国会質問

質問日:2011年 4月 30日 第177国会 災害対策特別委員会

震災財特法

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 今議題となっている東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案、いわゆる財特法ですが、一つ一つが重要な項目であり、何が足りないかを大いに吟味していく必要が本当はあると思うんですけれども、急がれる課題でもあるということで、非常に短い審議ではありますが、協力をし、賛成をしたいと思っております。

 そこで、最初に中山政務官に伺うわけですけれども、時間の関係で二つの問いを一つにしますので、答弁も簡潔にお願いいたしたいと思います。

 財特法第百三十条、中小企業基盤整備機構の行う工場整備事業等について、これが先ほど来も話題になっている貸し工場、貸し店舗などを無償提供する、こういう制度になるかと思うんですけれども、その具体的な内容を伺いたいと思うんです。

 その際、工場、店舗の中にどのようなものが含まれるのか。例えば診療所、水産加工場、あるいは学童保育などもこれありと思うんですが、いかがかと思います。仮設住宅が建ったとしても、商店がなければ買い物に行けない。コミュニティーを維持する上でも重要だと思います。そういう趣旨でよいのかどうか、伺います。

○中山大臣政務官 仮設の貸し店舗、仮店舗、工場、いろいろなものがあると思いますけれども、これは柔軟に対応しなければいけないということで、委員の今お話しのとおり、できる限りいろいろな業種にわたっていきたいと思っています。特に、商店街というのは一軒じゃできないんですね。だから、何店舗かそろわなきゃならないという御指摘もそのとおりでございまして、生活者がいるということが前提でございます。

 それから、これについて保証協会の保証とか、これも大事なことで、商売を始めるに当たりまして、八千万円というのを別枠で無担保でつくりましたので、これも活用しながら出発をしていただきたいというふうに思います。

 それから、今までの工場とか中小企業が持っているいろいろな店舗なんかも、始動する際にはちゃんと予算をつけてございますので、みんなで、生活から今度は仕事をして収入を得るという段階になったときに有効に働いてくると思いますし、個々にいろいろな御相談があれば受けたいと思っております。各商工会議所も、全部相談室を、四十人ばかり送りましてやっておりますので、ぜひ御相談をいただきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 今、大変前向きな答弁をされたかと思うんですね。町には業種というのがたくさんいろいろな種類があって、それがみんな並び立ってこそ本当の町である、生活者であるというので、柔軟に対応したいという決意は大変多としたいと思います。

 ただ、実際には、十億円の枠でございますので、工場でいいますと三千万、そして店舗でいいますと五百万と聞いております。これを、五百万だけにしても二百戸、そして三千万の工場だと三十戸プラスちょっとということで、なかなかイメージしているものとは、苦しむことになるのではないか、つまり一生懸命周知をすればするほど、しかし枠は少ないよということになりかねないわけです。

 そうすると、柔軟の意味なんですよ。さっき議論があったように、もう既に仮店舗をつくっちゃった、大臣もおっしゃっていましたよね。大槌町なんかでもそうなんです。そういうところにも、満額でなくても援助してあげるということがあったっていいじゃないか、あるいは空き工場だっていいじゃないか、あるいは工場を修理すればできる、そういうところをやって初めて、全体の、何種類もある生活者を支えるということにつながっていくと思いますが、いかがですか。

○中山大臣政務官 私たち、向こうへ調査員を送って仮店舗のことで行ったときに、漁業へ行きましたら、皆さん漁業の方が集まって、組合をちゃんと仮店舗でつくってくれないかと。そこでは、いろいろな意味で加工からそういうことまで一緒にやりたいと。つまり、今までは個人でやっていたものが、大規模になって会社でやるというような発想まで生まれてきているわけですね。

 ですから、本当に今回の場合は柔軟性が必要で、融資も、先ほどから言っているように、担保つきで二億だったものが今度は四億になって、これは大きいです。八千万円の保証が別枠でさらに八千万円になる。これはすごく大きいことで、こういうことを組み合わせてやっていかないと、仮店舗だけのことでやっているとなかなかちっちゃいような感じがしますが、そういうものを組み合わせてやっていきたい。

 それと、工場なんかも、復旧してスタートするために百五十億ぐらいの予算も組んでございます。新たに町工場や何かがさらに復活する場合にもちゃんと助成をしていきたいと思っていますので、こういうものを全部組み合わせて、何でも御相談できるというようなナビダイヤルなんかもつくりましたので、ぜひ頑張ってやっていきたい。我々も、これは本当に命をかけてやっていきます。

○高橋(千)委員 水産の皆さんは、やはり漁業と同時に加工場と関連産業がみんなあるんだという中で、例えば船でいいますと、施設も全部合わせると四億、そういう大変な損害になるわけで、それを本当に復興させるためには協同もあるかな、そういう発想なんだと思うんですよ。

 ですから、今の貸し店舗、貸し工場というのは、そういう中で無償というスキームが出てきた、だけれども一方では、残りの店舗については融資だ、幅は広げたけれども融資だということを私は指摘しているわけなんです。だから、個人に対してもきちっと支援ができるように、五百万でなくていいから、少しでも補助できるようなスキームを考えてくれと言ったわけです。

 そこで、きのうの質問の続きです。

 松本大臣、仮設住宅がいずれ撤去されて本物の住宅が再建されるときに、商店だけはやはり建たないのかということになっちゃうわけですよね。住宅があり商店があり事業所があり、そういうことを考えたら、やはり被災者生活再建支援法の中で、家族経営の商店、事業所なども対象にするということを考えるべきではないでしょうか。

○松本(龍)国務大臣 再三御指摘をいただいております。

 非常に、個人事業主とか家族経営の零細企業、大変な御指摘だと思いますけれども、少なくとも、平成十年にできました被災者生活再建支援制度につきましては、都道府県の相互扶助という観点で基金を積み上げていきながら、それぞれ被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度であります。また、全壊や大規模半壊など、住宅に重大な被害を受けた世帯を対象としているところであります。

 したがって、仮店舗、仮工場ということを先ほど中山大臣政務官が言われましたけれども、そういう手だてもありますし、足りなくなったらどんどん私はハッパをかけていきますので、そういうところでしっかりフォローしていきたい。しかしながら、残念ながら、事業用資産を被災者生活再建支援制度の支給対象とすることは、今の制度の中では困難であるということであります。

○高橋(千)委員 それを乗り越える必要があるのだということなんです。

 貸し店舗までは建つ、仮設住宅と貸し店舗が並び立つ、なのに、再建のときになるとそこができないというのはどうなのかということを指摘しています。

 今度の補正では基礎支援金百万円で打ちどめになるのではないか、そういうことをきのうの予算委員会の質疑で非常に不安を持ったわけであります。しかし、今度の財特法も、阪神・淡路大震災と同じ、あるいはそれを乗り越えた支援をやろうということで、阪神のときは百二十一項目の特例が、それが倍近い二百三十六項目に拡充しているわけなんです。それなのに、支援法だけがまだ百万円でとまっているんですよ。

 そういうことを考えると、やはりここでこそ乗り越えるべきなんだ。公的なものはいいんだけれども、個人保障というのは全く後退してしまう。乗り越えてきたものが後退してしまうということがあってはならないのだ。実は、それが阪神大震災の最大の教訓であるということを指摘したいと思います。

 きょうは次の質問をしたいので、ここは指摘にとどめて、また引き続いて大臣にお願いをしたいと思います。

 きょうは国土交通省にお願いをしておるんですけれども、被災地は、もともと地域的に、車がなければ仕事も買い物も行けない地域であります。津波で、三県だけで二十七万台の車が流失して、生活の足が奪われました。当面、路線バスやディマンドタクシーなどのコミュニティーバスが重要な役割を果たすと思いますけれども、その認識、また国土交通省として、被災状況、復旧をどのように把握しているのか伺います。

○中田政府参考人 今回の震災では、バスでも甚大な被害が発生してございます。

 東北三県の事業者の被災状況について見ますと、死亡、行方不明になった方が七名、営業所、車庫等の社屋につきましても、三県で計三十三棟が損壊をいたしました。それから、車両につきましても、路線バスにつきまして、この三県で計五十両の車両が滅失または行方不明になっておるというように、非常に大きな被害を受けた状況でございます。

 一方、バス路線の復旧の状況でございますが、関係者の御努力によりまして順次かなり復旧をしておりますけれども、太平洋沿岸部ではまだ完全復旧に至ってございません。

 四月二十八日現在でございますが、岩手県沿岸地域では七十七路線中五十七路線、宮城県では三十二路線中二十六路線、福島県では百八十三路線中百三十五路線ということで路線バスが再開しておりまして、約七、八割の再開の状況でございますが、まだまだ完全には復旧してございません。

 さらに、コミュニティーバスでございますが、これにつきましては、市町村独自で運行されている関係で、私ども、まだ完全に把握できておりませんが、宮城県の七ケ浜町の六路線、山元町での二路線等、順次運行が再開されているというふうに聞いてございます。

 今後、道路の復旧状況や地域の復興状況を踏まえて、地域のニーズに対応して、順次運行が再開されていくものと考えてございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。

 実は、詳細な資料をいただきましたので、皆さんのところにも配付をさせていただきました。被災の状況、復旧の状況、また鉄道との関係、今の岩手県でいいますと運行再開が七四%ということなど、詳細に出していただいたと思っております。

 今回、私がこのことを取り上げる動機は、今年度、国土交通省が新規にコミュニティーバスに対する事業を立ち上げてくれた。これは本当に運動の反映であり、歓迎したいと思うんですね。各地の我が党議員団も積極的に提唱して、住民運動に取り組んでまいりました。

 高齢化や乗客の減少によって廃止に追い込まれた路線バスとかローカル線の代替措置として始まったものが多いわけですが、ディマンドタクシーとかコミュニティーバス、百円バスとかさまざまに取り組まれておりまして、二年前の数字で、タクシー会社などへの委託方式が全国千九十九、市町村運営が四百十二、このように広がっているわけです。

 それで、私が大事だと思うのは、被災地は今まさに足が必要なわけです。仕事に行くにも、あるいは仮設や避難所から自分のうちへ行くにも、ありとあらゆる形で足が必要なわけです。しかし、さっき言ったように、車がなくなっている。鉄道はそう簡単に復旧できない。それは、都市計画との関係で、線路をどこに敷くかということなんかもややこしくなってきます。だけれども、バスというのは瓦れきの中も走れます。避難所と避難所、仮設住宅をつなぐこともできるんです。だから、これを一気に走らせるということはすごく大事なんですね。

 それで、この補助事業は、計画を市町村がつくらなくちゃいけない。そうすると、今、三年を見越した計画をつくるのはとてもできません。ですから、それは今後に置いておいて、当面被災地の中で生かすということでの補助をぜひ検討されたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中田政府参考人 今、先生御指摘いただきましたように、被災地域の移動手段として、バスあるいはコミュニティーバスが果たす役割というのは非常に重要だというふうに私どもも考えてございます。

 先生御指摘のように、今年度から私どもは、地域の生活交通を国が支援する制度として、地域公共交通確保維持改善事業というものを行ってございます。昨年度までは幹線だけだったのを、今、先生御指摘のように、地域の路線につきましても補助対象にするとしたところでございますが、その補助をする前提として、地元の関係者から構成される協議会での議論を経るということを条件としてまいりました。

 実は、こういう条件としましたのは、地域にとってより効率的あるいは効果的な生活交通ネットワークを確保するためには、こういう枠組みが重要であるということで設けられた要件でございますが、今御指摘のように、被災地におきましては、被災自治体、事務処理が非常に困難である、あるいは応急的な対応が必要である、そういう事情が生じていることも十分理解できるところでございます。

 そういうことを踏まえまして、被災地域でのニーズをよく伺いながら、できるだけ実態に即した弾力的な制度の運用ということ、あるいはそれ以外にどんな支援ができるかということも含めまして、関係当局とも調整して検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋(千)委員 終わります。よろしくお願いいたします。

 

――資料――

【資料1】岩手県沿岸地区の路線バスの状況

【資料2】宮城県沿岸地区の路線バスの状況

【資料3】福島県沿岸地区の路線バスの状況

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