国会質問

質問日:2009年 4月 1日 第171国会 厚生労働委員会

一般質疑 母子加算問題、「たまゆら」火災事故問題

母子加算廃止10万世帯 “生活困難者に厳しい仕打ち”撤回迫る

 政府は四月一日にひとり親生活保護世帯を対象に支給される母子加算を全廃しましたが、廃止された世帯数が十万五百世帯になることが一日分かりました。日本共産党の高橋ちづ子議員の衆院厚生労働委員会での質問で明らかになったもの。高橋氏は、「これ以上生活を切り詰めることはできない、と頑張っている全国の母子世帯を打ちのめすものだ」と批判し、廃止撤回を求めました。

 生活保護の母子加算は、二〇〇四年には二万三千二百六十円(東京二十三区)ありましたが、段階的に減らされ四月一日からゼロになりました。

 高橋氏は、母子加算の代わりに支給するとしている「就労支援費」では、病気・障害や育児で働けない世帯には支援がなくなると指摘。厚生労働省の阿曽沼慎司社会援護局長は、その世帯数は約三万世帯にのぼると答えたため、「もっとも生活が困難になる人に一番厳しい仕打ちだ」と批判しました。

 高橋氏は、厚労省が廃止の根拠としている専門委員会の報告書(〇四年)でさえ「自立支援には、就労だけでなく日常生活や社会生活での自立支援も含むと述べている」ことを指摘し、加算廃止の撤回を迫りました。

 舛添要一厚労相は、「一般の母子家庭との公平性の観点」を持ち出して廃止を正当化しました。同時に、「大変気の毒なケースについては、細かい対応をする。さらになにができるか検討したい」と答弁しました。

(2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

特養問題 生保者の入所認めよ

 高橋ちづ子議員は一日の衆院厚生労働委員会で、十人が死亡した群馬県の高齢者入所施設「静養ホームたまゆら」の火災を取り上げ、厚労省に再発防止策の検討を求めました。

 高橋氏は、同施設が、未届けの有料老人ホームに該当し、二〇〇六年ごろには、近所の住民から関係自治体に通報があったにもかかわらず、立ち入り調査の権限がないなどとして対策がとられなかったことを指摘。「県と市、自治体部局間の横の連携が絶対に必要だ」とただしたのに対し、舛添要一厚労相は「おっしゃるとおり」と認めました。

 厚労省は、特別養護老人ホームのユニット型(全室個室)を一四年までに全ホームの七割にすること(現在は24%)を目指しています。高橋氏は、ユニット型に生活保護世帯は入居できるのかと質問。宮島俊彦老健局長は「入居できない」と答えました。

 高橋氏は、事件の背景には「生活保護、低所得者を締め出してきた厚労省の政策がある」と強調。ユニット型に生活保護者入所を認めること、ユニット型と多床を組み合わせるなど「柔軟な整備が必要だ」と要求。舛添厚労相は、「施設整備のあり方は、みんなで検討していきたい」と述べました。

(2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 生活保護の母子加算が、今年度、つまり今月から全廃されることになりました。平成十七年度から段階的に削減されてきたものであり、例えば母子加算一級地、十六年度は二万三千二百六十円だったものが、一万五千五百十円になり、昨年は七千七百五十円、そしてことしゼロとなります。これ以上生活を切り詰めるところはないのだと頑張っている全国の母子世帯を打ちのめす今回の削減は、きっぱりやめるべきだと思います。

 端的にお答えください。今回、削減の対象となる母子世帯は、これは母子世帯と呼んでいますが父子世帯も入っております、全部でどのくらいですか。

○阿曽沼政府参考人 お答えをいたします。

 平成二十一年四月から母子加算が廃止される世帯数は、約五万世帯でございます。

○高橋委員 今の五万世帯というのは、いただいた資料は、いろいろ高校の支援が入っていたりとか、そういうのを全部合わせて十万五百世帯になりますよね。間違いありませんね。

○阿曽沼政府参考人 全体で十万世帯ございまして、そのうち、今母子加算を受けておられる方が五万世帯ということでございます。

○高橋委員 出だしから小さく見えないように、十万五百世帯からスタートしているのだということをまず確認させていただきました。

 そこで、資料の一枚目、これはひな形ですけれども、「福祉事務所からのお知らせ」ということで、こういうお手紙が、既に四月ですので来ているはずであります。十五歳以下の子供を養育される母子世帯等の方へ、平成二十一年四月から母子加算はなくなりますと。これを見ただけで、もうかなりの衝撃を受けているかと思います。その下に、ただし、働いている方や市が策定した就労支援プログラムに参加するなど働くための訓練をしている方には、就労自立を支援するため、毎月五千円から一万円の給付金が支給されますと。その内訳は真ん中に書いてありまして、就労収入が三万円以上の場合が月額一万円、三万円未満の場合あるいは働くための訓練をしている場合が月額五千円となっております。

 そうすると、まず、それ以外の方、つまり就労阻害要因のある母子世帯がどのくらいあるのか、そして、この方たちは何もなくなると思いますが、生活が困難な方に一番厳しい仕打ちになるのではないか。この点いかがでしょうか。

○阿曽沼政府参考人 ちょっと今申し上げますけれども、平成二十年十一月末現在の調査によりますと、母子加算が廃止される約五万世帯のうちで、就労中あるいは職業訓練中の世帯は約一万世帯でございます。したがいまして、これらの世帯はひとり親世帯就労促進費五千円の支給対象になります。

 それから、就労阻害要因のない未就労世帯が約一万世帯ございます。こういう世帯に対しましては、就労支援プログラムを実施するということによりまして、ひとり親世帯就労促進費の対象となるように支援をしたいと思っております。

 したがいまして、御指摘のそれ以外の世帯ということでございますが、病気や障害などによって就労ができない、障害とか傷病がある世帯、あるいは、育児、介護その他で就労阻害要因のある世帯につきましては、トータルで約三万世帯残るということでございます。

○高橋委員 済みません、先ほど先に資料の二枚目を見てからお話をすればよかったと思うんですが、生活保護を受ける母子世帯等の自立に向けたステップアップ支援ということを厚労省が掲げておりまして、最初に、お話しされた一万人、この方たちが未就労の母子世帯ということで、就労支援を行って、いわゆる五千円ないしは一万円の対象にしたいということですね。ですから、今働いていない方は一たんゼロになるということがまず一つあると思います。

 それから、残りの三万世帯が、今お話があったように、就労ができない何らかの要因がある、障害や疾病のある方たちが結局何もなくなるのだ、ここが非常に大きな問題なんだと。一番大変な人が一番減らされて、もうこれは上がる見込みがないということ、なぜここまでするのかということなんです。

 厚労省が削減の根拠にしている平成十六年社会保障審議会福祉部会の生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書において、これがいわゆる自立、就労支援策を活用することにより労働市場への積極的な再参加を目指すということで、就労、自立、これを目指すために、そこをやる人たちには一定の手当を出すのだということが今回施策に盛り込まれたと思うんですね。

 ただ、この報告書には何と書いてあるか。ここで言う自立支援とは、社会福祉法の基本理念にある、利用者が心身ともに健やかに育成され、またはその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものを意味し、就労による経済的自立のための支援のみならず、それぞれの被保護者の能力やその抱える問題等に応じ、身体や精神の健康を回復、維持し、自分で自分の健康、生活管理を行うなどの日常生活自立支援や、社会的なつながりを回復、維持するなど社会生活自立支援をも含むとして、基本的視点に明記されているのではありませんか。

 就労だけが自立ではありません。就労自立にだけ加算して応援するのはおかしくはありませんか。

○阿曽沼政府参考人 社会保障審議会の生活保護制度の在り方に関する専門委員会におきましては、結論から言いますと、一律機械的な給付を見直し、世帯の自立に向けた給付に転換をすべきである、その際に支給要件とか支給金額を見直すということでございます。

 それで、先生から御指摘いただきました二ページの資料でございますが、確かに、現状において就労阻害要因のある母子世帯等ということで、障害とか傷病を持っていらっしゃる世帯については、右に書いてございますように、障害者加算とか医療扶助の給付をやります。その他の世帯で就労阻害要因があると言われるような世帯につきましては、その把握とそれに対するケースワークでの支援、例えば保育所とか介護サービスを使う、それから、子供の教育費等についてはそういう支給をすることで対応したいということでございます。

○高橋委員 そんなこと、今から新たにやるような言い方をしないでくださいよ。障害者加算とか医療扶助というのはもともとあるものなんですよ。あるもので対応してくださいということで、これから何か支援が新たにふえるわけではないのです。そこはごまかさないでいただきたい。

 母子加算がなく、就労で一万円になる、私はこれだけも別にいいとは思いません。とても十分でないのは言うまでもありません。そもそも、自立しろ自立しろと言うけれども、もともとは自立して働いてきた人がぎりぎりまで頑張って保護にたどり着いている、これが現実ではないかと思うんです。

 大臣にお答えいただきたいと思うんです。

 きょうも、同時進行で、母子加算の廃止に反対する集会が開かれました。その中でも寄せられた声、月収二十から二十三万あって、頑張って働いていたシングルマザーが、子供が学校に入り、さまざまな環境の変化があって、転職などもあり、うつになった。それで保護課に行くんですけれども、倒れたらすぐ保護しますからと言われる。なので、また頑張って働くわけですよね。だけれども、結局、体を壊し、心も壊し、子供は引きこもりになりと、そういういろいろなことになって、ようやっと保護にたどり着くわけです。だから、もともと自立していた人が、そういういろいろなハンディを抱えて今やっとたどり着くときに、自立しなければ加算を減らす、これは全然逆さまなことではないでしょうか。本当に今国民の実態が苦しくなっている、だからこそ、低い方にどんどん合わせていく負のスパイラルをきちっと断ち切る、そういう立場に大臣が立つべきではないか。

 今回の削減策、三十七億三千万円だということです。大きな経済対策というのも大事ですけれども、このささやかな額が命綱だと言っている方たちのために維持するべきではありませんか、大臣。

○舛添国務大臣 困っている人を全力を挙げて支えていく、あらゆる手段を使って支えていく、そのことは原則であります。

 ただ、なぜ母子加算の廃止という話になったかというと、生活保護の母子家庭と一般の母子家庭の消費水準を見たときに逆転してしまったということが前提にあって、公平性の観点ということからきたわけですから、それはそれで一つの配慮はしないといけないと思います。

 そして、就労支援、それから子供が高校生ならばそれの就学支援、医療や障害者の支援、そういうものを含めて全体的に支えていく必要があると思いますし、今おっしゃったような大変気の毒なケースについては、窓口の市町村を含めて、きめの細かい対応をしていきたいと思いますし、さらに何かできるかということについては検討させていただきたいと思います。

○高橋委員 一般世帯との所得の問題については、生活保護基準の引き下げの問題でもやはり問題になったわけです。だけれども、そのときは、やはり一般世帯の方に区分をされているシングルマザーの方たちが、本当に切り詰めて頑張っている自分たちがそれでやっていけているんだから生活保護も切り下げましょう、そんなふうに利用されるのは我慢ができないと逆に怒っているわけです。なぜかというと、これが最低基準だということを国が認めるわけですから、そこに合わせてすべての制度が、いわゆるさまざまな減免制度なども引き下がってしまう、そういう問題なのだということで、皆さんが反対に立ち上がっている。まして、その基準を求めた検討会の中でも、先ほど言ったように、就労だけが自立ではないと言っているわけです。

 そうした点から、やはり今、いろいろな要因があって、頑張ってきたけれども働けない人たちが一番困るような廃止ということはやるべきでない。そして、今大臣、検討されると言いましたから、復活も含めて検討されることを重ねてお願いしたいと思います。

 次に参ります。

 先ほど来話題になっております群馬県渋川市の静養ホーム「たまゆら」で起きた火災事件に関連して伺いたいと思います。

 まずは、お亡くなりになられた十名の方々に、心から御冥福をお祈りしたいと思います。

 助かった方たちも、同じ法人が経営しているところですけれども、御近所の一軒家に皆さんおいででいますので、今後の対応方よろしくお願いしたいと思います。

 今週の日曜、月曜と現地に行ってまいりました。本館、別館、別館二というように建て増しを繰り返し、建築確認も行わない。消防から、渡り廊下があるから防火設備をと指摘されると、廊下をカットしてしまう。このような法抜け行為を次々と行っていました。また、一部を別法人に売却し、有料老人ホームの看板が立っておりました。両隣、片っ方は全くの民家でありますけれども、ほとんど損傷がなかったのが奇跡のように思いました。

 亡くなられた方は五十五歳から八十五歳、うち六名が墨田区の被保護者であります。また、二十四日には、県が前橋市にある同法人の施設「花みずきたまゆら」を現地調査しております。ここでも、墨田区から四名の方がいらっしゃいました。しかし、全体で見ると、墨田区だけではなく、文京区、あるいは横浜、群馬県内の他市からの入所者もいらっしゃいます。

 都会の都合で生活保護受給者を地方に集めていることや未届け施設であることなどの指摘がこの間されてきたところでありますけれども、大臣は、こうした痛ましい事故が防げなかった要因についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○舛添国務大臣 一つは、群馬県がもっと頻繁に立ち入りをするというようなことで適当な指導をやっておけばなと。あれはたしか、火災が起こったのは十九日ですから、二十三日にはこれをちゃんと指導する予定だった、そしてこの四月一日からスプリンクラーの設置を含めて新しい制度ができましたので、本当にわずかのことでこういうことになったのは残念で仕方がありません。

 それから、生活保護者が墨田区から受給しているわけですから、やはりこれは、入所後少なくとも年に二回ぐらいきちんと、どういう状況になっているか、施設を訪問して実態を確認すべきなので、そういうことがやられていなかったということ。

 今申し上げたように、指導の徹底ということと、最低年二回ぐらいの巡回をして、訪問して調べなさいということを徹底的に指導して、二度とこういう悲しい事故が起こらないようにしたいというふうに思っております。

○高橋委員 何かそういうことだけでお話しされるとは正直思っていなかったので、ちょっとどうかなと思いました。

 特に、群馬県がもっと頻繁にとおっしゃいましたけれども、厚労省がこの「たまゆら」は有料老人ホームであると認定をされたのは、先ほど柚木委員の指摘にもございましたように、未届けの有料老人ホームに該当し得る施設五百七十九件という発表をした昨日であります。それまでは、有料老人ホームに該当するかどうかはわからないと厚労省自身も言っていたわけですから、県が頻繁に立ち入りできる権限はなかったわけです。今回、運営状況確認票というものを施設に送り、二度三度と追及する中で、ようやっと確認票が出てきた。そこには非常につじつまの合わないことがある。そういう中で、任意の調査に踏み切るというのがやっと三月二十三日の実態であった。こうしたことをやはり踏まえる必要があるのではないかと思います。

 そこで、例えば、平成十八年の四月から、老人福祉法の改正で、有料老人ホームの要件を緩和したわけですよね。その前後に、重要な情報が幾つか寄せられておりました。

 例えば、私、手元に持ってありますけれども、「違法NPO施設「たまゆら」について! 関係自治体への警告!」というものを送った方が御近所にいらっしゃいます。八月三十一日付。この方は御近所なので、収容者のお一方、八十歳の方が散歩に出た途中倒れて、救急車を呼んだんですね。だけれども、「たまゆら」に電話をしても来てくれない。そこで、直接行ってみたら、食事当番がたった一人いるだけで適切な処置がとれなかった、そういうことを指摘しているわけです。この通報は、墨田区、江戸川区、江東区など、関係あるだろうと思われる区に通報したとおっしゃっています。

 また、渋川市というところは合併しているんですね。二月にしていまして、市が届け出の必要な施設ではないかと県に照会したと言っております。また、七月には、県は、生活保護者を集めた居住施設があるよ、そういう情報を得て、これがまた所管が違っていまして、NPO・ボランティア課というのがある、そこにどうなっていますかということを求めている。結局、県施設の運用改善を提案しているNPO法人があるんですが、そこの岸さんという方が、市にも県にも十分な介助がされていないよということを通報していた。

 こういう重要な情報が住民の方や法人の方から寄せられていた。いろいろなことを言ったり見たりしているわけですよ。だけれども、それは結局、有効な手だてにならなかった。市に言うと、権限がないと言ったり、あるいは、所管でないからわからない、そういうことがあるわけですよね。そうすると、情報の共有、県と市、あるいは同じ県、市の中でも課がいろいろ違う、そういう横の連携が絶対必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 横も縦も含めて厚生労働省と自治体との連携が必要だということは、それはもう委員のおっしゃるとおりであります。

 ただ、医療や介護の現場は、基本的にはその現場である自治体にしっかりしてもらわないといけない。我々は、指導し、通達を出し、やりますけれども、これは全部厚生労働省が入ってやれといったら、あと何千人、何万人、人員をふやしてもらわないといけなくなっちゃいますから、我々もきちんと連携をとってやりますけれども、ぜひ自治体の皆さん方にも、現場ですから、しっかりとやっていただきたいし、そのために必要な指導を行いたいと思っております。

○高橋委員 自治体にしっかりやってもらうためには、その権限を与えなければなりません。

 平成十九年三月二十日、老健局通知で「有料老人ホームの届出促進等に関する総合的な取り組みの徹底について」、この中で「対象施設の把握推進に当たっては市区町村の協力も不可欠である。」と。平成十九年ですから、二年前に明記をされているわけです。でも、現実には全然やられていないわけです。

 だから、例えば県が立入調査をやるとしても、市に同行してもらう、市が一番身近で情報をよくわかっている、だったら、市が一定の権限を持つとか、そういうこともやったらいいんじゃないでしょうか。消防でも、消防の立場で査察もしております。あるいは、本来なら建築確認がやられているべきだった、そういう部局の問題もある。あるいは、虐待防止法ということもございます。

 そういう点で、市がそこで遠慮するわけではないのだということは明確にする必要がある。二年前に既に通告しているわけですから、そうした立場に立つべきだということで、もう一度お願いします。

○舛添国務大臣 厚生労働省の指導通達、これをきちんと実行していただくように、各自治体にさらに徹底をしたいと思いますし、都道府県の知事と私との定期協議の場もありますので、そういう場を使いましてこれは徹底したいと思います。

○高橋委員 そこで大臣、今度、補正予算で、介護職の賃上げ、あるいは施設整備を含め一兆円投入だということが報道されています。それで、大臣は、先ほど来の議論でも、施設が不足しているのでふやしたい、交付金を活用したいということを述べておられます。

 そこで、一体どのようなところに、施設にも種類がたくさんございますし、整備費はこの間交付金化されて、都道府県の補助はないわけであります。自治体の財政難とか、法人はやはり介護報酬との絡みで何がもうかるかということを考えざるを得ない側面がございます。どこに支援をするつもりですか。

○舛添国務大臣 例えば、ふえ続ける介護の必要な御老人の方々をどこでどういうふうに見るか。在宅というのが一つの手であるし、施設介護でも、大規模なものがいいのか、グループホームのような小規模なものがいいのか、いろいろな意見があると思います。

 そしてまた、それぞれの施設に対してのどこに支援をしてもらうのが一番いいのか。ただ、よく言われるように、その数をそのままうのみにするわけじゃありませんが、特養の待機者が三十八万五千人ということもあります。ですから、今回の悲劇のようなことが起こらないためには、施設も含めて介護のキャパシティーを相当高める必要があると思いますので、具体的にどこにどうするかというのは、今与党の方でも検討を進めていただいていますので、そういう議論を踏まえた上で、さらに検討を進め、財源的な措置もできればやりたいと思います。

○高橋委員 そこで、今回の悲劇が起きないようにということで、やはりそういう方たちの受け皿として施設がなかなかなくなってきたことがまた一つ問題があるのではないかということで、幾つか伺ってみたいと思うんです。

 資料の三枚目にありますけれども、これは総務省の介護保険事業等に関する行政評価・監視、昨年の九月に出されました。高専賃の登録件数の推移ということで、平成十八年三月末では九十八件、それが二十年の三月末には七百八十三件と、八倍にもなっているわけです。そのうち、介護のサービスを提供しているのが三十三件から二百三十七件と、七倍にもなっております。

 総務省が指摘をしているのは、高専賃というのは国交省の所管でありますけれども、住まいであるというところに重きがあるものですから、二十五平米以上で、トイレ、洗面、前払い家賃の保全措置など要件を備えていれば、有料老人ホームとしての規制が適用されないのだと。そうすると、介護などのサービスを提供しながら、有料老人ホームとしての規制が適用されていない、高専賃に対して行政の関与が薄いのではないかという指摘をしております。

 ですから、厚労省としては、ここはやはりきちんと規制ができるようにするべきではないかと思うんです。一方で、今回の事件があって、ああ、未届けだったねという話になって、有料老人ホームの届け出や規制が強まれば、では高専賃を名乗ってまた規制を逃れるというふうなことになっては困るわけです。そういう点で、いかがでしょうか。

○宮島政府参考人 お答えいたします。

 必要な住戸面積が確保されているなど一定の要件を満たす高専賃、これは確かに有料老人ホームの定義から除外されています。

 総務省からは、このような規制の対象とならないものについて、都道府県の指導監督権限の強化を図るべきという指摘を受けております。

 それで、今国会に、国土交通省と厚労省の共管で、国土交通委員会の方に、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律案を提出しておりますが、この中で、高専賃について、登録基準の設定や指導監督の強化に係る規定も盛り込まれております。

 さらに、規制の内容、実態を踏まえ、高専賃に対する老人福祉法上の取り扱いをどうするかというのが今後の検討課題というふうに思っております。

○高橋委員 今、法案に、今国会、所管が違うわけですけれども、非常に密接な関係があります。そこの中に指導監督、規制を強める検討がされるというお話でしたけれども、その説明を受けたんです。だけれども、介護に着目をした監督とは必ずしも法案からは読み取れないわけです。

 そういう立場で厚労省がやはり国交省と整合性をとらなければだめだ、そういう立場でよろしいですか。

○宮島政府参考人 厚生労働省としては、国交省との連携はもちろんでございますが、今の御指摘の点を踏まえまして、老人福祉法上どういうふうな取り扱いをするかという検討をしてまいりたいと思います。

○高橋委員 そこで、資料の四枚目を見ていただきたいと思います。

 介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホームは、平成十五年の五千八十四カ所から五千八百九十二カ所にふえておりますが、そのうちユニット型が七十五カ所から千四百三十九カ所にもなり、割合で二四・四%になっています。ですから、予算措置も、言ってみれば、ユニット型しかつくっちゃだめよということがあり、急激に伸びてきたし、割合も高まってきたのは当然のことなわけです。

 厚労省は、平成二十六年度までに、特養のうち、ユニット型を七割、介護三施設で五割を目指すとしています。しかし、ユニット型では生活保護受給者が入れないではありませんか。

○宮島政府参考人 今の御指摘のとおり、生活保護受給者は、ユニット型ということで、介護補助の対象にならないということでございます。

 ユニット型については、今は二割程度ですが、将来七割ということを目指して、今後の施設のあり方を考えていくと、一つは、痴呆性老人の方の介護をどうやっていくかという問題があるということ、それから、今の団塊の世代が高齢化していったときに、どういうような居住空間というかそういうものを希望するかというようなことを踏まえまして、このユニットを進めていくということで考えているところでございます。

○高橋委員 大臣、どうですか。先ほど来お話ししているのは、この不幸な事件を繰り返さないように施設をふやしたいとおっしゃっています。だけれども、生活保護世帯が、結局行くところがなくて、あのような施設に行って、今回のような事件が起きた。だけれども、厚労省の方針としてユニット型にするんだと言っている。生活保護世帯は入れない、そういうところばかりふやしてどうするんですか。

 私は、ユニット型が悪いと言っているのではありません。しかし、これだけでは、結局入れない人が出てくるということなんです。政策的に生活保護世帯、低所得者を締め出してきた、現実にそういうことになります。

 ですから、ユニット型にも入所を認める。あるいは、多床室がよいのだ、ひとりぼっちはむしろ寂しいという声も現実にあります。柔軟に多床室とユニット型を組み合わせる、こういうことがあってもよいのではありませんか。一言お願いします。

○舛添国務大臣 どちらがいいかというのは、今委員おっしゃったように、一人だと寂しいという声もあります。ただ、やはりいろいろな意味で、特に認知症の場合は一人であった方がいいなと私も思う場合もありますし、そこはいろいろ御議論しないといけないと思いますし、本当に困った人たちにさまざまなサービスをどういう形で提供するか、これは大きな課題だと思いますので、そういうことも含めて、施設整備のあり方は皆で検討していきたいと思います。

○高橋委員 これではまた法の抜け穴ができてしまいますから、この点はしっかりと検討していただきたい、改善していただきたいと訴えて、終わります。

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