国会質問

質問日:2008年 4月 23日 第169国会 厚生労働委員会

感染症予防法改正案質疑・採決

 感染症予防法と検疫法の改正案が二十三日の衆院厚生労働委員会で全会一致で可決されました。これに先立ち、日本共産党の高橋千鶴子議員が両改正案に関連して質問に立ちました。

 新型インフルエンザの対策について高橋氏は、東京都は独自に区市町村に補助し、感染防護服五十万セットなどを備蓄しているが、国は自治体の備蓄の基準を示しておらず、財政措置もないと指摘し、必要な対策を求めました。厚労省の西山正徳健康局長は、「東京都は先進的なほうだ」とのべ、早急に検討すると答えました。

 また、全国の保健所が二〇〇五年度の五百四十九カ所から〇七年度の五百十八カ所へと減り、保健所の医師も六年間で百九十六人も減少したと指摘。保健所に新型インフルエンザ対策のための「発熱相談センター」が設けられることも示し、十分な数の医師の配置を要求しました。

 舛添要一厚労相は、医師の不足を認めたうえで、「保健所の機能強化と医師の確保に全力をあげる」と約束しました。

(2008年4月24日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 先日の参考人質疑は大変貴重な意見を聞くことができたと思います。しかし、本当に新型インフルエンザのパンデミックがいつ起こってもおかしくない段階に来ていることを考えれば、もっともっと議論することはたくさんあるだろう、その機会をいただきたいということをまず一言言っておきたいと思います。

 ワクチンに関する議論などはきょうかなりされましたので、きょうは、水際対策と国内対策について中心的に伺いたいと思います。

 今日、延べ一千九百万人の日本人が外国へ渡航し、八百万人の外国人が入国すると言われております。そうした人の移動が激しい中で、水際対策は決定的です。

 四月九日、内閣官房は、「新型インフルエンザ発生初期の水際対策について」、案でございますが、を発表しました。WHOが、どこかの国で新型インフルエンザが発生と発表した場合、在外邦人の早期帰国と、外国人の入国を制限するといいます。「定期便が運航停止される場合、在外邦人の帰国手段を確保」すると書いております。民間機、チャーター便などの代替手段について検討されると聞いております。

 そこで、ウイルスの侵入防止と国内での蔓延を可能な限り防ぐという命題と、希望する在外邦人は速やかに帰国させるということがどうすれば両立するのか、その考え方を伺います。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

○谷崎政府参考人 お答えいたします。

 水際対策を検討するに際しまして、今委員の方から御指摘のありました点が、まさに議論の一つのポイントでございます。

 在外におられる方々に対しては、我々在外公館を通じましてできる限り早く情報を提供し、的確、適切な対応をしていただくということで、特に途上国の場合におきましては、医療機関等が十分ではないというようなこともございますので、できる限り、御本人たちが自己の判断でもって、必要に応じて日本に帰国されるというようなことについても十分な情報を与えようというふうに考えております。

 他方、国内の受け入れ体制ということがございますので、そこの点につきまして、まさに日本側の受け入れを超えるようなことになる場合も理論的にはあり得るということでございますので、そこの兼ね合いをどうするかという点がまさに議論のポイントでございます。

 そこは、両方を整合的に保ちながらやっていくということでございますので、我々外務省としましては、やはりできる限り、国内における対応が十分処理できなくならないうちに、早期な形で、現地の医療事情を考えた上で退避していただくということが必要かというふうに考えております。

○高橋委員 そこで、逆に、国内にいる外国人が既に発生している国に帰国したいとした場合、これはむしろ国内にとめ置く方がいいのではないかなと思うんですけれども、説明を聞くと、それは主権の問題なので、あくまでもその国の政府が考えることだというふうなお話でありました。

 この点については、やはり国際的な問題でありますので、それぞれの国がそれぞれの国民を守るという基本の問題と同時に、対応は統一された方がよろしいと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○谷崎政府参考人 委員の方から今御指摘のありましたとおり、基本的にはその国の主権の問題ということがございます。他方、やはり混乱をできる限り避けるという意味においては、各国がそれなりの、法令の範囲内での適切な措置をとるということが必要なんだろうというふうに考えております。

 恐らく、いろいろな国際機関、具体的にはWHOを通じまして、そこのところの移動についてどういう形がいいのかというようなことについて、そのフェーズごとに適切な勧告等が出てくるのではないかというふうに期待しておりますので、それがある意味での国際的な相場観をつくっていくのかなというふうに考えて、期待しております。

○高橋委員 先ほど紹介した水際対策の考え方の最後のところに、これは余り想定はないとは思うけれども、「我が国で感染が生じた場合、国際的責任の観点から、感染者を国内に封じ込める」という表現がございますね。

 ですから、もし我が国が発生国になってしまえば、それはどこの国の方だろうと当然封じ込める、それは国際的な責任なんだという考え方があるわけで、同じように、日本で発生しているわけではないけれども、戻ると危険ですよということがあってもよいのではないかというふうに考えております。今の御答弁がありましたので、それは国際的な議論を煮詰めていただければよろしいかなと思っております。

 私は、今、国が違う中での人の移動ということは非常に難しいことだなと考えております。法務省に聞くと、入国管理局でビザのチェックをするんだ、しかし、ビザのチェックといっても、今ビザの免除をしている国が多数ございますので、それは段階に応じて、免除ではないことを、一たん解いてその上でチェックをする、そして場合によっては検疫に差し戻しをするんだというダブルのチェックの体制になっているということがお話にありました。なおさら検疫の役割、最初の水際体制が非常に大きいのかなというふうに思っております。

 そこで、全国の検疫所、十三カ所、三百四十四人の検疫官が配置をされておりますが、当然、扱うものは人間だけではありません。非常に今、仕事がますますふえております。健康相談に従事する医師などのスタッフは検疫所に一体どのくらいいるのか、また、水際対策を強める場合、これをふやす考えがあるのか伺います。

○藤崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生御指摘のように、全国に現在、百八カ所の検疫所に三百四十八名の検疫官を配置いたしております。

 医師の数が何人かという内訳をちょっと今手元に持ってきておりませんので、また後ほど御報告させていただきたいと思います。

 いずれにしましても、鋭意この人員の確保については努力いたしておるところでございますが、先生御指摘のように、やはり水際において国内侵入をどれだけ防げるかということが、国内での新型インフルエンザ対策を十分に準備するという意味で極めて重要だろうと思っております。

 そういう意味で、これまでさまざまな取り組みをしておりますけれども、ちょっと一例を御紹介いたしますと、サーモグラフィー、PCR等の機器、こういうものを整備していく。そして当然でありますが、防護服、マスク等の備蓄。そして、検疫だけでなくて、入管、税関、自治体あるいは保健所等々の関係機関との連携が必要でございますので、このための連携強化の取り組みを進めております。

 そして発生時、フェーズ4になりますと、新型インフルエンザ発生国から国内に入ってくる場合に、すべての空港あるいは海港において対応するのは困難でありますので、集約していくということで、四空港及び三海港への集約化を踏まえました各検疫所の応援体制の整備といいましょうか、こういうことの準備もいたしてございます。

 そういうことを総合的に進めながら、先生御指摘のような水際での対応が十分にできるようにこれからも努力をしていきたい、このように考えております。

○高橋委員 鋭意努力されているということを御紹介いただきましたが、ちょっと確認だけさせていただきます。これは大臣にも通告してございます。

 フェーズ4になれば空港の集約化をすると。私は、そういう段階になった時点では、やはり集約化は必要なことだと思います。ただ、今の病院の問題ではありませんが、集約化するからそのときは間に合うんだということでは、多分間に合わないんだろう。準備の段階でも必要な体制はとっておかなければならない。その点、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 それは集約化だけじゃなくて、連携をどうするか、国と地方自治体、民間企業、国民、さまざまな問題があります。

 それで、やはり机上の訓練だけではわからないと思うんですね。ですから、この法律が可決された暁にはできるだけ早く実地の訓練を、大がかりに政府全体でやってみたい。そのことも含めて、そういうシミュレーションによってこの問題点をさらに浮かび出して対応してまいりたいと思います。

○高橋委員 訓練はいろいろな段階で何度もやる必要があると思います。しかし、何度も言うように、人も大事だということを指摘しておきたいと思います。

 それで、今大臣の答弁の中にもあったように、連携が大事だということで幾つか議論を進めていきたいと思うんです。

 潜伏期間内に検疫所を通過した場合は当然発見が不可能であり、入国後の体制、連携が当然求められると思っております。

 先日、国立国際医療センターで特定感染症病床と渡航者外来を見てまいりました。病床の方は、SARSのときに、実際には発症していなかったんですけれども、その疑いがあるということで入院受け入れを行った実績がございます。

 外来の一般患者との接触を防ぐ、一切出入りを別にするという考え方。二つ目に、外来に万が一紛れ込んでしまったときに、速やかに陰圧式の車いすやストレッチャーで搬送して隔離をするという考え方。そして三つ目に、陰圧調整、排せつ物なども全部一般の病床とは分けるという徹底した隔離を行う。と同時に、人権にも配慮をして、家族とのコミュニケーションもとれる体制をとっている。非常に重要な中身だなと思って拝見をしました。

 また、渡航者外来の方は、月五百人くらい利用しているということで、まだ日本にとって未知の菌あるいはウイルスを外国から運んできた方、そういうおそれのある方を診察する、こういう体制も非常に重要であるなと思いました。

 ふだんは使わない病床ですので、維持のために大変莫大なお金がかかります。しかし、これは採算上で考えてはいけないんだろう。初動の成功のためにはどうしても必要ではないかと思っております。

 こうした特定感染症指定病床などをどのように位置づけ、またふやそうとしているのか、伺います。

○西山政府参考人 お尋ねの国立国際医療センターにおける渡航外来の現状は、おっしゃるとおりでございます。当センターにおきましては、毎月の受診者数は、平成十八年度において約四百名程度となっております。

 こういった特殊な感染症につきましては、まずその治療が大事でございまして、まだ東京で国際医療センター一カ所でございます。これにつきましては、今後計画的に整備をしていく必要があるだろうと思っております。そういうことで、そのスタッフの教育あるいはそういった医療の充実等について、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

○高橋委員 指定感染症病床の方もあわせて。

○西山政府参考人 失礼しました。

 指定感染症病床についても現在の数では少ないだろうというようなことで、現在、全体として、機関数としては六百五十一医療機関、それから病床数としては一万三千九百七十一というようなことでございます。これは結核病床に基づく指定医療機関も含めてでありますけれども、そういった症状、疾病ごとの特殊性もございまして、さらにこの数についても見直しを図っていくという必要があるだろう。

 先ほども答弁いたしましたように、陰圧施設についても四千三百四十二というようなことで、新型インフルエンザ対策を行う上ではまだ少ないだろう。こういうことで、計画的な整備を今後図っていきたいというふうに考えております。

○高橋委員 もちろん、大流行が発生してしまえば幾ら備えても足りないというのが現状でありますけれども、やはり初動の段階での封じ込めが大事だという点では、今お答えいただきましたので、きちんとした整備を進めていただきたいと思います。

 そこで、国内対策について伺いたいと思うんですけれども、やはり最前線は都道府県の窓口である、ここの体制がどうなっていくのかということが非常に大事だと思っております。

 まず、新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議が、総理を本部長として対策本部に繰り上げされるのはどの段階か。そして、その段階と同時に、間髪を入れず都道府県にも本部が立ち上がるようになっているでしょうか。

○西山政府参考人 総理を本部長とする新型インフルエンザ対策本部が設置される時点というのは、我が国で新型インフルエンザが発生した時点というようなことで、その時点で早急にその本部を立ち上げる、総理官邸にはあらゆる部署から情報が提供されまして、可及的速やかにその本部を立ち上げるということでございます。

 都道府県におきましてはまだ、行動計画の中で各自治体において現在検討していただいている、そういう状況でございます。

○高橋委員 直ちに都道府県も立ち上がるようになるんだと言ってほしかったですね。ちょっとこの時点でこれが、どうなのだろうかということなんですね。

 WHOの世界インフルエンザ事前対策計画によれば、パンデミックアラート期、フェーズ3の段階で、医療保健当局や省庁その他の関連組織の間で、何がわかっていて、何がわかっていないのかを含めた適切な情報が、確実に、迅速に共有されるようにするということを国家の目的と定めております。私は、これが非常に大事ではないか、最前線にそれが伝わっているのかが疑問でございます。

 資料の一を見ていただきたいと思います。

 東京都の感染症予防計画からとらせていただきました。東京感染症アラートとなっておりますが、これは、WHOから新型インフルエンザの発生が発表された時点で速やかにアラートが発動されるということを想定している。その上で、都が独自の体制として、発生国からの帰国者など感染が疑われる者に、本人の同意を得て速やかに検査を実施する、それで患者発生を早期に把握する。図にあるように、医療機関、保健所、検査の実施機関、そして感染症対策課、行政、この統一的な連絡体制をとっている。

 情報の共有化を万全にするということが非常に大事だと思いますが、この点で、できれば大臣の意見を伺いたいと思います。

○舛添国務大臣 各自治体も、いろいろこういうお取り組みをやっておられるわけですけれども、危機管理体制をやるときの基本はこれは情報の共有ということでありますから、厚生労働省も、広報体制を今強化しております。正しい情報を、これは報道機関を通じて出す。そして何よりも、委員が先ほどおっしゃっている最前線の地方自治体、これとの連携をきちんとやらないといけませんので、この次のシミュレーションには、地方自治体との連携についてもきちんとやはりその実を上げたい、そういうふうに思っております。

○高橋委員 よろしくお願いします。

 その中で、東京都は先進的にガイドラインや行動計画などを整備してまいりました。とはいえ、対策といっても何をどれだけ備えればいいのか、そのための財政的措置がどれだけあるのかというのがわからないという中で非常に困っている。

 そこで、疫学調査や患者搬送の際に従事者が感染することを防止するため、感染防護服、医薬品、消毒薬などの確保が必要となります。都道府県はどのくらい備えているのでしょうか。国はどのように備えろというふうに説明しているのでしょうか。

○西山政府参考人 私どもの新型インフルエンザ対策行動計画に基づきまして、各都道府県におきましても、都道府県独自の新型インフルエンザの行動計画をつくっていただいております。すべての都道府県でこの行動計画を作成していただいております。その中で、私どもとしては、医療資材を初めとするさまざまな備蓄、例えばマスクですとか感染防護具の確保等々について、十分準備をしてほしいというようなことをお願いしている段階であります。

 それで、数量的な話でありますけれども、現在私ども、各都道府県、医療機関に配置されているわけですから、そういったマスクですとか防護服について、どの程度医療機関に配備しているんだろうかというようなことを都道府県を通じて調査をしております。調査をかけたところでありまして、その結果がまとまり次第、不備な点があれば、また各都道府県、自治体とも相談していきたいというような段階でございます。

○高橋委員 十分と言われても、それがどの程度かがわからないと言っているんです。しかも、今の説明ですと、都道府県が十分備えよ、それがどの程度か今調査をかけているということで、実態が全くわかっていないということなので、それがどうなんですか、今の段階でどうなんですかということを言いたいわけです。

 例えば、東京都は既に、個人防護で五十万セット、これは区市町村に補助をして備えております。想定患者数が三百七十八万五千人だというんですね。防護服はもちろん使い捨てなわけですから、全然足りないのはわかるわけですけれども、では、もっともっとふやせばいいのか、あるいはもっと限定的にせざるを得ないのかというのを一定示す必要があるわけですよね。いかがですか。

○西山政府参考人 いずれ、近々そういう段階が来ると思いますけれども、現在は、都道府県、自治体の方とワークショップを開いて、各県でどこの医療機関が中心になるのか、あるいは発熱外来をどの医療機関に設けるのか、その点について、地域内でのバランスをとりながら、今精査をしていただいています。

 私どもとしては、御記憶にあると思いますけれども、十九年度の補正予算で個人防護衣を六億円、予算を確保しております。これにつきましては、感染症指定医療機関三百五十カ所に配備をするというような予定でございます。ただ、先生おっしゃるように、それを各都道府県、自治体がどう計画的にこれから考えていくのかというようなことは、私どもは相談に乗りますけれども、各自治体がそれぞれの医療機関の特性を踏まえてしっかりしたものをつくっていただきたい。

 先ほど東京都の例がございましたけれども、東京都は先進的な自治体でございます。ですから、ほかのところにつきましても、それぞれの自治体について、早急にそういった医療機関の体制について整備してほしいというようなことを現在は要請しているところでございます。

○高橋委員 早急に目安を示して、また財政的な面でも検討いただきたいと思います。

 今ちょっとお話の中にありました発熱センター、発熱外来の問題ですけれども、資料の二枚目に東京都が描いたものがございます。これも、なるべく一般病院に行かないように、まあ全部行かないということはあり得ないだろうなと思うけれども、発熱センター、発熱外来を設置して、そこに誘導していくということが非常に重要な位置づけになるかと思いますけれども、具体的に何を備えていれば発熱センターとして役割が果たせるのか。これは、徹底ぶりですとか、どのようになっているのか伺います。

○西山政府参考人 発熱外来ということで、ちょっと耳なれない外来の名前でありますけれども、おっしゃるように、新型インフルエンザ患者と他の患者の接触を最小限にするというようなことで、医療機関においても外来を分けていただくというような構想でございます。

 現実的には、そこに来た発熱患者への診察、投薬等を行うということですから、まずはタミフルの用意ですとか、あるいは重症化に備えて人工呼吸器の用意、そういったものを念頭に置きながら、自治体を中心に整備をしていただいている。

 現在、十九年十二月末日現在で行った発熱外来の調査でありますけれども、確保された外来数は三百五十七カ所というようなことになってございます。

○高橋委員 発熱センターは、基本的に保健所にということでよろしいですか。

○西山政府参考人 お答え申し上げます。

 発熱相談センターとガイドラインでは呼んでおりますけれども、基本的には各保健所に設置するという予定でございます。

○高橋委員 失礼しました、発熱相談センターを保健所に設置するということで、新しい建物ではなくて看板が一つふえるのかな、仕事がふえるのかなというふうに思っております。やはり役割が大きくなる上で、保健所の機能そのものも問われるのではないかと思っているんです。

 実は、三月十八日付の東奥日報、地元紙なんですが、「県内六つの保健所に勤務する計八人の公衆衛生医師(うち六人は所長)のうち、三人が三月末で退職する。県は昨秋以降、後任を探してきたが、医師不足のため一人も補充できない状態だ。」このため、二〇〇八年、「弘前、五所川原の両保健所長を兼務とする異例の措置を決めた。」という記事がありました。あっ、ここにも医師不足の問題がと思ったんですが、実は、全国で既にこのことは進んでいる。

 資料の三枚目にございますが、保健所長の兼務数について。都道府県と指定都市、政令市の合計が、〇六年度、足していきますと三十四になって、先ほど新しい数字をもらいました、〇七年が三十八というふうに兼務がふえているわけです。保健所の数は〇五年度五百四十九から、〇六年度五百三十五、〇七年度五百十八と大幅に減っているのに、兼務はふえている。そして、直接医師数で見ますと、この六年間で百九十六名減っているという状況なんです。これをどのように改善していこうとしているのか。

 あわせて、地方分権改革推進会議などで、保健所長医師資格要件の廃止と。住民の健康と安全を確保するためには、保健所長は医師でなければならないというのが国の主張であったけれども、場合によっては、地方公共団体の判断で、医師ではない者を充てるという選択肢も認めるべきであるとして、事実上必置規制はなくなりました。

 ここまでしてきた議論を踏まえれば、やはりドクターを配置し続けるべきだと私は思います。こういう点で、保健所の医師体制をどうしていくのか、大臣に考えを伺いたいと思います。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

○舛添国務大臣 今委員が引用なさった地方分権のそういう提案に対しまして、私は、保健所長は医師であるべきであるということを明言し、その主張を今も続けております。

 そして、これは、まさに医師不足もこういうところに影響を与えているわけでありますから、私は、医師の数は不足している、したがって医師の数をふやすということを申し上げている。そうすると、ふやし過ぎると困るんじゃないかと。だけれども、例えば、医師が病院で診療だけではなくて、医師のやるべき仕事は公衆衛生という意味からたくさんあるんですね。

 ですから、まさにこういう発熱外来の相談センターを保健所に置くということになれば、ますます重要な命を守る拠点になります。そして、長野県が平均寿命、健康寿命が一番長いというのは、やはり地道な保健所の活動によるところもあると思います。したがって、まさにそういう点を考えて、保健所の機能の強化、そして医師の確保に全力を挙げてまいりたいと思います。

○高橋委員 ありがとうございます。ぜひ、その答弁のとおりに頑張っていただきたいと思います。

 昨日の参考人質疑の中で、やはり医師や専門家の体制の問題、あるいは医療の提供体制全体を引き上げなければならないという議論がされたわけですけれども、国立感染研の岡部参考人は、一たん動き出してしまったら、つまり流行がもう始まってしまったら、それは専門家が用意したシナリオに沿って多くの方が動き出すんだ、しかし今は準備の段階で、準備が求められている段階にこそ専門家が必要なんだということをおっしゃって、私はそのことが非常に大事なのではないか、さっきの検疫所の集約の話ではありませんが、準備の段階にこそ大事なんだということを重ねてお話ししたいと思います。

 その上で、深刻なシナリオをしっかりつくって体制を整えていくと同時に、やはり国民がパンデミックを必要以上に恐れ過ぎないということ、同時に、のんきに構えて何も動かないではこれも困るわけで、適切な広報が必要であろうと思われますけれども、その点での大臣の見解を伺いたいと思います。

○舛添国務大臣 私は若いころ、スイスという国で仕事をしていました。危機管理ということについては徹底した国で、シビルディフェンスという、民間防衛というパンフレットがこれは各家庭に置いてあります。それを見ると、例えば敵の軍事的攻撃が起きたときとか、いろいろな問題があるときにどう危機管理すればいいか。だから備蓄もいろいろなところでストックしているわけですね。それから病人をどう介護すればいいか、そういうことも克明に書いています。

 私は、やはりこれだけ自然災害の多い国でありますし、今度の新型インフルエンザについても、備蓄を含めて、やはり国民一人一人がきちんとやるべきことをやる、そして、国民のできない、政府がやらないといけないことは政府がきちっとやる、そういう意味での国民の皆さん方の御協力もぜひ賜りたいので、例えばそういう各家庭に配布するようなパンフレットをつくるとか、そういうことも含めて、広報体制に全力を挙げてまいりたいと思います。

○高橋委員 終わります。しっかりお願いします。

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