国会質問

質問日:2018年 3月 30日 第196国会 厚生労働委員会

優生保護法下の強制不妊手術について

強制不妊「対応する」/ 高橋議員に厚労相答弁

 旧優生保護法(1948~96年)下で、障害などを理由に不妊手術が行われていた問題をめぐり、日本共産党の高橋千鶴子議員は30日の衆院厚生労働委員会で、全容解明と被害者への謝罪・補償を国に求めました。
 旧優生保護法は“優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する”などとして制定。国の通知や都道府県の行政措置のもと、知的障害や精神疾患などを理由に不妊手術が繰り返されていました。
 厚労省によれば、旧法下で手術を受けた人は全国で約2万5000人。うち約1万6500人が、本人の同意なく手術を強制されていました。
 1月、中学3年生で手術を強制された宮城県の60代女性が全国で初めて、謝罪と補償を求めて仙台地裁に国を提訴。3月に救済を求める超党派議連が発足し、自民、公明両党のワーキングチームも救済法案の国会提出を目指すとしています。
 高橋氏は、これまで国が「当時は合法であり、謝罪も補償も必要ない」との立場をとってきたと指摘し、「今も同じ立場か」とただしました。加藤勝信厚労相は「当時の法律によって運用されていた」としつつ、「昨今の議論も注視して、必要な対応をしていく」と表明。高橋氏が求めた実態調査や相談窓口の設置について厚労省担当者は「個別に相談があった場合は対応する」と述べました。
 高橋氏は宮城県議会が全会一致で議決した全容解明と被害者への補償を求める意見書を示し「正面から受け止め、全容の解明と謝罪、補償を行うべきだ」と訴えました。
(しんぶん赤旗2018年4月1日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 言いたいことはいっぱいありますが、予定したとおりの質問をしたいと思います。
 昨日、優生保護法下における強制不妊手術について考える議連の勉強会があり、最初に声を上げた飯塚淳子さん、原告の佐藤由美さんのお姉さん、いずれも仮名でありますが、お二人が訴えました。
 超党派の議連ができたのは三月六日。メディアの関心も高く、田村元厚労大臣を座長とする与党ワーキングチームが立ち上がり、救済法案を来国会でと報道されるなど、急速に動いております。国連人権理事会女子差別撤廃委員会からも勧告を受けていること、社民党の福島みずほ参議院議員が繰り返し取り上げ、二〇一六年、塩崎元厚労大臣が対応を約束し、厚労省の担当課が被害者からの聞き取りを行ってきたと承知をしております。
 飯塚さんが二〇一五年六月に日弁連の人権救済申立てを行ったのをきっかけに、新里宏二弁護士らが呼びかけた院内集会に私も参加しました。優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するという目的のもとに強制不妊手術が執行されていたこと、ナチスの断種法の流れをくんだ戦前の国民優生法を引き継ぎ、優生保護法は戦後一九九六年まで、いわば、つい最近まで行われていたのだということに強い衝撃を受けました。
 飯塚さんは仙台市の出身で、十六歳のとき、理由を知らされずに手術を受けさせられました。手術を行った宮城県中央優生保護相談所附属診療所は一九七二年十月に廃止していますが、外来が一切なく、優生手術のみを行う施設であったこと、その所長である長瀬医師が一九六四年十一月の第九回家族計画普及全国大会において、人口資質の劣化を防ぐため、精薄者を主な対象とした優生手術を強力に進めておりますと発表したこと、この国ぐるみ、県ぐるみの姿勢にも大変衝撃を受けました。宮城県での最年少は、九歳の女の子、十歳の男の子に手術をしていたということです。
 そして、一番ショックだったのは、実は、この集会に出るまで、自分自身が全く優生手術という事実を知らなかったことです。恥ずかしく、本当に申しわけなく思いました。まさに裁判によって問われているのは国と国会の立法不作為であり、我々自身が正面から受けとめ、全容解明と被害者に対する謝罪と補償を行うべきと考えます。
 そこで、大臣に伺います。
 優生保護法は、戦後、一九四八年から九六年まで続きました。政府は、当時は合法であり、謝罪も補償も必要はないとしてきたこと、手術が適正に行われていたという答弁が繰り返されてきました。大臣は、今もその立場ですか。
○加藤国務大臣 一つ、その制度は、もちろん、当時の法律にのっとってそうした制度が、法律によってそういう制度が運用されていたということでありますが、今委員おっしゃった、個々のそれぞれについて、全てがその法律にのっとって合法的だったかどうかということも発言したかどうかについては、ちょっと私も承知をしておりません。
 ただ、いずれにしても、厚生労働省としては、旧優生保護法から母体保護法への改正の趣旨を踏まえて、全ての人々がお互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会、この実現に取り組んでいきたい、そういう思いでやらせていただいております。
○高橋(千)委員 大臣、私、個々なんて一言も言っていないんです。午前の質疑でもそういう答弁があったと思うんですけれども、誰のことを、例えば、たまたま今、最初の申立てをした飯塚さんの話をしましたけれども、その人がどうかという話をしたんじゃないんです。国会の中で、当時は合法だったから謝罪も補償も必要ないと言ってきたこと、それから、手術が適正に行われていたと、全てをですよ、個々じゃなくて全てを、そういう答弁をしたから、それでいいんですかということを聞いているんです。
○加藤国務大臣 今言った、制度としては、先ほど申し上げた、法律に基づいて運用されていたということを今申し上げたところであります。ただ、全てがという意味において、そういった発言というか答弁をされていたかどうかについて、ちょっと、私、手元の資料では確認できていないというところでございます。
○高橋(千)委員 調べる必要もない、適正だったかどうかは。
 もうとっくに報道がたくさん出されているわけですよね。当時の法律が合法だという皆さんの立場に立ったとしても、政府の立場に立ったとしても、その政府の要綱から見て適切ではない、いわゆる子宮の摘出ですとか放射線照射だとか、そういうことが行われていたということは、もう周知の事実なわけなんです。
 そういうことがあるということの指摘があるのに、はなから調べる必要はないという立場に立ってきたんです。それは、今となっては間違いであった、調べる必要はあると見直すべきではないですか。
○吉田政府参考人 事実関係としてお答え申し上げたいと思います。
 委員おっしゃられましたように、これまで国会などにおいて御指摘をいただきました際に、私ども、法を執行する立場にある行政、政府といたしましては、当時、適法において成立していました法を執行するという立場から、この旧優生保護法において運用させていただいていた、そして、その法律に基づいて行われていたということを前提に、私どもとしては、今御指摘いただきました、過去におけるいろいろな調査その他の御指摘については、法を適正に執行してきたという立場から、御意見、御答弁を申し上げたという事実はございます。
 その上で、先ほど来、御意見をいただいておりますように、昨今、いろいろな議論の中で、超党派における議員連盟の動きでありますとか与党の先生方における御議論というものを踏まえて、私ども、その動きを踏まえながら注視をさせていただいているというふうに御理解をいただければというふうに思います。
○高橋(千)委員 ですから、どの範囲かということが随分議論されたわけですけれども、与党ワーキングチームの要請を受けて、二十八日、都道府県などに旧優生保護法に関連した資料の保全を依頼した。まず私自身は、私は、遅過ぎるとはいえ、資料の保全が最優先でされるべきことは全く同意します。
 問題は、調べる必要がないと言っちゃった部分はやはり訂正してもらわないと、政府がそういう立場だから、あるものを出せばいいんだろうという立場じゃないんだよ、あらゆる努力をしますという立場に立たなきゃいけない、その認識を聞いているんです。
 ハンセン病のときもただされたように、そういう立場に立って全容を解明するんだ、優生保護法三条、あるいは三条が本人同意で済まされてきた、だけれども、それだって、そうではないという議論がいろいろあるんです。それを、決めつけるという意味ではなくて、ちゃんと調べるという立場に立つかということが、聞いていることです。
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、私ども、法を執行する立場の行政として、当時において適法に成立しておりました法の執行の中において、私どもとしては、その全体について調査を行うなどについては、法の執行の立場から、これまで必要はないという趣旨の御答弁を申し上げております。
 その中においても、御案内のように、また午前の審議においても御発言がございましたように、個別にいろいろな御意見があった場合には、私ども、職員をして誠実に対応させていただいている、そういう経緯だと思います。
○高橋(千)委員 ちょっと、本当に驚く答弁が続いているんですが、今にも与野党一致して法案ができるのかなと、ことしではないかもしれないけれども、そういうふうに前向きな方向が出てきたのかなと思っているのに、何でそんなにかたくななんでしょうか。
 まだ何も始まっていないわけですよね。政府は、ありもの調査とおっしゃいましたよね。まず資料を、どれだけのものがあるのかを、まず保存してくれと。その上で、やはり恐れることなく全容解明に行かなきゃならないと思うんですね。
 きのうの議連でも、実態を知る手がかりとして、この間、この問題にずっと取り組んできた優生手術に対する謝罪を求める会が具体的な提案をしておりますけれども、まずは相談窓口をつくるべきである。これは、相談といったときに、私のカルテあるのという話ではなくて、私もこういう経験があったけれども、もしかしてそれに当たるのかしらと、そういう人だっていると思うんですね。そういういろいろな手がかりをやはり設けなきゃいけないと思うんですが、その点について、予算措置も含めて取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 まず、先ほどの件なんですけれども、与党の方からは、まず文書を保全しろ、それから、保存資料の内容を把握する資料を調査しろということでございましたので、どういう資料が当時においてあったのかということを、ちょっと私ども、今精査させていただいて、また、どういう、具体的なやり方については、御相談しながら進めさせていただきたいというふうに思っております。
 それから、窓口のお話がありました。今、厚生労働省では、これまでも申し上げていますが、当事者からお話があれば、担当者が直接話を伺うという対応をしてきているところでもあります。ぜひ、そうした問合せ等があれば、担当部局の職員が適切に対応したいと思いますし、もし委員からあれば、一体、何課の誰だという必要があれば、そういったことははっきりさせたいと思っております。
○高橋(千)委員 必要なときは予算もという意味で聞きましたが、いかがでしたか。
○加藤国務大臣 予算というのは、例えば相談員をとかいうことなんだと思いますが、現時点、これはいろいろ申し上げていますけれども、まだそこまでの相談は来ておりませんので、とりあえず、まず窓口で担当の職員が対応させていただきたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 やはり、資料を保存しろ、まずしてくださいとお願いをする。もちろん、きのうは、県だけではないよ、いろいろなところにあるよという指摘がありました。それも大いに話を聞いてもらいたいと思うんです。その先、相談も受けてください、資料も受けてください、だけれども、支援をしますよというメッセージが国からないと、県がどこまで頑張れるんだろうということになるわけですから、そこはしっかり早く決断をしていただきたいと思います。
 そういう意味で、きょう、資料をつけておきましたけれども、きょうの資料は一枚だけです。三月十六日、宮城県議会が全会一致で議決した意見書です。三月十六日付で、これは大島議長宛てなんですが、厚労大臣宛てにも出しているはずです。
 三段落目に、「旧優生保護法に基づき全国で優生手術を受けた約二万五千名のうち、強制不妊手術の被害者は六割を超える約一万六千五百名に達し、本県においては全国で二番目に多い約一千四百名であったことが判明している。」と書いております。その下の段に、宮城県の六十代の女性が仙台地裁に国家賠償を求め、提訴したことなどを受けて、最後のところに、一日も早く政治的及び行政的責任による解決を求めていると。
 こうした実態解明と被害者への補償措置を求める意見書も複数上がっていることを大臣は承知しているでしょうか。国としても決断すべきと思いますが、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 御指摘の、今のは宮城県議会のお話でありますけれども、自治体から意見書、要望書、そして直接私どもの方で受け取ったもの、あるいは報道等を通じて把握しているもの、それぞれございますが、その中には、今委員御指摘のように、実態調査や救済について盛り込まれているというふうに承知をしております。
 その上で、今、先ほど申し上げたようなプロセスに入っておりますから、そういったプロセスを進めていきながら、また与党ワーキングチーム、議連等もございます、そういったところでの議論も我々はしっかり注視をし、また必要な対応を図らせていただきたいと思っております。
○高橋(千)委員 請願が、まだ参考送付の準備をしている段階のもので、北海道、宮城、三重、鳥取、岐阜県ということで、五道県から意見書が決議されているということを請願課から聞いております。こうした動きが広がっていくと思うんですね。
 メディアの皆さんも本当に努力をして、掘り起こしをしてくださっています。連日報道があって、手術の記録があったとか、カルテが見つかったとか、そうした努力が広がっているんですよね。何年たってもやはりこれを曖昧にしてはならない、そして急がれるんだと。当事者が高齢になっているということで声が上がっているわけですから、その声に本当に真摯に応えていただきたい。
 きょうは時間が短くて、これで終わりますが、また引き続き、お願いしたいと思います。

 

――資料――

2018年3月30日衆院厚生労働委員会提出資料

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