国会質問

質問日:2011年 4月 27日 第177国会 厚生労働委員会

求職者支援法案

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、法案そのものについて質問をいたします。

 求職者支援法は、二〇〇九年の七月から緊急人材育成支援事業として取り組まれてきた基金訓練を新制度として恒久化するものだと思います。国の責任で、雇用保険制度の枠外となっている学卒未就職者や自営業廃業者、雇用保険受給終了者など、いわゆる求職者への無料の職業訓練の実施、訓練期間中を含む生活支援を行うということは、我が党としても、提案してきた中身に合致をしており、基本的に賛成であります。

 しかし同時に、先ほど来るる出されておりますように、問題点も多くありまして、制度設計については、今後よく議論をして、改善をしていくことが必要だと思っております。三年後は長いと思いますけれども。そういう立場で質問をしたいと思います。

 まず、今行われている基金訓練ですけれども、ことし三月三十一日現在で、訓練コースが一万四千七十三コースに対し、延べ三十三万一千二百五十三人が受講していると聞いております。ただ、訓練の期間は、一番多いのが三カ月で七割。恒久的な制度にするためには、訓練の内容充実、また雇用に直接結びつくことが重要だと思います。

 そこで、まず、現在認定されているコースが引き続き認定されるのか、あるいは、改めてすべて認定をし直すということなのか、伺いたいと思います。

○小野政府参考人 お答えいたします。

 求職者支援制度になりましたら、特に訓練の質を向上させるという観点から、認定基準を改めて策定をするということにしております。したがいまして、新たに設定したこの認定基準にそれぞれのコースが適合するかどうかということで、改めて認定をするということになります。

○高橋(千)委員 単純連動ではないということがまず確認をされました。

 ただ、認定をするときに実績を見るということでしたので、結局その実績の評価がまた問題になってきまして、きちんとやられているかどうかということをやはり今の時点で施行の前までに評価をしていくということが大事なのかなと思っております。

 そこで、次にですが、地域によって訓練の格差は非常に大きいです。やはり、就職が困難な地域、ニーズが高い地域であればこそ、訓練の量が少ないといいますか、そういうアンバランスが当然あると思いますけれども、どのようにお考えか。

○小宮山副大臣 全体として見ますと相当数の訓練が設定されていると考えていますけれども、地域によりまして訓練の量とか種類などに差が生じていることもあると思っております。

 求職者支援制度では、毎年度、全国レベルまた都道府県レベルで労使団体や民間教育訓練機関など関係者の意見を聞いて訓練実施計画を策定しまして、この計画に沿って訓練の開拓、認定を行うことにしています。こうした仕組みを通じまして、どの地域でも求人求職ニーズに対応した訓練が適切に設定されるように努力をしていきたいと思います。

○高橋(千)委員 そうすると、国とそれぞれの都道府県に置く協議会、そして職業訓練実施計画、これが重要になってくると思います。

 そこで、現在は中央職業能力開発協会が行っている訓練機関の認定業務、これを新しい高齢・障害・求職者支援機構がやるということになると思いますけれども、では、職業訓練実施計画を実際につくるのはどこか。大臣がと法律上は書いてありますけれども、大臣が一つ一つつくるわけではないですので、まずどこがつくるのかということです。それから、職業能力開発促進法に基づく職業能力開発計画との関係がどうなるのか。

○小野政府参考人 お答えいたします。

 法案に規定されております職業訓練実施計画につきましては、労使団体あるいは関係機関等で構成されます訓練協議会の審議を経まして、全国レベルのものにつきましては厚生労働大臣、厚生労働省、それから都道府県単位の地域レベルのものにつきましては都道府県労働局、労働局長がそれぞれ策定をするということになっております。

 それから、お尋ねの職業能力開発基本計画、能力開発促進法に基づきます計画でございます。これは、五カ年の計画、中期的なこれからの能力開発の基本施策の方向について定めるものでございます。これに対して今回の法案に基づく職業訓練実施計画につきましては、先ほど御説明しましたが、毎年度の訓練規模、重点分野などに関する具体的な計画という違いがあると思います。

    〔郡委員長代理退席、委員長着席〕

○高橋(千)委員 今の答弁は、能開法に基づく計画は五年で、今、職業訓練計画は毎年だ、それしか違いがないんですよね。そういう問題なのかということなんですよ。要するに、どちらにしても、その地域によってそれぞれの訓練のニーズを把握しながら、また必要な雇用の情報などを把握しながらどのような訓練を組み立てていくかということでは、どちらもリンクする部分があるわけですよね。それとの関係でどうするのかと聞いているのに、五年と一年だ、そういう答弁はないと思いますが、いかがですか。

○小野政府参考人 今申し上げましたように、それぞれの計画、特徴があるわけでございますけれども、五カ年の職業能力開発基本計画、先ほど申し上げましたように能力開発施策の基本方向を定めるというものでございますから、そういった基本的な考え方を受けて、当然、職業訓練の毎年の、この法案に基づく職業訓練実施計画というものも、連携をとりながら策定をされるということはもちろんだろうと思います。

 それから、先ほど委員がお尋ねの具体的な認定業務につきましては、新しい高齢・障害・求職者支援機構が行いますので、こういう計画に基づいて、その趣旨を踏まえて認定を機構が行いますので、それぞれ策定主体等々は先ほど申し上げたように特徴がありますけれども、関係の計画、関係の機関が有機的に連携をとる形で計画の策定、具体的な認定が進むように努めてまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 私は、やはり連携をとるということも大事ですし、この間、能開法の質疑の中で、民間訓練があるからいいじゃないかという、いわゆる規制改革側の議論が随分あって、いや、そうではない、公共職業訓練の位置づけというのはどんなに大事かということを繰り返し厚労省との関係でも確認をしてきた、そういう経緯があって、やはりそこを大事にしていく必要があるのではないか、むしろそこの方が今大事になっているのではないかということを言いたいわけなんです。

 そこで、例えば能開法の第二十三条の三項には、公共職業能力開発施設の長は、公共職業安定所長との密接な連携のもとに、公共職業訓練を受ける求職者の就職の援助に関し必要な措置を講ずるようにしなければならないと書いております。つまり、訓練を実施する責任者、長が、就職支援について必要な措置を講じなければならないという責務が書かれているわけです。

 ところが、一方、求職者支援法には、認定職業訓練を行う者、この責任については触れていないわけですね。つまり、先ほど来の議論があるように、不正があったらしっかりチェックをする、あるいは立ち入りをしていくとか、そういうことはいろいろ書いています。しかし、認定職業訓練を行う者がその就職支援に対してどういう役割を果たすのかということは書かれていないわけです。せいぜい書かれているのは、第十三条「関係機関等の責務」の中に、ハローワークや公共職業能力開発施設の長その他関係者と並列になっておりまして、「相互に密接に連絡し、及び協力するように努めなければならない。」と書いてあるだけなんです。

 ですから、就職支援は結局ハローワークがやれよということなんです。職業訓練をやっている者がどういう成績を残すかということは、正直言ってハローワークのせいよということになりかねないわけなんです。これは非常に重要な責任の部分だと思いますけれども、そこについてほとんど触れていない。認定するのもコースそのものであって、その機関に対してやはりふさわしいことをやっているのかという視点がないんですよ。その点、いかがですか。

○小野政府参考人 お答えします。

 今回は、認定される訓練機関については、就職の責任者というのをきちっと置いていただいて、今まで以上に訓練機関みずからも求職者の就職にも最善の努力を尽くしてもらう。

 それから、もちろん、先ほど委員もおっしゃられたように、ハローワークは当然就職の支援を全体的に見るという形で、ハローワーク。それから、実際の訓練機関。それから、今回、認定業務を行います新しい機構、ここにつきましても、訓練を認定するときに、やはりそれが求人ニーズ、求職ニーズに当然沿ったものでなければいけませんから、それは、先ほどお話ししました訓練の実施計画に基づいてお互いの機関が共有をし、ハローワーク等からいろいろな求人、求職のニーズが出てまいりますので、そういうものを新機構がいただいて、具体的により就職に結びつくコースの設定ができるような、そういう形での認定ということも行うということで、新機構も就職支援というものを全く度外視した形で業務を行うということでは全くありません。

 それぞれの関係機関が、まさに法律にありますように、いろいろな役割分担をしながら、最終的には就職率をいかに上げていくか、質の高い訓練をして就職に結びつけていくというのが大目的でありますので、そういう形で各機関が連携をする、そういう過程をとっていきたいと思います。

○高橋(千)委員 そういう大目的をやるためには、コース一つ一つに対する認定ではなくて、やはり訓練機関がどういうところであるのかということを丸ごと評価しなければできないのではないか、これは重ねて指摘をしたいと思うんです。関連する質問がありますので、後で大臣や副大臣にもお答えをいただきたいと思います。

 続けますが、受給者に対する給付金、それから訓練奨励金の支給業務はどこがやりますか。

○小野政府参考人 給付については、ハローワークを念頭に置いております。それから、訓練機関の奨励金につきましては、都道府県労働局が支給を行うという予定であります。

○高橋(千)委員 この支給業務がまた大変煩雑になってくる。先般から繰り返し述べてきた、ハローワーク、労働局の業務が非常に多忙になっている、人をふやすべきではないかということを指摘してきたわけですけれども、また細かい業務が来るのだということでは、私は非常に不安を抱えております。むしろ、給付の問題と訓練の問題というのは切り離すべきではないか、このことを少し考えていきたいなと思います。

 続けます。認定職業訓練を行う者に対して、これが円滑かつ効果的に行われるよう助成することができる、第五条にありますけれども、具体的に、訓練機関に対して奨励金は幾ら払われるのか、そしてその根拠はどうなっていますか。

○小野政府参考人 お答え申し上げます。

 求職者支援制度におきましては、この奨励金については、今、現行の基金事業の支給額等を参考にしながら、この求職者支援制度では大きく分けて二つのコースに分かれますけれども、一つが基礎的能力から実践的能力までを習得するコース、これにつきましては、就職実績に応じた支給制度として、受講者一人一月当たり五万円から七万円、それから、もう一つのコースであります基礎的能力を習得するコースにつきましては、定額の受講者一人一月当たり六万円とする方向で検討しております。

 その根拠は、民間の教育訓練機関の受講料等々を参考にして、現行の基金訓練もそういう類似の額にしておりますし、公共職業訓練の委託訓練の委託費につきましても同額になっておりますので、そういうものを参考として設定をする方向で検討したいと思っております。

○高橋(千)委員 例えば、現在運用されている基準、一日五時間か六時間、そして百時間以上、そういう基準が一点あったかと思うんですね。

 ただ、よく引き合いに出されるリーガルマインドなどですと、受講料が十五カ月コースで四十三万四千円から最大でも六十万円以下だと。これを月割りしますと四万前後になるのかなと思うわけです。そうすると、現在、普通にやっていて六万円よりも安い受講料しか取っていないところが現にあるのに、そこになぜ高い奨励金を払うのかという問題。

 あるいは逆に、受講料は非常に高いんですね。ところが、よくよく見ていくと週一回のコースしかない、そういうスクールも多くありました。そうすると、ある程度、奨励金を出す以上はもうちょっとやってくれよと言われて、週一回で済んでいるものを無理やり週何回もやらせるんですかと。それが本当に求められる求職者支援制度にふさわしい内容になるのかなというのは、非常に疑問があるわけです。いかがでしょうか。

○小宮山副大臣 訓練機関に支給する訓練奨励金の額は、今行っております基金事業の支給水準を踏まえて設定をしていますので、適切なものではないかというふうに考えています。

 具体的な認定基準は現在検討中ですけれども、施設設備が訓練を適切に運営できるものなのかどうか、訓練を効果的に指導できる講師が確保できているか、カリキュラムの内容や訓練期間が適切に設定されているか、こうしたことを審査しまして、質の高いコースが認定できるように努力をしていきたいと思っています。

 やっている時間の短いところ、あいている日が短いところとか、いろいろばらつきがあるということは承知をしていますが、そのことがどういう効果を上げているのか上げていないのか、そうしたことも含めて精査をしていく必要があるとは思っております。

○高橋(千)委員 仮に六万円が適切だとしたとして、それにふさわしい授業かどうかというのはまた違うわけですね。必要ないのにとりあえず無理やり講座をふやしてみたりその逆だったりということではやはりまずいということをおっしゃっているのだろうと思いますので、そこはしっかりしていただきたい。

 あわせて、今の答弁の中で、講師の問題がございました。私は、仕事をふやす必要があるからといって、やはり何でもいいというわけにはいかないんだろうと思うんです。

 基金訓練が恒久法となることを見込んで、各校が、十万円もらえる、これを前面に出した生徒緊急募集をやっているわけですね。私がハローワークに視察に行ったときもビラまきをしておりました。大募集、緊急募集、基金訓練があって十万円もらえるからということになるわけですね。

 それと同時に、講師も緊急大募集しているのを御存じでしょうか。例えば、ネットにある熊本市の求人では、基金訓練講師として、経験不問、時給八百円から千円、パート労働者というふうにわざわざ書いてある。講師もパート、アルバイトで、これで安定雇用に結びつくでしょうか。

○細川国務大臣 委員が御指摘になりましたような事例が仮にあったとすれば、これはとんでもないことだというふうに思います。十万円の給付があるから訓練を受けたらどうかというような、そういうところで募集をするというのは、私は、この趣旨を本当に履き違えた、あるいは悪用する、とんでもないことだというふうに思います。

 また、講師も、質の高い訓練をやってもらわなければいけないのに経験不問だとか、これまたとんでもない講師でありまして、そういうような募集をしているような訓練機関というのは、そもそも求職者支援制度のもとでの訓練をするような機関としてとても認められないというふうに私は思います。

 したがって、そういうことがないようにしなければいけないというふうに思いますが、そのためには、これから始まりましたら、訓練機関が広告を出す場合にはこの基準とかを出し、また、講師についてもきちっとした基準を設けながら、講師を認めるという認定のときに、今言われたようなところの講師なんかについては認定をしないというようなことで、この制度をしっかり運用してまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 大変厳しい大臣の答弁でありましたので、しっかりやっていただきたいと思います。

 ちなみに、公共職業訓練、能開法に基づく訓練では、訓練講師の資格が要るはずなんですね。やはりこれは本当に大事だと思うんです。

 さっき言いましたネットの求人には、講師または講師助手と書いているんですよ。そうすると、講師に対してもちゃんと経験不問と言っているんだけれども、問い合わせすると、いやいや、助手ですからと逃げられる可能性がある。これは限りなくグレーだと言わなければなりません。やはり、講師は講師、助手はあくまでも事務スタッフであったり相談スタッフであったりときちんと分けていなければ、何か問われたときに、いやいや、助手ですからと言われることがないように、明らかにそれがねらいだなというふうに受け取れますので、さらにつけ加えて指摘をしておきたいと思います。

 さて、基礎訓練の後、公共職業訓練に移行することができるようになっていますけれども、その割合はどのくらいでしょうか。

○小宮山副大臣 基礎訓練を受講した後に公共職業訓練を受講した方の人数全体は把握していませんが、基金訓練の実践演習を修了した方の七・七%が、次に受講できる公共職業訓練の受講を希望していたというデータはあります。

 公共職業訓練、離職者訓練につきましても、雇用のセーフティーネットの観点から大変重要な役割を担っていると考えていますので、二十三年度、今年度は、過去最大だった昨年度とほぼ同じ規模のおよそ二十二万人の職業訓練を実施する予定です。

 基金訓練、そして求職者支援制度に基づく職業訓練とあわせて、求職者の希望や適性に応じた訓練コースを設定することで、しっかりとその就職を支援していきたい、そのように考えています。

○高橋(千)委員 基礎訓練、実践コース、そして公共職業訓練と、ずっとたどり着くわけですけれども、出だしが先ほど言ったような問題があっては困るということと、やはり、公共職業訓練ということの意味、非常に大事であるということと、これを拡充するということで確認をしてよろしいでしょうか。

○小宮山副大臣 そのとおりだと思います。

○高橋(千)委員 そこで、先ほど最初にお話ししたように、求職者支援制度そのものは重要だし、いろいろあっても賛成をするつもりであります。

 しかし、結局、先ほども議論になっているんですけれども、提案されている求職者支援制度で雇用保険と生活保護のすき間を埋めるということは、やはり無理な話ではないかということなんです。十万円よりも少ない失業給付ということ自体が大問題であるわけですけれども、月十万円ではやはり生活していけないわけですね。だけれども、給付を受けるためには、もう今度は欠席してはいけないことになっていますので、アルバイトする暇もないわけです。やむなく生活保護を受けたとしても、十万円が収入認定されてしまう。差し引きになっちゃうわけですね。そういう点では、生活支援という点でも大変不十分なことが難点だと思います。

 言いたいのは、やはり雇用保険の拡充こそが重要ではないか。これまでも繰り返し指摘をしてきたわけですけれども、日本は、諸外国に比べて、失業者のうち雇用保険の受給率がやはり低いわけですね。全失業者の五人に一人しか受給をしておりません。それでも、一番新しい数字を伺いましたけれども、二月現在、三百二万人の失業者のうち五十七万人が失業給付を受給しているということであります。

 そうすると、基金訓練に比べると、カバーしている分野はもっと大きい、非常に大きい。しかし、震災で九十万人超を見込んでいるわけで、受給できない人は数百万人という、三百万から単純に引いても二百万以上いらっしゃるということになるわけですから、やはり、雇用保険があり生活保護があり基金訓練があっても、まだすき間はあくということになっちゃう。そうすると、やはり雇用保険そのものをもっと拡充するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○細川国務大臣 雇用保険の充実というのは、これは大変大事なことでありまして、今回のこの改正法案でも、労働者の生活の安定、再就職の促進ということで、失業給付の充実やら、あるいは保険料の料率の引き下げなどで充実をさせよう、こういうことでございます。

 また、拡大ということもいろいろと考えておられると思います。例えば、自己都合などとは区別すべきではない、こういうのが先生の持論でありますけれども、ただ、解雇などの離職者は、離職前に再就職に向けた準備をするというのはなかなか困難で、したがってそういう人には手厚くはしなきゃいかぬ、こういう要請がございます。

 しかし、また一方、自己都合の離職者につきましては、受給資格要件や給付日数を解雇等の離職者と同等にするということになれば、これまた安易な離職を招きかねないんじゃないか、こういう危惧などもございまして、先生のこれまで言われていることについては、やはり慎重に検討もしていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。

○高橋(千)委員 わざわざ質問を分けたのに、意を酌んでいただいて、今、自己都合のお話をされたわけですけれども、やはりこれは、私、もともとはなかったわけですから、自己都合で待期させられる、あるいは給付日数が削られるということは、全面的になくすべきだと思っています、今でも。少なくとも、今のこの震災という特別な事情の中で、その自己都合の仕組みが今でも生きているというのは、やはり非常に問題ではないかと。

 本人は、それは確かに会社からやめてくれとは言われなかったけれども、事実上もうやめざるを得ない状況に追い込まれたんだということは十分想像できるわけでありまして、もう被災したんだからやむを得ないというふうに解釈してしまったとか、あるいは、今の原発の混乱の中で自主的に避難をしたらもうやめろと言われたとか、さまざまそういうことがあるわけですよね。そうしたことも十分酌むべきだということは、これはもう当然、よろしいですよね。

○細川国務大臣 確かに、こういう大震災でございますから、いろいろな意味で被災者については、この雇用保険法についても、いろいろ適用などについては考えていかなければというようなことで、事業所が震災によってやむを得ず休業する場合には、失業とみなして、特定受給資格者、すなわち解雇等離職者として基本手当を支給するなど、これは特別の、特例措置を講じております。

 ただしかし、事業所が事業を行っている場合には、これは労働者本人の判断で自主避難というようなそういうことでは、就業困難となり離職をしたと、自分の意思で離職をされておりますから、これは先ほどの例とはちょっと同等には扱えないんではないか、こういうふうに思っております。

 事業所が事業を行っている場合には、やはり、現に就業の機会があるわけでございますから、やむを得ず休業、解雇された場合とはちょっと同一には扱いはできないんではないかというのが私どもの考えでございます。

○高橋(千)委員 大臣、今の最後のお言葉では、ちょっと私、承服しかねるところがございます。

 仮に自主避難が自分の意思で行ったじゃないかと言われたとしても、国がいろいろ、二十キロ、三十キロとかというのを後でふやしたり減らしたりという混乱があったわけですよね。あるいは、自主避難を奨励するということもあったわけです。そうした中で混乱があった。そのときに、自主的に避難した人に対して問答無用で解雇ということは、まず普通はあり得ないわけです。本人の意思をよく聞いたりとか、弁明の機会を与えるということだってあるわけですよね。それをなしに、結局、会社が一定程度だれかを整理したいなということの口実に使われたのではないかと、これはもちろん福島の人の話ですけれども。

 そういう事情もあるわけですから、そこをしっかり酌んでほしいと言っているわけなんです。自分の勝手でしょうと言えるような状況では今はないのだということを重ねて指摘したいかなと思います。そこは事情をよく酌んでいただきたいと。よろしいですよね。

○細川国務大臣 こういう今度の災害で職を離れるという人には、いろいろな事情があると思います。そういう意味で、先ほどの例のように、自分の意思で離れるという形はとっているけれども、これは事業主の方からそういうふうに仕向けられたというか無理やりさせられたというような、そういういろいろな事情があれば、それは当然そういう事情を考慮して適用していく、こういうことになるかと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。

 それで、最後に一言だけ指摘をしたいかなと思いますけれども、私はやはり、先ほど言ったように、このいろいろな混乱を考えると、給付が結びついているものですから、十万円ということがあるものですからいろいろな問題が起きる、また、業務の複雑さも起きると思うんです。なので、やはり訓練と給付は切り分けて、雇用保険の充実や生活保護のあり方についてしっかり検討すべきだと思うんです。

 生活保護に落ちるとかそういうことでは本当はなくて、先ほど来議論されていますけれども、憲法二十五条に保障された権利で、だれにでも保障されている。それが一たび生活保護になってしまったら二度と抜けられないのではなくて、むしろ、今は手だてがないので生活保護に頼るけれども、チャンスがあればいつでも抜けられるのだということを、無理やり追い出すのはだめですよね、だけれども、そういう制度にもっと変えていく必要があるのではないか、そういう議論をしてきたはずなんですよ。

 ですから、そういうこととあわせて、この訓練制度についてよく議論を今後ともやっていきたいなということを指摘して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

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