国会質問

質問日:2008年 11月 12日 第170国会 厚生労働委員会

保険証取り上げ

 日本共産党の高橋ちづ子議員は12日、衆院厚生労働委員会で、3万3,000人にのぼる子どもの無保険証問題を取り上げ、「お金のあるなしで子どもが医療を受けられないことがあってはならない」と述べ、子どものいる世帯を資格証の交付対象から除くよう求めました。

 舛添要一厚労相は「きめ細かい対応をしていく」と答弁。高橋氏が「(それなら)自治体が子どもには保険証をだすといった配慮をしているのに、口出しをするな」と迫ったのに対し、舛添厚労相は「法律の枠内で弾力的な運用を検討する」と約束しました。

 高橋氏は「子どもの医療費無料化ができていれば、解決する」として、子どもの医療費の無料化に際して病院窓口で医療費を払わなくてもいいよう現物給付をしている自治体に対して、国保の国庫負担金減額という制裁をするのは止めよ、と求めました。高橋氏は現物給付で、国庫負担金を減額されている市町村は1,374自治体、64億9,000万円と明らかにしました。

 舛添厚労相は「制裁ではない」としつつ、「何らかの前進を考えたい」と述べました。

 最後に、舛添厚労相は、政府が追加経済対策で来年度介護報酬の3%引き上げを打ち出したことについて、「目的は介護の現場で働く方々の処遇の改善。それに結びつくような施策をとりたい」と答えました。

(2008年11月13日(金)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 厚労省が、国保の資格証明書の交付世帯のうち子供のいる世帯について、十月三十日、初めての調査結果を発表しました。午前に桝屋委員も御紹介をされておりましたけれども、ちょっと立場が違います。滞納世帯数三百八十四万五千五百九十七世帯、交付世帯数三十三万七百四十二世帯、うち子供のいる世帯数は一万八千二百四十世帯で、三万二千九百三人という数字でございました。

 大臣にまず伺いたいのは、子供には責任のないことなのに、お金のあるなしで子供が医療を受けられないことはあってはならないと思いますが、その点についての大臣の見解を伺いたいと思います。子供を無保険にしないために資格証の交付対象から子供を外すなど、国としての対策を考えるべきと思いますが、いかがですか。

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

○舛添国務大臣 これは午前中にも議論をいたしましたけれども、悪質な滞納者ときちんと大変な生活の中から保険料を払っている方との公平性をどう維持するかという問題と、今おっしゃった、何の責任もない子供をどう救うかということの、両方の解決をしないといけないというふうに思っております。

 子供について、いろいろなさまざまな事情が家庭におありでしょう。そういう中で、直ちに資格証明書ということではなくて短期の保険証を渡す、そして、きめ細かく各自治体の窓口で相談をしていただいて、あるいは、そういう相談がなければ発見できないような家庭の事情とか、虐待の状況とかあるかもしれません。そういうことで、本当に困っている方々に対しては温かい手を差し伸べるという形での、自治体に対する指導を今後とも続けていきたいというふうに思っております。

 子供がいる滞納世帯について、やはり接触をしてきめ細かいことをやるということが大きな目的でありますので、そういう意味で、我々は今言ったような形での政策を行っているということを申し述べておきたいと思います。

○高橋委員 テレビでこの問題が特集されていましたときに、若い夫婦が出てきて、子供さんのぐあいが悪くなって病院に駆けつけたときに、やはり資格証だったがために治療を受けられなかったと。夫婦は、リストラされて今収入がないような状況になっているわけですね。それでも、自分たちはいいから、子供だけはちゃんと保険を適用してほしい、そう言っているわけですね。先ほど来、労働者のお話もずっと続いてきましたけれども、今現実に、若い夫婦だってリストラで不況の波にのまれて苦しんでいるわけですよね。

 そういう中で、子供がなぜ犠牲になるのか。それはきめ細かくといっても、しかし、そこに特別な、虐待とかそれはもちろん当然そんなことはあってはならない。でも、そういうところにだけ手当てをするのではなくて、基本的に子供がそこに巻き込まれてはならないのだ、そういう姿勢を設けるべきではないか。

 滞納世帯のうち、資格証交付世帯の割合が一・六%に対し、子供のいる世帯に対する交付割合は〇・九%と低いことを見れば、自治体がさまざまな配慮をしているということはうかがえます。

 資料に先ほど来お話があった通知をつけておきましたけれども、一枚めくっていただきますと、最後のところにこう書いてありますね。

 緊急的な対応としての短期被保険者証の発行

  世帯主が市町村の窓口において、子どもが医療を受ける必要が生じ、かつ、医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、保険料を納付することができない特別な事情に準ずる状況であると考えられること、資格証明書が納付相談の機会を確保することが目的であることにかんがみ、緊急的な対応として、その世帯に属する被保険者に対して、速やかな短期被保険者証の交付に努めること。

これは結局、ぐあいが悪くなってから市町村に駆け込んで、説明をしてわかってもらって短期証をもらって、それから病院に行くんです。それではとても手おくれなんですね。ここをしっかりと見てやらなければならない。その点、もう一度、どうですか。

○舛添国務大臣 緊急な事態のときにはそれなりの対応をきちんとするように、今のこの方策も含めてやっていく。例えば、それは救急車で担ぎ込まれてそういう冷たい扱いは、医療機関にしろ各自治体にしろ、しないようにきちんと指導していきたいと思っております。

○高橋委員 自治体の判断で子供には資格証を交付しない、そういう取り組みがかなりありますけれども、これに対して、少なくとも国は口出しをしないということを確認させてください。

○水田政府参考人 それにつきましては、まず法令にのっとって考えますと、やはり保険証というのは世帯ごとに出されるものでございます。保険料の支払いというのも世帯ごとに見るわけでございますので、まず申し上げたいのは、法令に従えば、子供だけに保険証を出すという取り扱いは、現在の法制下では難しいということでございます。

 ただ、一方で、こういう措置をすることの意味といたしましては、やはり世帯全体で市町村の窓口と接触する機会をできるだけ多くするという観点からも、こういった取り扱いは妥当なものであると考えております。

○高橋委員 そこは柔軟にやっていいということでよろしいんじゃないですか、大臣。

○舛添国務大臣 法律の枠内でどこまで弾力的な運用ができるか、そういうことを検討したいというふうに思っております。

○高橋委員 ありがとうございます。

 そこを、本当は、子供の医療費無料化制度を国の制度としてしっかりやっていければ、そもそもこういう問題は起きないのにな、そのことを、私、あえて指摘したい。もう少しここが前に進むようであってほしいなと思うんです。参議院では四回も請願が採択をされています。

 すべての自治体で何らかの助成制度をやっておりますけれども、確認をしますが、まず都道府県段階で最も多いのはどのあたりか。つまり、何歳のところで無料化をやっているのか。それから、市町村レベルでは、小学校まで、あるいは中学校卒業までなど無料化をやっている自治体も大変多いですけれども、それぞれどのくらいでしょうか。

○村木政府参考人 まず、都道府県でございます。委員御指摘のように、ちょうど就学前までを対象としている都道府県が一番多うございまして、通院で申し上げますと二十県、入院で申し上げますと三十四県、それ以上の年齢を含めますと、それぞれ二十二県と三十七県になるところでございます。

 それから、市町村でございますが、これは就学前までやっているところが、通院で九百三十一市町村、入院で千百二十九、さらにそれ以上の年齢のところを含めますと、千二百九十三と千五百八十七市町村になるところでございます。

 それから、中学校以上というところは少のうございまして、それ以上の年齢まで実施をしているところを含めまして、都道府県では、通院はゼロ、入院については一県。市町村で見ますと、通院については七十九市町村、入院については百七十市町村でございます。

○高橋委員 今、少のうございましてとおっしゃいましたけれども、百七十のところで、入院について既に中学校卒業までやっている、これ自体は非常に大きな意味があると思うんですね。

 問題は、自治体でせっかく無料化をやっているんだけれども、償還払いであると、窓口で結局現金を払わないとだめなわけなんですね。そうしないと後でお金が戻ってこない。幾ら無料であっても、一たんは払わなくちゃいけない。そうすると、もちろん、さっきの資格証の問題も同じことになってしまうわけですよ、せっかく無料化制度があっても。そこにやはりもっと踏み込んだらいいのではないかと思っているわけなんですね。

 まず聞きたいのは、窓口払いなしの現物給付をやっている自治体がどのくらいあるのか。そのために、国は、これは自治体がやっている制度なんですけれども、国保に対する負担分を減額するという形で、私たちはペナルティーと呼んでいますけれども、これをやっております。この減額は幾らですか。

○水田政府参考人 お答えいたします。

 地方単独事業によりまして医療費の窓口における無料化等を行っている場合には、行わない場合に比べまして一般的に医療費の増大が見られるということがございますので、それに応じて国庫負担がふえることになります。

 このため、制裁措置としてではなくて、限られた財源の中で国庫負担を公平に配分する観点から医療費の調整を行っているところでございます。

 平成十八年度におきまして、この乳幼児医療費の軽減措置を行いまして国庫負担額が調整された市町村数は千三百七十四でございまして、調整額は約六十四・九億円でございます。

○高橋委員 六十四億九千万円減額をされている。これは、国にとっては、申しわけないけれども、微々たるものではないか。自治体にとっては、これは非常に大きいわけなんです。せめてこれを除いてくれ、減額はしないでくれという声がございます。

 このことで大臣に伺いたいと思うんですね。千三百七十四もの市町村が、減額されても現物給付をやっている、この意味を受けとめていただきたい。

 大臣は、十一月四日の記者会見でこんなことをおっしゃっております。妊娠、その後の健診、そして出産に対して、貧しいからとか、今手元にお金がないからということであきらめるということがあってはいけません、若い夫婦が子供を持ちたいと思ったときに経済的理由でそれを断念するということは絶対あってはいけない、そういうことで、無料の妊婦健診を十四回でやりたいということをおっしゃって、その後に、次は出産一時金の改革であると。出産証明書等、さまざまな書類をそろえて後でそのお金を償還してもらうという形になっている、これを直接払いにすることによって、一度自分のポケットから三十五万円を出さないといけない状況は改善する、こうおっしゃっている。

 非常に大事な視点だと思うんです。私もこういうことを、乳幼児医療費でも同じじゃないかということを言い続けてきたんです。大臣、どうですか。

○舛添国務大臣 御質問の趣旨はよくわかります。

 だから、私は出産について、まさにポケットにお金がなくても妊娠、健診、出産できるという方策を今やろうとしておりますけれども、今の議論は、自治体と国との費用分担のあり方にかかわっているというふうに思いますが、そういう理解でよろしゅうございますれば、その後お答えしたいと思います。

○高橋委員 二つのことを聞いております。

 できれば現物給付が望ましいと大臣は思っているのではないかということが一つであります。

 国がそれに対して何もしないというのであっても、自治体は独自に現物給付をして、若い子育て世代を助けたいと思っている。そこに減額給付という形で国がやらなくてもいいのではないかということです。

○舛添国務大臣 減額給付については、国が何か地方自治体、医療費を部分的にしろ無料化しているところに対して制裁を加えるという意味でやっているのではございません。まずそのことをはっきりさせたいと思います。

 そして、当然のことながら、医療費を無料化した場合に受診の比率が上がり、そういう意味では、これは一般的な統計でございますけれども、統計をとりますと、医療費全体が上がっていく。そうすると、国庫負担分というのは、全体の自治体の、全部を見てやるわけですから、そういう意味で負担の調整をやるという、その調整のメカニズムがそこにあって減額措置ということをやっている、そういう仕組みでございますので、決してこれは制裁措置としてやっているのではない、調整のメカニズムであるというように御理解いただければと思います。

○高橋委員 大臣、前段に答えていただかなかったと思うんですよ。現物給付がいいか悪いかということをまず一つ伺いました。その御意見を一つ伺いたいということと、制裁を加えるという意味ではないとおっしゃいますけれども、自治体にとっては事実上の制裁に近いものになっている。だって、お金を減らされるわけですから。

 ただ、私は、この問題は二〇〇四年からずっとしゃべっているんですけれども、先ほど伺ったように、市町村が無料化の取り組みはかなりしている。かなりしていることと、現物給付に踏み込んだ自治体も、さっきあったように千三百七十四とかなりふえているわけですよ。

 当初は、やっているところとやっていないところの不公平感があるじゃないかと。つまり、やっているところにはより医療費が上がって国のお金が入っちゃうみたいなことを言われていたんだけれども、もうそうではないんだ、どこでもやっていることだと。そして、それをもっと長い目で見れば、それこそ特定健診じゃございませんけれども、早期発見、早期治療にもつながるよい結果が出るのではないか、そういうことも着目するときに来ているんだと思うんです。

 もう一言お願いします。

○舛添国務大臣 いわゆるこれは長瀬効果というようなものがどこまであるのかという議論にもつながると思いますので、確かに委員がおっしゃるような無料化によって早期発見、そして、それが最終的には医療費の膨張を抑えるという面もあろうかと思います。

 そういうことも全体的に検討した上で、しかし、地方と国の負担のあり方をどういう議論をするか。これはもう前から高橋委員が問題提起されていますので、私もこの問題をよく熟知して、何らかのさらなる、先に一歩進めないかというのは考えております。

 そして、現物給付云々についても、これはやはり実態をよく踏まえて、私が出産一時金のことを申し上げたのは、三十五万円という、東京だと五十万近くのものをやはり若い御夫婦がすぐそろえるというのは難しい、そういう意味で申し上げましたので、きちんとこれは状況を見た上で、しかるべき改善が図られれば努力はしたいと思います。

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

○高橋委員 乳幼児医療費はきょうはここまでにして、次に期待をしたいと思います。

 ちょっと話を戻しますけれども、資格証の問題で、先ほどの通知の一枚目のところに「悪質な滞納者については、従前どおり、滞納処分も含めた収納対策の厳正な実施に努めること。」というふうに書かれております。

 私たちの考え方は、それは悪質な滞納者という概念は実際にはあるだろう、それは否めないことだと思っております。だから、全部が全部、やるなというふうなことを言っているわけではないんです。もちろん、それは効果的なという意味ですよ。

 だけれども、言いたいのは、この調査で出た例えば三十三万何がしの世帯が一体全部悪質な滞納者なのだろうか。どれほど数字と現実は近いのだろうか。局長にまず伺います。

○水田政府参考人 今回の調査におきましては、そこまでの踏み込んだものはやっておりません。

 ただ、今回、まさに子供のいる世帯においてはより丁寧にそれぞれの世帯の状況を見るように、お金が、特別な事情の有無につきましてきめ細かく見るようにということを指導しておりまして、その指導状況、都道府県を通じてやるわけでありますが、その結果についてもフォローしたいと思っております。

○高橋委員 そこで、資料の3を見ていただきたいと思うんです。これは、宮城県の社会保障推進協議会が自治体に問い合わせをしまして資格証を発行されている世帯の所得の状況を調べたものをわかりやすくグラフに落としてみました。

 このA市、資格証が発行されている五十二世帯のうち、百万円以下が六七・三%でございます。これは、実は三十三万円以下という世帯も三十二世帯もあるんです。そういう数字であるということです。それから、B市は百万円未満が六四・六%。いずれも六割を超えようとしております。

 先般発表された、厚労省の平成十九年度国民生活基礎調査によると、最も多い所得分布は三百万から四百万、これが一三・二%で、百万未満というのは六・二%なわけですね。それと比べても、片や、全体は六・二%、こっちは六割を超えているわけですから、極端に多いのは歴然としていると思うんです。

 こうして見ていくと、少なくとも、担税力がありながら滞納しているとは言えない人が資格証の発行世帯にはかなりの部分含まれている、そういうふうに見る必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○水田政府参考人 ただいま委員がお示しになったこの資料の内容につきましては私ども承知をしておりませんので、コメントはいたしかねるところでございます。

 先ほどお話ありましたとおり、三十三万というような年間所得であれば、それは生活保護の対象になろうかと思います。そのあたりの取り扱いがどのようになっているのか、ちょっとわからない点がございますので、コメントは差し控えたいと思います。

○高橋委員 では、大臣に伺いたいと思うんですけれども、少なくとも、これはもっと厚労省自身がモデル的にも分析を深めるといいと思うんです。実際には、国の発想からして、三十三万で暮らしているはずがないじゃないかと言うかもしれませんけれども、現実に、数万の年金で暮らしているお年寄りがたくさんいらっしゃるということもあるわけですよね。

 だから、そういうことを踏まえて、まだまだ、悪質な滞納者と言えない方が機械的に資格証を発行されているのではないか、せめてその問題認識を持っていただけるだろうか、そのことだけであります。

○舛添国務大臣 今、高橋委員が御指摘になった問題についてもしっかりと認識をして、きめの細かい対応をとっていくという施策を続けていきたいと思います。

○高橋委員 ありがとうございます。

 残された時間で、少し介護保険の問題を伺いたいと思います。

 今回発表された生活対策の中で、介護報酬の三%アップということが提案をされているわけであります。聞くところによりますと、介護の従事者の賃金が、二万円の引き上げにつながるのではないかということも言われております。これは、四月に本委員会で介護の従事者の処遇の改善ということが随分議論されて、条文のない法律を全会一致で通しました。あの成果が一つあらわれたのではないかということを感じているわけですけれども、まず確認をしたいのは、三%が確実に介護従事者の賃金引き上げにつながるのかどうか。

○舛添国務大臣 これは、基本的に各事業者がどういう形で介護従業者の賃金を引き上げるかということになるわけでありますから、各地域の状況であるとか、企業の事業所ごとの経営実態、そういうものを調査した上でないといけないと思います。

 しかしながら、やはり目的は介護の現場で働く方々の処遇を改善するということのためにやっているわけですから、きちんとそれに結びつくように、この施策を総合的にとりたいと思っています。

 具体的には、二十一年四月の介護報酬改定において、給与水準の地域差を適切に反映するための仕組みとか、特に経営が苦しい小規模事業所への対応、それから、手厚い人員配置を行う事業者や有資格者を多く配置する事業者に対する評価も行う。それから、一つやはり経営モデルを作成して提示する。そして、実際に介護従事者の給与の改善が図られたかどうか事後検証も行う。そういうことで、雇用管理改善を行う事業主に対する支援を行う。そういう総合的な対策をやりながら、介護従事者の処遇の改善に確実に結びつくように、全面的に努力をやっていきたいと思っております。

○高橋委員 まずは処遇の改善に結びつくようにというお話でありましたので、この点では前進であるということで受けとめたいと思っております。

 同時に、各界からは、三%では足りないのだということが随分指摘をされているわけであります。四月の本委員会の質疑の中でも私が指摘をしたのは、二回にわたる介護報酬の引き下げ、〇三年の二・三%、〇六年の二・四%、この引き下げの影響で、やはり今の賃金の低水準ですとか離職者の大きさですとか、影響があるのではないかという指摘に対して、大臣自身が、二回にわたる引き下げということが影響している可能性は十分ある、こういう答弁をされたと思っております。その水準から見ると、まだ三%というのは若干小さいということがまずございます。

 それで、その上で、先ほどお話の中に若干あったかと思うんですけれども、処遇の改善のうち、配置をどうするのかということです。国が今まで言われている三対一でそのまま計算をするのであればうまくないよと。例えば、平成十六年の厚生労働省の統計でも既に、現実にやられている配置は二・三対一であると。限りなく二人に、二対一に近づいているというのが現場の声なわけです。それに、もし言われている二万円ということになれば、三・九から四%引き上げが必要ですよという指摘がございます。

 あるいは、日本医師会などは、公務員との格差というのはまだ四、五万あるんだぞと。それを見ると、まあ五%くらいは必要であると。いずれにしても、これが給付費分科会での検討によって決まると思うんですけれども、逆に、三%が前に出てしまったがためにその枠内になってしまっても困るわけですよね。

 ですから、そういう点で、打ちどめではなく、総合的に判断して上がることもあるのだということがどうかというのと、最初に聞いた配置の問題ですね、この点、どうでしょうか。

○宮島政府参考人 まず、介護報酬の改定率。今回、三・〇%ということでございますが、今、高橋委員の方から、過去二回の改定がマイナス二・三それから二・四ということで、合わせて四・七だというお話がありました。

 しかし、十八年の改定は、二・四のうちの一・九は入所者の食費、居住費を自己負担化したという部分が一・九なので、それを除くと全体の費用についてのマイナス改定幅は〇・五になっているので、実は、過去二回の改定率の合計はマイナス二・八ということですので、今回の三・〇はこれを上回っているということでございます。ありていに言えば、過去二回のマイナス改定分は今回ので取り戻しているということではないかというふうに思っております。

 その中で、この介護報酬の三%の引き上げを従事者の処遇の改善に結びつけていくということでございまして、ここについては介護給付費分科会の方で御議論いただいておりますが、今言われました、職員の手厚い配置をしているところの評価ですね、基準の三対一ではなくてもっと厚く配置しているところの評価も必要じゃないかというようなことについても、現在、議論がされておりまして、そういう手厚い配置ですとか有資格者を多く配置するとか、あるいは介護従事者の給料のアップに結びつくような諸方策、あわせて検討していきたいというふうに考えておるところでございます。

○高橋委員 手厚い配置への評価など、これらも大事だと思うんですけれども、問題は、介護保険の枠の中で、要するに、手厚くやろうとして、あるいはそこを評価しようとすれば保険料にはね返るという仕組みが非常に問題であるということがかねがね指摘されているわけですよね。

 今二次補正が、まだ出ておりませんが、今回は千二百億国費で手当てをするのだ、しかし、これは一回きりで、半分で、だんだん減っていきますよということであって、だから、それはやはりその枠組みを一たん立ち破らないと、うまくないんではないかという指摘が随分されているわけですよ。その考え方をどう見るのか。

 例えば、この間もずっといろいろな実態を紹介してきましたけれども、最近、私どもの仙台の共産党市議団が介護の事業所にずっと調査をした中で寄せられた声を聞きますと、本当に、報酬が上がらないために賃金が下げられて、質が低下しているということはみんながおっしゃる。その先が何と言っているかというと、私たちのホームもみんなベッドに寝かせきりとなり、食事と排せつ時のみ介護者が無言で巡回するということになるのではないかと不安になってしまう、こういう訴えとか、介護疲れによる殺人などがなくならない世の中だ、私たち介護サービス事業所は何のためにサービスを行っているのでしょうか、年をとったら生きていけない世の中なのでしょうかと。こういうふうに、単に経営が苦しいとか処遇が大変だというだけではなくて、介護の崩壊ということ全体に対しての危機感を言っている。

 そのことを考えれば、やはりこれは枠内だけではないのだということも一定メッセージが必要なのではないか。いかがでしょうか。

○田村委員長 もう既に時間が経過しておりますので、答弁を簡潔にお願いします。

○舛添国務大臣 はい。

 私たちの社会保障制度は、自助、共助、公助という三本柱で成っております。そういう中で、医療保険にしろ、介護保険にしろ、フィフティー・フィフティー、五〇%ずつでやっていくというのが今の仕組みであります。これを、例えば税金の方の比率を高め、保険料の比率を例えば四にして、税金は六にする、こういういろいろなことも今後は検討課題としてあり得るというふうに思っております。

○高橋委員 多分消費税の増税云々という話だと思いますが、そういうことにはならないようにということと、二千二百億円の福祉の切り捨て、削減計画は撤回をしてほしい。その上で、財源はもっと生み出す方法があるという議論をまた別な機会でやりたいと思います。

 終わります。

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