国会質問

質問日:2011年 2月 24日 第177国会 本会議

平成23年度子ども手当法案

 

――― 議事録 ――――

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、平成二十三年度における子ども手当の支給に関する法律案について質問いたします。(拍手)

 貧困と格差の拡大が子育て世代に深刻な打撃を与えています。日本は、先進諸国の中でも子供に関する予算が極端に低く、所得の再分配をしても逆に貧困率が高まる唯一の国であり、子育て支援策の拡充は待ったなしです。

 我が党は、子育てのための現金給付と、保育所の増設など子育ての土台の整備を、車の両輪で進めることが重要であると主張してきました。現金給付については、かねてより児童手当の支給年齢と支給額の拡充を求めてきた立場から、昨年の子ども手当法案に賛成をしました。

 しかし、昨年の子ども手当は、二〇一〇年度限りの制度であって、六月の支給を急ぐ余り、財源や地方負担のあり方など制度の根幹にかかわる部分をすべて先送りしたものでありました。我が党は、そのために理念や目的があいまいでわかりにくい、控除の廃止縮減による増税が抱き合わせであり、財源にかかわる消費税増税が懸念されること、さらに、基盤整備の方向性が見えないことなどを指摘してまいりました。

 総理に伺います。

 今回の法案は、こうした課題をいずれも積み残しにしたまま、再び単年度限りの法案となっています。なぜですか。

 多くの国民が望んでいるのは、持続可能な、安定して給付が受けられる制度ではありませんか。民主党の目玉政策だったにもかかわらず、結局、こうして、明確な姿が示されないまま、つなぎ的な法案が何度も出てくるというのでは、国民の理解が得られないのではないでしょうか。

 続いてお聞きします。

 民主党が掲げた子ども手当創設の原点は、「次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」というものだったはずです。その理念は今も変わっていないのか、お答えください。

 この点で、与謝野大臣は、テレビ番組で、子ども手当については、我々がやっていた児童手当の拡充版と理解しようと自分に言って聞かせている、こう発言をしたようですが、これはどういう意味ですか。ぜひ、大臣のお考えをお聞かせください。

 支給額についてお伺いします。

 二〇〇九年総選挙マニフェストで二万六千円とされた支給額は、今後どうなりますか。また、今回、なぜ三歳未満に限って、なぜ七千円の上乗せをするのか。要するに、年少扶養控除等の廃止に伴う増税と差し引きで負担増にならないようにと、つじつま合わせをしたということではありませんか。細川厚労大臣、お答えください。

 財源の裏づけのないまま二万六千円という数字だけが大きく打ち出され、後から大慌てをし、結局、毎年その場しのぎの法案を出す、これが混迷を深めた最大の原因であります。

 日本共産党は、来年度予算については、子ども手当の上乗せ分は保育所増設など総合的な子育て予算に回す組み替え案を提案しております。子ども手当は、当面、一万三千円に上乗せすることよりも、財源によってぐらつくことのない安定的な制度をつくることを最優先にすべきだと考え、そうした立場で修正案を準備しています。総理の見解を求めます。

 次に、子ども手当の財源について、この間、政府部内から消費税を充てるとの発言が相次いだことは見過ごせません。税と社会保障の一体改革の中で消費税を社会保障の目的税とし、消費税を充てる対象には子育ても含まれるというものです。しかし、これも、閣僚により、あるいは時期によってさまざまな発言がされています。

 はっきりと総理に伺いたい。子ども手当も、保育などの子育て支援策も、充実できるかどうかは増税次第なのですか。お答えください。

 増税つきの手当や子育てサービスでは、結局、子育て世代の家計に負担をかぶせることになるのではありませんか。

 財源を生み出すために、所得税、住民税の控除の廃止縮減が決められ、既にことし一月から、年少扶養控除が廃止され、特定扶養控除が縮減されています。これらの増税に伴って、保育料や公営家賃など四十一の制度に波及することが指摘されてきました。政府内で対応策を検討すると言ってきましたが、実際、これらの制度に波及させないようになるのですか。お答えください。

 子ども手当と地方自治体の子育て支援とのかかわりで質問します。

 地方自治体は、地域の特色を生かした施策を行っています。しかし、子ども手当が創設された際、手当が支給されるならと、子供の医療費の無料化を見直したり、自治体独自のサービスが後退する動きがありました。

 また、低所得者世帯の子供に対する就学援助制度は、準要保護世帯に対する補助が〇五年の三位一体改革で一般財源にされてしまったために、厳密に要保護世帯だけに限るなど、制度が縮小されたということは、当時、文部科学省の調査で判明しました。今回も、子ども手当に絡んで、就学援助を絞り込むということがあったのではありませんか。

 自治体の独自制度の多くは、低所得者世帯への支援策として取り組まれています。子ども手当の趣旨は、そういう自治体独自のサービスと並び立ってこそ生かされるものであります。このような実態をどの程度政府が掌握しているかも含め、総理の認識を伺います。

 今回、保育料を手当から直接徴収できる規定が設けられたことは重大です。

 そもそも、保育料が高過ぎて払えない、こういう声が非常に多くあります。例えば、国が定めている保育料の基準徴収額は余りに高過ぎるため、各市町村は国の基準額の六割から七割程度に保育料を決めています。二万円あるいは一万三千円の子ども手当から天引きされて、まだ手元に残るという家庭はどのくらいありますか。

 保育料は、前年度の収入で算定されるため、リストラや廃業などで収入が減っても考慮されません。保育料の徴収は、このような一つ一つの事情に行政が配慮をして減免を行うなど対応することが必要なのではありませんか。直接徴収は、こうした行政のかかわりをなくしてしまいます。少なくとも本人の同意に基づく規定に改めるべきではありませんか。答弁を求めます。

 また、学校給食費等の範囲について、教材費や修学旅行費も含める方針だと言われています。具体的にどこまで広げるのか、その範囲をどう考えているのか、見解を求めます。

 そもそも、昨年の民主党のマニフェストでは、給食の無料化をうたっていたはずです。学校給食などを含め、義務教育は、文字どおり完全無償にすべきではありませんか。

 最後に、今後の子ども手当について質問します。

 子ども手当は、二〇一三年度からスタートするという子ども・子育て新システムの中に位置づけられています。二〇一三年度以降の手当の姿は、新システム全体の財源をどうするかとか、政策決定機関である子ども・子育て会議の議論次第で変わるものなのですか。そうだとすれば、また二〇一二年度の子ども手当についても、単年度限りの法案を出さざるを得なくなるのではありませんか。お答えください。

 日本共産党は、保育を市場化し、福祉も自己責任と変質させる子ども・子育て新システムには反対です。今やるべきことは、切実な問題となっている待機児童解消のために国の責任で認可保育所を増設することや、子供の貧困の解消、子供の医療費無料化、仕事と子育ての両立支援など、子育てがしやすい社会を目指して力を尽くすことではないでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。(拍手)

    〔内閣総理大臣菅直人君登壇〕

○内閣総理大臣(菅直人君) 高橋千鶴子議員にお答えを申し上げます。

 子ども手当が単年度限りの法案となった理由についての質問です。

 平成二十三年度の子ども手当については、平成二十四年度以降の年少扶養控除等の見直しによる地方の増収分の取り扱いについて地方と協議を重ねながら十分検討する必要があるため、単年度の暫定措置を講じることとしたところです。

 子ども手当については、歳出削減や税制改正で恒久財源を確保しており、消費税を財源とすることは考えておりません。

 子ども手当創設の理念についての質問です。

 子ども手当については、次代の社会を担う子供一人一人の育ちを社会全体で応援する観点から支給するものであり、この理念は今も変わってはおりません。

 子ども手当の支給額についての御質問です。

 マニフェストについては、子ども手当も含め引き続きその実現に向けて取り組んでいくのが基本ですが、本年九月で衆議院議員の任期の折り返し点を迎えることから、党においてマニフェストの検証を行うこととしております。マニフェストを見直すとの結論を得た際には、国民の皆様に丁寧に説明し、御理解を得ていきたいと考えております。

 なお、子ども手当についても、他のマニフェスト主要施策と同様、既存の予算の縮減、税制の改正等によって、恒久的な財源を確保して実施しております。

 次に、子ども手当の財源等についての質問をいただきました。

 子ども手当についても、他のマニフェストの主要施策と同様、既存の予算の縮減、税制改正等によって恒久的な財源を確保しており、先ほども申し上げましたが、消費税を財源とすることは考えておりません。

 これまで子育てサービスの充実を図っておりますが、社会保障制度改革の中で、子ども・子育て支援の強化を柱の一つに位置づけることとしており、子育て世帯の将来への安心を高めていきたいと考えております。

 次に、所得税、住民税の控除の見直しに伴う影響についての御質問です。

 所得税、住民税の年少扶養控除等の見直しに伴う保育料等への影響については、政府税制調査会に設置された控除廃止の影響に係るPTの報告書において、保育料への影響を遮断するための措置に関する基本的な方向性を取りまとめております。

 現在、関係府省において、この方向性を踏まえた対応を進めているところであり、それぞれの制度において、影響が生じる時期までに対応を完了する予定にいたしております。

 次に、子ども手当創設と地方公共団体の子育て支援についての質問をいただきました。

 子育て支援施策については、現金給付とともに、地方公共団体独自のサービスも含め、現物給付の充実等が重要であると認識しています。

 このため、まず第一に、地域の実情に応じた保育サービスなどを拡充するため、五百億円の交付金を設けました。第二に、保育所受け入れ児童数を約五万人ふやすための保育所運営費の拡充を行いました。第三に、地方財政計画に子供の現物サービスのための特別枠を新たに設け、地方交付税に一千億円を加算しました。こういった対応を講じ、現物給付を拡充して現金給付とのバランスをとるよう配慮しております。

 就学援助や地方公共団体独自のサービスについては、地域の実情に応じ、各市町村において適切に実施されるものと考えております。

 次に、学校給食費等の範囲及び無償化についての質問です。

 今回の法案では、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援する子ども手当の趣旨を踏まえ、本人の同意により、学校給食費等を子ども手当から納付できるようにしております。

 子ども手当から納付できる費用については、学校給食費のほかに、例えば学校の教材費や幼稚園の授業料、修学旅行費を含めるかなど、その具体的な対象範囲について、現在、関係府省において検討を進めております。

 このような取り組みは、学校給食費を含めた子育てに係る費用の負担を軽減することに資するものとなると考えております。

 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣細川律夫君登壇〕

○国務大臣(細川律夫君) 高橋千鶴子議員にお答えをいたします。

 まず、三歳未満に限って七千円上乗せすることについてのお尋ねがありました。

 平成二十三年度における子ども手当は、ゼロ歳から三歳未満の子供に重点的に上積みを行うことといたしております。

 これは、子ども手当の実施と扶養控除の廃止で、児童手当のときより実質手取り額が減ってしまういわゆる逆転現象が生じるのが主にゼロ歳から三歳未満の層であることや、この年齢層の子供に関しては、親の年齢も若く、収入も低いと考えられることに加えて、仕事の休止など、出産、育児の負担感が比較的高いと考えられることから、総合的に勘案したものでございます。

 次に、保育料の子ども手当からの徴収についてお尋ねがございました。

 保育料の額は市町村ごとに定めるものであることから、それぞれの市町村における保育料の徴収の詳細については、承知いたしておりません。

 お尋ねの件につきましては、仮に、国の保育料徴収基準額に基づき算出をした場合には、平成二十二年度において、来年度の子ども手当の支給額より保育料が低い家庭は、約二割となっております。

 次に、子ども手当から保育料を徴収することで個々の事情に行政が配慮した減免ができなくなるのではないかとのお尋ねがございました。

 保育料に関しては、前年に比べて収入が減少したなどの事情によりまして費用負担が困難である場合は、個別の事情に配慮しての市町村の減免を可能とする仕組みとなっております。

 平成二十三年度の子ども手当では、子ども手当からの保育料の徴収を可能にしたところでございますが、徴収方法にかかわらず、個別の事情に配慮して減免を行うことが可能な仕組みであることは変わっておらず、市町村において世帯の状況に応じて適切に対応されるものと考えております。

 次に、二〇一二年度の子ども手当についてお尋ねがありました。

 平成二十四年度以降における子ども手当の制度設計に当たりましては、関係府省と地方公共団体との会議の場において十分協議を行うことといたしておりまして、子ども・子育て新システムの検討との整合性を図りつつ、よく検討をしてまいりたいと思っております。

 以上でございます。(拍手)

    〔国務大臣与謝野馨君登壇〕

○国務大臣(与謝野馨君) 子ども手当は、児童手当と制度内容において異なる点もございますけれども、児童手当も子ども手当も家庭に対する現金給付施策であり、児童手当を基礎としながら子ども手当制度を構築してきたという認識を述べたものでございます。

 少子化対策担当大臣としては、子ども手当等の現金給付とともに、保育所待機児童の解消等の現物給付をバランスよく充実させていくことが必要だと考えております。

 以上です。(拍手)

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