国会質問

質問日:2018年 5月 31日 第196国会 本会議

「働き方改革」一括法案に対する反対討論

「働き方」改悪法案強引採決
歴史を70年後戻りさせる/衆院本会議 高橋議員が批判

 命にかかわる法案を強引に通すのは許せない―。「働き方改革」一括法案の採決が31日の衆院本会議で行われ、傍聴席で過労死遺族らが遺影を抱いて見つめる中、自民党、公明党、維新の会などの賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党は法案に厳しく反対。国会前では雇用共同アクションの労働者らが衆院通過に抗議し、参院での廃案を訴えました。

 反対討論に立った日本共産党の高橋千鶴子議員は、最愛の家族を奪われた過労死遺族が反対していることを示し、「その一点だけでも法案は認められない」と強調。2割も異常値が見つかった労働時間データは、補正後もミスが発覚し、特別条項付き三六協定を結んだ事業場のうち、実際の残業時間が年1000時間超だった事業場は3・9%から48・5%へ激増したとして、「それでもなお労政審に報告する必要がないと居直る厚労省は、命にかかわるデータを何と思っているのか」と批判しました。
 さらに、高橋氏は、同法案が「残業代ゼロ制度」を導入し、過労死ラインを合法化する点を指摘。労働時間規制を適用しない労働者をつくり、年104日さえ休ませれば48日間24時間連続勤務でも違法にならないとして、「業務量には裁量がなく、長時間労働に追い込まれることは明らかだ」と指摘しました。また、「単月100時間未満、複数月平均80時間という過労死ラインまでの残業は、絶対に認められない」と述べました。
 最後に、高橋氏は、労働法制を「岩盤規制」として、産業競争力会議や規制改革会議などが決めた方針を、厚労省の頭越しに労政審に押し付ける安倍政権に「『働き方改革』などと語る資格はない」と強調。労働基準法は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすものでなければならないと述べ、「本法案は歴史を70年後戻りさせる大改悪だ」と批判しました。
(しんぶん赤旗2018年6月1日付より)

 

――議事録――

※討論原稿を掲載します。
※正式な議事録が出来次第、更新します。

 私は、日本共産党を代表し、「働き方改革」一括法案について、断固反対の立場から討論を行います。
 まず8本の法案を一括りにし、与党による強引な委員会運営と強行採決がされたことに、満身の怒りを込めて抗議します。25日の委員会も、過労死家族の会の皆さんが、遺影を抱きながら傍聴していました。4年前、史上初めて過労死という言葉を入れた過労死防止法を全会一致で採択し嬉し涙を流した同じ委員会室です。それがまさかの、怒りと悔しさに涙を浮かべていました。仕事によって最愛の家族を奪われた皆さんが、絶対にやめてほしいといっている、その一点だけでも本法案は認められません。

 裁量労働制のデータねつ造が発覚したことにより、該当するデータは撤回され、企画業務型裁量労働制の拡大は法案から削除されました。驚くことに昨日の委員会でもまた、補正したはずの数字にもとづく資料が、転記ミスで修正されていなかったなどの報告がありました。一方、労政審での審議の土台になった資料にも影響があります。特別条項付き三六協定を結んだ事業場のうち、実際の残業時間が1000時間超だった事業場が3.9%から48.5%にも激増したのです。それでも労政審に報告する必要はないと居直る厚労省は、命に係わるデータをなんと思っているのでしょうか。

 反対する最大の理由は、残業代ゼロ制度を導入し、過労死ラインを合法化することです。
 高度プロフェッショナル制度は、はじめて労働時間規制を適用しない労働者をつくりだします。年104日さえ休ませれば、48日間かつ24時間連続勤務でも違法にはなりません。業務量には裁量がなく、長時間労働に追い込まれることは明らかです。
 加藤大臣は、「自律的に仕事をし、イノベーションや高付加価値が生み出され、ひいては経済の発展につながる」と繰り返しました。しかし時間と賃金を切り離したからといって、成果と賃金もリンクしないことは大臣も認めました。労働者のニーズは12名のヒアリング以外に示すことができず、むしろ深夜手当を出したくない使用者側のニーズを代弁するに終始したのです。
 残業時間の上限規制は私たちも求めてきました。しかし、単月100時間未満、複数月平均80時間という過労死ラインまでの残業は、絶対に認められません。しかも最も過労死の多い分野で上限規制を除外、猶予などありえません。更に、月をまたいで業務が集中すれば、30日間で150時間の残業もあり得ることも明らかになりました。これでは過労死はなくならないばかりか、増えるではありませんか。

 次に、「同一労働同一賃金」は、法案に文言すらありません。「人材活用の仕組み」を理由に、正社員との違いを合理的とする基本的内容は変わらないため、均等待遇の対象となるパートタイム労働者は1.5%にとどまり、有期労働者や派遣労働者についても極めて限定されます。これでは非正規労働者の待遇改善どころか、格差固定化というべきです。

 雇用対策法が変質させられます。同法は、憲法27条の勤労権を保障し「完全雇用の達成をめざす」ものですが、「生産性の向上」が目的の中心に据えられ、「多様な就業形態」の名目で労働者保護法制が適用されない、非雇用型の働き方を増やすものであり、極めて重大です。

 最後に、労働法制を「打破すべき岩盤規制」だとして、産業競争力会議や規制改革会議などが決めた方針を、厚労省の頭越しに労政審に押し付ける極めて異常な手法をとってきた安倍政権に、「働き方改革」などと語る資格はありません。
 労働基準法は、第1条にあるように、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすものでなければなりません。戦後の帝国議会で、民間の自由契約だけにまかせていては労働者の健康を守れないとして、国家が最低限の基準を示すべきとされたのです。本法案は歴史を70年後戻りさせる大改悪であると指摘し、反対討論とします。

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