国会質問

質問日:2011年 4月 14日 第177国会 災害対策特別委員会

復興のあり方 原発被災者支援

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、松本大臣に伺います。

 震災から一カ月以上が過ぎ、復興会議とか復興基本法とかさまざまに報道されたり政府から発言がされている中で、被災者の心にはさざ波が立っております。立ち退きをするのに国が買い取ってくれるのか、農地はどうなるのか、住むところは決めてくれるのか、仕事がなければ暮らせないなど、いろいろ聞かれました。家も流され、仕事もないまま不自由な避難所生活を送り、仮設住宅さえまだ決まっていない被災者にとって、自分と遠いところで復興という言葉が叫ばれているのは、非常に置き去りにされているような気持ちで不安でたまらないのは当然だと思います。

 そこで、復興に当たっては、被災者自身が決めていくことだ、それが大前提だということを確認したいんです。その上で、地域のコミュニティーが守られる、農林漁業や地場産業、中小零細企業を含む地域の経済の復興が中心に据わることが基本だと思います。そのために必要な立法や財源措置は国がやるべきだ、上から青写真を描いて押しつけるべきではないということを確認したいんですが、いかがでしょうか。

○松本(龍)国務大臣 今、喫緊の課題というのは、今おっしゃるとおり、避難所におられる方、あるいは自宅や御親戚のうちに身を寄せておられる方々に対する食料や医療や介護や福祉をしっかり厚くしていくというのが、私自身、喫緊の課題だというふうに思っております。

 そういう意味では、復興ということも大切でありますけれども、復興に当たっては、まさにきょう第一回目の復興構想会議が開かれますが、私は、今まで現地を見てまいりましたけれども、それぞれの地域がそれぞれ被害の状況も違いますし、いろいろな意味で一番大事なことはつながりやきずなだというふうに思います。

 しかも、そこには古くからの伝統や文化があって地場の産業があって、それぞれの復興の仕方はそれぞれの地域で違ってくるだろうという思いがあって、やはりそれぞれの復旧復興に関しては、それぞれの町づくりを住民が合意をしていきながら積み上げていく、下から積み上げていくのが正しい町づくりのやり方だろう。そこに、いわゆる政府が、こういう町づくりもありますよという青写真を示すというのも重要なことだというふうに感じているところであります。

 いずれにしましても、復興に当たりましては、地域の多様性を踏まえて、地元の方々の意見にじっくり耳を傾けて、そこからスタートをするべきだというふうに思っております。先ほども言いましたように、避難所におられる方々、避難されている方々に対する、きのうよりもきょう、きょうよりもあしたという手厚い手当てがまだまだ必要だというふうに感じているところであります。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。下から積み上げていくのだということでお話をいただいたと思います。そのためにも、被災者がばらばらにされないこと、また、避難所暮らしということで考える余裕がないという状況に長く置かれていないこと、それが非常に大事であるということを重ねて要望したいと思います。

 そこで、きょう質問したいのは、ばらばらにされた原発事故の避難者はさらに深刻で、町づくりどころか全く先が見通せない状況になっているということです。また、風評被害を含む農林漁業の影響は福島県内にとどまりません。

 そこでまず伺いたいのは、計画的避難区域、避難準備区域とは原子力災害対策特別措置法に規定はありません。法的拘束力はないと思いますが、いかがでしょうか。また、現時点では、二十キロから三十キロ圏の屋内退避はまだ生きていることになるわけですね。

○中山大臣政務官 ただいまの御質問でありますが、法的な根拠というよりも、基本的には、現場の自治体、そしてまた被災をされた皆さんの混乱を招かないように、そこが一番配慮をするところではないでしょうか。私も、福島県の現場の本部長をやっておりまして一番気を使ったところは、官邸の発言が現場に混乱を招かないように、十分に協議をして十分に意思の疎通をして行っていただきたい、発表もそのようにしていただきたい、これは何回も要望したところでございます。

 なお、法的な根拠もありまして、原子力災害対策特別措置法第十五条第二項は、事態の推移に応じて区域の変更ができる旨を規定いたしております。また、その実効性を担保するため、国は、同法第十五条第三項、第二十条第三項に基づき、当該区域を管轄する地方公共団体の長等に対して避難や屋内退避の実施を指示することができる、こういうことでございます。

 なお、もし緊急時の避難準備区域が決まれば、当然そこには、屋内退避というものはまた考えなければならない時期に来るというふうに思います。そして、その扱いは、地方自治体、現場の皆さんとよく協議をして決めていくということでございます。

○高橋(千)委員 中山政務官、なるべく答弁は簡潔にお願いいたします、時間がないものですから。

 今のお話を整理しますと、屋内退避は基本的にまだ生きているということが一つあると思うんですね。

 それから、原子力災害対策特別措置法十五条の第二項をお話しされましたけれども、今言われている計画的避難区域、緊急時避難準備区域というのはそこには入っていなくて、いずれ、特別措置法に基づく避難指示ですとかそういうことに移るという意味でしょう。そういうことを確認したんです。一言、イエスかノーかで。

○中山大臣政務官 地元とよく協議をして話の食い違いがないように、大体、委員の言うとおりだというふうに思います。

○高橋(千)委員 そういうことなんですよ。ですから、食い違いのないようにというのは、言っているそばから、皆さんはもうどうしていいかと思うわけですよ。直ちに避難しなければならないのかとか、そういうことが起きてくるということで確認をさせていただきました。

 緊急時避難準備区域というのはさらにわかりにくいわけですね。「保育所、幼稚園や小中学校及び高校は休園、休校されることになります。」と書かれております。子供は入っていけないのに、会社はどうなるのか。子供を避難させても、会社がある限り大人は通い続けることになりますと、家族が引き裂かれることになります。

 先日、山形で、南相馬市から避難をされてきた方がお話しされました。会社から解雇をされた、あんたが勝手に自主避難をしたと。つまり、自主避難という言い方ではこういうことが繰り返し起こるんですね。どう考えますか。

○中山大臣政務官 お話しのとおり、南相馬なんかはもう生活の実態が生まれてきてしまいまして、そこを簡単に、生活をしてはいかぬというようなことも今の段階で言えるわけではございません。

 この二十キロの距離は、プラントに何かあったとき避難をするためにどうしても必要な距離でございまして、その外にある二十キロ―三十キロのところ、ここに生活実態が生まれてきているので、単純な話ではないと思うんです。

 お子さんはできる限り、やはり放射能や何かの影響がないところに計画的に避難をしてもらいたいという気持ちはあります。しかし、この地域はもともと屋内退避という地域でございますので、生活実態が生まれているので非常に複雑な部分があります。しかし、当然、その中には保育園や小さなお子さんの教育機関というのはできるだけ、できるだけというよりもつくらない、今は運営しない、こういうことになるかと思います。

○高橋(千)委員 だとすれば、その期限を区切るべきだと思うんです。本当にそれが緊急時であって、収束が見えてくるというのであれば、家族がある程度引き裂かれても、子供はとにかく守るんだというのは必要なんです。ただ、それは今の時点で言えないでしょう。だったら、一月待ってくれ、そこで完全に判断をするんだ、そういう強い言い方が必要なんです。そのことを指摘しています。

 また、それによって、今それが言えないがために、今のような不利益が起きることは絶対ないと言っていただきたい。

 一年たてばどうなるかということが言われて、今回の計画準備区域などということがSPEEDIやモニタリングによって示されたわけなんですね。だから、今までの二十キロ―三十キロというのは根拠がないし、実は、これはもっと早く判断できるはずではなかったかという声があるのは当然なんです。まずは、屋内退避というやり方を完全にやめるべきだ、それから、あくまで短期間であるならばある程度効果もあるけれども、もう一月以上も過ぎているんだから、もうそれはなしにしてほしい。

 被災者生活再建支援法には長期避難という考え方がありますけれども、原子力災害対策特別措置法にはそういう長期避難の場合を想定していないのではないか。いないのであれば、法的なことも視野に入れながらきちんとした対策をとるというふうに組み立てなければ、現場は追いつかないわけです。いかがですか。

○中山大臣政務官 今お話があったようなことは本当に現場で私たちも悩んできたことでもございますし、特別措置法においては避難の期間について特定の定めはないのでございますが、被災者の避難の期間に応じた支援策のあり方については、十分に地元と官邸とも連絡をとりながら、間に入った現場の本部長がしっかりやるべきだ、このように思っておりまして、なるべく今お話しになった意向に沿っていきたい、このように思っております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 その際、先ほどからお話をしているように、ばらばらにされた避難者の皆さん、首都圏であり東北の各県であり、全国に避難をされているわけですけれども、例えば合併前の旧町の単位でありますとか、ある程度地域のコミュニティーを維持する形で、どうしても避難を今後もやらなければならないとすれば、そうしたことを考えなければならない。ばらばらでは、町の今後について話し合うチャンスもないわけです。町から情報も得られないわけです。その点について、いかがですか。

○中山大臣政務官 私たちも、いろいろな学識経験者からも聞いておりますが、計画避難区域にしても、単純に線量のことで町が分断されるとか村が分断されるとか、そういうことについては十分に気を使ってやっていくべきであるというような報告もいただいておりまして、今お話しのようなことを十分考慮しながら今後ともやっていかなければいけないというふうに私は考えておりますし、そういうふうに申し上げてまいりました。

○松本(龍)国務大臣 今おっしゃったことは大変重要な指摘だと思います。

 今、避難所におられる方の一番のニーズは住まいと仕事だというふうに思いますけれども、阪神・淡路の例でいえば、十年たったら、つながりというのが一番上の項目になりました。まさに、地域のつながり、コミュニティーが一番大事だというふうに思います。

 発災後一週間ぐらいして、南相馬の皆さんは、とにかくバスに乗って自主避難をしよう、山形県の長井市、ここは私の同級生がおりますけれども、彼も受け入れの本部長で、受け入れました。新潟に行ったり、そして山形に行った人でも、ちょっと親戚のうちに行ってくると言って青森に行かれた方々もおられました。そういうつながりをしっかり追っていきながら、将来的にも必ずみんなが一緒に暮らせるようなコミュニティーみたいなものを目指して、総務省を中心にしながら、そのつながりをしっかりしようということで、今私どもも取り組んでいるところであります。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。

 最後に、筒井副大臣に一言だけお願いいたしたいと思います。

 海産物の漁業被害、風評被害の問題ですけれども、汚染水を海に放出した件についても、全漁連が、「海で生計を立てている全国の漁業関係者は、無責任な対応に計り知れない強い怒りを抱いている。」と抗議文を提出しました。本当にその思いは伝わってきます。

 きのうも塩竈に行ってきたのですけれども、きょう、地震後初のマグロ船が入ってくるということで、本当に、まだ復旧は終わっていないんだけれども、開いているというメッセージを出したいという心意気を感じました。しかし、そのマグロ船、大変遠回りをしなければならないということでありました。

 現場では、物が動かない、売ってくれと言われたが販売できない、自粛と言われた、量販店が三陸の魚は買うなと言われている、こうしたことが言われております。市場に出回っている魚は安心と言うためには、その体制を、水産庁としてしっかりと、農水省としてしっかりと、人も財政的にも担保をするべきです。そして、量販店に対しても指導をするべきですが、いかがですか。

○筒井副大臣 先生がおっしゃるとおりだと思いますが、海へ放出した件に関しましては、鹿野農水大臣も正式にかつ公然と抗議したことは、先生も御存じのことだと思います。

 それから、海、魚の問題に関しましては、暫定基準値を決めてモニタリング調査がされているわけでございますが、それらに関して全面的に農水省が協力をしながらやっていること、コウナゴ一種類について暫定基準値を超える結果が出ましたが、それ以外もっと何十倍も、百以上も調査している魚に関しては全部基準値以下であった、その結果について、今水産庁としても農水省としても最大限周知徹底を図っているところでございます。

 さらには、卸売市場、加工流通業者、それから農水省のホームページを通じてそれらの情報を広げると同時に、科学的知見に基づいた対応をして、風評に惑わされないようにしていただきたい、これらの通知を書面においても、また場合によっては口頭においても、それらの作業をやっているところでございます。

○高橋(千)委員 終わります。どうもありがとうございました。

 

 

 


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