国会質問

質問日:2010年 4月 14日 第174国会 厚生労働委員会

健保法改正案質疑・採決

 日本共産党の高橋ちづ子議員は14日、衆院厚生労働委員会で国民健康保険法等改定案の質疑に立ち、医療費抑制政策の転換を迫りました。長妻昭厚労相は、後期高齢者医療制度が医療費抑制を推し進める制度であることに「懸念」を表明しましたが、新制度ができるまで継続する姿勢は崩しませんでした。

 高橋氏は、一昨年11月の同医療制度廃止法案の審議で、民主党の提案者らが「医療抑制ありきが問題」と指摘していたことを挙げました。

 長妻厚労相は「いまも懸念はある。新しい制度はマニフェストで後期高齢者医療制度を4年以内に廃止するとしており、その工程表で検討している」と答弁しました。

 高橋氏は「懸念があるなら、(医療費抑制を進める)高齢者の医療費適正化計画を法律から削除せよ」と迫りました。長妻厚労相は来年の国会に新制度を提案するとした上で「その部分は検討ということになる」と述べる一方、高齢者を狙い撃ちにはしないと答えました。

 高橋氏はさらに、医療費抑制のために他の都道府県と異なる診療報酬を協議できるようになっている問題について「地域格差が広がり、皆保険を崩す。やめるべきだ」と追及。足立信也厚労政務官は「報酬単価の切り下げは政府として想定していない」と答えました。

(2010年4月15日(木)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 おはようございます。日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょう、初めてトップバッターを務めますので、よろしくお願いをいたします。

 一昨年の十一月十九日の本委員会における後期高齢者医療制度廃止法案、あの質疑の会議録を改めて読み直しました。衆議院でこの法案が審議をされたのはたった一回であり、残念ながら、昨年の解散・総選挙で廃案になりました。しかし、当時、長妻大臣も山井政務官も激しく政府を追及し、直ちに廃止を求めておりました。

 今さら一々、このときこう言ったじゃないかということは申しませんけれども、余りにも変わり過ぎたのではないかと残念でなりません。本当に廃止するつもりがあるのだろうか、いや、もともと廃止するつもりはなかったのではないかと、この間の議論は疑問を持たざるを得ません。

 あるいは、このときの議論が一回で終わってしまった原因は、廃止後の制度設計についてまでは提出した各党がすり合わせをしていたわけではなかった。まず一たん戻そうということが目的であったわけですけれども、議論がそこに入ってしまい、民主党さんはみずからの案を盛んにお話しされました。都道府県単位で一元化というような、新しい制度をつくりたいということが主張されて、聞いていると、当時の舛添大臣の私案とどこが違うのかなということもわからなくなりました。これでは、昨年あれほど後期高齢者医療制度廃止に期待を託した有権者の思いにどうこたえるつもりなのか、やはり納得がいかないわけであります。

 そこで、まず最初に大臣にお聞きしたいと思うんですが、一昨年、私ども野党四党が提案した後期高齢者医療制度廃止法案は、参議院で可決をされました。その当時、民主党の提出者などは繰り返し医療費抑制ありきが問題なんだという指摘をしておりました。私も同じ認識でありますが、大臣は今も同じ認識であるということでよろしいでしょうか。

○長妻国務大臣 私は、今もそういう懸念があるという認識でございます。

 そして、この後期高齢者医療制度にかわる新しい制度ということでございますけれども、先ほどもお話ございましたが、我々は選挙前のマニフェストでも、四年以内に後期高齢者医療制度を廃止するというのを工程表の中で明記しているところでございまして、そのマニフェストの工程表に従って今検討を進めているということであります。

○高橋(千)委員 懸念があるという表現はなかなか微妙であって、医療費抑制ありきと言い切れるのかどうかというところが、ちょっとやはり含んでいるのかなという気がするんですけれども。

 しかし、医療費抑制の懸念があるということでありますので、その当時非常に問題になった、また提出者の方も繰り返しお話しされたのが、医療費適正化計画の問題でございました。高齢者の医療の確保に関する法律の第一条「目的」、高齢者の心身の特性に合わせ、適切な医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進するための計画を設けるべきである、こういう一項があったわけですが、この部分を削除する、ここがやはり政府の姿勢を示すことになるかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○長妻国務大臣 新しい医療制度は、来年国会に法律を提出するというスケジュールで進んでおりますので、今おっしゃられた点も検討事項になっております。

○高橋(千)委員 検討とおっしゃいましたけれども、制度の細かい設計というのはこれから法案を出すに当たって皆さんいろいろ詰めていくところがあるんでしょうけれども、これは基本の思想の問題でありますから、医療費適正化計画が少なくとも高齢者の医療の確保ということで、医療費抑制が目的なのだということはきっぱり取るのだということが宣言されてもよろしいのではないか、これは思想の問題ですから。いかがですか。

○長妻国務大臣 私も、必要な医療をあえて抑制する、これはあってはならないことだというふうに思います。

 医療費の適正化という言葉がいい悪いは別にいたしまして、今私が申し上げた発想でありますが、例えば、健康診断を充実して、そして健康になっていただく。健康のまま生涯過ごしていただく方がふえれば、結果として医療費の抑制になる。こういうような健康でお過ごしいただくための努力をしていく、こういうような発想は重要でもありますし、そして、レセプトの点検等でもございますけれども、だれが考えてもこれは必要以上に過剰な医療である、こういうものも見直すということは必要でございますけれども、冒頭申し上げましたように、必要な医療が削られるというようなことはあってはならないということであります。

○高橋(千)委員 今大臣がおっしゃった二点は、当然のことだと思うんです。健診を充実させて、早期発見、早期予防といいましょうか、医療費適正化に結びつくというのは当然のことであります。

 また、無駄な医療がないのかということは、それは点検も必要なことかと思うんですね。例えば、様子を見ましょうといって一月分のお薬を渡されるとか、そうした過剰な投薬ですとか、さまざまな指摘はあったと思うんです。

 ただ、これは、いずれにしても、高齢者に限った問題ではない。医療費適正化に対して、絶えずそういう目を持ち計画を組んでいくことは、ある意味必要なことかもしれないけれども、高齢者に限ってやるべきではない。これはどうですか、一致できますね。

○長妻国務大臣 高齢者だけにやるということではないと思います。

○高橋(千)委員 私が確認したかったのはそこなわけです。結局これは、高齢者の医療の確保に関する法律、この中で論じられていることなので、違うのではないかということが言いたかったわけです。

 その具体的な中身について、資料の一に、これは厚労省が一目でわかるようにつくってくださった資料でございます。高齢者の医療の確保に関する法律第八条第一項の規定に基づき定める医療費適正化計画の中身に対する告示、その目標を示したものであります。

 例えば、医療費の動向、これはまず現状認識の部分ですけれども、年間三十三兆円で三分の一が老人医療費だ。年間約一兆円の伸びである。あるいは、平均在院日数と一人当たり老人医療費との相関性は高いということで、やはりこの計画が、高齢者の問題と医療費のいわゆる抑制の課題というのがリンクしているということがここの表現だけでもわかるのではないかと思います。当時、メタボ対策で二兆円、在院日数の短縮やベッド数の削減で二兆円、計四兆円の医療費を削減するということがうたわれていたのではないかなと思っています。

 例えば、〇三年の九月十一日に、老人医療費の伸びを適正化するための指針がやはり厚労省告示で出されております。そのときに、これはもっとわかりやすく目的を書いておりまして、「老人医療費は、高齢者人口の伸びを上回って伸びており、国民医療費の四割に達しようとしている。」「高齢者の受診率は極めて高く、一人当たり老人医療費は、老人医療受給対象者以外の者の一人当たり医療費の約五倍となっている。」と指摘をして、具体的に何をやるかということで、健診、指導、介護予防、リハビリ、在宅ケア、療養病床転換などがさまざま記されているわけです。

 これらのことが、考えてみれば、この間の法改正でさまざま具体化をされてきたのだなと思いますし、この適正化計画に盛られている特定健診の問題ですとか、療養病床の再編成ですとか、こういう形で具体化されているんだなというふうに思うわけです。

 ただ、〇三年当時四割だった老人医療費の割合、現在三分の一ということですけれども、ここ十年くらいで老人医療費はほとんどふえておりません。これはもう当然御存じのことだと思います。また、一人当たり七十五万円以上あった老人医療費も、〇八年でいいますと七十一万強ということで、着実に一人当たりで見ても減っているわけですよね。ですから、老人医療費が物すごくふえていくという前提すらも変わってきていると言えるのではないかと思います。

 そうしたことを踏まえまして、〇八年からの五カ年計画で、ことしがちょうど中間年に当たります。適正化計画を進めるというのであれば、この中間年に当たって、評価などさまざまなことをやると思いますが、どのようにするのでしょうか。

○足立大臣政務官 お答えいたします。

 委員が御指摘の、老人医療費はそれほど伸びていないのではないかという指摘は、当を得ていると思います。この十年、介護保険導入以降は約十一兆円を前後しているような状況で、高齢者人口の増加を考えると、一人当たりの医療費はやはり減少傾向にあって、老人一人、そして若人一人のその差は非常に狭まっているというふうな認識は持っております。

 そんな中で、中間年度で見直しをするか。今、委員の資料をもとにお答えいたしますと、委員も御指摘のように、特定健診それから保健指導について、この賛否は別といたしまして、これによってがん検診等ができなくなったというような賛否は別にいたしまして、それは是正しましたから、メタボリックシンドロームの予防ということについては私は重要なことだと思いますし、それから、平均在院日数についてはかなり縮小、減少されてきまして、大きな病院等はもうほぼ限界に近いところまで来ているという認識もあります。ただ、一部はまだ長いということもありますので、国の計画そして都道府県の計画を立てる、この点はいいんだろうと思います。それから、療養病床の病床数については、これは機械的な削減計画というのは凍結いたします。ということも含めて、中間年でありますから、必要な見直しは実施いたします。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。具体的な目標に対しての一定の検討過程を今お話ししてくださったと思います。具体的でありがとうございました。

 そこで、〇六年の改正時も反対が多かったし、私自身も指摘をしているわけですけれども、高齢者の医療の確保に関する法律第百二十条第二項、特定健診などの実施及びその成果に係る目標の達成状況を勘案して、後期高齢者医療制度への支援金、この調整率を、プラスマイナスで一〇%の幅でつけるということが決められました。もともと制度の違う支援金を、ペナルティー、政府に言わせればインセンティブというわけですけれども、これは絶対やめるべきである、筋も悪いということが言えると思うんですね。

 今、幾つかお話があったわけですけれども、例えば、特定健診の実施率七〇%以上とあるわけですけれども、その参酌標準との差で、どのくらい達成できなければ一〇%まで減額されちゃうのかという、一つの指標をどうするのかですよね。例えばメタボ該当者とその予備軍の割合、そのメタボ自体の指標が問題ではないかということが今既に言われているわけですけれども、そういう出てきた数値と減額との関連ですよね。これはまだ詳細が明らかにされていませんけれども、どのように考えているのか。そもそも、後期高齢者医療制度は廃止すると言っているんですから、やらないと言ってくれれば一番いいわけですけれども、どのように考えていますか。

○足立大臣政務官 どうなるのかという点と、どう考えているのかという二点だったと思います。

 これはどうなるのかにつきましては、もともとの、議員はペナルティーとおっしゃいましたけれども、この参酌のところは二十五年度からの実施になっておったので、今、そのもともとである後期高齢者医療制度はそれまでに廃止をして新しい制度に二十五から移行するということも考えると、どうなるのかということについては、その点については、二十五年からの施行はないということですね。

 それで、どのように考えているのかということも御質問があったわけですけれども、私は、全体的な標準といいますか、これくらいは健診をちゃんとやってほしいんだということの中でそれができていないところについては、国の計画も必要ですし、やはり都道府県レベルの計画でしっかりそこのところはやっていただくようなことを、市町村だけではなく、もっと広域連合そして都道府県の関与を強くして、しっかりやってもらいたいという形の整理になるんだろうと思っております。

○高橋(千)委員 まず、平成二十五年からはないということが確認をされました。今の、しっかりやってもらいたいというのは、形が違うけれども何らかの、私たちでいうとペナルティー、皆さんでいうとインセンティブのようなものを、これは検討の余地はあるということでよろしいですかね。

○足立大臣政務官 期待した答弁ではないかもしれませんが、これはまさに、今検討しております新しい制度の中の検討項目の一つでございますので、しっかりその点は考えていきたいと思っております。

○高橋(千)委員 最初に私が、医療費適正化計画を高齢者の中に位置づけたことをやはりやめてほしいということをお話ししたわけですけれども、結局、廃止といいながら個々の検討項目が残るということに対して、今、懸念を幾つか述べさせていただいたということであります。これはやはりきっぱりとやめていただきたい。検討の中にあるということでしたけれども、やめていただきたいということを重ねて指摘をしたいと思うんです。

 それで、先ほど健診の問題がございましたけれども、目標は実施率七〇%以上ということですが、資料の二枚目に、今、保険者ごとの実施状況ということをまとめたものをつけておきました。市町村国保は二八・三%であります。健保組合でさえも五九・八%にとどまっております。これは、被保険者は七五%、被扶養者は三二・五%ということで、そこがやはりトータルすると厳しくなるということになると思うんですけれども、これで見ると、達成したところは一つもないというのがはっきりしていると思うんです。

 私は、〇六年の審議の際に、被用者保険の被扶養者についても、結局、今回義務化されたことによって受診率がカバーできるだろうかということを指摘しています。実数で、国保課が積み上げた数字でいきますと、これは下手すれば一割くらいしかカバーできないんじゃないのかという指摘をしたわけです。これで見ますと、協会けんぽの被扶養者が一一・二%というところから見ても、当たらずとも遠からずの指摘ではあったのかと思うわけです。

 当時、厚労省は、国民生活基礎調査では四七・九%という実績がございますと。つまり、市町村が行っている健診で受けてもらっているし、そのようにするんだということを言っていたはずです。しかし、それでもこの全体、三割台は低過ぎると思うんですね。保険者が市町村などと契約を結んでやっていく、その複雑な制度設計がこうした実態につながっているのではないでしょうか。

 健診率については、上げたいというのは先ほど来おっしゃっているんでしょうから、これは二年半で飛躍的に改善するとは思えません。どのように取り組むでしょうか。済みません、通告していないけれども、ぜひお願いします。

○長妻国務大臣 この健診率を上げるというのは、我々も、例えばがんの検診などでは検診率五〇%という数値目標を掲げておりますが、すべての健診について数値目標を掲げているわけではありません。

 これについては、今お配りしていただいたもので見ますと、被扶養者の方々が被保険者に比べてかなり低いということもございますので、そういう方々にどういう周知をするのかということも一つの課題だというふうに考えておりますので、これまで以上に、被扶養者の方向けの広報体制やあるいは周知の仕方についても、保険者とともに御相談をして、国としてどういう支援が必要なのかということも検討していきたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 もともと指摘してきたことが現実になる中で、ペナルティーだけが起こっていくということはやはりできないことですので、やはりこれは制度的な問題、課題でもあったということで、今周知徹底ということでお話をされましたけれども、具体的な取り組みをぜひお願いしたいと思います。

 次に、同様な件ですけれども、同じ、高齢者の医療の確保に関する法律の第十三条で、「都道府県は、」と、目標の達成のために必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、診療報酬に関する意見を提出できるというふうに書いてある。また、第十四条では、今度は主語が「厚生労働大臣は、」となっていて、医療費適正化のために必要があると認めるときは、地域の実情を踏まえつつ、他の都道府県と異なる診療報酬について協議することとなっています。つまり、都道府県ごとの診療報酬が変わってもよいのだという趣旨が盛り込まれたわけであります。

 これについては、〇八年十一月の、先ほどお話しした廃止法案の審議をしたこの委員会で、提出者の一人である国民新党の自見庄三郎参議院議員は、五年たって、都道府県で医療費がオーバーした場合は、診療報酬を都道府県に限って下げていい、制限医療をすることと、非常に端的に説明をされております。

 実は、地域によって報酬単価が違うというのは、既に介護保険ではやられていることなわけですよね。地域格差を広げるから撤廃してほしいという現場の要望も強いわけであります。これについても、五年後考えるというだけではなくて、都道府県ごとに診療報酬を変えるということは、皆保険である根幹にかかわる問題でもありますので、やはりやめるということをきっぱり言ってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。

○足立大臣政務官 今の御質問は、診療単価を変える、あるいは下げるということについてはと、かなり限定的なことだったと思うんですが、まず、全体のお話ですと、やはり先ほどの平均在院日数とか効率的な運用とか運営とか、そういうことについては、評価は当然あるだろうと私は思います。

 そして、一点単価を切り下げるということは、全く政府としては想定はしておりません。では、例えばどういうことかというと、在宅医療への支援であるとか、その方向性について合理的に充実を進めているというようなことを評価するのはあるであろうと思いますが、重ねますけれども、一点単価そのものを引き下げるというような考えは持っておりません。

○高橋(千)委員 一点単価を引き下げとかそういうことではないということは、まず確認ができました。

 ただ、前段の効率的な運営というのも、在院日数の短縮というのは、数字だけで見ますと、これは効率的である、医療費抑制の適正化の効果が上がっているというふうに見られるかもしれませんが、我々にしてみると、それは追い出しにつながる危険性をはらんでいるわけでありますので、それが診療報酬の、では一点単価でないとすれば加算とかそういう形になるのかもしれませんけれども、それが逆に地域格差ですとかさまざまなことに広がっていくのではないかということは、一言指摘をしたいと思います。

 続けたいので、次に行きます。

 それで、協会けんぽ、かつての政管健保が民営化されているわけですけれども、主として中小企業のサラリーマンが加入し、約三千五百万人を擁している。昨日の参考人質疑でも、この協会けんぽの厳しい財政状況が説明されました。今回の保険料率の値上げで、年収三百七十四万円のサラリーマンの場合、保険料は年四万二千円。介護保険料率も上がりました。一・一九%から一・五〇%。これはトータルで五万三千六百円、労使折半なので二万六千八百円の負担増であります。ここ十年以上雇用者報酬が下がっている中での値上げは、大変厳しいものであると思います。

 それで、単年度で収支均衡するべく、特例として、市中銀行からの借り入れ等、三年間でこれを返済していくということでありますが、国庫補助を一三%から一六・四%に引き上げる措置も三年間の措置であるわけです。

 これらが破綻した場合、どうなるのか。お願いします。

○長浜副大臣 協会けんぽの財政状況の厳しさは、御説明をされたとおりであります。また、先ほど提出された修正案二つを拝聴しておりましても、大変厳しい経済情勢下、財政情勢下における国庫の負担部分をふやしたらどうか、こういったところにおいても先生の御指摘は裏づけをされているところであります。

 と同時に、厳しい国家財政の中において、御説明ありましたように、さまざまな手法、三分の一の総報酬割の導入、しかも、国庫財源としての六百十億、真水での投入、あるいは、今お話がありましたように、三年間に分けての、四千五百億の累積されたもの、これを毎年補完していく、こういったシステムを入れながら、三年間に限り一六・四%ということで、御納得をいただきながら進めているところでございます。

 基本的には、厚労省の立場としましては、この三年間の暫定的な措置でありますけれども、こういった状況の中で協会けんぽの財政状況を注意深く監視をしながら、この三年間で財政健全化へのスキームをとっていきたいというふうに思っている次第でございます。

○高橋(千)委員 注意深く見守っていくということで、妙案は全くなかったかなと思っております。

 三月二十六日付、北海道医療新聞によりますと、北海道病院協会は、ことしの十月一日に、六十の事業所、約一万一千八百四十人による健保組合の設立を決めたと報道しております。

 その理由が、協会けんぽの保険料率が都道府県の医療費を加味して設定されると決まったのを受けて、より低い保険料率を実現できる健保組合の設立を検討してきた結果であるというふうに書いているわけです。北海道の保険料率は九・四二%となり、全国で一番高いわけですが、今後も上昇を見込みということで、少しでも低い方にしたいということなわけであります。

 この都道府県の保険料率については、激変緩和措置をとってきたとはいえ、最終的にはやはり医療費と保険料がリンクする仕組みなわけですよね。そうすると、もともと中小零細の事業者が集まっている協会けんぽでありながら、その中から一定の力があるところ、今のようなところが抜けていくと、ますます零細なところだけになって、運営は大変困難になるのではないか、この認識についてと、そういう点で、やはり保険者機能を維持するためには、国庫補助を本則の二〇%にして保険料率の上限を抑えるという正攻法でいくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○長浜副大臣 先ほど、一義的には御説明をしましたように、国庫の財源の状況と、それから、今おっしゃられました被用者保険の中での協会けんぽとあるいは健保連、組合健保の方、こういったバランスの問題があるというふうに思っております。

 今先生が御紹介された北海道のケースというのは、おっしゃるとおり、協会けんぽから組合を立ち上げて健保連の方に入っていくという事例でありましたが、たしか、前回か前々回の質疑のときには、むしろ大企業で健保連、組合健保をつくっておられる方が、やはり料率の問題等々含めて協会けんぽの方へ移行する、こういったケースも今起きているわけでございます。

 協会けんぽより高い保険料率を設定しながら健保組合を維持しているというところは、平成二十年度の決算で二百七十六組合が存在をしているわけでございます。単年度の報酬が高いだけでは、長期にわたる安定した事業運営の見通しや保険者としての自主自立、先生がおっしゃられた保険者機能の発揮でありますが、こういった責任を負う部分が事業者になければ、保険主体を移るといったらいいんでしょうか、組合を設立するという意味においては、設立検討はなかなか行い得ないというふうにも思っております。

 単に保険料率のみに注目することはないわけでありますけれども、御指摘のポイントも含めまして、協会けんぽとあるいは健保連との間の動き、これも注意深く見てまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 健保連においても、現在、二十三組合くらいでしょうか、既に解散をして、財政的にも大変であるということで協会けんぽに移っている。逆に今度は、事業所が、とてもじゃないが事業主負担は払えないよということで国保に流れているということが指摘をされているわけですよね。ですから、こういういわゆる本来の産業間の一つの特徴ある保険者機能ということを保てなくなって、流動化するというのでしょうか、これを政府はよしとするのかということが問われてくると思うんですよ。

 そういう形で、何もしなければだんだん一元化に近くなっていく、まさかそんなことを思ってはいないと思いますけれども、やはりそこはしっかり問題意識を持っていただきたいと思います。

 それで、資料の三につけておきましたけれども、昨年の十二月に、協会けんぽが制度改正検討要望ということで、傷病手当、出産手当の支給割合の見直しなどを求めているわけです。これもやはり、今言っているように、財政が厳しくなって、給付をどこかで絞れないかという動機から出されたものだと思いますね。

 この扱いがどのようにされたのか。また、負担が大きくなれば、こうした給付の見直しという問題は絶えず起きてくるのかなと思いますが、どのように考えるか、伺います。

○長浜副大臣 今御指摘の部分というのは、大変、社会保障制度とか福祉の概念というのは、困った方々、その方々を何とか救済しなければいけないということでさまざま知恵を出していくわけです。

 多分関連する質問もあるかもしれませんけれども、今御指摘の部分も、全くよかれと思ってやった部分でありますけれども、例えば、この先生の資料によれば、近年、保険加入時に高い報酬等級を設定後、期間を置かず休職したとして高水準の疾病・出産手当を受給する事例が生じており、詐欺としての立件の例もある、こうした事例への対処方法、こういうことでありまして、本来ならばけがをされたときに支給するべき疾病給付金とかあるいは出産の手当などを、期間が定められていないものですから、あえて直前に入って、そして高い給料を決めて、翌日からそういう状況の中において休ませていただく、こういういわゆる本当ではない部分においての被害が生じたことから、こういったことが協会けんぽの側から問題提起をされたことは事実でございます。

 厚労省としては、こうした要望を受けて、社会保障審議会医療保険部会においても検討しましたけれども、とりあえず本年度においては、こういった制度を、改正するという制度を見送りまして、むしろこの原因であるところの不正受給の対策、ここに注意を払っていこうというふうに決めております。

○高橋(千)委員 不正受給については、きちんと対策をとればいいと思います。今のお話だと、とりあえずが何かまだ残っているのかな、今後の検討課題が残っているのかなということをちょっと思いました。やはり保険者機能というのは、昨日の参考人質疑でも随分議論されたわけですけれども、やはりそこが詰まっていくと、こうしたせっかくある制度の見直しにつながっていくということに対して、非常に懸念を持っているということを指摘させていただきたいと思います。

 最後に一点質問したいんですけれども、京都府が、全国に先駆けて国保の一元化を昨年提案しております。政府は今回、広域化方針を法案に盛り込んでおりますが、その先進例として評価をするのでしょうか。先ほど、診療報酬の話を随分質問いたしましたけれども、京都府のこの提案は、診療報酬決定権限を府に任せてもらいたいということを強調していると思います。率直な感想を伺います。

○足立大臣政務官 委員が今、後半部分におっしゃった視点でいうと、先ほどの答弁でもありますように、そこについては、それを推進していくということではないと思いますが、私どもも、また先日来の質問でも、市町村国保の範囲というものについては、広げなければ公平性それから平等性ということについてもやはり課題であるという認識は持っておるわけでございます。現在も、市町村で見た場合に、保険料が五倍の水準差があるということでございますので、都道府県の判断で今行われている共同事業等を、範囲を広げるとかそういうことはやるべきであるというのを今回の法律案に盛り込んで、都道府県の関与の度合いを強めたいと思っておりますけれども、診療報酬単価を変えていくというようなことは考えていないということでございます。

○高橋(千)委員 当時の国保新聞には、厚労省の国保課長が、都道府県の役割というものを前向きにとらえた意欲的な提案内容だ、前向きに支援を検討したいということを述べております。ですから、政府が進める制度改革の中の一つのモデルとしているのかなということを懸念しているわけです。しかし、私は、都道府県が役割を発揮するというのは大事なことだと思います。ただ、広域化を進めることによって、それが皆保険に何か穴をあけたり、それが医療費抑制のツールになるのでは困るのだということが指摘をしたいわけであります。

 まだまだ議論したいことがございます。けさの理事会で採決が提案をされましたが、審議を続けるべきだということを指摘して、終わりたいと思います。ありがとうございました。

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