国会質問

質問日:2018年 4月 4日 第196国会 厚生労働委員会

東京労働局長によるメディア恫喝発言、高度プロフェッショナル制度

「働き方改革」断念迫る
高橋氏、労働局長暴言を批判

 日本共産党の高橋千鶴子議員は4日の衆院厚生労働委員会で、勝田智明東京労働局長のメディアどう喝発言について、労働行政の信頼をどう回復していくのかとただしました。
 高橋氏は、勝田局長による「何なら皆さんのところ(会社に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」というどう喝発言について、「司法警察権を持つ専門職として現場で奮闘する労働基準監督官たちの誇りを傷つけている」と強調しました。
 加藤勝信厚労相は、「第一線で頑張っている監督官にとっても、発言は不適切だ」として、処分を検討していると述べました。
 高橋氏は、「特別指導も是正勧告も局長のさじ加減で恣意(しい)的におこなってはならない」と指摘。加藤厚労相は「労働者保護のため公正かつ誠実に権限行使をすることが是正勧告でも特別指導でも求められる」と答えました。
 高橋氏は、野村不動産の裁量労働制違法適用の特別指導について「なぜ野村不動産なのか合理的理由がないといけない」とただしました。山越敬一労働基準局長は、「法の趣旨を大きく逸脱するものだった」というだけで具体的理由を述べませんでした。
 高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)について、高橋氏は専門業務型裁量労働制を適用されている労働者に高プロの対象となる労働者がいるのではないかと質問。山越局長は、「一部重なる部分がある」と認めました。
 高橋氏は、2014年の再興戦略以降、同制度の導入を検討している企業があることを指摘し、対象となりうる労働者の実態を調査すべきだと主張。「いまの裁量労働制でも必要とされる深夜、休日の割増賃金を払いたくないということ以外に高プロ導入の理由はない」と批判し、高プロを含む「働き方改革」一括法案の閣議決定を「断念すべきだ」と強調しました。
(しんぶん赤旗2018年4月5日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今回の勝田東京労働局長の発言は大変ショックでした。既に大臣も処分を検討していると述べられておりますが、もう先ほど来何人もの方が指摘をしているように、発言を撤回、謝罪すれば済む問題ではありません。
 労働局は、政府にとっても、働き方改革の最前線あるいは前提のはずです。いろいろな基準を厳しくしても、あるいは上限規制など新しく入れたとしても、それを担保する体制が今信頼できない、こういうことが問われているわけです。
 労働基準監督官は、司法警察権を持つ専門職であり、いわゆる「かとく」、過重労働撲滅特別対策班など、これまで以上に厳しい現場に臨んできておりました。
 二月に地方の労働局を訪問した際、管理職の方だけではなくて、女性の監督官から直接お話を聞くことができました。例えば、残業代未払いなどの違反が指摘をされている事業場の大部分が、実は労働時間の管理ができていない、きちんと把握されていないと。では、労働時間がわからないのに、どうしてサービス残業だとわかったんですかと聞いたんですね。そうしたら、もちろん、捜査の手のうちを明かすことはできないと。これはそのとおりであります。ただ、同じ事業場に何度も通って、書類を出させるところからやらなきゃいけない、書類をチェックして、帳簿や伝票をチェックして、七時に帰ったと書いているんだけれども、実際は二十二時までパソコンが起動しているとか、そういうこと。
 ですから、労災を申請されて、いろいろな細かい残業時間を把握していきますよね。ああいうことを調査の段階で、こうした「かとく」の段階でも普通にやっているんだ、まさにプロの仕事なんだなということを大変感心したわけなんです。
 ですから、今回の東京労働局長の発言は、こうした全国で奮闘している監督官たちの誇りを傷つけるもので、断じて許すことはできません。名立たる大企業に対してもきっちり対峙して、違法行為あるいは脱法行為をただしていく重要な存在であります。
 そういうことなんだということを、大臣の認識は、共有されているのか、また、どうこの信頼を回復していくのか、問われていると思いますが、決意を伺いたい。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
○加藤国務大臣 東京労働局長の発言、これは甚だ不適切であるというふうに先ほどから申し上げさせていただいておりますし、また、まことに遺憾であるというふうに考えております。
 今、高橋委員からお話がありましたように、労働基準監督官は、労働基準関係法令に基づいて、事業場に立ち入り、そして法に定める労働条件や安全衛生の基準を事業主に守っていただくよう必要な指導を行い、労働条件の確保、向上、そして働く人の安全や健康の確保を図っており、また、労働基準監督機関において大変重要な役割を担っている、まさに第一線で頑張っていただいている、こういう存在であります。そういった皆さんにとっても、今回の東京労働局長の発言、甚だ不適切だというふうに思っております。
 まず、処分については、先ほどから申し上げておりますけれども、過去の事例等を踏まえながら今後厳正に対処するとともに、今後こうしたことがないように、労働基準監督機関を所管する厚生労働大臣としても、再発防止を含めてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○高橋(千)委員 どうやって信頼を回復するのかということを聞いたつもりです。
 私は、もっと危機感を持つ必要があると思うんです、厚労省がね。
 きょうは展開はしませんけれども、昨年の五月ですか、規制改革会議で、監督業務の民間委託ということで論点をまとめておりますよね。例えば、今おっしゃった立入りの問題なんかでも、人手不足なんだから民間人とペアで行けばいいじゃないか、こういう議論をされているんですよね。本当にびっくりします。それに対して厚労省は、それはできないと、立入りの権限というのはどういうものかということを説明して、それは民間人と一緒にはできないんだということを一つ一つ言ってきたわけですよね。だけれども、これを迫る方向で今、方針が決まっている。それに対して、やはりこれは守っていかなきゃいけない立場なんです。そういう立場で、頑張ると言えるんでしょうか。本当に、その最前線のトップである労働局長がこのような発言をして、それ見たことかと言われている。大変な危機感を持たなきゃいけないんですよ。
 もう一回、大臣、お願いします。
○加藤国務大臣 まさに、監督官、ここの委員会でも、他の先進国と比べて、人口当たりの人数、企業当たりの人数、決して多くないという御指摘もいただいている中にあって、一人一人がその力をフルに発揮するよう努力をしていただいているわけでありますし、我々もそうした環境をしっかりつくっていく必要があるというふうに思います。
 そういう意味において、今委員からもお話がありましたけれども、立入りそのものというのは別ではありますけれども、本来監督官が集中すべき仕事とそうでない部分をうまく切り分けながら、より一層、監督業務、現場での監督業務、こういったことに集中できるようにしていくなど、しっかり環境整備を図っていく。あるいは、監督官の人数、やはりできる限りそれを拡充していくように努力をしていく。そういうことを通じて、まず、監督官の皆さん方にとっても、監督官としての仕事をしやすい環境をしっかりつくっていく。また、それを通じて、働く人の安全や健康、こうしたものの確保につなげていきたい、こういうように思っております。
○高橋(千)委員 きょうはこの部分は展開しないと言ったのに、大臣の今の答弁の中に、一言だけ、そこを何か、タスクフォースの見解を理解しているような趣旨のことがございましたね。仕事を切り分ける趣旨のことをおっしゃったと思うんです。現場に行く立入りなどのことをやる監督官と、でも事務の人もいるだろうからと。
 でも、今、国は、本気で監督官をふやすというところに向かっていなくて、どちらも大事なんだけれども、例えば労災の方から監督業務に移したりとか、そうやって人をふやしているんですよ。どうしたって「かとく」をふやさなきゃいけないですから。そうすると、事務官は採用しない、じゃ民間でいいじゃないか、そういう議論じゃないんです。事務官も一体となってこの業務が成り立っているんだ。やはり、そこは軽々には言ってほしくない、そして、本気でちゃんと体制は整えていただきたいということを重ねて指摘をして、進めたいなと思うんですね。
 それで、特別指導も是正勧告も局長の判断で、さじかげんでできる、さっき西村委員が、恣意的なというような表現をされた。まさにそうだと思うんですね。そういうことはあってはならない。これは確認したい。
○加藤国務大臣 労働基準監督機関は、法定労働条件の履行確保により労働者の権利を保護するため、公正かつ斉一的に権限行使をすることが求められているというふうに認識をしておりまして、これは特別指導においても同様でありますし、是正勧告においても同様でございます。
○高橋(千)委員 確認をいたしました。
 そこで、きょうずっと皆さんが、実際に言ったか言わないかという趣旨のことでお話をされてきた。この後議事録を出しますからと言って、間もなく出るのかなという瞬間に私が質問しているというのは大変つらいところではあるんですが、少し整理をしたいなと思うんですね。
 野党の合同ヒアリングの中で、三月三十日の会見についてメモをいただいた。大体のことはわかっているし、私、さっき問題になった、理事会に出た記者会見の確認結果、これは又聞きの表現になっておりますけれども、この中でよく理解ができないなというふうに思っているんですけれども、そこを整理していきますと、労働局長は、口頭だけで文書がないのは、文書を出す権限は普通は持っていない、通常、文書を出すのは労基署というふうに答えているんですよね。これは当然だと思うんです。十二月二十七日の新聞各紙の中にも、新宿労基署という名前がありますし、本社とそして四つの支社にそれぞれ是正勧告、毎日新聞は是正勧告や指導と書いています。だから、それぞれやった中身が違うんだと思うんですね。それを直接やったのは局長ではないはずなんですよね。そういうことではないか。
 それで、大臣がお答えになったのは、三月二十三日の私の質問ですけれども、私は当然是正勧告と思って聞いていますから、過労死のことは言わなかったけれども、是正勧告をしましたということを公表したんですよね、なぜ野村不動産のときはしたんですかというときに、個々の事業場に対して監督を行った結果云々と言っているわけですから、個々の事業場、つまり今言った本社と支社とそれぞれあって、是正勧告というのは文書ですけれども、文書で出して、すぐ回答があったものもあれば、何度も何度もやらなきゃいけないところとか、まだ指導の段階とか、それでさまざまなことがあったんじゃないのかと思うんです。
 そのさまざまなことが個々に書かれて、中身がそれぞれのところに。もう、だから、十一月十七日の前にさまざまな、各支社に対しての指導を行ってきた、その中で当然是正勧告もあった、そういうことではないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。局長でいいです。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
○山越政府参考人 お答えを申し上げます。
 今委員の御指摘の点でございますけれども、個別の事案に関することでもございますし、また、監督指導の円滑な実施に支障を来すおそれがございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 ちょっと待って。さっき言ったように、大臣がちゃんと答弁しているわけですから、別に、どこの支社はどうだったのということを聞いているんじゃなくて、個々の事業場に対して監督を行った結果と言っているんだから、答弁しているんですよね、三月二十三日に大臣が答弁している。なので、個々の会社によっていろいろなことがあるんだけれども、ここの黒塗りの中に経過を書いていると想像するのが普通じゃないかということ、それだけです。
○山越政府参考人 今御指摘をいただきました点につきましては、個別の事案に関することでございますので、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○加藤国務大臣 まさにここで申し上げたように、基本的には労働基準監督署が個々の事業所に対応する、これが監督指導の基本でございますので、そうした監督指導を行った結果、そして、そこから先は、今局長が答弁したように、個々の話は申し上げることはできませんけれども、結果として、東京労働局長が特別指導をすべきと判断されて実施をした、こういうことでございます。
○高橋(千)委員 そうなんですよ。だから、今一つ一つの会社について聞いているわけじゃないのでね。個々に、それは一緒じゃなかったと思うんですよ、進行ぐあいとか、違反的な、ただ働きにつながる、要するに裁量労働制にふさわしくない働き方があったということは最終的には認めているわけですから、結論はそこにいくわけですけれども、そこにいろいろなことがあったんだろう、そこは大臣が認めている。逆に言うと、局長は、そういう意味では、是正勧告をしてやるというのは、局長の権限ではそれを言えることもなかったなというのがまず一つ。
 それで、何が言いたいかといいますと、特別指導というのは何だとさっきも西村委員が言われたんですけれども、その根拠がはっきりしないということで、例えば、特別指導とはどういうときにするんですかと一般論で聞いても、前例がないので答えがないわけなんです。そうですよね。ここが面倒くさい話なんですよ。
 そこで、だけれども、幾ら何だって、事情がわからずに、いきなり、あそこの会社は気に入らないから特別指導をやろうなんて話はあるわけないでしょう。さっき言ったのに、恣意的だということもあってはならないということを確認したわけですよね。なので、やはり、是正勧告や指導があって、そういう段階を踏んで初めて特別指導となったんじゃないのか。それが普通じゃないんですか。そこを確認したい。
○加藤国務大臣 これはちょっと、非常に答弁を正確に言わなきゃいけないんですけれども、いわゆる、普通、監督指導というのを我々はよく使うんですが、当然、監督指導があって、その結果としてさまざまなことにつながっていくわけであります。ただ、その中身において、是正勧告そのものについては、先ほど来から申し上げておりますように、個々について是正勧告があったとかなかったとかいうことについては言及しないというのがこれまでの対応ということでございます。
○高橋(千)委員 普通の指導であれば、定期監督だってありますし、いろいろなところでやっているわけなんですよ。その中で野村不動産だけ特別指導をやったというのは、やはりそれに値する理由がなければならないということなんですよ。それを聞いている。
 私、前回も質問しましたけれども、対象業務、要するに、裁量労働制と言っていながらそうじゃないところが七十、指導を受けている。その中で、野村が特別指導もやり、しかも公表もしている。やはりこれは、今の是正勧告がどこかで行われたということも含めて、なぜ特別指導なのか、合理的理由、経過、明らかにする必要があるのではないか。
○山越政府参考人 今回の特別指導でございますけれども、この事案の態様が法の趣旨を大きく逸脱しているものでございますことから、これを放置することが全国的な遵法状況に重大な悪影響を及ぼすと認められるものということで、特別指導をしたということでございます。
○高橋(千)委員 理由にならないです。それだと公平性がわからないんですよ。
 程度がひどいかもしれないけれども、もっとほかにもひどいところがいっぱいあるかもしれないんですよ。だけれども、なぜここだけ公表したのか。これは当然、合理的な理由、言わなきゃいけない。違いますか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 今申し上げましたように、この特別指導でございますけれども、労働基準監督署におけます監督の結果、事案の態様が法の趣旨を大きく逸脱しておりまして、これを放置することが全国的な遵法状態に重大な悪影響を及ぼすと認められるものということで、特別指導を行ったということでございます。
○高橋(千)委員 そんなので誰も納得しません。
 大臣に伺います。
 先ほど来、私、どうやって信頼を回復するのかということを聞きました。でも、それにきちんと答えた答弁はなかったと思うんですね。やはりこれは、本当に信頼を回復するためにも、これが恣意的にやられたのではない、あるいは隠されたのではないということをもし本当に言うのであれば、この黒塗りを全面開示するべきであります。
○加藤国務大臣 いや、ですから、判断基準は先ほど局長から申し上げているとおりでございます。
 黒塗り等々は、これはこうした監督指導の一連の流れでございますから、これは今後の対応にも支障を来すということもあって黒塗りにさせていただいているということでございます。
○高橋(千)委員 公表されているにもかかわらず、ここだけ黒塗りする意味がないんです。ペナルティーやると言っているんですから。
 これは、情報開示、黒塗りの開示について、委員長に求めたいと思います。
○高鳥委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○高橋(千)委員 では、続きをきっと、またあさっての委員会でお願いをしたいと思います。
 それで、私も、皆さんが指摘をしているように、あさっての閣議決定は絶対するべきではない、信頼を回復できないと言っているときに、今これを突き進むことは絶対あってはならない、まず最初に言っておきたいと思う。
 それで、前回残した質問なんですけれども、高プロについて、二十三日、山越局長は、現状において実態を把握することは困難と答えています。でも、実態はわからないと言っちゃうと、立法事実がないと思うんですね。どういう人たちかということを、どういう働き方をしているかというのがわからないでやるわけにはいかないんです。
 高プロが決まった途端にどこかからその人たちが出てくるわけじゃなくて、今どこかのカテゴリーにいるはずだ、例えば専門業務型裁量労働制とかと私は言いました。どのようなカテゴリーにいると考えられるか、お答えください。
○山越政府参考人 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これにつきましては、書面などによる合意に基づきまして職務が明確に定められている労働者でありまして、高度の専門的な知識を必要とし、その性質上、従事した時間と従事して得た成果の関連性が通常高くない、そういった業務に従事しており、さらに、使用者から支払われると見込まれる賃金の額が平均給与額の三倍を相当程度上回る、そういった方を法律上の要件としているわけでございまして、今御指摘をいただきましたような専門業務型の裁量労働制の対象者とは範囲が異なっているものだというふうに考えております。
 この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、一定以上の年収が保障され、それから職務の範囲があらかじめ明確に定められている交渉力の高い労働者を対象とするものでございまして、通常の事務職ではなく、創造的、自律的に働く高度な専門職を想定している、そういうふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 要綱だけ読み上げたって、しようがないんですよ。
 事務職ではない、交渉力がある、一千七十五万円以上の収入がある、今、条文上は、通常よりも高いということで、数字を書くわけではないわけですけれども。なので、もちろん、それイコールじゃないのは当たり前なんです、新しいカテゴリーをつくるわけですから。でも、どこかにいるんでしょう。それは、例えば専門業務型裁量労働制だったり、新商品開発業務だったり、管理監督者など、そういう方たちの中から高プロに対応する方が出てくるのかな、そういうふうに思いますけれども、いかがですか。
○山越政府参考人 この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、対象業務以外にも、職務が明確に定められているとか、そういったことでも対象範囲を限定しているわけでございまして、職務だけで対象労働者の範囲を決めているものではない、そこが違っているというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 イコールではないと最初に言ったじゃないですか。その中で条件を満たす人がいるでしょうねということで、それは別に否定しなくてもよろしいんじゃないでしょうか。
○山越政府参考人 今申しましたように、職務以外にも、職務が明確に定められていることでございますとか、交渉力が高いということで、年収要件も定めているところでございまして、今おっしゃられましたような専門業務型裁量労働制の方とは範囲が相当程度異なるものだというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 ですから、イコールだなんて一言も言っていないので。だって、最終的には本人同意とかという要件をつけているわけですから。それをわかった上で、どこかのカテゴリーにいるよねと言ったら、そういう人たちの中にも対象になる人があり得るね、あり得るねと言っているだけですよ。それを認めるべきじゃないですか。
○山越政府参考人 対象業務につきましては、今おっしゃられましたような研究開発の業務でございますとか、一部、裁量労働制と重なる部分を指定することも考えられるわけでございますけれども、これにつきましても、いずれにいたしましても、具体的な範囲につきましては省令等で定めていくということになっているわけでございます。
○高橋(千)委員 そうですよ。一部重なるでいいじゃないですか。なぜそれをすぐに答えられないんですか。これはレクでも当然確認をしておりますし、イコールのはずがないわけです。だけれども、どこかにいるんですから。どこにもいなかったら、法律はつくれないじゃないですか。誰のために法律をつくるんですかということになるわけで、そうです、何度もそのことを言っています。
 高プロの導入について準備をしてきた企業があると思いますが、承知をしているでしょうか。そういう企業はどのような理由で検討しているんでしょうか。
○山越政府参考人 御指摘のような高度プロフェッショナル制度の導入について準備をしてきた企業ということについては、承知をしていないところでございます。
○高橋(千)委員 「日本再興戦略」改訂二〇一四ができて以降、これは二〇一四年の八月十八日付の日経新聞です、伊藤忠商事は総合職の大半に導入を計画している、玩具メーカーのタカラトミーのおもちゃ開発担当に適用する。これは、おもちゃ開発というのは、なるほどなと思ったんです。私の部屋に来た方が、ひらめくのに時間は関係ないんだとおっしゃった方がいて、そういうことを考えていたのかなと思ったんですね。富士フイルムやダイキン工業、三井物産、HOYAなども導入検討と報道されておりました。
 私は、ホワイトカラーエグゼンプションという言葉で、これは記事の中にあったんですね、二〇〇七年に断念してからもずっとやはり悲願としてあったんだろうと。ホワイトカラーエグゼンプションを諦めず、新たな高プロという名前で労基法改正が再興戦略に位置づけられると、いち早く導入を検討する、そういうところが既にあったということであります。
 だったら、そういうところから、導入の必要性、何で必要なんですか、労働者のニーズ、つまり立法事実はどこにあるのかということを示すべきじゃありませんか。
○山越政府参考人 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、時間や場所にとらわれない自律的で創造的な自由な働き方の選択肢として整備するものでございます。
 付加価値が高い財あるいはサービス、そういったものを生み出す革新的分野では、イノベーションや高付加価値化を担う高度専門職の方であって、希望する方が、健康をしっかり確保した上で、仕事の進め方や働く時間帯をみずから決定し、意欲とか能力を有効発揮することが求められるところでございます。
 この制度によりまして、高度な知識等を持った専門職の方が自律的、創造的な、創造性を十分発揮して働ける環境が整備され、そしてそうした能力の発揮とか生産性の向上が期待できるものというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 時間や場所にとらわれない働き方であれば、今ある裁量労働制やフレックスや、あるいは、八時間労働制だって、八時からかっちり働きなさいと言っているわけじゃないし、休みもとれるし、今の働き方でできるということは労政審の中でも十分議論がされていることなんです。それは十分わかっている。でも、なぜこれを入れなきゃいけないかといったら、それは、そういう働き方の中でもやはり残っている深夜とか休日とかの割増し賃金を払いたくない、それ以外に理由がないと思うんですね。
 労働者にとってどこにメリットがあるのか。時間と成果がリンクしない人が対象とよく言いますけれども、だけれども、成果と賃金もリンクするとは書いてありません。ここは確認したいと思うんです。
 よく言われるのは、残業代欲しさにだらだら残業している人がいるのは不公平だとよく言うんですよ。だけれども、そのだらだら残業している人が高プロにならなければ、結局は、事態は変わらないわけです。自分が高プロになったって、結局、残業代が出ないだけじゃないですか。何の解決にもなりません。そうじゃありませんか。
○山越政府参考人 現行の労働時間規制のもとでは、労働時間の長さでございますとか時間帯が割増し賃金とひもづけられております。このため、当然、企業の労務管理が、働く時間の長短や時間帯、そういったものを意識した管理とならざるを得ないところでございます。
 こうした労務管理のもとでは、本人が希望しても、時間や場所にとらわれない自律的な働き方を徹底することができないという限界がございますので、そういったことも踏まえまして、今回の高度プロフェッショナル制度を整備していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 日本再興戦略二〇一四を決めた産業競争力会議の最後の議論、厚生労働大臣も参加しない中で、竹中平蔵氏が次のような発言をしています。
 この成果が大きいだけに、そのフォローアップが大変重要です。例えば、時間ではなく成果で評価される働き方について、制度設計は労政審に委ねられています。労政審に関しては、これまで我々と意見の対立があったりして、労政審できちんと制度設計をしてくれるかという思いがあります。そのフォローアップをきちんとやっていくことが必要です。
 ここまで、おとしめられてと言ったら大変失礼かもしれませんが、厚労大臣のいない中で、労政審のやることは信じられないといって、頭越しに方向性が決められたんですよ。それを、最低でも、その細目を決めていこうとする労政審も信じられないと言われている。
 今、裁量労働制を削除するときに、微修正を出すというわけですけれども、それも労政審をまたやらないわけですよね。
 やはり、何から何まで、この時点で閣議決定するということはあり得ない、きっぱりと断念することを求めて、きょうの質問を終わります。

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