国会質問

質問日:2018年 6月 1日 第196国会 厚生労働委員会

障害基礎年金支給打ち切り問題

障害基礎年金 1年間で2900人が支給打ち切り
高橋議員が救済策要求

 障害基礎年金で20歳以降に障害を負った受給者のうち約2900人が、昨年4月から1年間に支給を打ち切られていたことがわかりました。日本共産党の高橋千鶴子議員が1日の衆院厚生労働委員会で行った質問に、厚生労働省が明らかにしました。年金支給に必要な障害の程度を審査する仕組みが一元化されたことが影響したものとみられます。
 障害基礎年金は支給審査に地域差があり、不支給の割合は都道府県間で最大6倍の差があることが2014年に判明。昨年4月から審査を障害年金センターに一元化した結果、障害の程度はこれまでと変わらないのに打ち切り相当とされる受給者が生じました。
 高橋氏は20歳前に障害を負った受給者1010人に打ち切りの通知が届いている問題を受けて、「(一元化は)本来もらえる人を救おうという趣旨ではなかったか」と指摘しましたが、加藤勝信厚労相は「公平給付の実現に目的がある」と、打ち切りを正当化しました。高橋氏は「もらえなくなる人に思いを致さないのか」と批判しました。
 高橋氏は、昨年4月の審査の一元化以後、1年間に障害等級が非該当になって打ち切りとなった人数を質問。厚労省の高橋俊之年金管理審議官は、20歳前の1010人のほかに、20歳以降に障害を負った約2900人が非該当になったと答えました。
 高橋氏は、明らかにされてこなかった申請数の公表を要求。高橋審議官は「一元化した機会に取り組みたい」と約束しました。
 高橋氏は、本来もらえる人を救う立場での救済策を求め、加藤厚労相は「1000人、それ以外の人も含めて精査し、必要な対策をとる」と答えました。
(しんぶん赤旗2018年6月4日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日また、三十日にも取り上げておりましたけれども、資料の一枚目の、五月二十九日付の毎日新聞「障害年金一千人打ち切りか」という記事についてです。
 昨年四月から障害基礎年金の審査が障害年金センターに一元化された影響と見られ、今回は千十人、診断書の更新時期が集中している二十前に障害を発症された方たちが該当しているというものであります。
 質問は、そもそもの発端は、認定において、自治体間の認定に格差が大きいということであって、本来はもらえる人を救おうという趣旨だったのではないでしょうか。
○加藤国務大臣 障害基礎年金に関する審査は、ダブりますから、都道府県ごとの事務センターでやっていたもの、そしてそこでは、認定基準の適用に地域差がある、要するに、でこぼこ、でことぼこがあるということですよね。
 そのために、平成二十九年四月から、認定医の確保や認定の均一化を図るということで、本部の障害年金センターに審査事務を集約したということでありますから、障害年金センターを設置して、審査事務の集約化、均一化をするということは、法令や障害認定基準に照らして公平な給付を実現するということでありますので、そういった意味で、でことぼこをなくしていくということにつながっていくんだろうと思います。
○高橋(千)委員 資料の二枚目を見ていただきたい。
 これは二〇一四年八月二十四日付の東京新聞です。「障害年金判定 地域で差」、この時点で不支給率が最大六倍の開きということが、共同通信が独自に年金機構に開示請求を行って明らかにしたやつなんですね。
 これをきっかけとして、厚労省が地域差に関する調査結果を発表したのが翌年の一月十四日で、それが資料の三枚目であります。先ほど桝屋委員がお取上げになっておりましたけれども、色がついているのは、不支給割合が低い十県が赤、割合が高い十県を青で表示をしている、こういうふうなことになっております。
 それで、このときに、そのうち精神障害、知的障害の方の障害基礎年金が全体の六六・九%を占めているということで、精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会を立ち上げていると思います。その後ガイドラインになっているわけですけれども。
 この立ち上げたときの会見で塩崎大臣は、この調査の結果を踏まえて、精神障害そして知的障害者の認定についての地域差による不公平が生じないように、専門家による会合を今後開いて、障害等級の判定のガイドラインとなる客観的な指標などについて検討を行っていきたいと述べて、いずれにしても、全国でできる限り物差しが同じように適用されるということで、障害基礎年金をもらうべき方々がしっかりともらっていただけるようにするということで作業させたいと述べている。
 つまり、さっき大臣はでこぼこを直すんだということだけおっしゃいました。だけれども、現実に受けられるべき人が受けていないんじゃないか、そこをちゃんと救済するということがまず出発点じゃなかったのか。記者さんもそういうつもりで取り組んだと思うんですね。その一言がなかったので、確認をさせていただきたい。
○加藤国務大臣 ですから、先ほど申し上げました、公平な給付を実現するということに目的があるということでありますから、本来提供される、まあ、本来というのはこれはなかなか難しいんですね、これまでそれぞれ地域別にやってきたものであっても最終的には機構が認定をしていたわけでありますから。それはそれとして、実際、それに基づいて年金も支給されているわけでありますけれども。
 ただ、制度論として申し上げれば、先ほど申し上げたように、より均一的な基準によって、というか、基準は均一なんですけれども、その実行が、集約化して均一化を図ることによって公平な給付を実現するということ、そこに目的があるわけであります。
○高橋(千)委員 とても残念なんですよね。
 私が、均一したことが悪いとか、まだそんなこと全然言っていないんですよ。いい悪いの議論をしているんじゃなくて、判定に違いがある。でも、そのときに、一部には行き過ぎた判定があるかもしれません。
 でも、そのことよりも、その判定が事実じゃないがためにもらえない人がいる、そこに思いをいたさないのかということを、当時は塩崎大臣がそうおっしゃっていたものを何で加藤大臣が言えないのかなと、そこを指摘したかったわけなんです。
 それで、私は、ちょっと続けますけれども、ことしの正月に、知的障害ということで二級の年金をもらっていた青年から相談をされました。県の障害者手帳は二級で、まだ期限があるんですね。これはリンクをしていないということで、県が二級であっても年金が一緒じゃないんだということが言われたのと、今の一元化によってこうした審査が起きたということが初めてわかったし、地元の年金事務所を通じて、理由を聞いたり、不服審査もできるんですよというふうなことを説明を受けました。
 だけれども、障害基礎年金は、障害厚生年金と違って、三級がないわけなんですね。だから、同じ障害の状態であっても、基礎年金であれば一切ゼロしかないわけですよ、三級になっちゃうと。真っ逆さまになっている。
 だからこそ、自分がそうなったらどうしようと不安の声、救済を求める声が上がっているのは当然だと思うし、それがやはり、さっき言ったように、本来もらえるのにもらえない人がその目に遭っては大変だということを、ちゃんと確認しなければならないと思うんですね。
 それで、今回打切り相当となった方にも、一年間猶予をした上で、次回に改めて診断書を提出してもらうというけれども、救済もありか、それとも単なる激変緩和か、一言でお答えください。
○高橋政府参考人 今回の千人の方々がございますけれども、今後、できる限り詳細かつ具体的に障害認定に必要な事項を診断書に記載していただく、その上で判定をするということでございます。
 次回改めて診断書を提出していただいた結果、引き続き支給される方もおられますし、支給が停止される方もおられると考えておりますが、いずれにしましても、日本年金機構におきまして、一件一件丁寧に、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 引き続きの人もいるであろうということでありました。
 それで、検討会を立ち上げた話をさっきしましたけれども、関係団体のヒアリングがやられていますよね。例えば、手をつなぐ親の会が全国の格差を緊急調査をやっておりまして、やはり、さっき大臣が言った、でこのところはともかくとして、ぼこのところ、これは本当に深刻なんですよ。窓口で、どうせ申請しても年金はもらえませんよと言われて、申請書さえもらえなかったと、保護の水際作戦のような話もたくさんある。
 認定基準には、就労することをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その状況等を十分確認した上で判断するようにとちゃんと基準にある。あるにもかかわらず、就労しているというそれだけで、それも就労支援Bの作業所だったりするわけですよね。そういうだけでも、日常生活能力が高いと判断して、一律に不支給にしてしまう。こういうことが、驚く実態がるる紹介をされたんです。これは直ちに正していかなければならないと思うんですね。
 ということは、これまでも地域の格差が当然あった、そして、判明した一千十人という方たちだけではないということなんですね。
 伺いたいのは、障害年金センターへ審査業務を集約したのは昨年の四月です。それ以降、前回認定時から障害状態に変化がないにもかかわらず、等級が二級以上から非該当になった受給者はどのくらいいますか。
○高橋政府参考人 昨年四月の障害基礎年金の審査事務の集約化以降で、二級以上から非該当になった方、先ほどの二十前障害基礎年金の方は千人ということでございますけれども、それ以外に二十以後の基礎年金の方がおられますけれども、この方につきましては、二十九年度で約二千九百人でございます。
 しかし、この方につきましては、前回の認定時から、診断書に記載された状況が実際に変化があった方も含まれている数字でございまして、状況に変化がなかった方でなられた方がどのくらいいるかというのは、一件一件個別に確認しないとわかりませんので、その数字につきましては現在把握していないところでございます。(発言する者あり)
○高橋(千)委員 まず、今、岡本理事がおっしゃってくださったように、これは内訳をちゃんと出していただきたい。
 その上で、今まで、障害年金の認定数とその申請数、どうなっていますかというのが、全然その数字がないんですね。作業が、システム改修が大変だとかとおっしゃっていて、でも、それじゃやはりだめなんだと思うんですよ。労災でもちゃんとああやって出るんですから、これは出るように見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お尋ねの件、障害基礎年金の支給決定につきましては、支給決定数そのものはシステムに登録して、毎年度公表する事業年報に掲載してございます。
 一方、障害基礎年金の申請数につきましては、認定の結果、却下されて支給に至らない方もいらっしゃいますので、自動的に集計される仕組みではございません。
 今般、障害基礎年金の審査業務が障害年金センターに集約され、一元管理することができるようになりましたので、これを機会に、こういうことにつきまして、今後取り組んでまいりたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 検討していただけるという意味ですよね、今のは。
 それで、資料の四枚目なんですけれども、左側が、障害等級に関するお知らせということで、日本年金機構から受給権者様に送られたものであります。
 今るるお話ししてきたように、一年後の診断書を待って、結果が変わるかもしれないけれども、一旦は猶予するということなんですが、右側を見ていただきたいんですけれども、年金のお支払いに関するお知らせということで、これをよくよく見ると、三段目から読みますけれども、「お客様には十一月七日付の「支給額変更通知書」により、十一月分の年金から支給を停止することを通知するとともに、十一月十五日に十月分の一カ月分をお支払いしたところです。」
 これは、いきなりとめられちゃっているんですよね。要するに、十一月分は切りますよ、十一月からなので十月分は払いますよという通知ですよね。その後に、今言った激変緩和措置をするので十二月にお返しします、そういう通知ですよね。
 ちょっと、あら、もうやってしまっていたんだということに気がついたわけなんですけれども、今回の報道で明らかになった打切りの件について、年金機構から相談を受けたり、独自の対応などはどのようにしてきたのか。つまり、本省の対応についてです。伺います。
○高橋政府参考人 今回の件につきましては、今回提出された診断書のみを見ると障害等級に該当しないと判断されるけれども、前回の認定時は同様の診断書の内容で障害等級に該当すると判断されたケース、こういうケースがあるというのが、秋口、機構においてもその件数を数えて相当数把握したということでございまして、年金機構から年金局に対しまして、十一月上旬ごろでございますけれども、こういう状況で約千人の方につきまして障害等級に該当しなくなったと一律に判断することは困難、したがいまして、直ちに支給を停止するのではなくて、一年後に改めて診断書の提出を受けた上で審査することとしたい、こういう相談がありました。
 年金局といたしましても、機構からそのようにしたいという考え方に対しまして、障害認定の事務を担う機構のやむを得ない対応として了承したというところでございます。
 先ほど先生が御指摘いただいた、二種類のお知らせがあって、一部の方には、十一月、一旦停止するとしつつ、後ほどその判断が、十一月上旬ごろ、機構の方でも考えまして、十二月のお支払いでは継続しよう、こういうようなことになった、こういうものでございます。
○高橋(千)委員 だから、年金の過少支給問題を随分議論しましたけれども、それだけではなかった。結局、障害年金の分野でも、一旦とめるとしてから、とめてしまってから、後でお返しするということがあったんだということ、これは本当に重大だと思います。
 実は、きのうこの問題の説明を受けたときに、本省は何をしたんですかと言ったときに、やったのは年金機構なので、本省は一切関与していませんという説明を受けているんですよ。今の答弁は違いますよね。十一月に該当しない件数が上がってきたので相談を受けたということを今お答えになったと思います。
 私のところにそのときの文書がございますけれども、十二月七日付で年金機構の年金給付部から連絡票があり、十二月八日までに返事をくれと。課長、室長補佐の、年金局事業管理課の判こがあります、了解しましたと。手書きですね。これをきちんと報告をするべきであった。
 そうすると、これは課長レベルですかね、その上は上がっていない、知らないということですか。
○高橋政府参考人 年金局と年金機構の間はいろいろのレベルで連絡をとり合っておりますけれども、本件につきましては、私と理事長との間でも話をしてございます。
 その後で、事務的に機構からこれでよいかと、これでよろしいと。文書のやりとり、連絡票というのがあるんでございますけれども。それは話をつけた後の事務的な手続なので、課長レベル以下での決裁になっているというものでございます。
○高橋(千)委員 その文書にあるのは、二十歳前障害基礎年金の障害状態確認届による認定結果への対応ということで、別添がございます。その別添の中にこういうふうに書いているんですね。二十九年四月以降、二級以上から非該当となる受給権者が相当数存在した。それがさっき、二千九百人と言ったけれども、内訳がわからないと言ってありましたので、本当はちゃんと数えているんだと思うんです。これは明らかにしてもらいたい。
 それから、対象者及び主治医は、前回以前と同様の障害状態確認届を作成すれば二級以上と認定されると理解している可能性があり、平成二十九年の障害状態確認届の作成に当たり、記載すべき所見等があるにもかかわらず、その所見等を記載していない可能性がある。
 私、素直に読むと、要するに、これまで当然必要だと思って、二級だと思って主治医が書いていた。それを県が認定していた。だけれども、これは、そのまま同じものが上がってきたら、当然、これはもう非該当よ、そういう意味ですよね。そこをちゃんと徹底しろという趣旨なんじゃないでしょうかね。どうですか。
○高橋政府参考人 昨年十一月に年金機構から、もう一年延長したい、こういう話がありましたときの考え方は、これまで各地域各地域で診断書の記載の仕方に、その地域その地域のものもあるかもしれない。このくらいの記載をすると、大体、二級にもなっている。本来はもっとしっかりと書き込んでいただかないといけない場合もあるかもしれない。実際の障害の状態はもっと重いのに、それまではこういう簡単な書き方でも二級で通っていたということで、引き続き同じような診断書が出てきたのかもしれない。実際にはもっと重い、二級の障害相当だったのかもしれない。
 なので、もう一度改めて、しっかりと主治医の先生に書いてもらう必要があるんじゃないか、こういうような判断で、一年後に改めて、今度は丁寧に、具体的に記載していただく、こういう考え方になったわけでございます。
○高橋(千)委員 主治医の先生が甘く見ているみたいな、そういうニュアンスが伝わってくるんですね。
 検討会の中でも、逆に、ちゃんと書いていないけれども、ちゃんと書けば認められるよという、そういう認定をしているよという意見もありましたよね。やはり私はそこを採用するべきであって、さっき紹介したような、関係者から出されている、頭から申請書も出さないようなやり方は絶対あってはならないと思うんです。
 そういう意味で、二〇一六年九月からガイドラインによる障害認定が行われています。三年後を目途に検証を行うとしていますが、既に一年半たっていて、しかも、これまでにない規模で打切りが判明しているんです。三年を待つわけにはいかないと思うんです。
 私は、さっき言ったように、三級になったら何もないわけですから、もしそうであれば、別な対策を考えなきゃいけないと思うんです。提案もしたいと思うんです。
 そういう意味で、ガイドライン後の認定状況を明らかにすべきだと思います。大臣、一言お願いします。
○加藤国務大臣 いずれにしても、本件、今委員御指摘の点も含めて、この千人、これはまとめてやっていくんですね、六月で見た分。それから、それ以外の御指摘のあった分、それも含めて、ひとつしっかり精査させていただいて、必要な対応を考えていきたいと思います。
○高橋(千)委員 続きをまたやりたいです。
 終わります。

 

――資料――

2018年6月1日衆院厚生労働委員会配布資料

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