国会質問

質問日:2011年 3月 9日 第177国会 厚生労働委員会

薬害イレッサ、年金「運用三号」問題

○高橋(千)委員 おはようございます。日本共産党の高橋千鶴子です。初めて朝のトップバッターというのをやらせていただきます。

 初めに、一言ちょっとお話ししておきたいと思うんですけれども、きょうの委員会の終わりに子ども手当法案の趣旨説明が予定をされているわけですが、これは理事会で与野党が了解をした中身でありますけれども、その後のやり方について、修正協議が始まっているですとか、つなぎ法案が出されたら賛成するとか、何かそういう先走った報道が既にけさ、されております。

 全く事実ではありません。審議の中で議論を深めて、私たちは修正案を準備しているし、当然皆さんにも賛同を呼びかけたいという立場であり、あくまでも審議を深めようという立場でありますので、事実ではないということを、やはり委員会軽視のようなことは慎むべきだと思っておりますので、一言指摘をしておきたいと思います。

 さて、きょうは、二つの点で質問をしたいと思います。

 初めに、薬害イレッサの問題です。

 二月二十四日の予算委員会で私は、薬害イレッサ訴訟、大阪地裁による和解勧告の所見について、これを国が拒否するに当たって、ちょうど同じ時期に一斉に肺癌学会や医学会など各界が声明を上げた点で、厚労省が文案まで示してかかわったのではないかと質問し、細川大臣は調査を約束しております。

 資料の一枚目に、イレッサ訴訟問題検証チームというのが立ち上がったというプレスリリースをつけておきました。これは三月三日付ということでありますので、その主査であります小林政務官に伺いますけれども、まず、現時点で判明している事実は何か、そして今後いつまでに何を明らかにするのか、伺います。

○小林大臣政務官 お答えいたします。

 イレッサ訴訟の和解勧告に関する学会の見解公表について、大臣の指示により、三月三日に私を主査とする検証チームを立ち上げ、現在、事実関係の調査を進めております。現在、職員の人、学会関係者への聴取を進めている最中であります。できる限り早期に検証を終えたい、このように考えております。

○高橋(千)委員 何ら具体的な答弁がなかったわけですけれども、少なくとも、文案があったという事実と、パソコンを見ればわかるわけですから、どこから出てきたのかくらいはわかるはずですよね。

○小林大臣政務官 現在、先ほど言ったように、職員と学会関係者の双方から事実関係を聴取しております。聴取した上で検証したいと考えておりますので、途中経過でお答えすることは差し控えさせていただきます。

○高橋(千)委員 文案は手元にありますし、これは原課からいただいておりますので、認めますね。

○小林大臣政務官 先生御指摘のそういう声明文案が出されたということは承知をしております。

○高橋(千)委員 「肺がん治療薬イレッサ(の訴訟にかかる和解勧告)に対する声明文」ということで、これは案ということも書いていないわけですけれども、表裏の最後のところに、「新たな治療法や治療薬の開発は、多くのがん患者さんにとって大きな願いです。この真摯な願いを阻害しかねない今回の和解勧告について、日本医学会として懸念の声明を発します。」というふうに書いてありますから、これがまさに医学会の声明の案として出されたものであるというふうになると思うわけですね。

 一方、二十六日の読売新聞では、日本肺癌学会に対しても、所見にコメントしてほしいなどとメールしたとされていると報道をされています。

 また、医師の専門誌である「集中」というところには、「イレッサ訴訟について」と題した依頼書がある、医薬食品局総務課医薬品副作用被害対策室長の両補佐から政務三役への御説明を振りつける内容である、こういうことも記載をされております。

 ちなみに、局長と岡本政務官それぞれ、これらの文案について承知をしていたのか、確認したいと思います。イエス、ノーで。

○小林大臣政務官 現在、関係者から聴取を進めているところでありますので、一通り聴取した上で検証したいと考えております。途中経過でお答えすることは差し控えたい、このように思います。

○高橋(千)委員 小林政務官には聞いておりません。局長と岡本政務官に聞いています。

○小林大臣政務官 先ほど言ったように、調査チームを立ち上げた経過を報告いたしました。私の方で今この調査をしておりますので、先ほど言ったように、途中経過でございますのでお答えすることは差し控えたい、このように思います。

○高橋(千)委員 ちょっと、通告しているにもかかわらず、答えない。これは別に、職員を呼んできて聞いているわけではないわけですよ。政務官に聞いているわけですね、答弁する立場の方に、小林さんではなくて岡本政務官に。なぜこれが答えられないんですか。いや、もういいです、小林さんには聞いておりませんので。これは岡本さんに聞いているんです。岡本さん、立てないんですか。いいです、小林さんに立ってもらう必要はありません。大臣に伺います。では、岡本さん。

○岡本大臣政務官 いや、私、別に立てないわけではないんです。ただ、調査が今進んでいる最中ですから、一部だけお話をするというのはどうかということもあり、先ほどのような話をしたところでありますが、重ねての御質問でありますから私の点だけお答えをさせていただきますと、私の場合は、この文案については承知をしておりませんで、こういった報道があってから事実関係を事務方から聞いたということです。

○高橋(千)委員 それだけのことをなぜためらうのでしょうか。逆に、非常に不信感を持つわけであります。

 大臣に求めたいと思うんですけれども、やはりこれは組織的な問題ではないかという指摘がされているわけです。このような手法がまさか日常茶飯事に起こっているのではないかとさえ疑わざるを得ないわけです。

 二十三日には東京地裁の判決を控えています。これ自体が直接判決にかかわると言っているわけではないんです。しかし、真相がのらりくらりと時間稼ぎになるのは、やはりどう考えてもまずいです。遅くとも来週までと大臣が期限を区切り、最終的な報告が出せないのであれば、検証チームの公開あるいは中間報告、せめてそのくらいはやるべきだ。秘密裏に行われたこの間の情報操作が、報告までもなぜか秘密裏になっていることはあってはいけないと思うんです。

 大臣、いかがですか。

○細川国務大臣 この件に関しましては、予算委員会で委員から御指摘がございまして、私の方からこれを調査すると。しかも、これは高橋委員が言われるように大変な不信を招いたようなことでありますから、厳格に調査をするようにということで、チームを発足させて小林政務官にチーフになってもらって、調査を今進めていただいております。

 なお、私の方からは、委員が御指摘されましたので、さらに督促をしておきたいと思います。

○高橋(千)委員 さらに督促ということでありました。ある程度期限を区切ってほしいという趣旨であることを重ねて指摘したいと思います。

 私は、この後質問する運用三号の問題のように、事は、主犯がわかったら処分すればよいという立場ではないんです。それでは問題が進まないんです。やはり依頼文書が効力を発揮したのか、厚労省の内部文書によって、大臣自身もあるいは菅総理も、がん患者全体の利害を考える必要があると発言してきた。つまり、がん患者とイレッサ被害者を分断しかねない世論づくりに国の関与があった、そういう重大な問題なんです。これは、期限を区切って、そして事実を率直に認めて謝罪するべきだと重ねて指摘をしたいと思います。

 大阪地裁の判決は、単に国が勝訴、製薬企業が敗訴というものではありません。今回の判決は、イレッサの有効性、有用性についてはいずれも肯定しているのです。その上で、製薬会社には「製造物責任法上のいわゆる指示・警告上の欠陥があったと認められる。」としました。そして、国についても、「イレッサの輸入を承認したことや承認前後に必要な安全性確保のための権限を行使しなかったことについて国家賠償法上の違法はない。」とした上で、添付文書に「間質性肺炎を記載するよう行政指導をしたにとどまったことは、必ずしも万全な規制権限の行使であったとはいい難い。」と書いているわけであります。

 つまり、製薬会社の責任を明確に認めながら、国の責任を認めないということは、原告らにとっては納得のいくものではありません。しかし、そのことをおいても、違法でないからよいということは、到底読めない判決なのです。国の責任を不問とせず、今後のがん対策にも生かしていくべきだ、この趣旨を読み取るべきだと思いますが、大臣、もう一言、あれば。

○細川国務大臣 この訴訟そのものにつきましては、国の方が勝訴したということもありまして、これについては高橋委員の方からはいろいろとあろうかと思いますけれども、私どもとしたら、今後、この訴訟と関係なく、がん患者の皆さんの立場に立ったがん対策をしっかり立てていくということ、これは前々から申し上げているとおりでございまして、そのことについては私どももしっかり進めていきたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 薬害肝炎を踏まえた検討委員会の最終提言でも重要な指摘をされておりますので、ここをしっかりと踏まえた対応を重ねてお願いしたいと思います。

 また、調査の結果については、なるべく早く、そして本委員会にも御報告をお願いしたいということを要望して、次に進みたいと思います。

 次に、第三号被保険者の年金記録不整合問題、いわゆる運用三号について伺いたいと思います。

 ちょうど私が、二十四日の予算委員会でイレッサの質問をする前に鴨下議員のこの問題の質疑があって、大混乱に巻き込まれてしまったわけでありますけれども、きのうからようやく厚労委員会で質疑が始まったそのやさきに、既に昨夜のテレビ報道で、関係者の処分や法案の改正、その中身まで取りざたされている。ちょっとそれは委員会軽視ではないか、ちょっと待てというのが正直な気持ちであります。

 そこで、まずは、八日に、昨日ですが、年金業務監視委員会から提言が出されました。その趣旨について、総務省の内山政務官、簡潔に御説明ください。

○内山大臣政務官 高橋先生、御質問いただきましてありがとうございます。簡潔に答弁させていただきます。

 昨日、運用三号の問題について、年金業務監視委員会としての意見が出されました。委員長から総務大臣に意見を提出したところでございます。

 概要は、「「運用三号」は、その内容が国民年金法に違反する疑いがある上、年金受給者間において著しい不公平をもたらすと考えられることから、廃止すべきである。」「年金記録上、既に第三号被保険者の資格を失っているにもかかわらず、第三号被保険者として記載されている者に対して何らかの対策を講じる必要性があることも否定できないところであり、早急に、公平・公正な対策を検討し、必要な立法措置を講ずるべきである。」と述べております。

 以上でございます。

○高橋(千)委員 簡潔にありがとうございました。

 資料は一応、その一部なんですけれども、二枚目につけておきました。特に、「理由」のところで、アンダーラインを引いておきましたけれども、「違法の疑い」ということで、「法律上想定している金額を超えた年金給付を行うことを、立法措置によらず、厚生労働省の課長通知によって画一的に認めるものであり、違法の疑いがある。」と、大変厳しい指摘かなと思っております。

 これがお昼に出されているわけですけれども、それを受けて、昨日は夕方の六時から年金記録回復委員会が開催をされまして、大体二時間くらい議論されたのかなと思うわけでありますけれども、その後、資料の三枚目でございます、全員一致で決議をされたと伺っておりますけれども、記録回復委員会の「第三号被保険者の記録不整合問題についての意見」という、案のとれたものが厚生労働大臣あてに出されたものであります。

 これを見ますと、あれっと思うんですね。例えば、一番目、「いわゆる「運用三号」については、昨年三月の当委員会の総意としては、やむを得ない対応であるとしたところだが、これについては、当時の状況からすれば、従前の対応との連続性の観点及び今後の是正策の観点から一つの考え方であったと思料する。」と。

 意味がわからないんですよ。二時間も議論していて、これは違法であるとまで指摘をされていて「一つの考え方」というのは、ほとんど責任も認めておらないし、あるいは厚労省の責任だとも言っておらないし、どういうことなのか。監視委員会の提言をどう受けとめたのか、伺いたいと思います。

○大塚副大臣 昨日、私は、この回復委員会にずっと出席をさせていただいて、この今の先生が御指摘になった意見書をまとめていただくプロセスを全部、当事者としてそこにおりましたので、よく状況は理解しております。

 回復委員会の委員の先生方、たしか七人か八人だったと思いますが、全員が御発言になりまして、まさしくここの一番の理由に書いてありますとおり、「従前の対応との連続性」、つまり、昭和六十一年から現実に運用三号と同じ状態が生まれていた中で、しかもそれが知らない間に行われていた、暗黙裏に行われていたということが明らかになった。

 さて、この問題にどう対処していくかということを考えると、今後適正な姿に戻していくにしても、本当に無年金や低年金になられるリスクのある方々のことを考えると、それまでの対応との、つまり従前の対応との連続性の観点と、そして、この手書きが入っていらっしゃるというのは、この手書きのないものが最初委員長から原案でお示しになられて、委員の方のお一人の御指摘で、いや、それは従前の対応との連続性の観点からだけではなく、実は、今後はできるだけ、可能な限り正確な姿に近づけていくんだけれども、その過程における今後の是正策の観点も考えると、今まで事実上行われていたことを運用三号というルールで明確化するということにも一つの理があったのではないかという御意見が全員だったんです、私もその場で聞いておりましたけれども。したがって、この一番の文章ができ上がっております。

 ただ、今内山総務省政務官がお示しをいただいたように、それに先立って、総務省の年金業務監視委員会から御指摘の意見書が出されました。そこには、「違法の疑い」と明記をされております。しかし、これは「違法の疑い」という年金業務監視委員会の御意見でありまして、もちろん真摯に重く受けとめておりますが、違法かどうかということを最終的に判断するのは司法の判断であり、この状況について、どういう立法的措置によって解決するかというのは立法府の判断であります。

 今回のこの年金業務監視委員会の御指摘というのは、私どもの今のこの政権においては、年金業務も、厚生労働省及び旧社会保険庁、日本年金機構だけの考えで行うことなく、第三者的行政監視権能を持った、総務省のもとに置かれた業務監視委員会からも適切なチェック機能を発揮していただきながら運営をしていくという姿で今行われておりますので、この御指摘というのは、まさしくそういう機能を発揮していただいたわけでありますので、私は、決して先生御指摘のような懸念はなく、むしろ、このことによって、今後、より適正、公正な年金制度が構築されていくことに資するものというふうに思っております。

○高橋(千)委員 私は、記録回復委員会の議論が、昨日ではなくて昨年来の議論も、何度も指摘をしてきたじゃないかとおっしゃっている方が委員の中にいるわけですよ。そういうことを積み重ねてきての「やむを得ない」という結論であった。そういうことに対して、やはりもっと真摯に受けとめがあってよかったのではないかなと。本当にこれで、結局、解決策の展望も、必要な助言を行うとしかないという点では、非常に残念に思うなということを指摘したいと思うんです。

 ちょっと通告はしていないんですけれども、大臣、きのうテレビカメラの前ではいろいろなことをおっしゃっておりましたので、受けとめについて、一言お話をいただきたいと思います。

○細川国務大臣 受けとめというのは、回復委員会の方でしょうか、こういうことになったことについてですか。(高橋(千)委員「はい」と呼ぶ)

 これについては、年金業務監視委員会、そちらの方からも総務大臣の方に意見書が出されました。そしてまた、総務大臣から私の方に御意見をいただきました。その中では、この運用三号については廃止をしろ、そしてまた、法的な手続によってこの問題は解決をするように、そういうような大変厳しい御意見もいただいたところでございます。そしてまた、回復委員会の方でも、法的な、抜本的な解決をしていくことについて、それはそれでよろしかろう、こういうような御意見もいただきまして、昨日、この問題について、抜本的な改革案について御提示をさせていただいたところでございます。

 いろいろと混乱を生じたことについては、これは大変申しわけなかったというふうに思っております。

○高橋(千)委員 少し話を次に進めながら、もう一度聞いていきたいなと思うんですけれども、年金業務監視委員会の提言は基本的には妥当ではないかなと思ってはいるんですが、廃止にかわる解決策についてはすっきりとはいかないと思っております。最大のネックは、既にもらっている人の扱いなんです。

 意見書では「裁定未了の者については、「運用三号」の適用を行わず、正規の種別変更を行うこととし、既に裁定済みの者についても裁定の取消等の措置を検討すべきである。」こう書いています。

 昨日、内山政務官は本委員会で答弁をされて、銀行手続が間に合わなくて三月十五日に支払われる方についても返還を求めることが考えられるという趣旨の発言をされたと思うんです。ただ、運用三号が世に出る前に、裁定のときは問題にならなかったために、本来一号なんだけれども三号のまま年金をもらっている方がいる。厚労省はそれは特定できない、何人か全然わからないと。そういう方たちについて、どのようにすればよいとお考えでしょうか。

○内山大臣政務官 年金の裁定の訂正、取り消しの原因は、記録に誤りがあるということが前提でありまして、ですから、一号の未納である三号被保険者期間があるということは、当然、記録の訂正、裁定の訂正、取り消しに値するという案件であります。ですから、さかのぼって既裁定者は年金の裁定の訂正をし、期間がない方は取り消しになる、そして過払いで払っている年金に関しては、国の債権として返還債権ということになるのが大原則であります。

 しかし、これをどうするかはこれからの議論だと思います。

○高橋(千)委員 これからの議論だと。これは非常に難しいところなんですね。

 同じ質問を細川大臣に伺います。

○細川国務大臣 既に裁定済みの受給権者につきましては、これを正しい記録に戻して、そして過払いのお金を、年金を取り戻すといいますか返還をしてもらう、あるいは将来の年金額を減らすという、これは大変難しい問題がございます。

 一つは、被保険者との扱いでどういうふうな公平を保っていくか、こういう問題でございます。そしてもう一つは、既に年金で生活をしている高齢者の方の生活が大変になるのではないか、こういうこと。この二つの観点、これをどう兼ね合いをつけるかというのが非常に難しい問題でございまして、そこは年金業務監視委員会の方からもいろいろと指摘もされておりまして、私どもとしては、これは大きな論点として、これからいろいろな方の御意見もいただきながら、これをどういうふうに決めていくかということで進めてまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 結局、まだ明確にはお答えできないと思うんです。それほど深刻な問題なんですね。百万人などと言われていますが、その中にどれほどの人が含まれているのか特定できていない中で、逆に言うと特定できた人だけが大変な目に遭うかもしれないという、国民の年金受給権を侵す問題であり、かつ、将来にわたっての年金の信頼性を損なう、そういう問題であるということなんですね。

 わからないのは、長妻前大臣が、これを自分が決めたということを既に認めているわけです。なぜ、昨年三月二十九日に記録回復委員会で運用三号にかかわる方針を決めたというのに、通知が出されたのは十二月十五日なのか。その間、九カ月間何をしていたのか、年金局長に伺います。

○榮畑政府参考人 いわゆる運用三号による取り扱いにつきましては、昨年三月に基本的なところは決定されたところでございますが、その後、年金局と日本年金機構におきまして、運用三号の取り扱いを実施するための詳細な実施要領等の検討、それからまた、ことしの秋に不整合記録がある方々の一斉抽出を行うということで、コンピューターシステム開発の内容の検討、さらには、今後の不整合記録の発生を少なくしていくための対策を強化するための必要な情報の提供をどういうふうにしていただくか等々の検討、さらには、日本年金機構の職員に対する諸研修の実施等々、実施に向けた準備作業を進めてきたところでございます。

 こういうふうな一連の準備作業を終了したところから、昨年の十二月に、実施時期を一月一日とすることとさせていただいて、十五日に通知を出させていただいたというところでございます。

○高橋(千)委員 今、諸準備があるということを説明されたと思うんですね。

 それで、資料の四枚目を見てください。その諸準備の過程で、国会で審議するチャンスは本当はあったわけですね。一昨年の七月に、年金確保支援法案が民主党による議員立法で提案され、その後、政権交代があったわけです。秋の臨時国会で、同法案は閣法として企業年金とセットで提案されましたが、現在、参議院で継続審議となっております。その中の一部がこの資料の四なわけですね、国民年金保険料の納付可能期間の延長について。現在二年までのところを十年間にするというものであります。

 十一月の委員会で質疑を行っていますから、まさにこの運用三号の問題は念頭にあったはずであります。十年さかのぼるということ自体モラルハザードではないかとか、保険料は毎月毎月払ってもらうなどと答弁をしていたではありませんか。その頭の片隅では、二年払えば最大で二十五年間チャラにする、そういうことを考えていた。これは重大な問題なんですね。

 この十年さかのぼり納付というのは、運用三号がもし既に発出されていると、この法案を通してしまうと、二年ではなく十年払わなければならないということになって、理論上は大変厳しいものになります。でも、運用三号がもともとなければ、むしろ、十年さかのぼるということは、不整合問題の救済策としてはかなりいい線をいっているものではなかったのか。

 法案を議論した当時、運用三号を準備していた局長として、この法案との整合性をどのように考えていましたか。

○榮畑政府参考人 今回の運用三号の取り扱い自体は、先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、年金の裁定段階での事務処理が、不整合の記録の扱いについて、実態として必ずしも一貫していなかったことを踏まえて、あくまでも現行法の中での運用ルールの統一化としてこの運用三号の取り扱いをさせていただいたところでございます。したがって、そういうことでございますから、年金保険料を徴収することができる期間についても、あくまで現行法の枠内で、保険料の徴収時効が完成していない過去二年分としたところでございます。

 他方、年金確保支援法案は、保険料をさかのぼり納付していただくことで無年金、低年金となることを少しでも少なくしていくというふうな観点から、国民年金保険料の納付が可能な期間を現行の二年から十年に延長するところでございます。

 したがいまして、運用三号の通知と年金確保支援法案とは、その趣旨が異なっていたというふうに考えておったところでございます。

○高橋(千)委員 そんな答弁で、だれも認められるわけがないでしょう。

 この法案の中には、実は、運用三号とは少し性格は違いますけれども、第三号被保険者期間の問題が一つ含まれていたわけです。第三号被保険者期間が一部切れていた場合に、例えば、夫さんはずっと第二号被保険者なんだけれども、奥様がパートとかで一時的に二号になるんだけれどもまた復活する、本当は第三号でいいんだけれども届け出をしていない、実質は第三号そのものですよということで、それはそれこそ通知でその方たちの救済を図っていたわけです。だけれども、これでは、通知だけではなくて、ちゃんとした法案で明文化しようというものでこの法案の中に盛り込まれていたわけじゃないですか。

 法案の提出者である内山政務官が先ほどからうなずいておられますので、少しその事実関係。

○内山大臣政務官 得意の分野を聞いていただいて大変うれしいんですけれども、三号の問題というのも、記録がいろいろ見つかった段階で二号になって、その後、三号の種別の変更をしていない方が六十を超えた段階で記録が見つかりましたよというと、受給開始時点、六十歳の段階で、あなたは三号の特例届け出というさかのぼる届け出がされていませんから、その届け出は、届け出を出した翌月から効果が発生するものですから、六十からもらった年金を返しなさいという非常に不都合な現状があった。

 そこを直すために一緒に入れたんですけれども、先ほど榮畑局長が言ったのは、直近の十年を納付するものであって、若いころの未納の部分というのは納められないんですね。非常に問題があるというのは私も思っていまして、どうせ十年でやるんなら何で二十五年やらないんだ、こう思っておりまして、高橋先生の鋭い質問だな、こんなふうに今敬服をしている次第でございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 この法案でやろうとしていた中身は、それは通知でも納得いく中身だったわけですよ。運用三号の方は、だれが見ても納得いかないものを、法案で審議をしているさなかに、念頭にありながら口をつぐんでいた、そういう重大な問題なんだということを重ねて指摘をしなければなりません。

 私がきょう質問するのは、今回の運用三号の廃止がほかに波及していって、本来救済されるべき人までもそうじゃなくなってしまったり、不公平感が大きいと言っているのに、逆に、まじめに払ってきて、あるいは変更して低年金や無年金になっちゃった方もいるわけです。そういう人たちに不利益になってはならないと思うわけです。

 副大臣、どうですか。

○大塚副大臣 全くそのとおりだと思います。

 これは、今後、日本年金機構、旧社保庁の現場がどのようなディシプリンのもとで運営されていたのか、そして今もそうなのかというのを確認しなきゃいけないと思っているんですが、実に多くの通知のたぐいでルールが決まっているんですね。これは、昭和六十一年どころか、もっと前からずっとそういう慣行になっていまして、私も、その通知のたぐいを今全部承知しているかというと、わかりません。したがって、今先生の御指摘のようなことにならないように、一度、網羅的に整合性を確認する必要があると思っております。

○高橋(千)委員 旧社保庁の責任だけにしないでいただきたい。制度が本当にころころ変わってきた、そういう中で問題が次から次と起こって、そこを償わなければならないということになって、それで、資料の五枚目につけているわけですけれども、社会保険事業運営費、これは、今年度は四千四百七十四億円中、約半分に当たる二千二百三十億円、来年度予算は四千五百十三億円中二千九十四億円が保険料から拠出されているわけです。

 二〇〇七年の年金流用禁止法案のときのあの激しい論戦は何だったのかと。年金保険料は年金給付以外には使わせませんというマニフェストは、もうほごにしたのかと本当に聞きたいですね。結局、いろいろな不手際が起こるたびに、一番苦しんでいる無年金、低年金の国民の保険料でその穴埋めをするということが許されるのか。このことを、マニフェストはほごにしたのかということを、通告してありますので大臣にお答えいただきたい。

 それと、最後に提案も含めて質問をいたしますけれども、運用三号の廃止と法改正に当たっては、国民年金法の第一条には憲法二十五条に基づくということがちゃんと書いてある。この年金法の趣旨と、基礎年金の二分の一を国庫が負担している、国民の年金受給権を守るというその趣旨にかんがみて、本当に最低でも国庫の二分の一負担分は未納でも給付をされる、つまり、今回の廃止に当たっても免除と同様の扱いにするべきだ。しかも、その後には、無年金障害者を初め納付期間がわずかに足りないために無年金、低年金になっている方たち、空期間などに対しても、国庫が保障している部分は最低でも担保をしていく、いずれは最低保障年金制度を目指していく、こういう立場に立つべきだと思いますが、大臣に伺います。

○細川国務大臣 たくさん質問いただきましたが、まず、年金保険料の流用禁止の御質問でございますけれども、確かに、マニフェストにおきましては、年金保険料の流用につきましては一期四年の中で財源を確保しつつ順次実施をしていく、こういうマニフェストになっております。

 これを踏まえまして、平成二十三年度予算案におきましては、年金保険料の流用額を圧縮していく、こういうことで社会保険事業運営費の効率化を図ってまいりまして、平成二十二年度予算に比べまして百億円の縮減を行っているところでございます。

 そういうことで、御指摘をいただいております流用禁止につきましては、一期四年の中で実現をしていくということで頑張っていきたいというように思っております。

 それから、憲法二十五条の趣旨、こういうことで、免除期間として税の方で支給をすべきではないかということでございますけれども、これは、私どもといたしましては、今後この点も含めまして法律によって検討をしていく、こういうことでございますから、そういう大きな観点からもいろいろと工夫をしていきたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 また続きをぜひお願いいたします。

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