国会質問

質問日:2011年 4月 20日 第177国会 厚生労働委員会

震災対策 労働行政の体制強化

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 先週、雇用調整助成金の要件緩和の問題などを取り上げさせていただきましたが、そのとき、続きをやりますと言っておりましたので、続きから入りたいと思います。

 ハローワークが避難所などに出向いて労働相談、職業相談などをやっていく必要があると思います。特に、宮城、福島、岩手の三県において、また、それ以外に県外で避難者を受け入れている避難所で出前労働相談などがどのくらいやられているのか、また、そのために必要な人の派遣はどのようにされているのか、伺いたいと思います。

○小林大臣政務官 今御指摘のように、出張相談など、大変大事だ、このように思って対応しております。宮城、福島、岩手の三県で三十七カ所、相談件数として六百八十件対応してまいっております。そのほかの県では八十カ所、相談件数七百五十七件、これは四月の十日現在でございます。

 そして、宮城、福島、岩手、この三県では、出張相談に加えて、失業給付や雇用調整助成金の支給申請などが急増しております。さらに、今後、未払い賃金の立てかえ払いだとか労災保険の給付請求などが大変多くなる、このように見込んでおります。したがって、これらの業務を迅速に処理するために体制の整備が必要である、このような認識を持っております。

 したがいまして、労働行政の全国ネットワークを生かして、全国の労働行政職員の中から、現在百四十三名の応援職員を派遣してもらっています。さらに、岩手、宮城、福島の三労働局には、それぞれ五十名の非常勤職員を配置したい。今まで経験をしたOBの方とか即戦力になる、そういう方を含めて非常勤職員をこれから配置していく、現在もその努力をしているということでございます。

○高橋(千)委員 そこで、前回も指摘して要望にとどまったわけですけれども、被災した労働者や事業主を助けようと厚労省が膨大な通達を出しているわけです。その趣旨は非常に理解をいたしますし、活用したいと思います。

 一定の規模のある事業主であれば団体を通して通知というか周知をしておりますので、大手の企業は基本的には理解をしていると思うんですね。

 ただ、労働者が知らなければ、企業から、被災したんだから仕方ないだろうとか、節電のためだからやむを得ないんだとか、さまざま言われると泣き寝入りをせざるを得ない状態になるわけです。また、労務などに専門の人を配置できない零細企業でも、本来なら使える制度があるのにもかかわらずできないという同様の状況があると思います。

 ですから、今政務官からお話があった未払い賃金立てかえ払い制度とか、使える制度があるということをまず知らせるということが本当に大事だし、自分も相談すれば何か使えるかもとまず気づいてもらわなければ、出前相談があるよと言ってもそこまでたどり着かないんじゃないかと。これは、私は避難所を見てそれをすごく思ったんです。それが、いっぱい資料が張ってあるんですね、掲示板に。だけれども、肝心の労働相談のところがよく見えないよということで指摘をしていますので、例えば、被災したって使える制度がある、あきらめないでというメッセージが伝わることが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○小林大臣政務官 今、高橋先生から御指摘いただいたとおりだと思います。せっかく、私たち、いろいろな制度を工夫しても、それが実際に活用される方にしっかり伝わっていないと意味がない、このように考えております。

 そのために、今先生おっしゃったように、インターネットを見てくれとかあるいはホームページを見てくれと言っても、なかなかそういう状況じゃないということは十分わかっておりますので、ペーパーにしたり、壁新聞的にしたり、あるいは政府広報など、これを活用して今周知をしているところでございます。私も先週の土日、宮城の方に入りましたけれども、やはり掲示板はいっぱいあるんですが、いろいろな掲示がされておりますので、見やすい工夫だとか訴える工夫、こういうことが特に必要だなと思いました。

 日本が一つになって支えていく、こういう気持ちでこの周知についてしっかり努めていきたいと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 掲示板は本当に、行政の思いもあるし、またいろいろなボランティアの方の思いもいっぱいありまして、非常に一生懸命見ているんですね。山形でしたけれども、個人の方が、自宅でおふろがあるよ、アウディで迎えに行くよと、本当に心温まる掲示もありました。ただ、そこから本当に自分が必要な情報を探すためには、もっと強力なメッセージが必要である。テレビ広報も使う、また掲示板を区分けするとか、そういうことが必要ではないかなと思います。

 そういう意味で、先ほど来人の話をしているわけですけれども、サービスのやり方もやはりワンストップが大事である。例えば、仙台市であると、罹災証明はだれでもとりますので、まず市役所のフロアに行くんですけれども、最初の窓口でよく話を聞いて、税金なのか、住宅なのか、それとも雇用の問題なのかというのを聞いて、そのフロアの中に窓口が全部あるわけです、それで最初の人が導いてくれる。そういう体制がやはり必要なんだろうと。

 埼玉のスーパーアリーナでも、大体そういう形で県の職員の方が窓口となって、ハローワークの出前相談もやられておりました。私は、ただ、震災の一週間前にそのスーパーアリーナの向かいにある埼玉労働局に視察に行ったばかりでありまして、ハローワーク大宮は職員一人当たりの相談件数が全国一という、大変多忙であるということを聞いてきたばかりなんですね。ということは、全国で二千四百を超える避難所があるそうでありますから、頑張っているけれどもまだまだ足りないというのは事実なわけです。

 資料を見ていただきたいんですけれども、そもそも二十三年度の常勤職員、これは昨年度より百八人減っております。それに対して非常勤職員は一万八千五百六十二人。こうすると、ハローワークの窓口、三人に二人が非常勤職員という計算になるわけです。先ほど説明があったように、他局から応援してもらっている、この数字が全国百十五人ということで、岩手、宮城、福島、それぞれの数字が書いてありますけれども、今、さらに五十人ずつ追加の配置をするということを言っているわけです。

 だけれども、労働行政全体が減っている中で、百三十人減っている中で、全体が大変な中で応援に行くという体制は絶対無理なんだということで、やはり今回の補正の中でもそういう配置もするべきなんです。ほかから、他部局から回すというだけではなくて、必要なところはふやす。

 大臣に伺いますが、ぜひ労働局の職員をふやすべきではないでしょうか。

○細川国務大臣 今回の大震災によりまして、働いている人たちが休業したり、あるいは職を失ったり、いろいろなことで、職をどういうふうにして確保していったらいいか、これは大変重要なことでもありますし、また、職を求める人たちにしっかり対応していかなければいけないというふうに思います。

 そういう意味ではハローワークなどの仕事量は大変ふえるわけでございますから、それに対して職員をどのように対応させるかということがございますが、今行っておりますのはハローワークの全国ネット、これを利用いたしまして、まずは専門であります職員の応援を求めているところでございます。それでまだ十分でない、足りない分については、これは臨時の職員を雇う、こういうことで、臨時職員も加えまして、万全を期すように今その体制を整えているところでございます。

 そういう意味で、全国でのネットワーク、そして臨時の職員を採用することによって対応していきたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 全国のネットワークとおっしゃいましたけれども、私も先週お話ししましたし、たった今の議論にもあったように、全国で今影響があるわけです。また、全国で避難者を受け入れているわけですよね。避難してきた方の相談も必要だし、また、全国の事業所が、被災地との関連や、あるいは全体の自粛ムードですとか計画停電ですとか、そうしたさまざまなことで影響を受けているわけです。そういう意味では、全国の体制がやはり厚くならなければならない。

 そういう点で、ネットワークで賄うよというだけではだめなんだということで、思い切った対応を重ねて指摘したいと思います。

 同じく、年金の対応はどうでしょうか。

 たまたまスーパーアリーナで私が相談を、いろいろお話を聞いていたときに出会った男性、福島県浪江町の方でありますけれども、ちょうど誕生日が来て、年金の裁定を郵送で申し込んだ。そうしたら、その翌日が地震だった。届いているだろうかと本当に心配されていたんですね。私、早速問い合わせをしました。地震後は郵便事情も悪かったです。だから、おくれて来るんじゃないかと期待をしたんですが、やはり届いておりませんでした。津波で流されたと思っています。ただ、そういう場合も、年金番号が名前や住所を告げるとわかったので、避難先で受けられますよということをお知らせすることができたわけです。ただ、知らない土地で足もないのに、事務所に行くのは大変だよなと思うわけですね。

 でも、たまたま出会ったから対応できましたけれども、そういう方がこれから出てくるわけです。要するに、年金通帳を流されたけれども、裁定は今後どうなるんだろう、これからもらえるんだろうかとさまざまな悩みを抱えるし、老後の生活の糧ですから、本当に大事だということで、年金の出前相談も必要になっておりますけれども、どのようにされているでしょうか。

○大塚副大臣 御指摘のとおり、書類を失われた方等、多数お困りの方がいらっしゃいますので、年金事務所の職員が被災地の避難所等を巡回いたしまして、年金相談や各種届け出等の申請の受け付けを行わせていただいております。

 なお、そうした巡回相談のときには、労働局等の職員とも共同して、ワンストップで御相談に応じさせていただいております。

 一応実績を申し上げますと、四月十九日時点で、ワンストップ相談の形で四十二回、年金事務所単独で五十三回、合計九十五回の御相談に応じさせていただいたところ、約千四百件のいろいろな御相談があったということでございます。

 今後もこうした対応をしっかり図らせていただきたいと思います。

○高橋(千)委員 今、労働局の職員と連携をしてとおっしゃっていましたけれども、最初にお話ししたように、労働局の職員も大変な状況である。そして、その年金事務所から三十六名、職員を派遣しているということを聞いております。

 ですから、これも同じことが言えるわけですよ。年金事務所も今大変多忙なんです。なぜかというと、社会保険庁の解体に伴い五百二十五人が分限免職にされました。一方では、一千名以上の民間からの職員を採用し、その半数が非正規職員なわけですね。かなりの退職もあると聞いております。専門の人がいなくなっちゃって、その上に、消えた年金問題のその後の対応ですとか相次ぐトラブルの対応で経験のある職員が少なくなったために、窓口が多忙になっている。

 本当に私は、彼らこそ、五百二十五名、分限免職で今も職場復帰を目指しているわけですが、そういう人たちこそ職場に戻して、年金業務の第一線で活躍してもらうべきだ、このように思うわけです。

 今回の法案も同様の問題を含んでいるわけですね。これは前回の質疑でも指摘をしたわけですけれども、非公務員型独立行政法人としては初の扱いとして、引き継ぎ規定がありません。国による解雇なわけであります。これは、指摘されている天下りとか無駄なものはやめればいいわけですけれども、残された機構は、結局、これから求職者支援制度の受け皿になり、この深刻な雇用失業情勢の中で公的職業訓練を担っていく大事な役割でもあるわけです。そういう点でも、廃止をするべきではないし、雇用も維持するべきだ、少なくとも希望する人に対してはきちんと採用していくべきだと思いますが、大臣、最後に一言お願いいたします。

○細川国務大臣 雇用・能力開発機構を廃止することになったという経緯につきましては、これまでもしばしば申し上げてきたとおりでございます。

 したがって、今般の見直しにおきましては、この雇用・能力開発機構を廃止するとともに、組織そのものを抜本的に見直して、解体的に出直しをする、こういうことで、職員の労働契約についても採用方式をとるということになったところでございます。

 そういうことにはなりましたけれども、しかし私としては、職員の雇用問題ということについては十分に配慮をしなければいけないということで、意欲やあるいは能力のある職員については、雇用問題が生じることがないように、雇用については最大限の配慮を行っていきたい、このように考えているところでございます。

○高橋(千)委員 今の最大限の配慮を必ずやっていただきたいことと、しかしそうはいっても、そういう法律であるということを理由として、この法案には賛成できないことを言っておきたいと思います。

 終わります。

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