質や大きさと違うために、受け取ったお年寄りが気づかずに捨ててしまったりする事例が続出、北九州市では問い合わせが一万件を超え、長崎市では再発行の申請が数百件に上ったということも聞いております。

 こんな中、福田総理が、後期高齢者というネーミングが悪いなどと言って、大臣は、長寿医療制度という通称なるものを発表しました。しかも、長寿医療制度実施本部までつくりました。一体何をやるのでしょうか。これまで使った政府広報などの経費、いわゆる後期高齢者のままですよ、その経費は一体幾らなのか。そして、訂正をしない、その刷り物を変えるつもりはないとおっしゃっていますので、一体この長寿医療制度は何のための名称なのか、実施本部は何をやるのか、伺います。

○水田政府参考人 まず、今までの後期高齢者医療制度に関する広報経費は全部で幾らかというお尋ねでございますけれども、これは、これまでさまざまな手段により実施してきておりますので、要した費用すべてを正確に算出することは難しいわけでございまして、代表的なものを紹介させていただきますと、昨年十一月末に自治体と各医療保険者あてに配布しましたリーフレット約七十万部につきましては約二百四十万円、本年二月末に各医療機関あてに配布したポスター約三十万部につきましては約百十万円、本年三月二十日に行いました政府広報の新聞折り込み約三千六百万部につきましては、約二億五千万円となってございます。

 次に、長寿医療制度という通称についての考え方ということでございますけれども、今回の制度改正は大変大きいものでございまして、その趣旨、内容について、高齢者の方々を初め国民に一日も早く御理解いただいて、円滑に施行していくことが必要であることから、総理の方から、名称も含めて工夫し、その意義について、国と自治体が連携してわかりやすくPRするよう、こういった指示を受けたわけでございます。

 そこで、大臣の御指示を仰ぎまして、この制度を身近で親しみやすいものとするための通称として、長寿医療制度という名称も活用しつつ、関係省庁と連携して広報及び周知活動を進めていくこととしてございます。

 それから、この長寿医療制度実施本部について、何をするのかということでございますけれども、これは、自治体行政を所管しておられる総務省も含めまして、まさにこの長寿医療制度の内容につきましてわかりやすくする、あるいは広域連合等の窓口を支援する、こういう目的で設けるものでございます。

○高橋委員 二億六千万以上も使って広報はもう発してしまった、それを訂正はしない、それで名前だけ長寿医療制度といったって、その名前はどこで発揮するのですか。身近で親しみやすいって、どこでそれが発揮できるんですか。今までの後期高齢者医療制度の中身が、制度そのものが破綻しているということの証明ではありませんか。名前を変えて中身を変えずに何ができるんですか。大臣にそのことを伺います。

○舛添国務大臣 先般、福田総理の方から、この制度について名前がわかりにくいのではないか、そしてまた、広報活動が周知徹底されていないのではないか、そういう御指示がございました。

 そして、我々は、新聞の広告、私はこれを見ました、それから、保険協会がその前にきちんとまたチラシを入れております、いろいろなところで広報活動は行っております。そしてまた、皆さん方から、例えばお年寄りを前期と後期と分けるのはいかがなものかというようないろいろな意見があって、そういうことが総理の決断につながったと思っております。

 その長寿医療制度、まさに今局長がお答えしましたように、本当に長生きしてよかったな、そして、年を召したときにはこういう医療制度、こういうシステムで全体的なケアをする、そして、財源的にも、各市町村、特に過疎の村で、市町村単位ではやっていけない、こういうことに対しても都道府県単位できちっとやる。これは二年前に国会できちんと議論をして議決をしたもの、それを今実施に移しているわけでありまして、その間、さまざまな激変緩和措置をとり、これは与党の中で決め、そして例えば、被扶養者について半年は完全に凍結、その後の半年も一割しか支払わないでよろしい、そういうこともきちんとやっている。

 私の職務は、これを円滑に実施していく、そして、より広く、多くの国民の皆さん方に御理解いただく、そういう一つの手段として、総理の御指示のもとに、長寿医療制度、こういう通称があってもよかろう、こういうことでございます。

○高橋委員 名前を変えるだけで年をとってもよかったなと思えるんだったら、こんなに簡単な政治はありませんよ。名前を変えるんじゃなくて制度をもとに戻してください、そのことを強く言いたいと思います。

 問い合わせの内容を見ると、自分の保険料が幾らなのか、今までと比べてふえるのかどうか、それが最大の関心事であります。実はそれがまだわかっていないということに問題があります。資料の一枚目を見てください。後期高齢者医療保険料の徴収についてということでスケジュール表があるわけですけれども、被保険者に対しては四月一日の施行日の前には納付方法に関するお知らせだけが届く、方法だけは届く。しかし、実際の保険料が示されるのは四月になってからだ。それで、びっくりする暇もなく、十五日から天引きする。しかも、いきなり二カ月分。余りにも乱暴過ぎないでしょうか。あわせて、十月から天引きが始まる自治体も多いです。その間、つまり四月から始まって十月から天引き開始されるまでの六カ月分に相当する保険料はどうなりますか。

○水田政府参考人 まず、四月分の保険料のことでございますけれども、これは法律的に申しますと、まさにこの制度は四月一日に施行されますので、四月一日に被保険者に対して保険料が賦課されて、十五日に支払われる年金から徴収されるということでございます。

 四月から保険料が徴収される方につきましては、各広域連合それから市町村から、被保険者お一人お一人に対しまして、保険料の額、徴収方法に関する通知が届くものと考えております。当然ながら、これは四月上旬ということでございますので、もうそろそろお手元に届いているか、もう届くものと考えてございます。

 それから、四月に二カ月分という話がございました。これは、四月に二カ月分の年金が支払われるので、二カ月分の保険料が徴収されるということでございます。

 それから、十月からの保険料の天引きについてのお尋ねがございました。これは、被用者保険に加入していた方につきましては、平成二十年十月から保険料の年金からの徴収を開始することとしてございまして、これらの方々につきましては、前年所得が確定する七月ごろに保険料を算定して、その後、各広域連合及び市町村から被保険者お一人お一人に対しまして額や徴収方法を通知することとなってございます。

 この支払い方でございますけれども、被用者保険の被保険者本人であった方には七月ごろに通知がお手元に届き、九月までは納付書等によって保険料を納めていただきまして、十月以降は保険料を原則として年金からお支払いいただくということになるわけであります。

 一方で、被用者保険の被扶養者であった方につきましては、これは大臣が申されましたように、九月までは徴収はしない。十月上旬までに通知がお手元に届いて、十月以降は保険料を原則として九割軽減、全国平均では月額三百五十円程度になると思われますけれども……

○茂木委員長 簡潔にお願いいたします。

○水田政府参考人 はい。

 年金からお支払いいただくことになるわけでございます。

○高橋委員 聞いていないことまで長々と言わないでください。

 十月から天引きが始まる人は、今おっしゃったように七月に通知が来るんですよ。でしょう。そこからあと三カ月間で、普通の天引きの人は六カ月間で払っているものを一遍に納めなきゃいけないということでしょう。どこからそういうお金が出てくるんですか。そういうことを何にも知らないままに始まるということなんですよ。だから、天引きはやめてほしいということを私たちは繰り返し指摘をしているのです。

 今、きょうも随分議論をされていましたけれども、五千万件の消えた年金問題もほとんど解決できていない、そういう中でのスタートだということも忘れないでもらいたい。消えた年金が戻ってきていないのに天引きだけはしっかりやる、こんなことは絶対許せないわけです。

 ちなみに、確認しますが、記録の回復へ照会をしている方、つまり、特別便が来て照会をしている方、第三者委員会などに不服を申し立てている方などは、まさしく特別な事情として徴収猶予などの扱いをすることになっているはずですが、確認します。

○水田政府参考人 この後期高齢者医療制度、長寿医療制度の保険料は広域連合が賦課するものでございまして、制度的なリンクというものは年金との間ではございません。依頼を市町村がして、年金から徴収されるということでございますので、特に猶予するとかそういうことは、仕組みはございません。

○高橋委員 きのうの説明と違いますよ。自治体や広域連合が、特別な事情がある、自分は本当は年金はもらえるはずだけれども消えている、そのことを照会している人たちについてはきちんと個別に判断すると答えたはずです。どうですか。

○水田政府参考人 その点は、保険料の減免に関する一般的な規定の運用について御説明したと思います。災害でありますとか病気でありますとか……(発言する者あり)一般には自然災害でございますけれども、あるいは病気、それから事業をやめられた、こういった特別な事情にある方については個別に事情をお伺いする。

 したがいまして、年金というのが、場合によっては保険料を支払われない事由になるかもしれませんけれども、それはもう個別に判断をしていくしかないかと思います。

○茂木委員長 各委員に申し上げます。

 きょう傍聴席には、これからの日本を支える多くの若い人たちもいらっしゃいます。御静粛にお願いいたします。

○高橋委員 減免だけではなくて、天引きもできないとか、そういうことも含めて個別に対応するということを確認しております。

○茂木委員長 答弁は簡潔にお願いいたします。

○水田政府参考人 天引きにつきましても、もちろん市町村の判断ということはあろうかと思いますけれども、減免の話とはまた違って、特にこういったルールというものは設けてございません。

○高橋委員 時間がないので、市町村に判断してもらうということをしっかりと確認していきたいと思います。

 高齢者は、もともとまじめに支払ってきたわけで、徴収率も非常に高いんです。ほとんどが特別な事情になっている、体も弱くなっている、厚労省も今までそういうふうに説明してきたじゃないですか、高齢者の特性だといって。そのことをかんがみれば、みんなが特別な事情なんですよ。そのことをしっかりと徹底していただきたいということを言って、非常に時間がなくなっておりますので、次に進みたいと思います。

 先ほど阿部委員からも指摘がありました特定健診と保健指導の問題なんですけれども、三月二十六日付の毎日新聞によれば、メタボ健診について、全国八百六市区への調査で、科学的根拠が十分と考える自治体は九・一%のみだと。基準値や指導内容を検証し、効果が確認されてから導入すべきだと二三・五%が回答していることがわかりました。健診実施率やメタボ患者と予備軍の減少率が目標に達しない場合、後期高齢者医療制度への支援金を最大一〇%増額するという、いわゆるペナルティーを反対とする市区が六三・五%もありました。非常に重要なことではないかと思います。

 しかも、国の基準であれば、もう成人男性の五割が該当するのではないか、このような指摘もある中でスタートをしているわけです。

 奨励するのはまずよしとしても、ペナルティーの導入はやめるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 これは、先ほど阿部委員との議論でもありましたように、現実にこれを実施するのは五年後ですから、これは実施状況をきちんと調べ、そして、インセンティブを与える、ペナルティーを与える、これは制度をより前に進めるための一つの工夫ですから、それで大きな弊害があれば、それはきちんとまた対処をしたいと思います。

○高橋委員 ここは、やめるべきだ、インセンティブはいいけれどもその逆はだめなんだということを重ねて指摘しておきたいと思います。

 それで、特定健診の実施率は、資料にもありますけれども、全国目標が七〇%、市町村国保が六五%、保健指導の実施率が四五%、メタボ患者と予備軍を一〇%減らすのが目標だとあるわけですね。それを、積極支援というのをポイント制にして、例えば個別支援、これは資料の三にありますけれども、五分で二十ポイント、電話で、計画どおりいっているかと励ましたり、よくできているねとやりとりすれば十ポイントなんて、こういうのを重ねていって、百八十ポイントやればいいですよというふうなことが書かれているわけで、私は大変現実的ではないと思うんです。

 特定保健指導の実施者は、医師、看護師、保健師を初め専門的技術を有する人となっておりますが、その受け皿が足りているのかどうか、伺います。

○水田政府参考人 この特定健診、特定保健指導につきましては、保険者協議会その他を通じて具体的な議論もなされております。そこでのこともありますが、特に問題となりましたのは市町村の体制のことでございまして、これにつきましては、老健事業からの転換分が二千九百人、これに加えまして、地方交付税措置による増員が千三百でしたか、ございまして、合計して四千三百人体制で当たるということになっておりますので、そういう意味では、できる限りの基盤整備はしたつもりでございます。

○高橋委員 厚労省の試算は全く希望的観測なんですよ。潜在的な、いわゆる自宅にいる人も含めて、新規登録がこれからふえるであろうと。医師が七千五百六十八人ふえるんだ、保健師は七千四百二十五人、管理栄養士は七千六百三十七人、こういう青写真を描いて、何とかなるだろうと言っている。これ自体が非常に現実的でない。本当にやるつもりであれば、この間議論されている医師不足対策もまさにそのとおりでありますし、行革に対してきっぱりと、それではやっていけないよ、ふやさなきゃいけないんだよという声を上げなければなりません。そのことを指摘しておきたいと思います。

 それで、この保健指導の大事な受け皿の一つとして、今、社保庁が十月に解体されたときに、その受け皿がまだ決まっていないということで大変な注目を受け、問題となっている社会保険病院がございます。もともと社会保険病院は、全国で五十三ありますけれども、健康保険法に基づく厚労省がつくった施設なわけでありますね。

 その中で、例えば社会保険診療所、健康管理センターなどは、不採算で敬遠されがちな小規模な事業所などに対しても、公的医療機関の使命として、巡回をする、だれでもどこでも受診できる場を提供してきた、そういう大きな役割を果たしてきていると思っております。この間の、保健指導を強調する政府の施策からいっても、まさになくてはならない存在になっているのではないかと思うんですね。

 特に、最寄りの診療所で受診できるだけではなくて、統一の基準で、すべての社員の健康状態を本社で有機的に一元管理できるというスケールメリットを持っている。今、健診の集合契約という考え方を国が示しているわけで、全国的に、社会保険事務局に今依頼してやろうということまで考えている。その施策としても一致をするのではないか。同時に、地域医療の今の深刻な崩壊が叫ばれ、医師不足が叫ばれる中で、もうどこでも、地域になくてはならない病院なんだということが言われているわけです。

 私、先日伺った二本松の社会保険病院などでは、市にたった一つしかお産ができる医療機関がないんだ、これしかない、市はことしから妊婦健診を十五回やりますよと決めたはいいけれども、ここたった一つがもしどうにかなったらどうするんだという声が上がっているわけです。そういう意味でも、今、社会保険病院を取り巻く環境は本当に変わっている。

 そして、そのためにも、与党が四月二日に方針を出されたことも承知をしております。立法措置も含め、きちんとした対応が国の責任でやられるべきだと思いますが、大臣の見解を伺います。

○舛添国務大臣 二日前に、与党の方針で、社会保険庁ではなくて、RFOへの出資という形で決まりました。しかし、この方針を見ますと、「地域医療の確保を図る見地から、」ということがうたってございますし、さらに、平成十七年六月十五日の衆議院厚生労働委員会の附帯決議においても、「政府は、厚生年金病院の整理合理化計画については、地域の医療体制を損なうことのないように、十分に検証した上で策定すること。」

 こういうことを受けまして、社会保険病院並びに厚生年金病院の将来につきましては、与党合意、さらに先ほどの附帯決議を踏まえた上で、地域医療が損なわれることがないように十分な配慮をして、適切に対処してまいることをはっきりと申し上げておきたいと思います。

○高橋委員 今の大臣の答弁はありがたいと思うんですが、今までの議論と基本的には同じなんですね。

 地域医療が損なわれないようにということで附帯決議がされて、今日まで来たんだと。だけれども、まず、RFOへの出資といっても期限がありますね。RFOそのものが期限があるということ。そのことが決まらない以上は、看護師さんの退職の補充ができないとか、医師を見つけられないという状況にあるんだ。ですから、二年前の決めた時点よりも事態は進行しているんだと。

 そこで、もっと積極的に国として責任を持ってかかわっていくんだという大臣の強い決意をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 これは具体的に、ことしの十月以降、社会保険庁の持ち物でなくなります。したがいまして、残された月の間に受け皿をきちんと決めないといけない。

 そういう中で、私が申し上げた、今まさに、緊急医療を初め地域の医療をどうしたら再確立できるか、再構築できるか、これは大変大きなテーマであります。与党の皆さん方と十分に協議をしながら、国としてもこの点はしっかりと対応してまいります。

○高橋委員 一千二百万の患者の皆さんと地域の皆さんが見守っていますので、しっかりとお願いをしたいと思います。

 次に、きょうは、診療報酬の見直しの中で、焦点となっていた再診料の引き下げを見送るのと引きかえに導入された外来管理加算、このことについて質問をしたいと思います。

 五十二点、これを五分未満はつけないのだということを国は決めた。これに対して、大変な混乱と抗議の声が全国で上がっています。一体、五分というのはどうやってはかるのだ、ストップウオッチを持って診療するのか、そういう批判さえも出ているところであります。

 これについて、なぜこういうふうに考えたのか伺います。

○水田政府参考人 御指摘の外来管理加算の算定要件であります診察時間につきましては、外来で継続的な治療管理を要する患者に対しまして、医師が患者の療養上の疑問に答えながら、病状や療養上の注意等に係る説明を懇切丁寧に行うには、最低でも五分の時間を要するとの中央社会保険医療協議会での議論を踏まえて設定したものでございます。

 ただ、この外来管理加算の算定に当たりましては、秒単位での時間測定を求めているものではございませんで、診療録内に、患者からの聴取事項、どういうことを聞いたか、あるいは診察所見の要点、時間要件に該当する旨を記載することとしているわけでございます。

 こうした診療録における記載によって、適切な時間をかけた懇切丁寧な診療が実施されたことが確認できるものと考えてございます。

○高橋委員 今の答弁には、五分の根拠が全く示されなかったと思います。

 それで、資料の四枚目から、これは青森県の保険医協会が病院にアンケートをとったもので、四枚目は小児科医のアンケート調査です、五枚目は公立病院です、六枚目は山形県、七枚目が宮城県、八枚目が福島県ということで、小児科は青森だけですが、それぞれの公立病院に対して、実際五分ルールが算定可能かどうかということを伺ったアンケートなわけですね。

 ざっと見ていただければわかるように、算定可能割合、小児科などでも、一番低いところで五%から、一〇〇%というところが一つだけありましたけれども、大体二〇%くらい減収するだろうということを指摘して、医療崩壊は加速すると圧倒的に答えているわけです。

 公立病院にいきますと、もっと減収の幅が大きくなるわけですね。例えば、青森県の公立病院のJというところを見ていただくと、二千百六十二万の減収予想額があるだろうと。公立病院ですからかなりの規模になるわけです。山形県などを見ていくと、八割台の減収のところもある。

 これは、さっき局長が、懇切丁寧に行うには五分必要だというお話をされました。多分、それを医療機関の皆さんが聞いていて、何と現場を知らないことかと思ったと思うんですね。そんな単純に輪切りでできるものではないんですよ。

 だって、患者さんが診察室に入ってきてから出るまでが五分ですよと説明されましたけれども、入る前に看護師さんがこの間どういうことをやってきましたかという事情を聞いたりとか、そういうことだってやって工夫しているわけですよ。そのことを全く評価していないとか、あるいは、公立病院が今、医師不足、地域医療の再編問題でぐっと拠点病院に集中しているわけですね。忙しければ忙しいほど、五分とれない、とれなかったら赤字になる、こんなばかな話はないわけですよ。

 これは見直すべきだ。大臣、いかがですか。

○舛添国務大臣 三時間待って三分しか診てもらえない、そういう患者側の不満もいろいろありまして、最低五分ぐらいはきちんと診てくださいよ、こういう患者に対するきちんとした対応もしないといけない。

 しかしまた、医療提供者の側で、今いろいろなデータをお示しになりましたけれども、赤字になって経営がうまくいかない、これも問題がありますから、その点については、再診料も上げました、それから十対一入院の基本料も上げるというようなことでさまざまな工夫をし、これは中医協においてそれぞれの皆さん方の声を反映してできた結果でございます。

 そしてまた、これは何度も申し上げていますように、来年度、さらに次の年度、いろいろな改正をする必要があれば、現状を、現場をきちんと把握した上で、是正すべきは是正する。しかし私は、今の原理に基づいて、今回はこういう改定を行いました。

○高橋委員 来年度まで待てないかもしれないんです。そのことをしっかり受けとめて対応してください。

 終わります。

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