国会質問

質問日:2018年 6月 6日 第196国会 厚生労働委員会

食品衛生法改定案

十分な準備期間必要
高橋氏 食品衛生法改正で指摘

 日本共産党の高橋千鶴子議員は6日の衆院厚生労働委員会で、「HACCP」(危害要因分析重要管理点)に沿った衛生管理の制度化を盛り込んだ食品衛生法改正案について、十分な準備期間と小規模事業者への支援などを求めました。
 同改正案は、382万強という全ての食品業者に、食中毒などを起こす危害要因を原料受け入れから製造、出荷までの全工程で監視、記録するHACCPの手法による衛生管理を義務づけます。ただ、HACCPによる管理が困難な小規模業者などは、業界団体などの手引書による簡易な衛生管理でもよいとしています。
 高橋議員はHACCPによる衛生管理と、手引書による衛生管理の線引きをどこで行い、いつまでに示すのかと追及しました。
 厚労省の宇都宮啓生活衛生・食品安全審議官は、線引きは団体と話し合いながら決めていくが、「判断基準を示す時期を現時点で答えるのは難しい」などと答弁。高橋氏が「線引きの物差しも分からないのに3年で準備ができるのか」とただすと、加藤勝信厚労相は「線引きを早く具体化しないと、準備もできないという指摘は、その通りだ」と述べ、検討を急ぐ姿勢を示しました。
 高橋氏は、制度の詳細を決めずに、法改正を急ぐのは拙速だと強調。「2020年のオリンピックの年までにHACCP対応をしたというアリバイ作りと言わざるを得ない」と指摘しました。
(しんぶん赤旗2018年6月15日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 十五年ぶりの食品衛生法改正ということで、私にとっても今回が初めての同法改正に対する質問になります。
 ちょうど二〇〇三年十月に私は国会に参りましたので、改正が終わった後でありまして、そのときは農林水産委員会に所属をして、BSEやら鳥インフルエンザ、あるいは明治乳業の食品衛生法違反などもございました。食の安全、安心にかかわって厚労省にも随分質問したわけですけれども、厚労委員会に来てみますと、逆に、ほかの問題が多過ぎてなかなか取り上げることができなかったわけであります。そしてまた、ちょうど法改正もなかった。どうしてそうなったのかなと改めて思うわけでありますが、まず大臣に伺います。食品衛生法はなぜ十五年間改正がなかったのでしょうか。
○加藤国務大臣 まさに私も高橋委員と同期で当選させていただいておりますので、同じような思いというか、十五年間たったという思いも持たせていただいております。
 この間なぜされなかったのかということについては、例えば、昨年の夏、食中毒事案が広域で発生をしたわけでありますけれども、残念ながら十分な対応ができなかった。そういった点については、我々は真摯に反省をしていかなきゃいけない。そういったことも含めて、また、現在、国民の食へのニーズの多様化、食のグローバル化の進展、そうしたことによる我が国の食を取り巻く環境が変化をしている、そして、先ほど申し上げた食中毒事案、あるいは食品の輸出促進、そういった観点等々も考えて今回のこうした法案を提出させていただいた、こういう経緯でございます。
○高橋(千)委員 なぜという答えはなかなかないわけでありますけれども、結局、ためてしまったというんでしょうかね、随分たくさんの中身がございます。これをきょう一日で終わらせるというのはちょっとあんまりじゃないかなというのと、十五年間改正しないできて二年で施行するというのはかなり拙速ではないか、その割には準備が余りにも間に合っていないと思います。そもそも、懇談会、最初の審議会を始めるときも、タイトなスケジュールでございますのでということを事務局の方からお断りをしながら議論を始めたという経過もございますので、やはりこのことは本当によく考えて必要な対応をとっていくことが求められるんじゃないかなと思います。
 それで、まず中身に少し入っていきたいんですけれども、今回最も大きな改正のポイントが、もうたくさんの方がお取り上げになりましたけれども、HACCPの対応だと思います。
 基準A、Bという使い方はもうしないんですと言われましたので、長い表現で話しますけれども、食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組、HACCPに基づく衛生管理、若しくはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理、このどちらかを全ての食品等事業者に義務づけるといいます。
 食品等事業者とは、飲食店営業等の営業許可を要する施設は、今、二百四十六万八千三百五十二の施設がございます。その他の営業許可を要しない施設は百三十五万七千八百八十六施設あるわけであります。これだけの施設で、まさに従業員が何百人の工場から一人で販売しているお店まで入る。それが、全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理の実施を求めるのはなぜでしょうか。
    〔橋本委員長代理退席、渡辺(孝)委員長代理着席〕
○加藤国務大臣 食品安全基本法では、食品の安全性の確保は、農林水産物の生産から食品の販売に至るフードチェーンの各段階で講じる必要がある、こういうふうに規定されているわけであります。
 生産段階ではGAP等、また、それ以後のフードチェーン全体で今回のHACCPによる衛生管理に取り組むことによって、原材料の受入れから製造、加工、販売に至るまで、各段階にかかわる食品等事業者のそれぞれの衛生管理を進めることで、食品の衛生管理が向上し、ひいては、食品による事件、事故の防止を図ることが可能になっていく、こういう観点から、全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理、ただ、先ほど委員がおっしゃった二つのパターンがあるわけでありますけれども、それぞれの事情に応じてそうしたことを適用することによって衛生管理を着実に実施していく、そういうことでございます。
○高橋(千)委員 これは、なぜという答えにはなっていないと思うんですね。フードチェーン全体にというのは、今これを位置づけようということで、HACCPでなければならない、あるいはHACCPの考え方を取り入れた基準でなければならないということの理由にはなっていないと思うんですね。
 資料の一枚目につけておいたのは、第一回の食品衛生法改正懇談会に出された資料ですが、我が国の食品安全の国際標準化というのがタイトルであります。世界じゅうのお客様が集まるであろう二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本の食品安全対策の国際標準化を推進すべきだと。
 やはり、さっき言いましたけれども、十五年改正せずに、オリンピックだからと、二年以内に施行だと、多くがこれから省令などに委ねられて決まっていない中で、大変拙速な改正であるし、オリンピックにも輸出拡大にも全く関係のない業者まで義務づけられるのは、やはり理由にはなってないのではないか、このように思うんですね。いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 目の前に、もちろんオリンピックはあるわけでありますけれども、それのみならず、先ほど申し上げたように、我が国の食を取り巻く環境、これが変化している、こういうことを踏まえて対応させていただくということでありますし、オリンピックだけ見ても、来られた方はいろんなところに行かれるわけでありますから、別に、輸出する、そうした部分だけではなくて、国内において提供される部分、これも当然、食品衛生上の向上等を図っていくということも必要なのではないかというふうに思います。
○高橋(千)委員 今何も対策がとれていない状況であれば、それはわかるんですよ。そうではないわけでしょう。それを今、HACCP対応にしましょうと、それも一律に。そこに、なぜかということを投げかけているわけです。
 私ごとですが、私は、両親が生きていたころは秋田県の片田舎ですし屋を営業しておりました。小さな鉱山町で、当時はほかに同業者もいませんでしたので、ウナギも出しましたし、宴会料理も出して、先生方が学期末というと必ずいらっしゃるというのを見てきたわけなんですけれども、当然、いつも証状を見ていまして、食品衛生法の営業許可、調理師免許はもちろん、その後は栄養士の免許も取り、すし組合の役員として全体の指導ということでも忙しくしていたなと思います。だから、人の口に入るものというのは、厳しくてもちゃんと守らなければ、基準を守らなきゃいけない、それは当たり前なんだ、それだけの役割は果たさなきゃいけないんだということは子供心にも思っていたわけなんです。
 だから、何が言いたいかといいますと、HACCPが絶対に必要で、それを満たさなければ食品衛生が保てないんだとか、食中毒を避けるためにはやむを得ないんだという絶対的な理由があるんだったら、同じシステムを全てに義務づけるべきだと思うんです。それが、かつてはA、Bという分け方をしまして、考えを取り入れていればよい、手引書でよいけれども効果は同じなんだ、そう言っているから、逆に中途半端であり、納得がいかないんです。だったら、今までとどこが違うのか、これを明確にするべきだと思います。
 ここで伺いますが、この二つの取組はどこで線引きをするのか。しかも、猶予期間が、施行までと合わせて三年しかないわけですよね。線引きが決まらなければ準備が間に合わないわけです。いつまでにするのか、これも明確にお答えください。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象となる食品等事業者につきましては、政令で定めることとしてございまして、小規模事業所の範囲につきましては、労働集約型の業種の事業者団体が策定する手引書の内容等も踏まえまして判断基準を示すことを考えているところでございます。
 この判断基準を示す時期につきましては、現時点では具体的にはなかなかお答えが難しいところでございますが、小規模事業者を含む食品等事業者が円滑かつ適切にHACCPに沿った衛生管理に取り組むことができるよう、十分な準備期間を設けるようにしていきたいと考えているところでございます。
 なお、小規模事業者を含む食品等事業者が円滑かつ適切にHACCPに沿った衛生管理に取り組むことができるよう、事業者団体が作成する手引書の活用等により、きめ細かい支援を行っていくこととしているところでございます。
○高橋(千)委員 まず、今の答え方、ちょっと、いっぱい聞かなきゃいけなくなって困ったなと思っているんですが、まず、全体としてはHACCP対応をするんだ、そして、そうじゃない労働集約型の小規模事業者は考え方を取り入れたやり方だという説明だったんでしょうか。その小規模といったときに、人数で区切るとかではないということでよろしいんでしょうか。まず、そこ。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 その小規模事業所、労働集約型ということでございますが、先ほど申しましたように、現在さまざまな業種の事業者団体が手引書を作成してくださっているところでございまして、そういうものを踏まえまして、やはり人数的な目安をつくってその規模というものを考えようかというふうに検討しているところでございます。
○高橋(千)委員 目安ということは、何人以上ということを決めるということなんでしょうか。手引書を厚労省と相談しながらつくりますよね。そうすると、その段階で、団体としては、うちはこの手引書で十分だと思うよという希望が多かった場合、でも、それをかなえるという意味ではないということでしょうか。二点聞きました。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 いろいろな事業所にお聞きしまして、大体、ある程度このぐらいの人数というところが集約してくれば、その辺を参考にしまして決めさせていただきたいというふうに考えてございます。
○高橋(千)委員 このくらいの人数というのはどういう意味ですか。このくらいの人数だったらHACCP対応でもいいという意味ですか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 それぞれの事業者に、小規模事業所といった場合、どのくらいの人数の規模を考えるかというようなことを書いていただいてございまして、その人数を見て検討するということでございます。
○高橋(千)委員 大変、これでは不安だと思いますよ。
 当然、事業者にしてみたら、もちろん、今、厚労省のホームページに出ているあの手引書も私、拝見しました。いろいろな今努力をされているわけで、その努力でいいんじゃないかと当然出てくるんだと思うんです。
 食品衛生管理の国際基準化に関する検討会の最終取りまとめでは、関係業界の現状と制度化への対応を聞いていますよね。
 例えば、日本缶詰びん詰レトルト食品協会は、三百名以上の大企業はほぼ導入済みである。ここはもう線引きと言わなくてもいいんでしょうと。中小企業では約半分程度が導入済みだ。管理指導のできる人材確保や、特性に合わせた段階的導入を希望する声が多いというのが特徴だったと思います。
 それから、HACCP対応を求める予定になっている屠畜、食肉関係では、例えば全農ミートフーズ株式会社は、食肉販売業のうち個人経営の事業者の六五%がもう六十歳以上であり、事業者のレベルに合わせた選択が必要だと言っているわけですよね。HACCP導入のための土壌をつくることも重要だと述べている。
 食肉センター協議会は、もうISO22000を導入しているところもあるんだけれども、何を実施すればHACCPに取り組んでいることになるのか明確にしてほしいとおっしゃっているし、これは、食鳥協会も同じことを言っていますよね。何を実施すれば取り組んでいることになるのかと。
 そうすると、こうした現状を見れば、とてもあと三年では難しいと思うんです。なので、まず、今の手引書をしっかりとやっていく。もちろん、輸出しなきゃいけないからそれに対応するHACCPは必要だというところは、当然やっていくんですよ。そうではないところは、手引書でまずやってみるということでもよろしいんじゃないでしょうか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 今般のHACCPに沿った衛生管理の制度化は、原則として、全ての事業者にHACCPに沿った衛生管理を求めることとしているところでございますが、HACCPに基づく衛生管理をそのまま実施することが困難な小規模事業者や飲食店等の一定の業種につきましては、取り扱う食品の特性に応じた衛生管理であるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を求めることを想定しているというところでございます。
 このHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象となる事業者につきまして、政令で定めることとしてございますけれども、例えば、その範囲につきましては、食肉加工、水産加工等の事業者団体が策定する手引書の内容等も踏まえまして判断基準を示すことを考えてございまして、そういった事業者の実態を踏まえて具体的な検討を進めてまいりたいということでございまして、その手引書をおつくりになるときに厚労省にも御相談いただいておりまして、そういうやりとりを通しながらつくっていく、そういうことで進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 何で答弁がもとに戻るんですか。それはさっき言ったでしょうが。それをさっき言って、それから一つずつ聞いているわけでしょう。本当に必要なことならみんなに義務づけなきゃいけないと言ったじゃないですか。それをあえて例外をつくると言っているのに、その物差しもわからない。要望は聞く、一緒に相談する、だけれども、どこで決めるかわからない。それだと、とてもじゃないが、業者の皆さんが不安になっているじゃないですか。
 今、手引書を見せていただきましたけれども、例えば、交差汚染、二次汚染の防止、器具等の洗浄、消毒、殺菌、トイレの洗浄、消毒、それをどのタイミングでやるのか。作業中にやる場合と、使用後にやる場合と、始業前にやる場合と、そういうチェック項目があって、最後は、毎日毎日、それをやりましたとやるんですよ。
 大変負担ではありますよね。参議院でも、これは負担だという議論が出たと思います。零細業者にとっては大変負担だというのも出た。だけれども、必要なことならやらなきゃいけないけれども、これ自体が十分、私は、これまでの基準を踏まえて備えていると思うんですよ。だから、やってみればいいんじゃないでしょうか、事業者がそれで頑張ってやってみたいと言うのであれば。
 大臣に通告をしていましたので、この点、もう一回伺いたいんですけれども。
○加藤国務大臣 やってみたいという、ちょっと御質問の意味は、いずれにしても、この二つのパターンの中で、今委員は、どこで線引きをするんだ、そこが全然明確じゃないじゃないかという御指摘は、私も聞いていて、早くこれを具体化しなきゃいけない、具体化しないと、特にこの線引きの真ん中にある人、どっちになるかわからないということだと準備もできない、こういう御指摘、それはそのとおりだと思います。
 ただ、あと、したらいいんじゃないかという、その線引きより下の方の、いわゆるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理という対象者、これについては、やはり、このHACCPの考え方を取り入れてやっていただくということが衛生管理として、しかも国際的にもそういう形で進んできている。さらに、ある意味では、統一的にやっていくことによって、より、多分、今までやっておられた方から見れば、これは大体自分のところもやっているよというのもあるんだろうと思います。そういうのも確認をしていただきながら、ある意味では、足らない部分は足していただく、そういったことにつながっていくのではないかなというふうに思います。
    〔渡辺(孝)委員長代理退席、橋本委員長代理着席〕
○高橋(千)委員 線引きが決まらないのはそのとおりだと、大臣、認めていただきましたので、よく考えていただいて。猶予三年というのはどうかなと言わなきゃいけないと思います。罰則つきの義務化をこの短期間でやるのは、やはり問題です。罰則までは、そこまではすぐにはいかないよと、大臣、答弁していますよね。行政指導があるからいきなり罰則まではいかないんだよとおっしゃっているけれども、そう言うんだったら、やはり、とりあえずオリンピックの年に全部、HACCP対応をまず始めましたと宣言したいアリバイづくりのためなのかなと言わざるを得なくなっちゃうわけなんですね。それではだめなんだと指摘をしたいと思います。
 きょうは農水省に来ていただいていますので、伺います。
 輸出を希望している、若しくは既に行っている事業場のうち、HACCPの導入、どのくらい進んでいるでしょうか。
○新井政府参考人 お答え申し上げます。
 農林水産省が行いました平成二十八年度食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査によりますと、既に輸出をしていると回答した企業の四二%、また、輸出を検討していると回答した企業の二六%がHACCPを導入済みと回答しているところでございます。
○高橋(千)委員 そうですよね。既に輸出を検討している企業の導入済みと検討中あるいは途中を合わせますと七二・九%、そういうところが既にもうやっている。だから、私は、そこはそこできちんと支援の道筋があるんだから、大事なことでしょうと言っているわけなんです。
 それで、資料の二枚目は、農林水産物輸出インフラ整備プログラムに基づく輸出拠点整備ということで、弘前のリンゴもありますけれども、これは具体の手挙げの施設について整備事業が始まっているということで紹介をしております。
 そこで伺いますが、HACCP導入の予算は、ハード、ソフト、それぞれどのようになっており、実績はどうでしょうか。簡潔にお願いします。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 水産関係の方で申し上げますと、農林水産省といたしましては、EU、米国等の輸出先国のHACCP基準への対応を目指す水産加工業者等に対しまして、ハード面では、HACCP対応のための施設改修等への支援、ソフト面では、HACCP導入のための研修会の開催ですとか専門家による現地指導など、きめ細かい対策を講じているところでございます。
○高橋(千)委員 実績はどうかと聞きましたけれども。
○森政府参考人 失礼いたしました。お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたハード面、ソフト面の事業のうち、ハード面の事業につきましては、平成二十四年度以来、これまでに百四十三件の水産加工施設の改修、整備等に対する支援を実施してきているというところでございます。ソフト面につきましては、例えば研修会でございますと、昨年の二十九年度につきましては八十回、約三千人、現地指導につきましても、約二百八十回の指導を行っているというところでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 資料の三枚目ですけれども、これは食料産業局でつくっていただいた、食品の品質管理体制強化対策事業、一億三千七百万円ですよね。これは真ん中より下のところに書いてあるんですけれども、衛生・品質管理体制強化のための人材育成とか、HACCP指導者養成研修等の開催などが盛り込まれております。
 それから、今紹介していただいたことなんですけれども、一つ飛んでいただいて、5のところですね、これはソフト事業なんですけれども、水産物輸出倍増環境整備対策事業ということで、やはりこれも、現地指導、指導員育成費などということでついているわけなんです。
 それで、私、やはり、水産加工の分野では、HACCP対応というのが、震災もあったものですから、そこで今回思い切って切りかえたところも多いですし、輸出促進ということでいろいろな予算がついているだろうということで、水産庁にもお伺いをしたわけなんです。
 それで、すごく疑問に思ったのは、疑問に思ったのは厚労省に対して思ったんです。というのは、参議院でも、随分、いわゆる考え方を取り入れた方のHACCP対応、つまり、いわゆる基準Bと言われていた方ですよね、小規模だからといっても、それはそれなりにいろんな、人件費ですとか研修のためのお金ですとか予算が必要なんじゃないかという指摘がたくさんの方からあったと思うんですけれども、いやいや、それはハードではないのでお金は要らないんだというふうなことをおっしゃっていました。でも、私はそれは違うんじゃないかなと思うんですね。
 やはりきちんとした考え方を、それは、手引自体は厚労省が相談に乗って団体としてつくるかもしれないけれども、軌道に乗せていくためにコンサルの支援をいただくとか、温度管理を初めてやるんだとか、さまざまなことがやはりあるんだと思うんですね。こういうときに一切予算がないというのはおかしいんじゃないか。これは農水省の事業を使えばよいという考え方なんでしょうか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 厚労省としてのHACCPの推進につきましては、さまざまな研修事業、あるいはそういった関係団体などの手引作成の支援、それから、今お話ございました、農水省の方でそういったものについての支援の予算がございますので、そういう関係省庁と連携しながら支援をしてまいりたい、そういうことでございます。
○高橋(千)委員 極めて、私は不誠実な答弁だったと思いますよ。農水省にきのう聞いて、いやいや、それは農水関係でなくても使えますということを確認をして私は質問しているんですけれども、参議院であれだけ聞かれても、一切お金はかかりませんって、逆におかしいんですよ。全くかかりませんという方がおかしい。それはちゃんと支援しますという立場に立って答えるべきだし、それを他省庁と連携するというのは、それはそれでいいことだと思います。そうちゃんと答えればよかったんじゃないか。これはあえて指摘をさせていただきました。
 戻っていただいて、資料の4ですけれども、HACCP対応のためのハード事業の予算資料なんですね。さっき大臣が言っていた、イメージしていたやつ、最初はやはりハードだったということで、手洗い場を改修したり床面を改修したり、こういうことはやはり最初はかなり重点的にやられたと思うんですけれども、真ん中のところに、新たに対EU・HACCP又は対米HACCP認定を取得すること、これが事業の要件になっているということで、対米と対EUでは同じHACCPでも違いがあるんだ、特徴があるらしいんですね。そこを少し説明していただけるでしょうか。
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 米国向け、EU向けにおける水産加工施設の認定基準につきましてはおおむね同様ということでございますが、若干、それぞれの制度における違いも見られるというところでございます。
 例えばということで事例を申し上げますと、例えば、アメリカ向けの基準ということにつきましては、床や壁につきまして、適切に洗浄が行え、清潔で良好な状態が保たれるような構造であることというのが求められておりますけれども、EUの基準では、こうした構造面に加えまして、床、壁の素材につきましても、不浸透性、非吸収性といったような素材についての条件もあるというようなことがございます。
 また、米国の基準では、例えば、冷凍の原材料は凍結状態で保管するということが求められておりますけれども、EUの基準では、さらに、マイナス十八度以下といった保存温度の要件も求められているといったような若干の違いがあるというところでございます。
○高橋(千)委員 EUの方はマイナス何度以下というふうな基準があると。きのう聞いたときには、海域の問題ですとか、それを運んでくる漁船の登録が必要であるとか、やはりEUの方が厳し目であるというふうな報告を受けました。
 やはり厚労省のHACCP対応の中にもプラスアルファの部分があって、対米、対EUと分かれているわけなんですけれども、やはり、明らかに目指すところが違っていればそこを目指せばいいわけであって、要するに、コーデックスのあの七原則さえ守ればいいというわけではないわけですよね。そういう意味で、先ほどからお話をしているのは、やはりめり張りをつければいいのではないか。そこに向かっているところはそこにちゃんと支援をすればいいわけだし、そこまで、輸出まで御縁がないよというところに同じ基準でなくてもよいのではないか。もちろん、それは衛生は守れるということを保証した上での話ですけれども。そういうことを指摘しています。
 それで、もう余り時間がなくなってきましたので、少し飛んで、法案がちょっといっぱいあるものですからとても間に合わなくて、次に行きたいと思うんですが、資料の6の方に行きたいと思います。いわゆる健康食品について。
 健康食品とは何かというところで、定義はないということを大臣は何度もお答えになっておりました。ところが、左下のグラフにあるように、ほとんど毎日利用している方とたまに利用している方合わせて五八%が利用している。私も、ほとんど毎日の方に入るわけですけれども。
 右側が、過去の取締りの例として、第七条二項による流通禁止一件、第六条二号による販売禁止が一件。コンフリーですとか、ガルシニアですとか、コエンザイムQ10など、よく聞く名前が並んでいるわけなんですね。
 それで、いわゆると言っているこの健康食品、どのくらいあると把握しているでしょうか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御指摘ございましたように、いわゆる健康食品と呼ばれるものについて、現在、法律上の定義はないということでございまして、どのぐらいということですが、売上高、流通量等について、厚生労働省においては把握していないところでございます。
○高橋(千)委員 定義がわからないけれども、どのくらいかもわからないというお答えですよね。そうすると、やはり、指定成分をどのくらい決めても、出発点がわからないわけですから、目標が見えてこないということにもなるわけですよね。やはりこれをもっと、いわゆるを最終的には取っていく、曖昧なものをなくしていく、ここを目指すべきではないかなと思うんですね。
 それで、二つ続けて言います、時間の関係で。
 指定する成分を含有する食品を告示することになります。それをどのくらいのテンポで、どのくらいの成分を指定していくのか。つまり、言っていることは、一回で何十とかと決めて、当分それっきりよというのか、毎年少しずつ明らかにしていくという意味なのかということを聞いています。
 それで、やはり、指定されない成分も含めて健康食品全体の情報をつかむべきだということが参議院で指摘されたと思うんですけれども、結局、それはこのテンポに関係あるんですよ。つまり、フィードバックしなければ、実際に健康食品の事故情報があって、それで、これは指定成分が何らかあるのではないか、そういう形も当然やっていかなければ、指定したらそれっきり、事故情報が出るまで待っていますではだめなわけで、そういう意味で聞いていますけれども、いかがでしょうか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働大臣が指定する成分等につきましては、国内外の健康被害情報や文献等による知見を科学的な観点で整理して、薬事・食品衛生審議会や食品安全委員会の意見を聞いて、パブリックコメント等を行うとともに、成分等に関する情報収集や実態把握を目的とした事業者からのヒアリング等を行い、告示により指定するという手続で行うことになります。
 そのテンポにつきましてですが、例えば毎年何件というようなことは現在のところ考えてございません。
 指定される成分等としましては、食品に含まれるアルカロイドやホルモン様作用成分のうち、一定以上の量を摂取することにより健康被害が生じるおそれのあるものなどが想定されるということですが、具体的には、今後の健康被害情報あるいは文献等による知見を科学的な観点で個別具体的に検討した上で、指定する成分等を決定していくということになるため、先ほど申しましたように、その指定のテンポ、あるいはペース、数等につきましては、現時点ではお答えすることは難しいところでございます。
○高橋(千)委員 毎年ではないということはわかりました。ですが、さっき言ったフィードバックの考え方があるのかということです。
 実際に、それは文献だとかいろんな科学的知見があると思います。でも、動き出してしまえば、動き出したことの、実際に起こったことから学ぶことが一番の効果的なアプローチだと思うんですね。懇談会の最終取りまとめでも、適切な規制に活用するためにも、行政がいわゆる健康食品の製造事業者を把握する仕組みも設ける必要があると提起をされています。やはりそこに迫っていく必要があると思います。
 フィードバックの考え方、取り入れてくださるでしょうか。
○宇都宮政府参考人 お答えいたします。
 大臣が指定する成分等につきましての検討におきまして、その結果、場合によっては、委員から提出いただきました資料にございますように、健康被害が非常に強く疑われる、あるいは原因が明確な場合については流通禁止、販売禁止等の措置をとることもございますし、そこまではいかないけれども何らかの注意喚起が必要だということであれば、当然、国民に対してそういう注意喚起というようなフィードバックはしていくというようなことでございます。
○高橋(千)委員 確認をしました。
 ここで今度は大臣に伺いたいんですが、広告の問題なんです、ネットの広告。
 それで、先ほどどなたかもネットの広告規制のことを質問されていましたけれども、お答えは、ネットパトロールとか、いわゆる危険ドラッグのときとか、違法ドラッグをどうするかという議論のお答えだったと思うんです。私が聞いているのはそういうことではなくて、もう今本当にネットが氾濫していますので、私なんかもまさに標的になっているわけなんですけれども、一つ何かの食品を、サプリとか開いてしまうと、別に買わなくても履歴が残るわけですよね。あなたはきっとこれに興味があるでしょうという形で、繰り返し繰り返し出てくる。ツイッターのタイムラインにまで出てくる。そういう形でなってくるわけですよね。
 だから、違法かどうかとか有害かどうかの前に、そこまでの過剰な、これでもかこれでもかという広告をやはり規制すべきじゃないかなと思うんです。なので、それは大臣の方から関係省庁にも呼びかけて、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 多分、今の話は、健康食品だけじゃなくてさまざまな商品について、たまたまそれをアクセスしたら、関連する、あるいは、こういうものを選んだ人はこういうのもお好きじゃありませんか、そういう流れなんだと思います。まさにそれは、全体として、インターネットの世界の中でそれをどう規制していくのかということでありまして、それはどこになるんでしょうか、総務省になるんでしょうか、それぞれ担当のところで、これはまず全体として御議論していただかなきゃならないということであります。
 また、健康食品ということに限ると今度は消費者庁ということになるので、別に私ども逃げるわけではありませんけれども、そういった省庁がどういうふうに対応していくのかという流れの中で、ただ、当然、厚生労働省として対応すべきものがあればそれはしっかり対応させていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 それこそ、高鳥委員長と一緒に、ネットの、医薬品の海外視察に行ったときに、レコメンド機能ということで、どうですかというのを各国に聞いて、どこもやっているところがなくて、やはり日本は特殊だねということで規制をしたということがあったということで、やはり健康食品の分野でもやっていただきたいなと思います。
 最後に一言だけ。EUがことしの一月に、プラスチックごみに対する戦略を採択いたしました。今回、容器包装や食品用器具のポジティブリストをやるわけですけれども、やはり、プラスチックそのものを減らしていくということで、EUに学んで取組を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 欧州委員会が、ことしの一月に欧州プラスチック戦略を採択し、現在、当該戦略を履行するための理事会指令案に基づき、使い捨てプラスチック製品の使用制限等の検討を進めているということは承知をしております。
 使い捨ての製品を含むプラスチック製品由来のごみをどう低減していくのか、また、その環境放出に伴う環境汚染の防止、これは地球環境を守る上においても大変重要な課題だというふうに認識をしておりまして、環境省が先頭に立ってということになろうかと思いますけれども、厚労省としても連携して検討させていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 終わります。ありがとうございました。

 

――資料――

2018年6月6日衆院厚生労働委員会提出資料

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