国会質問

質問日:2018年 4月 13日 第196国会 厚生労働委員会

野村不動産への特別指導

野村不「指導」形だけ
高橋氏 黒塗り部分開示求める

 日本共産党の高橋千鶴子議員は13日の衆院厚生労働委員会の質問で、野村不動産への裁量労働制違法適用の「特別指導」が、会社からの改善報告の手続きも決められていない形だけのものだったことを明らかにし、黒塗りの報告書から過労自殺につながった違法な長時間労働に関わる部分を開示するよう要求しました。高橋氏は、政府の公表通達にもとづく企業トップに対する労働局長の指導では、「指導書」を交付するのに、「なぜ今回の特別指導では口頭だけなのか、改善結果はどうやって確かめるのか」とただしました。
 山越敬一労働基準局長は、「特別の事案ですので、どういうふうにというのは控える」「何らかの形で報告していただくものだと思っている」などあいまいな答弁に終始し、何度も審議が止まりました。
 加藤勝信厚労相は、「東京労働局長がいつまでにどのように報告してくれと(言ったとは)承知していないが、個々の監督署で是正指導されている」と答弁。高橋氏は、「何のための特別指導か」と批判しました。
 高橋氏は、東京労働局の記者会見資料には野村不動産で違法な時間外労働が認められたとしており、同社ホームページでも残業時間を決めた「三六協定」を超えたと認めていると指摘。「同社の特別協定にある残業月80時間を超えていたのではないか」と質問しました。
 加藤厚労相は、「違法な労働時間とは、三六協定で決められた時間より長かった」と認めながら、特別指導は公表通達と別枠だと述べました。
 高橋氏は、「(特別指導は)長時間労働隠しに他ならない」と強調。「公表に同意した遺族の気持ちにどう応えるのか」と批判しました。
(しんぶん赤旗2018年4月14日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 法案について質問いたします。野党は、きょうが第一回目であります。
 今、国の行政全体に対する強い不信感、改ざんや隠蔽が相次ぐ、果ては官僚トップの不祥事など、目に余る状況であります。与野党問わず、政治の信頼が取り戻せるのかが問われていると思います。きょうの午前中も集中審議をやったわけでありますけれども、与党理事におかれては、そうした状況に配慮をいただいたと感謝をしておりますが、引き続き、必要なことはお願いをしたいということと同時に、本法案も本当に重要な論点が多いものですから、十分な審議時間の確保をお願いしたいと思います。
 最初の質問は、三十日の本会議でも質問しましたけれども、生活困窮者自立支援法の第二条に基本理念を創設し、第三条の定義を見直した理由についてです。
 同法は、二〇一一年、民主党政権のもとでの求職者支援制度を出発点とし、二〇一三年成立、二〇一五年四月から施行されました。保護の一歩手前の人を対象とし、自立支援とは就労支援が中心であるという認識がありました。今回は、就労が困難な方たちにとっての支援も同法によってカバーする、そういう理解でよろしいでしょうか。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 生活困窮者自立支援制度でございますが、平成二十七年の施行当初から、現行の生活困窮者の定義のもとで、断らない相談支援が全国で実践をされ、縦割りの制度では対応できなかった複合的な課題を抱える方々を広く対象といたしまして、就労支援のみならず、家計相談支援や住まいの確保など、個々の生活困窮者の状況に応じた包括的な支援を実施することにより自立の促進を図ってきた、このような制度でございます。
 今回の法案では、こうした包括的支援などの基本理念や定義を関係者間で共有をし、適切かつ効果的な支援を更に推進するために、基本理念や定義の明確化を図っているところでございます。
 これによりまして、これまでの生活困窮者自立支援制度の対象者自体を見直すというものではなく、御指摘の就労が困難な方に対しても、その状況に応じたきめ細かい支援を引き続き行っていきたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 きめ細かい支援、就労だけではないんだということで、確認をさせていただきます。
 やはり、背景をさまざま書くことによって、そのことがクリアになってきたのではないかと思います。ただ、出発点がやはり就労ということがあったものですから、どうしても、いわゆる稼働能力といいますかね、そこに中心が行ってしまうのではないかということで、そうではないよね、いろいろな課題があるよね、また、すごい頑張ってくださっている方々がたくさんいると思っているからこそ、あえて伺わせていただきました。
 そこで、次に、一月三十一日の深夜、札幌市の共同住宅そしあるハイムの火災により、生活保護受給者など十六名の入居者中、十一名が亡くなるという事故がありました。改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
 二月九日、私も現地に行きまして、消火に当たった消防署の職員から事情を聞くとともに、北海道、札幌市、また、生活支援やシェルターなどに取り組むNPO法人、団体の皆様からお話を聞く機会もございました。
 正直、現地に行くまでは、この施設をどう見ればよいか、よくわかりませんでした。いわゆる貧困ビジネスとか、そういうことも、ちまたではよく言われるわけですよね。報道では、とにかく、無届けの有料老人ホームじゃないかというふうなことが言われる。だけれども、決して高齢者だけではなく、若年の方もいらっしゃる。そういう中で、結局、お世話になった方たちの、本当にこの施設がなければという声も紹介されていたわけなんです。それを、本当に、行ってみて、そのことを強く実感したわけなんですけれども。
 実は、二〇〇九年の、群馬県渋川市の「たまゆら」で十名の高齢者が亡くなった際にも現地に行きました。未届けの有料老人ホームと認定され、主に墨田区を始め首都圏の、生活保護を受けながら、言ってみれば、住宅扶助の安い地方の施設に入所していたという、本当にやるせない事故でありました。
 今回のそしあるハイムも、どういう位置づけなのかということが報道されて、町としては把握していないということも報じられました。消防法では下宿と位置づけられています。運営をしていた合同会社なんもさサポートは、東区に五施設、北区に二十九施設、合計三百世帯を支援する施設を持っている。今回のような下宿型は、ここのみと聞いています。形態としては、無料低額宿泊所に近いのではないかと感じたこと。
 資料の一枚目につけておきましたが、読売の二月三日付、「助けられずごめん」という見出しになっています。これは、同法人が運営するほかの住宅に住む女性が、そしあるハイムの住民と交流があったということで、こういう声を上げていた記事であります。
 また、二枚目には、毎日新聞の三月二日付の記事、自分だけ助かっても喜べない、住みやすい施設で、みんな一生懸命やっていたのにという入居者の声を紹介しています。
 一枚目の朝日、二月三日付の社説もつけておきましたけれども、いわゆる貧困ビジネスの類いではない、十分な環境や体制とは言えないまでも、入居者にとってはなくてはならない住まいだったと思います。
 大臣に伺います。
 今回の事故を受けて、単にこの施設の法的位置づけがないことや、防火対策をどうするかというだけの議論にとどまらず、それぞれの利用者がどのような背景で保護を利用するようになり、この共同住宅に集まってきたのかを捉まえ、何を教訓として導くのかが大事だと思いますけれども、認識を伺います。
○加藤国務大臣 御指摘の、一月の札幌市の施設の火災、今、高橋委員からもお話がありましたけれども、十一名の方がお亡くなりになりました。改めて哀悼の意を表させていただきたいと思いますし、また、厚労省では、二月の六日には高木副大臣に現地に行っていただいて、献花をするとともに、市の担当者等とも状況説明をするなど、自来、札幌市とも、この問題についても適宜連携をさせていただいております。
 この施設は、路上生活者の支援を行っている事業者が運営していたものと承知をしておりますが、こうした施設も含めて、無料低額宿泊所の利用者や、社会福祉各法に位置づけのない施設に入所する生活保護受給者、約三万二千人おられるというふうに承知をしておりますが、その二割弱が病院等からの入所、二割強が自宅から、三割強が路上生活からということでございます。さまざまな事情で住宅の確保が難しい方がこうした施設を利用されている。一方で、さまざまな事業者によって、ある意味では、こうした住居が供給されているということで支えられているという状況もあるわけであります。
 このため、居住の確保が困難な生活困窮者の住まいに関する支援について検討させていただき、今回の生活保護法、生活困窮者自立支援法の支援策にも盛り込んだところでございまして、具体的には、生活保護法の改正において、無料低額宿泊所の規制の強化とあわせて、単独での居住が困難な生活保護受給者に対する日常生活上の支援を、福祉事務所が質の担保された事業所に委託する仕組み、また、今回火災が起きた施設のように、生活困窮者が多数居住しているが、居住期間が長いということで、この無料低額宿泊所には該当しない、このように判断がなされたというふうにも聞いております。届出が必要となる事業者について、居住期間の長短を問わないということにする等の観点も含めて、今後、関係者の意見を聞きながら、この判断基準の明確化を図っていきたいと思っております。
 あわせて、今回の改正案においては、一時生活支援事業を拡充し、シェルターを利用していた方等に対する一定期間の見守りや生活支援を行う事業も追加をしております。
 こうした施設を利用する方々の状況や背景、これはさまざまなものがあるわけでありますから、そうしたものを踏まえた上で、地方自治体、また、実際に提供等されておられます事業者など関係者の意見も聞きながら、今回の新しい制度を施行することも含めて、支援を要する生活困窮者のまずは住まいの確保、この問題にもしっかり取り組ませていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 大臣が、法案の概要説明みたいなことまでおっしゃってしまったものですから。
 ちょっと趣旨は、やはりどうしても、「たまゆら」のときはまさにそうだったんですけれども、火災が起きて、結局それは未届けの有料老人ホームだねという議論になり、今回は有料老人ホームを疑ったけれども、いや、ちょっと違うよねとなり、でも無料低額でもないよね、そういう議論ばかりになっちゃう。
 それから、火災が起きれば、じゃ、どうしようかという議論になっちゃう。スプリンクラーは、やはりかなり高額ですから、同様の施設の方にもお会いしましたけれども、それはあるのがいいに決まっているけれども、とても無理なんだ、どこからそのお金が出るんだとおっしゃっていたわけなんですね。
 だから、その議論だけになっちゃうと、じゃ、どんな形でこの方たちが歯を食いしばって支援をしてきたのかというところに思いを寄せれば、何が必要なのかというのが見えてくるんじゃないかという議論をしたかったわけなんです。
 アパートを借り上げて支援をしている団体、NPOにも聞きましたけれども、お話ししている最中に、ひっきりなしに電話がかかってくる、その方の携帯電話に。とにかく今すぐ助けてくれという話なんですね。それは行政からも連絡が行きます。また、札幌市にそういう施設が集中しているものですから、地方から、市外から連絡が来るんですね。やはり、いろいろ不十分だけれども、どうしてもそういう存在が必要なんだということ。
 それから、なんもさサポートと協力会社という法人ともお会いしました。この方たちは、やはりいろんな人がいるんだ、だからタイプを決めないでほしい、つまり、高齢者の施設であるとか障害者の施設であるとかではなくて、その人に合った支援をしているんだということで、決めないで、それをそのままわかって、やりやすい形で応援していただきたい、こういうことも言っていました。
 同法人は、なんもさサポートというのは、実は二〇〇五年に発足しているんですけれども、ホームレス支援の草分けのような存在である。札幌市を中心に、生活困窮者支援を行っている団体などからはよく知られていたと思います。
 この点は、認識、一緒でよろしいでしょうか。一言で答えてください。
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の法人についての認識は、ただいま委員から指摘されたとおりでございまして、生活困窮の方への支援を積極的に行ってきている団体の一つと認識をしております。
○高橋(千)委員 高木副大臣、直ちに駆けつけていただいたわけですけれども、ケースワーカーの方も訪問をしていたわけですが、どういう実態把握をされていたのか、また、この事故を受けて関係者とどんな協議をされてきたのか、お伺いします。
○高木副大臣 お答えいたします。
 二月六日に、私も、そしあるハイム前にて献花をさせていただきました。火災の被害の大きさを目の当たりにしまして、胸詰まる思いで、今も忘れることはできません。改めて、お亡くなりになられた十一名の方々の御冥福を心からお祈り申し上げる次第でございます。
 火災直後の二月二日に、厚生労働本省の生活保護担当職員を札幌市に派遣をいたしまして、札幌市東区役所におきまして、そしあるハイムで生活していた生活保護受給者の方々のケース記録の確認と、担当職員からの聞き取りを行いました。
 まず、ケースワーカーによる家庭訪問につきましては、国の通知で定められている一年に二回以上行われているということでございまして、また、福祉事務所におきまして、入所者が、事業者から食事の提供や通院の付添いなどの生活支援を受けながら日常生活を送っていることを認識はしていたようですが、施設の運営に特段問題があるとは感じていなかったという見解を聴取しております。
 生計困難者などの住まいにおける防火安全対策につきましては、火災直後から消防庁、国土交通省と協議を重ねまして、三月二十日に三省庁連名で通知を発出しまして、地方自治体の福祉部局、消防部局及び建築部局が連携した取組の実施を依頼したところでございます。
 また、重ねて、札幌市からは、私どもに対しまして、今回の法案に盛り込まれている無料低額宿泊所の見直しに際し、その該当性の判断基準や施設の最低基準の検討に当たっては、十分な協議の機会を設けてほしいとの要望をいただいておりまして、今後、地方自治体や事業者などの関係者の意見を聞きながら、法施行までの間に、最低基準などにつきまして具体的な検討を進めていくことが重要だと考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 ケースワーカーが年二回行っていた。ですから、考えれば、位置づけがはっきりしない施設であっても、ケースワーカーを通して、要するに利用者と結びついているわけなんですよね。
 だけれども、そこでは何も気づかれなかったということで、今回、一つの対策として、ケースワーカーが訪問した際に安全対策をやるんだということで国が通知をして、資料の三枚目につけておきましたけれども、チェックリストという、要するに、ケースワーカーはそっちの専門家ではないわけですから、どういうふうなものを見ればよいのかということで、たばこの吸い殻の管理状況ですとかストーブの使用状況、ガスこんろの使用状況、コンセントがタコ足になっていないかとか、こういうのは、確かに素人でも、言われれば気がつくよねと思います。
 だけれども、指摘をしたいのは、やはり大変な過重労働であること。ケースワーカーさん自身が持っているケースが大変多いわけですから、またここに気をとられると、十分な時間が、利用者に割く時間がとれないのじゃないか、そういうことも心配するわけですが、いかがでしょうか。
○定塚政府参考人 御紹介いただきましたとおり、今般の取組、新しい取組といたしまして、ケースワーカーが訪問した際に、入居者向けの助言をしたり、防火点検を行ったりということを関係省庁とともに通知をいたしております。
 生活保護受給者が居住する施設の防火安全対策については、従来から、福祉事務所による居住環境確認をし、消防への協力等について自治体に依頼をしてきたところでございますけれども、今申し上げたように、先月、新たに、自治体の福祉部局、福祉事務所、消防、建築部局が連携をしての取組を進めるとしたところでございます。
 この通知についてのケースワーカーの行動でございますけれども、ケースワーカーの業務負担を考慮しまして、この点検などは、あくまでも受給世帯への訪問調査を行う際にあわせて行っていただくということとしております。
 また、御紹介いただきましたけれども、専門的な知識を有しないケースワーカーであってもチェックができるようにということで、いただいた資料の下半分の方でございますけれども、チェックをする。
 また、防火対策の助言などについては、福祉事務所で点検、把握した、このような情報を参考として、自治体の福祉部局、消防部局、建築部局が連携して行うということで、ケースワーカーが一人で抱えるのではなくて、消防や建築部局と連携をして、この情報をまた検討していくということにしているところでございます。
 引き続き、このような取組で、防火安全対策を推進できるように取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 今、最後のところで、ケースワーカーが一人で抱えるわけではないんだというお話がありました。
 実は、資料の二枚目につけてあるんですけれども、札幌市で、この火災を受けて関係部局の対策会議が持たれ、つまり、先ほど来話題になっている三月二十日の国の指示を受けて、どのようにやっていくかという市の防災対策をまとめたわけですけれども、二段目に書いてありますように、「同日、全国の自治体に求めたケースワーカーによる防火点検などは最終的に明記しなかった。」と書いてある。これは、情報共有は当然必要だと確認したけれども、「通常業務が激務で、知識も乏しい。点検した施設で火災が起きれば責任問題になる」と市の幹部の声を載せていますが、それは本当に、ある意味、当然のものだと思います。
 ですから、今お話しされた、一人で抱えるのではないんだということをしっかりと届けていくと同時に、やはりそうはいっても、ケースワーカーそのものが足りないという状況にあるわけですから、そことあわせて、やはり国が責任を持つんだとやっていただきたい。これは要望にとどめておきたいと思います。
 それで、資料の5なんですけれども、社会福祉法に位置づけのない施設というのが、調査が二〇一四年に行われて、これは無料低額宿泊所と同時に調査が行われているんですけれども、千二百三十六施設、一万六千五百六十八人が入所しているということがわかっています。
 生保利用者が二人以上いる場合を調査の対象としているわけですが、札幌市は百九十五施設、二千三百三人と回答しているんですね。これは、札幌市に、実は法的位置づけのない施設というのが全国一多く、施設数では一五・七%を占めるわけです。一方、社会福祉法第二条第三項に規定する無料低額宿泊所が一つもなく、北海道全体でも一つしかありません。あくまで一時的なものだからこれに当たらないと説明されたわけですが、むしろ、そしあるハイムは、私は、これは位置づけるべきだったのではないかと直接市にも言いました。法人も申出をしていたと聞いております。
 今回、この無料低額宿泊所を、生活扶助を委託できる施設として、日常生活支援住居施設を法定する、また、その費用を事業者に交付するとしています。
 生活保護には居宅保護原則があり、住宅扶助基準面積は十五平米となっているわけです。もともと、無料低額宿泊所の指針は、その半分の七・四三平米でよいことになっています。全国調査で見ても、十五平米以上は八・二%にすぎません。
 そこで、伺いますが、これから法定する日常生活支援住居施設の面積基準は、当然、生活保護の住宅扶助基準を下回るべきではないと思いますが、どのようにするんでしょうか。
○定塚政府参考人 改正法で新しく、日常生活支援を委託できる日常生活支援住居施設、法定するわけでございますけれども、この要件につきましては、日常生活支援を適切に行うために必要な体制や整備、運営上の必要な事項について定めるということを想定をしております。
 居室の面積基準も含め、具体的な内容については、地方自治体や事業者など関係者の意見も聞きながら、改正法施行までの間に検討してまいりたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 でも、これは、終わってから、法律が通ってから決めるんですでは、やはり済まない問題だと思うんですね、居宅保護原則を変えるわけですから。一時的だと言っていた施設を、いわゆる恒久化するんでしょう。そのときに、今までの基準でなくてもよいというふうにするのかということは、重大な問題だと思うんですね。
 無料低額宿泊所は、さっき言ったように、十五平米以上を満たしているのは八・二%しかないんだけれども、住宅扶助基準と同額の宿泊料を徴収しているのは七七・五%もあるわけですよね。そうすると、扶助はしっかりもらっている、だけれども基準は満たしていない。だったら、やはり基準に近づけていかなきゃ、これをちゃんと法定するのであれば。それができないんだったら、一時的な施設である、そういうふうにやはりきちっとしなければ、ダブルスタンダードになってしまいます。いかがですか。
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 委員の御指摘の方向性、私どもも十分理解できるところでございます。
 ただ、最終的にどのような施設が日常生活支援住居施設として法定すべきか、また同時に、日常生活支援施設は、無料低額宿泊所や有料老人ホームを主に想定しているわけでございますけれども、無料低額宿泊所としての規制をどこまでかけていくかというもの、これについては、委員も先ほど来御指摘いただいているように、各地でいろいろな支援者がそれぞれの工夫で取り組んでいただいているという現状もございます。また、地域性もございますので、こうした各地でのいい支援をしていただいている事業者の行っている無料低額宿泊所等、これらが日常生活支援住居施設として活動できるようにということも踏まえながら、関係者と協議をしてまいりたい、このように考えております。
○高橋(千)委員 やはりこれは、今回のなんもさサポートの例がとても象徴的なんですよ。つまり、ここはホームレス支援から始まっていると、さっき言いましたよね。とても感謝しているんです、市は。長年やってくれてありがとうと言っています。だけれども、火災を起こしたら何の施設かわからないと言って、あっせんもしていないと。
 そういう問題じゃないんですね。やはり本当に、生活保護の人たちに住まいを提供するのに十分な施設がない。アパートもそういう安い値段で、三万六千円です、札幌市の基準は。それで満たすものがない、だから見て見ぬふりをしている、あるいは頼りにしている。でも、いざ問題が起きれば、頼りにしていたとは言えない、こういう状況を本当に変えていかなければ、扶助の基準が足りないのであれば見直しをしていく。今回は引き下げていますからね、前回ね。そういうことも含めて、やはりあり方を考えなければならないと思います。
 そこで、続けて聞きますが、本会議の質問で私は、生活困窮者自立支援の窓口に来所した方、私の質問に対して大臣が、四十五万人のうち五万人が生保の福祉事務所につながっていると答弁されました。ただ、窓口を紹介するだけで、受給までたどり着いたのかどうか、わからないわけですよね。把握しているんでしょうか。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 生活保護が必要な方については、これまでも運用において、要保護状態と認められる方や支援途中で要保護状態となった方については、自立相談支援機関から福祉事務所につないでいる。
 こうした中で、法施行後二年間の自立相談支援機関への新規相談者数約四十五万人のうち、推計でございますが約五万人、福祉事務所の窓口につながっているということでございます。しかしながら、これらのつないだ方について、結果として生活保護の受給に至っているかどうかについては、把握をしていないところでございます。
○高橋(千)委員 把握していないというお答えでした。五万人がきちっと受けられたかどうか、わからないわけなんです。でも、逆はわかっているんですよ。
 資料の六枚目にあるんですが、関係機関から相談がつながる際の実態ということで、生活保護を相談に行ったら自立相談支援の窓口につないでいる、八八・三%とか、ちゃんと同行していってあげて自立支援を受けなさいと言っているのが五一・二%。それで、保護が却下となった人とか廃止となった人とかがいるわけなんですね。
 でも、それは、我々が、結局、水際作戦にならないかということを指摘をしてきたけれども、そういう点での親切な同行はあるけれども、その逆は、本当に必要な人の保護を見届けるというところまでいっているのかということがわからない。これは重大な問題だと思うんですね。しっかりと調べていただきたい。
 断らない支援は大事だけれども、本当は断らない保護でなければならない、私はそう思うんですね。やはり、必要な人はまず保護を受けて、安定して、その上で、これは検討会の報告書にも書いていますよね、安定して、そうしたら自立支援という形で保護を脱却することだってあり得ると書いているわけですから、そういう見方ができるんじゃないか。
 あと、もう一問だけ質問したい。
 生活困窮者、生保、いずれも住まいの確保が極めて重要です。住居確保給付金は、二〇一六年度で五千九十五件の実績しかありません。四万件近かったのが大分減りました。離職者であり、就労を念頭に三カ月限定の制度であったために、今回、定義を見直したことも含め、拡充するべきではないか。いかがですか。
○定塚政府参考人 お答えいたします。
 まず、把握の件でございますけれども、福祉事務所につないだ結果、生活保護に至るかどうかを把握するということについては、御本人からの申請を受けた上で、福祉事務所において生活保護についての判断を行うものであり、また、生活保護の受給の有無が決定するまでには一定の期間を要することもあることから、自治体におけるフォローアップを行うための事務的な負担というのも考慮する必要があると考えております。
 さらに、保護受給を開始した旨の情報を福祉事務所から自立相談支援機関の窓口に返すためには、当該情報提供について本人から同意を得る必要もあるところでございます。
 こうしたことから、現状において、保護受給に至った実績の把握は行っていないところであり、行うことは容易でないと考えているところでございますけれども、何よりも重要なのは、委員も御指摘いただいたとおり、生活保護の窓口対応において、紹介のあったケースが保護を要する状況であれば、適切に保護を実施していくということが必要でございまして、今後とも、申請権を侵害しないということはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎み、適切な対応に努めるということを地方自治体に周知をしてまいりたいと考えております。
 また、もう一つ、住宅確保給付金についての御提言をいただいたところでございます。
 この住宅確保給付金でございますが、その目的としては、離職により住居を失った方や失うおそれのある方に対して、所要の求職活動などを条件に、賃貸住宅の家賃相当額を一定期間支給するものであり、就労による自立に向けた住まいの確保を図るということを目的としてございます。
 生活困窮者自立支援制度施行後の状況によれば、給付金を利用した方の約七割が就職に至っており、就労自立に向けて非常に高い効果を上げているというところでございます。
 御指摘いただいたような給付金の拡充については、本給付金は離職者の早期再就職による自立を支援するというためのものであって、仮にこれらの要件を緩和すれば、単に低収入の世帯に対しての家賃支給となってしまうことから、要件の緩和は制度の趣旨から難しいと考えているところでございます。
 なお、生活困窮者を含む低所得者の居住については、ハード、ソフトの両面の支援が必要ということで、今回の生活困窮者自立支援法の改正においても、一時生活支援事業の拡充で地域居住支援事業を位置づけるということなどの改正を盛り込んでいるところでございまして、昨年十月より施行された改正住宅セーフティーネット法とも連携を図りながら、生活困窮者の地域における継続的、安定的な居住の確保を図ってまいりたい、このように考えてございます。
○高橋(千)委員 残念ながら時間が来ましたので、また続きをやります。
 ありがとうございました。

 

――資料――

2018年4月13日衆院厚生労働委員会提出資料

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