国会質問

質問日:2010年 11月 9日 第176国会 予算委員会

TPP、介護保険、後期高齢者医療制度等

TPP参加するな

 日本共産党の高橋ちづ子議員は9日の衆院予算委員会で、政府が「協議開始」を閣議決定した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、菅直人首相の言う「農業再生との両立」などはあり得ず、「協議にも参加すべきではない」と主張しました。

 高橋氏は、関税の原則撤廃をめざすTPPへの参加を検討すること自体が、「守るべきものは守る」という政府の方針の転換だと批判。鹿野道彦農水相は「参加すると決めたわけではない」としながら、「自由貿易を進めるなら国内対策も必要になる」と答弁しました。

 高橋氏は、農水省は2007年の当時から、関税をゼロにしたら食料自給率が12%まで下落し、9割の農家を切り捨てる「農業構造改革」を行っても立ちゆかないことを認めていたと指摘。「米貨暴落では、政府の言うとおりに規模拡大を進めてきた農家ほど影響を受けている」と述べ、関税をなくせば個別所得補償も際限がなくなると強調しました。

 高橋氏は、経済界は「乗り遅れるな」「日米同盟が主導権を握る」とあおっているが、日米関係がカギだと指摘。牛肉、オレンジ、ミニマムアクセス(最低輸入機会)米の受入など、これまでの日米間の農業貿易は対等ではなく、もっぱら日本が市場開放を迫られる関係だったと批判。「こういう力関係のなかで、たとえ協議でも、交渉の枠組に入るということは、自由貿易をたてに譲歩と規制緩和を迫られるだけだ」と強調しました。

 

介護・医療 負担増やめよ

 日本共産党の高橋ちづ子議員は9日の衆院予算委員会で、介護・医療など社会保障分野での負担増計画を批判し、政府の責任を果たすよう迫りました。

 高橋氏は、「小泉改革」で切り捨てられた社会保障が政権交代によって修復されるという国民の期待は裏切られてきたと述べました。その上で、導入から10年たった介護保険では、(1)生活援助など軽度者に対する給付の縮小、(2)軽度者の利用者負担引き上げ、(3)被保険者の40歳未満への拡大--が検討されていると指摘。これでは家族が介護を抱える10年前に逆戻りしてしまい、介護が市場任せになってしまうと批判しました。
 細川律夫更生労働相は、介護の市場化が雇用増につながるとしつつも、「(サービスを介護保険の)外に出すことはない」と述べました。

 高橋氏は、政府が2013年度から実施をめざす新たな高齢者医療制度で、70~74歳の、窓口負担を1割から2割に倍増しようとしていることを批判。保険料が20年には3割増、25年には5割増となるのに、基礎年金額は25年になっても2%程度しか増えないという事実を示し、「年金は増えないのに、とられる分だけ増やすのか」と批判しました。

 保険料だけでなく公費負担も増えると釈明する細川氏に対し、高橋氏は、“新制度”では、13年度と比べ25年度で市町村負担が400億円も増えるのに、国の負担は500億円も減ると指摘。「負担が増えるのは財政力のない市町村だ」と、国がまず責任を果たすよう迫りました。

(2010年11月10日(水)「しんぶん赤旗」より転載)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、ちょっと今の続きになるかもしれませんけれども、TPP、環太平洋戦略的経済連携協定についてお伺いをいたします。
 舞台となるアジア太平洋地域は、世界の国内総生産、GDPの五四%、世界貿易の約半分を占めていると言います。ですから、先ほど話題にもなりました、けさの閣議決定、この基本方針によれば、「この地域の安定と繁栄は死活的な問題」、このように政府は位置づけているのだと思います。
 このアジア太平洋地域で、さまざまな国同士の貿易のルールづくりがやられてきました。その中でTPPとは、初めはシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイという四カ国の小さな連携協定でありましたが、昨年のAPECで米国がこれに参加を表明した。これを契機に、オーストラリア、ベトナムなど九カ国の交渉となりました。
 十二日から横浜でAPEC、アジア太平洋経済協力フォーラムが始まりますが、既に宣言案にもTPPが盛り込まれていると報道されており、議長国としての日本の姿勢が問われるかと思います。
 本日閣議決定された基本方針は、「情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する。」というものであります。私は、これは事実上の交渉参加宣言にもとれると思います。
 菅総理は、どのようにAPECで日本の態度を表明するおつもりでしょうか。

○菅内閣総理大臣 直前の佐藤議員の御質問にも答えたところでありますけれども、私は、この十年ほどの流れを見ていて、かつてアジアの中では日本は圧倒的に大きな経済規模を持ち、ODAなどを含めて、ASEAN諸国や多くの国々をある意味でリードしている立場でありました。
 しかし、この十年ぐらい前から、そうした国々が大きな成長の軌道に乗って、そしてそれぞれの中で、より自由なマーケットを連携してつくっていこう、特にお隣の国の韓国などが積極的にそういう行動をとって、ある意味での効果を上げつつある中では、日本はそういう大きな世界のうねり、アジアのうねり、太平洋のうねりの中にやや立ちおくれてきている、このような認識を持っております。
 そういった中で、今回のAPECは、まさにアジア太平洋地域という世界のGDPの半分以上を占める、そういう大きなある意味での地域的な組織体でありますので、そういう中において、もともとAPECというのは、こうした自由貿易の促進、ボゴール宣言といったものを実現するということを目標にしてまいりましたので、我が国としてもそうした方向で、FTAAPの構築を目指すという基本的な立場に立って、同時に、こうしたTPPや各FTAあるいはEPA等の、より自由にしていくという、そういった方向についても、我が国としては積極的にいろいろな形で取り組む。
 このTPPについての表現は、今もおっしゃったように、関係国との協議に参加をするということでありますけれども、この精神をきちっと表明していきたい。その場合に、一方で、農業の再生ということをもう一つの柱として取り組むんだということもあわせて表明していきたい、このように考えております。

○高橋(千)委員 先ほど来の答弁を聞いていますと、これまでは、例えば民主党の中でも、あるいは閣僚の中でも、このTPPに対してのいろいろな意見があったのだと思っているわけです。ところが、結局、交渉に参加をするという事実上の宣言ではないかと私はお話ししましたけれども、APECの中で、結局、TPPはあくまでも通過点にすぎない、アジア太平洋全体の自由貿易、あるいはその先のEUなども視野に入れた全体の自由貿易ということが念頭にあるんだということだったのではないか、このように受けとめました。
 そこで、世界百五十カ国以上が加盟するWTOでも、あるいはEPA、経済連携協定、FTA、自由貿易協定、二国間で結ぶ、こういうときでも、これまでは、互いの国での重要なもの、例えば日本でいう米のような重要なものに対してはやはり例外ということがあったわけです。これが、今回はそういうことが認められないということで、事実なのかということが一つと、事実であれば、参加を検討するということ自体が、これまでの交渉に日本が臨んできた態度、守るべきものは守るという態度そのものが転換になると思いますが、違いますか。

○玄葉国務大臣 まず、高橋委員に申し上げたいのは、TPPに関しては、交渉参加前の段階の協議に入るということでございます。同時に、確かに高いレベルの経済連携を進めるということは一方で書いてございます。そのことは間違いないということでございます。
 その上で、高橋さん、どんなお話でしたか。(高橋(千)委員「農水大臣に通告していますので」と呼ぶ)
 TPPに関して例外品目が認められるかどうかということでありますけれども、そのことについては、結論から申し上げれば、明確にはなっておりません。
 ただ、事実関係で申し上げれば、例えば米豪FTAというのがございますけれども、米豪FTAの中では幾つかの例外品目が既にございます。例えば米豪のFTAの自由化率は九六%でございます。その米豪のFTAがそのままTPPのルールに持ち込まれる、そういう情報もかなり内容の濃い情報としてあるのも事実でございます。

○鹿野国務大臣 私の承知している限りでは、TPPに関しましては、もちろん、二国間、九つの国、参加を表明している国といろいろな話し合いがなされていくわけでありますけれども、原則としては関税撤廃、すなわち、八〇%は即時撤廃、そして二〇%は十年内に撤廃、こういうふうな認識を持っているところであります。

○高橋(千)委員 答弁漏れ。後の方の、守るべきものは守るというこれまでの交渉のルールを日本は転換したのですかということ。

○鹿野国務大臣 先ほど玄葉大臣から申し上げましたとおりに、このTPPに参加をするというふうな表明をしているわけではありませんし、総理から言われたとおりに、これからFTAAP、こういうところの構築に向けて、このTPPに対してどういう姿勢をとっていくかというふうなことの検討、そして、いろいろとそういう検討という中で、参加をするその前の段階で、情報収集も含めて協議を始めるということでありますから、まだ決まったわけではありませんので、転換をするとかなんとかという次元の問題ではございません。

○高橋(千)委員 鹿野農水大臣は、十月二十一日の新成長戦略実現会議の場で、「実質関税ゼロ国だということを宣言することと同様だ」というふうにおっしゃっております。物すごい衝撃があると。ですから、もう実質ゼロ国なんだということをわかって検討するということ自体が、もうこれまでの姿勢はないのだろうということを指摘せざるを得ないんです。これで押し問答になってもしようがないから、これは言っておきたいと思います。
 そこで、先ほど来、開国と農業の再生を両立させ、ともに実現する、このように述べられましたけれども、私は絶対にあり得ないと思います。東北の出身でございますので、おれの代で農業は終わりだという声を随分聞いてまいりました。ことしはとりわけ、米価の暴落が大きな問題になっております。
 岩手県のある地方議員さんが近所の農家から、おれはもう今から死ぬから、息子には借金を継がせられない、こう訴えられました。秋田では、農業で食べていけないから、若い人がどんどん都会へ出ていくと怒りをぶつけられました。それでも農家の皆さんは、政権交代し、民主党の戸別所得補償政策に期待をして、もう少しやってみよう、そう頑張っている農家もいるのではないでしょうか。
 こういう農家が、来年も農業を続けようと思えるでしょうか。まさか、戸別所得補償制度が農家の退職金になるなんてことはないと思いますが、いかがですか。

○鹿野国務大臣 戸別所得補償制度というものは、御承知のとおりに、価格政策から所得政策に切りかえをするという大きな転換をもって、そして再生産につなげることができるように、こういうふうなことで私どもは導入をしたということでございます。
 一方、このTPPの問題については、重ねて申し上げますけれども、参加をするとかしないとか、まだ決めたわけではございません。そして同時に、これからFTAAP、新しいこのアジア太平洋の自由貿易をどうやって構築していくかということの中で、EPA等々を進める中で、当然、その高いレベルというふうなことが求められるとするならば、そこに国内対策が必要ですね、そういうふうなことならば財源等も必要になってきますねというようなことも盛り込んだ今回の基本方針でございまして、そういう中で、私どもは、しっかりとこの現状、今の農業者の現状、そして総理から言われる、農業、農村の振興と自給率向上というふうなものを両立すべく懸命に努力をしていきたい、こう思っておるところであります。

○高橋(千)委員 国内対策とおっしゃいましたけれども、例えば日本とオーストラリアの経済連携協定が話題になった二〇〇七年に、経済財政諮問会議が、関税をゼロにした場合、食料自給率は幾らになるかという試算を農水省にさせたことがありました。それが食料自給率一二%という数字で、今改めてそれが言われていたりするわけですけれども、私は、二月の予算委員会でこのことを取り上げたわけなんです。
 当時、まだ自民党政権でありましたので、自民党政権が打ち出していた構造改革、いわゆる四ヘクタール以上などと言われたあの構造改革で、意欲と能力のある担い手農家に土地と支援策を集中するという改革をやれば、完全自由化になってもやっていけますかと聞きました。農水省は、経営規模を拡大し、稲作の生産コストを引き下げる、そうすると、大体現在の約六割、六十キロ当たり一万一千円という水準にまで引き下げたとしても、米国など諸外国の生産コストと比べれば、依然として大きな格差があると答えたわけです。
 つまり、三年たって、今、もう一万一千円を割るかという水準であります。これまでの政府の言う理想どおりに規模拡大を進めてきた大規模農家ほど、今、米価暴落の影響が直撃して、六百万、七百万の減収だと言っています。
 こういう中で、当時、九割の農家を切り捨てるじゃないかと批判をされた自民党の構造改革をやっても、関税ゼロでは無理だということを当時から農水省は言っていたんです。これ以上の国内対策、どうやれますか。

○鹿野国務大臣 高橋先生御承知のとおりに、農業者戸別所得補償、これをまずモデル事業として、米農家を対象にして、これを二十二年度に推進をしているところでありまして、そして、その中身は、御承知のとおりに、定額給付、いわゆる岩盤をしっかりとやっていく、そして、お米が下落した場合には、そこには下落対策として、この変動の対応というふうなものもその中に盛り込まれているわけであります。そういう状況の中で、しっかりと再生産に向かってやっていただけるような政策をこれからも恒常的に進めていきたいと思っておるところでございます。

○高橋(千)委員 今のお答えではとても対応にならないというのは、だれが聞いてもおわかりだと思うんですね。戸別所得補償対策があるから米をもっと安くしてもいいよということで、今の米価暴落に拍車をかけたんじゃないですか。これを一体何倍にすれば、どれだけ対象にすればこれが国内対策だと言えるんですか。九割切り捨てると批判されたってできないと言ったものが、できるはずないんだということを指摘したい。もう答弁は要らないです。
 次に行きたいと思うんです。
 私は、最大のかぎは、日本とアメリカの関係だと思うんですね。十月二十八日に、ハワイでのクリントン米国務長官の演説、二十一世紀の歴史はアジアが刻む、我々はこの地域での役割を減らすつもりはないというものでした。アメリカは、来年十一月、みずからが議長国となるAPECで交渉の妥結を目指しているといいます。まさにこの一年間がその熱い焦点になると思うんですが、だからこそ、経済界は乗りおくれるなと叫び、日本とアメリカ、日米同盟がその主導権を握るんだと言っているんです。でも、乗りおくれるなと言われて、乗ったバスがどこへ行くのか。
 これまでの日本とアメリカの農業貿易、対等ではなかった。専ら市場開放を迫られる関係だった。皆さんわかっているはずです。牛肉・オレンジに始まり、ミニマムアクセス米の半分はアメリカです。例えば、地元ですけれども、リンゴの輸入解禁をめぐって、日本の検疫は厳し過ぎるとアメリカがWTOに訴えて、結局、緩和を求められたということがありました。今、焦点となっているのは、BSEの輸入規制緩和問題であります。
 こういう力関係なわけですから、日本が攻めているものはないわけですよね。日本が、たとえ協議でも、交渉の枠組みに入るということは、自由貿易を盾に譲歩と規制緩和を迫られるだけではないのか、これは総理に伺います。

○鹿野国務大臣 今、BSEの牛肉の問題がありましたけれども、基本的には、この牛肉、BSEの今後の対応については、これはあくまでも科学的知見に基づいて対応するというふうなことでございます。

○高橋(千)委員 これ以上の答弁がないということですね。
 関税だけじゃないでしょう、例外なきというのは。結局、そういう基準の問題も安全の問題も、例外なきというところに持っていかれるんだ、そのときに日本が、攻める側ではなくて、攻められる側ばかりじゃないか、交渉に入ると決めなくても、協議に入るということ自体がそういうことなんだということを指摘したいと思います。
 ここは、あと、指摘で終わりたいと思うんですけれども、当時の〇七年の経済財政諮問会議のときに、経団連の御手洗会長は、経済がグローバルになることによって日本の国土が広くなるという表現をいたしました。
 私は、今回、農業だけではなくて、人、物、金、あらゆるものが例外なく取り払われるということで、本当に国の形が変わるような大きな意味を持っているんだろうと思うんです。そうして、世界で活躍する企業の利益が、では地域に還元されるんだろうか、雇用や中小企業、地域の経済を守る方に還元されるんだろうかということは、全然わからないわけですよ。輸出企業がTPPに入らなかったら損なわれる試算ばかり出てきているわけですね。そういう点でも、余りにも全体像が見えていないし、まだまだ影響が大きいということを指摘をしなければならない。TPP交渉には協議にも参加すべきではない。
 これは、もっとしゃべりたいことがあるんですけれども、ほかにも議題がございますので、きょうはここを要望にとどめて、集中審議などということをぜひやっていただきたいと思います。委員長に要望します。

○中井委員長 御質問ですか、僕に。

○高橋(千)委員 委員長に要望します。

○中井委員長 そうですか。理事会で協議いたします。
 お怒りはよくわかりますが、どうぞ、お怒りとともに御質問をお願いします。

○高橋(千)委員 質問してもきちんと答弁してくださらないので、きょうはそういう意味で申し上げます。(発言する者あり)いや、ちょっといいです。
 私は、きょうは社会保障について話したいことがあります。(発言する者あり)ちゃんと質問します。
 総理は、十月一日の所信表明の演説で、社会保障問題について次のように発言をいたしました。「一般論として、多少の負担をしても安心できる社会をつくっていくことを重視するのか、それとも、負担はできるだけ少なくして個人の自己責任に多くを任せるのか、大きく二つの選択があるわけです。私は、多少の負担を国民にお願いしても、安心できる社会を実現することが望ましい、」このようにおっしゃられました。
 私は大変どきっとしたわけですね。負担か自己責任かというのはなかなか選べないだろうと思ったわけですけれども、総理の言う「多少の負担」あるいは「安心できる社会」、どのようなことを言っているのでしょうか。

○菅内閣総理大臣 現在、社会保障という分野は大変大きな分野でありまして、医療、介護、年金、そして保育を含めたそういった分野、さらには、広く言えば、雇用に関するいろいろな保険制度等も入っております。
 そういった社会の広い意味でのセーフティーネットといいましょうか、そういうものを含めてそれを充実させるにはそれなりの費用がかかるわけでありますから、その費用をどういう形で賄っていくのか。アメリカのように、社会的な医療保険制度、オバマ大統領が若干つくりましたけれども、大変それが少ない、個人に任されている社会もあり、また北欧のように、それを国がしっかりと税金等で賄っている国もありますので、そういうことを念頭に置いて申し上げました。

○高橋(千)委員 それなりの費用のお話ばかりだったんですが、後段の「安心できる社会」というのは。

○菅内閣総理大臣 これも、これまでの制度の中でももちろん、例えば病気になったときに保険制度があることで治療を受けられる、あるいは年をとって収入がなくなったときに年金で生活ができる、あるいは介護が必要になったときに介護を受けることができる、それらはすべて、広い意味での安心を構成するものだと思っております。
 ただ、あえて申し上げますと、これからの社会保障のあり方を考えるときに、そういうそれぞれの制度が縦割り的に存在するのがいいのか。私、今母親が八十九歳で幸い元気にしておりますけれども、場合によったら、生きている間は必ずこういう面倒は、それが社会であるか制度であるかわかりませんが、見るということを前提にして、これまでの年金と医療と介護をもっと総合的に考えるような制度があっていいのではないかとか、あるいは、今子供についても、いろいろと保育と幼稚園の幼保一元化の議論もいたしておりますけれども、そういったものを含めた安心できる社会、その中身もこれから大きく改革を進めていかなければ対応できないのではないかと思っております。

○高橋(千)委員 昨年の政権交代で国民が期待したのは、もう小泉改革ではないということではなかったのかなと思うんですね。私たちは、福祉も自己責任、まさにそういう改革ではなかったかと思っているわけですが、壊されてきた社会保障、医療、介護、障害者、そうしたものが少しずつ修復されて、よりよい方向に向かうのではないか、そういう期待がやはり新政権に込められたのではないかというふうに思うんです。
 ですから、私はきょう、総理にあえてその安心の社会というのは何ですかと聞いたのは、負担の中身についてはいろいろな議論がございます。我々は、消費税増税反対というのは前から話しているわけですけれども、しかし、多くの国民の中には、それでも安心できる社会にするのであればとか、あるいは総理が経済大変だと言っているからという、本当にまじめな議論があるわけですね。そこにまずこたえるという姿勢があるのだろうかということが知りたいわけなんです。実際には、国民の期待が一つ一つ裏切られてきたのではないか、そう思うんです。
 そこで、一つ目に介護保険について伺うんですけれども、ことしで十年目なわけですので、見直しがされております。
 資料の一枚目をごらんください。
 これは、厚労省の社会保障審議会介護保険部会に出された資料でありますけれども、全部は読めませんのでアンダーラインを引いております。この見直しにかかわる主な論点についてということで、上から、線を引いているところだけ読みますけれども、例えば、今まで無料だったケアマネジャーの利用料を有料にするとか、重度の要介護者に給付を重点化する観点から、軽度者の利用者負担を引き上げる、同じく、生活援助サービスなど軽度者に対する給付を縮小する、被保険者範囲を四十歳未満の者に拡大することをどう考えるか、こうした論点があらかじめ示されております。
 つまり、負担をふやすということと、サービスの中身を減らす、範囲を減らす、こういうのが随分列記をされているわけですけれども、大臣もこうした見直しが必要だと思っているのでしょうか。

○細川国務大臣 高橋委員にお答えをいたします。
 高齢化が急速に進んでおりまして、そういう中で介護が必要になったときには、十分な介護が受けられて安心して生活が送れるというように、そのためには介護の職員などの待遇の改善も必要ですし、また介護サービスの方も充実をしていかなければいけない、こういうふうに思っているところでございます。
 将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築していくということが、特に高齢化が急速に進んできた今、これが大事だというふうに考えておりまして、今委員が御指摘ありましたように、この社会保障審議会の介護保険で議論をしていただいておるところでございます。
 いろいろと今資料で御指摘もいただきまして、それについて御議論をいただいているということで、これは、決まった方向ではなくて、今議論をいただいているというところでございます。

○高橋(千)委員 その審議会に委員の方が、土井先生が出された資料をもとにパネルにしたわけですけれども、皆さんのお手元に同じものがございますけれども、一番上が、要介護三から五の方が百八十四万人で給付費四・二兆円ということで、その下に、要介護一、二、百六十一万人、要支援百二十三万人という形で、お金も書かれてありまして、ここを削ればこれだけのお金が浮くというのが計算しやすいようにできているわけです。
 その中で、この委員が提案をしたのは、ここの丸の部分ですけれども、要介護一から二、要支援の対象者への給付の中で、生活援助は給付費千六百億円程度というふうなことが言われております。
 しかも、けさの新聞によりますと、要支援の生活援助を保険から外すということも既に、自治体に任せてもいい、そういうふうなことが報道もされております。
 やはりこれは、厚労省が論点として出したわけですから、しかも、大臣は持続可能な云々とおっしゃったわけですから、こういうこともこれありとおっしゃっているのかなと。もう一回。

○細川国務大臣 今委員が言われます軽度者に対する給付につきましては、これはいろいろな御意見が出ております。保険料負担が厳しい中で、給付の選択と集中を進めて重度者の方の対応にシフトしていくべきだ、こういう御意見もございます。しかし、一方で、生活の維持につながるサービスはきちっと確保しなければいけないというような御議論も出ておりまして、今そういう議論をこの審議会の方で継続をしているということでございます。

○高橋(千)委員 ちょっと時間の関係で、一つ総理に伺うことにしていたんですけれども、飛ばします。今のところでとても大事な答弁がありましたので。
 重度者へシフトをしようという意見が出た一方、生活につながるサービスはやはり大事じゃないかという意見があったということなんですね。私は、賛否両論、さまざまな意見が審議会の中で出されているのは承知をしています。きょう聞きたいのは、大臣としてどうなのかという思いを聞きたいわけであります。
 それで、先ほどお話ししたように、介護保険はことしで十年なわけです。十年前施行されたときに、私どもは、保険あって介護なしの制度になるのではないか、このように反対をいたしました。ただ、当時、介護の社会化を叫んで、本当にその介護保険に期待をした方たちがやはりたくさんいたわけですよね。同時に、そういう方たちが今、今のままではだめだとおっしゃっているわけです。
 昨年の一月まで社会保障審議会介護給付費分科会委員を務めていた沖藤典子さんは、「介護保険は老いを守るか」という著書の中で、次のように介護保険が始まった当時の様子を紹介しています。
 その四月一日、Hさん、名前は全部イニシャルにしていますが、当時七十二歳はこう語った。ひとり暮らしですけれども、これで安心。一日でも長く我が家に住み続けられるよう家を改造します。やがて私のところにも、ホームヘルパーさんとかいろいろな職種の人が来てくれることになるんでしょうね。老後の不安がなくなって、この家で元気に生きていかれそう。
 Sさん六十二歳もまた、こう言った。これで、もし介護になっても嫁さんに気兼ねしなくてもいいですね。私の存在がだれかの束縛になるのは耐えられませんもの。
 山梨県のあるケアマネジャーの声も紹介しています。あのころ、家族介護や老老介護の大変さをさんざん見てきました。家族だから、嫁だからと言われて、介護する人もされる人も悲惨でした。どこの家にも年寄りがいる、でも長生きが喜べない、苦労の種だという話がたくさんありましたよ。新しいシステムの介護保険になれば、こんな状態から抜け出せると思いました。そのために自分たちの仕事があると本当に力がわきました。
 そういう当時の喜んでいた人たちの声なんです。本当に胸に詰まる思いがするんですけれども、この方たちの思いが報われたのかということなんです。老老介護や認知症同士の認認介護、介護を苦にした無理心中や殺人も後を絶ちません。介護のために仕事をやめる人は、年十四万人なんです。そういうときに、さらなるサービス抑制や負担増はあり得ないと思います。家族がまた介護を抱え込む、そういう十年前に後戻りさせてはならないと思います。
 大臣の気持ちで答えてください。

○細川国務大臣 今、高橋委員から読まれましたそういう人たちの期待というのが、この介護保険制度の中に込められたというふうにも思います。しかし、先ほども申し上げましたように、急速な高齢化のもとで介護費用が大変かかる、そういうときに、介護サービスも充実をしなければいけないけれども、しかしまた費用も大変かかるわけですから、それをどういうふうに負担していただくかということで、今、審議会の方で議論をいただいております。
 今、高橋委員の方からお話をされましたような、そういう人たちの気持ちも、もちろんその審議会の方での議論の中で出てきていると思いますので、そういうことも含めまして審議会の方での議論を進め、集約の方に持っていってもらえるものと思っております。

○高橋(千)委員 ふえ続ける高齢者と介護の需要、まあビジネスという見方もあるかと思います。また、それが政府の成長戦略なのではないかなと思うんです。二〇二〇年までに医療、介護分野で五十兆円の新規市場と二百八十四万人の雇用創出を見込んでおります。
 先ほどの生活援助の話ですけれども、例えば、保険外でサービスをやればいい、それを企業が受け持つ、その企業がケアマネジャーさんにお金を払って、そしてケアマネジャーさんがコーディネートをするというふうにやれば企業の市場も開かれるよねというような絵が経済産業省の産業構造ビジョンにかかれております。
 今、私たちが全国の事業所にやったアンケートの中でも、経済的な負担のために七割が利用を減らしている、我慢していると言っていますし、あるいは、介護保険で決められた給付の中では足りない、だけれども民間のサービスは受けるお金がないということを六割近くの人が答えて、我慢をしている状態であります。
 ですから、単純に外に出してしまって、市場が開拓されるよというふうにされては、そういう人たちが切り捨てられることになるわけです。この点、ちょっと通告しておりませんが、一言、大臣、お願いいたします。

○細川国務大臣 ちょっと趣旨がわからないところがありますけれども、この介護分野はこれから経済的にも成長する分野だ、こういうふうに位置づけております。それは当然、介護を受ける方たちがこれから急速にふえてまいりますから、その人たちをお世話する人も当然ふえてまいりますし、そういう施設もこれまたたくさん建てていかなければいけないということにもなってまいりますから、そういうところで働く人たちがふえる。そして、介護に関するいろいろな仕事がふえているという意味で、その点での成長が期待される。こういうことで、そういうところでもまた、日本の成長戦略の中で大きな位置づけをされているというところでございます。
 そのことが別に個人の、本人だけの特に負担になるとか、あるいは介護の制度そのものから外に出すような、そういうことではございませんので、その点については誤解のなきようにお願いをしたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 今最後におっしゃったこと、外に出すということではないのだとおっしゃっていただきましたので、これは確認をさせていただきたいと思うんです。
 それで、先ほどお世話する側というお話がありましたけれども、片や介護の支え手の分野で人手不足である、片や失業者がふえている、だから、ここに訓練をしてもらって介護の分野で働いてもらえばちょうどよいじゃないかというだけでは、ちょっと困る。現場の方たちはそんな簡単な仕事ではないよとおっしゃっておりますし、心機一転、介護の現場で頑張ろうとした方がくじけるような現実がございます。
 Kさんという登録ヘルパーがいらっしゃるんですが、この方は建設業界で働いておりましたが、不況で職を失い、家族の生活もあるために、年齢ではもう再就職が難しくてヘルパーの仕事を始めました。こういう人がこれからふえるだろうというふうに多分成長戦略では描いているんだと思うんですけれども、ただ、事業所もKさんに配慮して、要するに、家族を支えるためにいっぱいお金を上げなくちゃいけないということで、週六日フル回転の番割りをつくりました。それでも、一月目いっぱい働いて、交通費込みで十五万円にしかならない。仕方なく、介護が入っていない月曜日は別のアルバイトをしているわけなんです。ですから、週七日休みなく働いて、実際、続けていけるだろうかという不安を抱えているわけですよね。
 なので、やはり介護は、人間の尊厳に触れる専門的な仕事なんだということをもっと位置づけて、ふさわしい処遇をするべきだと思いますが、いかがですか。

○細川国務大臣 介護の仕事につかれて、余りにも仕事がきついということで離れられる方もたくさんおられるわけでございます。そのときに、仕事がきつい、しかも賃金が安いというような状況もございましたので、そこで、介護職員の待遇をしっかりと改善しなければいけないということで、介護職員の報酬、これは二十一年度の介護報酬のプラス三%改定、そしてまた介護職員の一人当たり平均一万五千円の賃金引き上げに相当する介護職員処遇改善交付金、これでたしか二万四千円ぐらいですかがプラスになって、改善もされたというところでございますけれども、しかし、まだまだそれだけでは十分ではないというふうに私は思っているところでございます。
 それから、今御紹介があった建設業の仕事から介護の仕事に転身をされるというか、かわられる、大変そういう方も多いわけでありますけれども、私どもとしましては、そういう方に職業能力をつけてもらう、専門的な技術を身につけていただくということで、職業訓練もしながら介護職員の仕事をしっかりやっていただけるような、そういう仕組みもいろいろと考えてやっているところでございます。

○高橋(千)委員 交付金については評価がいろいろあるわけでありまして、効果が思ったほど広がっていないということもあります。ただ、それ以前にやはり恒常的なものにするべきではないかという指摘がございます。また、介護報酬そのものをきちんとふやして安心の制度にするべきだ、その際に、ふやしたら利用者負担にまたはね返ってくるのではだめだということで、公費負担をふやせという声が審議会の中でも出ていると思います。その点で、大臣の決意を伺いたい。

○細川国務大臣 その点につきましては、先ほど申し上げました交付金が二十三年度末で終了する、こういうことにもなっておりますから、私どもとしましては、審議会でもいろいろ御議論もいただくというふうにも思いますけれども、今後、この処遇改善がしっかり進むということで検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 ぜひ重ねて要望したいと思います。
 次に、介護保険と大きく関係する後期高齢者医療制度について伺いたいと思います。
 新しい制度の仕組みについては、今回、全部はやる時間がないですので、負担の問題でちょっと伺いたいと思うんですね。
 二〇一三年に後期高齢者医療制度が廃止をされ、新しい制度の名前がないですので私が命名をしましたが、新後期高齢者医療制度になるわけです。枠組みが変わらないということなんですね。そこで議論をされているのは、七十歳以上の方の高齢者の窓口負担を一割から二割にする、倍にするというものであります。
 パネルと同じものを、手元に資料を加えておりますけれども、この窓口負担の問題ですね。十月二十五日の高齢者医療制度改革会議で、近藤克則委員が自身の共同研究をもとにして紹介している資料でございます。
 上の方が、過去一年に必要な受診を控えた高齢者の割合、下が所得なわけです。百五十万未満の方が一三・三%、三百万円以上の方が九・三%というように、所得の低い人がやはり受診を控える割合が高いねということを示しております。下の段は、これは年齢で分かれるわけです。七十歳以上になりますと一割負担になる、それまでは三割負担だと。そうすると、受診抑制の理由として、費用が高いからと言った人が、三割負担の人は三五・八%、七十歳以上で一割負担の人は二〇・一%、これもどっちも高いですけれども、しかし、窓口負担が安い方がやはり受診しやすいということはよくわかるのではないかと思います。
 秋田県の保険医協会の調査でも、この半年間の受診動向調査を見ますと、年齢に関係なく、経済的な理由で治療を中断または中止された方が四五%に上っているんです。レントゲンは撮らないでいいよ、検査はもうしなくていい、あるいは痛みだけとめて応急処置してください、そういうふうに患者さんが懐ぐあいを見て、最小限に治療を抑えているということがよくわかるんですね。
 その中に、こういう方がいらっしゃいます。七十歳になったら窓口負担が一割になるので、それまで検査は待ってほしい、そう言っている。そうすると、みんなわかっているわけですよ。七十歳になったら一割負担になる、待ち遠しい、待ち遠しいと言えばあれですけれども、少し楽になるなと思っているんですが、今回は、二〇一三年以降、新しい制度が始まれば、七十歳になった人から順々に二割負担になるということです。もう受診抑制ははっきりしているんですから、これ以上の負担増をすべきでないと思いますが、これは総理にちょっと伺いたいと思います。

○細川国務大臣 病気になって治療を受けた場合の個人負担、本人負担がどうなるかということについては、高橋委員も御承知のように、これは年齢によって違っております。
 まず、就学前、学校に入る前は、これは二割であります。学校へ入って、それからずっと六十九歳まで、これは三割。そして、七十歳から七十四歳までは二割、七十五歳以上は一割、こういうことになっているわけですね。本来は、七十歳から七十四歳の方は二割、こういうことになっているわけなんですけれども、これを特例で毎年二千億円の予算措置によりまして一割負担に凍結をして、七十歳を境に三割から一割に下がる、こういうことを今措置しているわけでございます。
 そこで、今七十歳から七十四歳は一割でありますけれども、これまで三割負担をしていただいていた方に七十歳になったならば二割を負担していただくということを御提案させていただいておりまして、ふえるというのではなくて、三割から二割に減るということで御提案をさせていただいておりますけれども、ここは、いろいろと今審議会の中で御議論をいただいているというところでございます。
 いろいろそれぞれのお考えはあろうかと思いますから、これはもう審議会でいろいろと御議論を待つということでございます。

○高橋(千)委員 今いろいろとおっしゃいましたけれども、まず、三割から二割に減るんだというお話は、確かにそのとおりですよ。でも、私が今言ったように、一割になるんだ、七十歳になったら一割になるんだとわかっていてみんなが検査を抑えたりしているのに、二割になるのかという話をしているんじゃないですか。
 それから、今は二割なんだけれども一割に抑えていますとおっしゃいましたけれども、それをやったのは自民党政権なわけで、そしてそれをやらせたのは、野党時代の民主党と我々が共同提案をして、後期高齢者医療制度を廃止せよ、それを国民が大きく支持をして、凍結までやはり何らかの見直しをしなくちゃいけないということで自民、公明が決断をした、そういう背景があったじゃないですか。それを何で打ち消すのかということなんです。
 今、大臣、二割負担は検討だとおっしゃいましたけれども、厚労省がさまざまな財政試算を出しています。その財政試算はすべて二割負担が織り込まれているということを言っておきます。ですから、もうほとんど既定の路線だということです。
 それで、このパネルは、お手元に資料もございます、厚労省が試算をした、新しい医療制度が始まってからどのくらい保険料が上がっていくかというパネルであります。二〇一三年から新制度が始まって、一五年、二〇二〇年、二〇二五年、それぞれどうなるか。見るとおわかりのように、大体三割増し、五割増しというふうになるわけです。
 厚労省は、この試算を三%の経済成長でやりました。賃金が三・五%上がったということで試算をしました。かなり無理があるなと思うんですよ。ただ、仮にそういう実態になったとしても、仮に賃金が伸びたとしても、下の方を見てください、基礎年金給付額は最大で二・二二%で、マイナスから出発しているでしょう。もうこれは、たとえ賃金が上がっても、年金というのはそれに比例して上がらないような仕組みにできているわけです。
 これでも負担増はやむを得ないのだろうか。年金が上がらないのに、取られる部分だけふえたらどうなっちゃうのか。

○細川国務大臣 高齢者の保険料が、一三年度では七万、それから二五年度では九万五千に伸びる、こういう見込みが書かれているわけでありますけれども、高齢化の進展で医療費の増加が避けられない。そういう中で新たな制度をどのようなものにするかについても、高齢者の医療については、公費と、それから高齢者の保険料、それから現役世代の保険料による高齢者に対する支援、それから患者負担の組み合わせによって支えるしかないわけでございます。
 そこで、先般、制度改正に伴います財政への影響試算を提示させていただきましたけれども、新制度を仮に二〇二五年度まではそのまま続ければ、御指摘のような高齢者の保険料は増加するということで、一方、現役世代の保険料も同程度に増加をする、公費の方は、負担はそれ以上に負担をする、こういうことになっております。
 いずれにいたしましても、費用の負担のあり方については、その時々の医療費の動向、年金を含めた社会保険制度全体のあり方、そして社会経済情勢等を踏まえながら、先ほど申し上げましたように、公費と、それから高齢者の保険料、現役世代の保険料、そして患者負担がどうなるか、それぞれ適切な水準となっているかどうか、これは継続的に検証をしながら、必要に応じて見直していかなければならないというものであろうと思っております。

○高橋(千)委員 今、必要に応じて見直していかなければならないと最後におっしゃいました。余り時間がないですので、そこら辺は、もう年金では間に合わないことははっきりしていますので、やはりちゃんと見ていただきたいと思うんです。
 そこで、このパネルは、厚労省がいろいろな試算をして、新しい制度になったときに、今おっしゃった、公費と、いわゆる税金の部分ですね。それで、現役世代の支援で支えるしかないのだとおっしゃった。そこの税金の部分がどうなっていくのかというのを書いた資料なんであります。
 それで、国と都道府県、市町村の関係は大体四対一対一の関係で、割合は今後も変わらないと言われています。そして、年を追うごとにこの負担がどうなるのか、見ていただきたいと思うんですが、市町村負担は、六百億、八百億、千億というふうに上がります。都道府県負担は、二百億、百億、大体こういう感じです。国負担は、実はマイナスなんですね。マイナス三百億、六百億、五百億。
 つまり、高齢化が進んで医療費はこんなに上がるといいながら、実は国の負担が下がるじゃないか。市町村に、一番財政力のないところに負担を押しつけている。そうしたら、国が真っ先の責任を果たしていないで国民と自治体に責任を押しつける、これはおかしい。これはいかがですか。

○中井委員長 質問時間は終わっておりますので、細川さん、短く。

○細川国務大臣 これはちょっと難しい問題で、簡単には……

○中井委員長 そういうことを言わずに、ぷっと短く答えてください。

○細川国務大臣 はい。
 これは、負担の割合が四対一対一、こういうことになっておりまして、その規模は国の方が物すごく大きくなっている。したがって、ふえる額も全然違うんです。規模が違うんです。国の方は全く多くなっておるということを考慮していただきたいと思います。

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