国会質問

質問日:2017年 12月 1日 第195国会 厚生労働委員会

旅館業法改定案(民泊問題)

民泊監視の不足明白
高橋氏 新法施行で追及/衆院厚労委

 日本共産党の高橋千鶴子議員は1日の衆院厚生労働委員会で、民泊新法(来年6月15日施行)について、民泊の監視体制の不足などをただしました。
 高橋氏は、家主不在型の民泊のチェックイン時の本人確認で外国人は旅券の確認が必要な点について、10月末に出た政省令で明確になっていないと指摘。水嶋智観光庁次長は、民泊業者のほかに近隣ホテルや24時間営業の店舗、遠隔操作による映像確認などの技術を活用する考えを示しました。高橋氏は「とても現実的ではなく、住民の不安に応えられない」と批判しました。
 民泊は届け出によって営業が合法とされる一方、無届けの違法民泊は旅館業法で規制しなければなりません。昨年の厚労省の指導状況によると、違反のおそれがある営業者1万849件のうち53%が営業者と連絡が取れず調査中にとどまっています。
 高橋氏は、違法民泊を取り締まる都道府県の環境衛生監視員の現状について「監視員6301人(専従294人)に対して、監視する施設・旅館等のほか理美容など57万以上あり、監視が追いつかない」と指摘。加藤勝信厚生労働相は「予算も拡充し、人員を増やしていく」と答えました。
(しんぶん赤旗2017年12月4日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 初めに、先ほど山井委員が取り上げました障害者通所施設の食費負担の問題については、また、初鹿委員も先ほど取り上げました、私からも、絶対やってはいけないと思います。きょうは法案質疑ですのでその時間がございませんけれども、改めてこの国会の中で、本当に与野党を超えて議論をしていきたい、このように思っております。ぜひ、委員長にもよろしくお願いいたします。
 さて、旅館業法に入るんですけれども、国土交通委員会所管の民泊新法がことしの通常国会で成立し、来年六月十五日から施行されます。規制法である旅館業法がおくれをとるわけにはいかないという点では理解をしております。
 また、ことし六月七日の同法案質疑でもいろいろと指摘をしたわけですけれども、もともとは、やはり旅館業法の枠組みで民泊を規制する考えだったと思うし、私はそうすべきであったと考えています。
 そこで、まずは、民泊新法の政省令が十月に示されております。前回、六月七日の委員会でただした点についてどのように整理されたのかを幾つか確認していきたいと思うんです。
 それで、資料の一枚目に大まかな措置の中身が書いているんですけれども、近隣トラブルが非常に多い中で、民泊新法においては、家主に対して、騒音防止などの宿泊者への説明、苦情などの処理を義務づけ、また、家主が不在の場合は、住宅宿泊管理業者に委託することを義務づけました。
 そこで、先ほど来幾つか質問が出ているんですけれども、私も、六月七日のときに、マンションの管理組合が民泊を受け入れたくない、あるいは、独自の条件をつけることが可能かと聞いたわけであります。省令においてどのように整理されたのか、お願いします。
○眞鍋政府参考人 マンションの民泊について御質問いただきました。お答え申し上げます。
 分譲マンションにおける民泊をめぐるトラブルの防止のため、民泊を許容するか否かについて、あらかじめマンションの管理組合においてよく御議論をいただいて、その結果を踏まえて、民泊を許容するか否か、管理規約上明確化しておくことが望ましいと考えております。
 今回の民泊新法、住宅宿泊事業法の政省令、特に省令でございますけれども、住宅宿泊事業者の届け出の際に、マンションにおいては、民泊を禁止する旨の管理規約などがないことを都道府県知事の確認事項として位置づけており、具体的には、届け出の様式において、民泊を禁止する旨の管理規約などがない旨を記載させること、管理規約の写しなどを提出させること、こうしたことを求める旨、省令において定めております。
 なお、管理規約の改正には一定の期間を要するということから、管理規約上に民泊を禁止するか否かが明確に規定されていない場合には、管理組合の総会、理事会の決議を含め、管理組合として民泊を禁止する方針が決定されていない旨を届け出の際に確認することとしております。また、その必要な書面を提出するように省令に位置づけてございます。
○高橋(千)委員 資料の二枚目に今の、まあ、規約の中に定めがないというのは、それは簡単なわけですよ、規約の写しを出せば、ないねと見ればわかる。問題は、その次のところですよね。下のところに、第四条のヲのところにアンダーラインを引いていますけれども、「管理組合に届出住宅において住宅宿泊事業を営むことを禁止する意思がないことを確認したことを証する書類」。
 ですから、禁止しますというのは簡単だし、あるいは、許可しますというのも簡単だと思うんです、もしそういうことを決めたのであれば。問題は、意思がないということは、まだそこまで考えが至っていないときに、どうやってそれを証拠として出すのかということなんですね。
 もう一枚めくっていただきますと、住宅宿泊事業届出書というのがあります。これはひな形であります。それで、下の段に、いっぱい書くところがあるんですが、その他の事項で、ここの一番幅の広いところ、「定めがない」というところにちょんをするというふうなことになっているわけですけれども、まさかそれだけではないと思うんですよ。
 どうやってそれを示すのか。実は、時間の関係で言いますけれども、先ほど伊佐委員もお話をされた、例えば議事録があるんじゃないかとかお話をされました。だけれども、それは、議事録に、議題に上らなかったらそれは禁止する意思がないとは、意味が違うと思うんですね。
 それを確認したというのを本人が、つまり管理業者になる人が確認したという書類だというわけなんです。つまり、管理組合の人がわかったよとサインをするんですかと言ったら、そうじゃないと言うんです。それじゃとても失礼だと。それで意思がないと確認したことになるんですか。
○眞鍋政府参考人 お答え申し上げます。
 届け出した者が管理組合に住宅宿泊事業の実施を報告し、届け出時点で住宅宿泊事業を禁止する方針、例えば理事会や総会の決議というものでございますが、それがない旨を確認した誓約書あるいは議事録などを提出していただくことを想定しております。今後まとめられるガイドラインの中にそれを明記しておきたいというふうに考えております。
 ただ、本人の誓約だけでよろしいのかどうかというお尋ねだと思いますけれども、管理組合側への負担の軽減も考慮し、届け出者本人の誓約書あるいは議事録の提出ということを想定しておりますけれども、その他の書面を否定するものではございません。
 また、誓約書の内容について疑義がある場合には、例えば都道府県から管理組合等へ問い合わせを行い、その内容を確認するということもあり得るというふうに考えてございます。
○高橋(千)委員 ですから、私は逆にすべきだと思うんです。ある旨を出させる、認めます、あるいは禁止しますと。ないことを証明するというのは、それは難しい、悪魔の証明だと誰かが委員会で言いましたけれども、それと同じことを今やろうとしているんですよ。そうでしょう。
 さっき初鹿委員の質問に対して、決議をすれば、後からでも決議をすれば民泊はできないということをおっしゃったと思う。でも、それは絶対トラブルになるであろうというのは誰もがわかっているわけなんです。だから、あることをきちんと出して、最初からトラブルがないように。
 だって、皆さんは、そうやって管理組合に標準規約を改正してまで周知をしていますと言ったじゃないですか。だったら前向きな議論をね。だったら、それはわかるよと。そうじゃなくて、ないはずだよというのは認めない、最初からそうすればいいんじゃないですか。
○眞鍋政府参考人 先ほどお答えいたしましたとおり、届け出者本人の誓約書あるいは議事録を提出していただくということを想定してございますが、その内容について確認が不十分だということであれば、都道府県の方から管理組合等へ問い合わせを行い、その内容を確認する、真偽を確認するということもあり得るというふうに考えております。
○高橋(千)委員 一問目だけで時間がなくなるとあれですが、管理組合が、問い合わせを行うくらいのところまで至っていないかもしれないんですよ。よくわかっていない、わかっていないけれども禁止されていないということで話が進むということは絶対ないように、そのことを重ねて指摘したいと思うんです。
 それから、もう一回、六月のときにあわせて聞いているんですけれども、独自の条例の問題、自治体の独自の条例の問題。これもきょうたくさん質問が出ました。
 第十八条には、騒音の発生、生活環境の悪化を防止する必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができると書いてある。これはたしか資料を次のページにつけていたと思いますが、先ほど来の答弁を聞いていますと、かなり限定的なイメージを受けるわけなんですよ。むしろ、今言った騒音の発生、生活環境だけだ、過剰な規制はよろしくないというふうにとても聞こえるわけですよね。ですが、ここにあるように、その他の事情を勘案してと書いてあるわけです。だから、当然、自治体によってさまざまな事情があって、それを踏まえた条例を設ける、そこは当然認めるということでよろしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業法第十八条におきましては、先生御指摘のとおり、都道府県等は、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、政令で定める基準に従い条例により、住宅宿泊事業を実施する区域と期間を制限することができることとしております。
 この政令におきましては、区域については、土地利用の状況その他の事情を勘案して、また、期間につきましては、宿泊に対する需要の状況その他の事情を勘案して、生活環境の悪化を防止することが特に必要である場合に制限することができることとされておるところでございます。
○高橋(千)委員 ですから、その生活環境の悪化ということは、自治体によって非常に広い意味だと思うんですね。やはり、六月のときにも言いましたけれども、子供たちがとても多い地域なんだ、そこで夜中にガラガラというのは嫌なんだ、そういうふうないろいろな議論があって自治体が設けることがあるじゃないかということだと思うんですね。
 東京新聞の十一月十六日付で、新宿区の条例案について紹介をしておりました。実は、議会に提出したばかりで、きょうが審議の日だということなんですね。ですから、私が予断を持ってその中身について言うことはできないなと思うんですが、非常に重要なポイントがあると思うんです。
 それは、一つは、住宅の周辺住民との関係で、届け出しようとする日の七日前までに書面によって説明しなければならないとしていること。そして二つに、月曜日の正午から金曜日の正午までは実施することができない。そして三つに、区長は届け出住宅に関する事項を公表しなければならない。これはやはり、ホームページを見てずっと検索していくと、自分のところに当たる業者はどんな人があるかなというのはわかるけれども、そういう人ばかりではないわけで、身近なところで、区長さんの責任で公表されるということは非常に合理的な考え方ではないかなと思うんですね。
 規制改革会議の実施計画そのものも、あるいはあり方検討会で見ても、やはり、地域の実情に応じて条例等により実施できないこととすることも可能と書いてある。その心は、住居専用地域も民泊を禁止しない、禁止しないと決めた以上は、やはりそれは地域の実情はちゃんと考慮するよという趣旨だったと思うんです。
 それで、簗政務官にお越しいただいております。こうした自治体独自の条例については当然尊重するべきものだということで確認をさせていただきたい。
○簗大臣政務官 先ほどの答弁とも重複することがあろうかと思いますが、住宅宿泊事業法は、民泊サービスについて、一定のルールのもとで健全な民泊の普及を図るものであり、事業者の経済活動を不必要に制限しないよう配慮しつつ、近隣住民の生活環境への悪影響の抑止を図る制度設計をしています。
 このため、住宅宿泊事業法第十八条において、生活環境の悪化を防止することが必要な際に、合理的に必要と認められる限度で、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、期間を制限することができると規定されています。
 本規定に基づき、また、さきの通常国会における御議論等を踏まえて、政令において基準を定めたところでございます。
 国としましては、このような住宅宿泊事業法や政令の規定を踏まえた上で、各地域において十分に御議論をいただき、適切に対応していただくことをお願いしたいと考えております。
○高橋(千)委員 ですから、口出しをするわけではないということでよろしいんですね。
○簗大臣政務官 この第十八条の規定、そしてそれに基づく政令、そして今後策定されるガイドラインの趣旨を踏まえていただいた上で、それぞれの地域の実情等を勘案して十分な御議論をいただいて、適切な対応をしていただきたい、そのような考えでございます。
○高橋(千)委員 その適切な対応というところに非常にひっかかるわけなんですね。
 やはり、先ほどの御答弁の中で、事業者の健全な経済活動に支障がないようにとおっしゃいました。経済活動なんだと言っていったら、もうそれは民泊という世界ではないと思うんですよね。だからこそ旅館業法の世界できちんと定めるべきだったと私は重ねて指摘をしたいと思うんです。
 それで、懸念はどんどん募っていくわけですけれども、家主不在型の民泊の場合のチェックイン時の本人確認、外国人であれば旅券の確認をどうするかということ。これは、対面またはそれと同等の手段と答弁をされました。これは政省令を見ても詳しい説明がありません。どのようになりましたか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 家主不在型の場合でございますけれども、本人確認は、深夜における対応も含めまして、登録を受けた住宅宿泊管理業者が家主からの委託に基づいて行うということになるわけでございます。
 具体的には、住宅宿泊管理業者の営業所のほか、業務の一部を再委託し、近隣のホテルのフロントや二十四時間営業の店舗などにおける対面での確認でございますとか、映像などのICT技術を活用した方法による確認が想定されておるということでございます。
 このような本人確認の適正な具体的な実施方法につきましては、今後、ガイドラインにおいてお示ししていく予定でございます。
○高橋(千)委員 今、二十四時間営業とおっしゃいましたよね。ホテルのほかに何か、例えばコンビニとかも、そういうものも想定されているということですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 深夜における本人確認ということでございますので、二十四時間の営業の店舗、これは、具体的な営業形態としてはさまざまな店舗があろうかと思いますけれども、そういったところを活用した対面での確認というものが一つ考えられておるということでございます。
○高橋(千)委員 いやいや、とてもとても現実的じゃない、住民の不安には応えられないというふうに思います。前回の議論の中で、だから、ホテルの業者にそういう代行業をやらせればいいんじゃないかという話までも出てきているじゃないかという指摘をしました。何か本当に本末転倒な議論ではないか、このように思います。
 それで、さらに心配が募るわけですが、資料の5を見ていただきたい。
 民泊の標識のひな形が示されました。さっきから議論しているのは、家主居住型と不在型と二種類しかなかったんです。もともとの議論はそうだったんですね。いつの間にか三つになっている。これはどういうことかというと、真ん中にあるのは、家主が近くにはいるんだけれども、離れとかあるいはマンションの別の部屋とか、だから要するに、同じ一つのところにいるわけではない、ホームステイとは違うということで三つの類型が出されたわけであります。
 私は、やはり二つできちっと整理をして、それから、さっき逆の議論がありましたけれども、たとえ家主居住型であっても、一体ここは誰のおうちなのかなということがわかってしかるべきではないか、このように思うのであります。
 まず、簡単な質問をします。どこにこの標識を張りますか。マンションの場合は、まさか玄関じゃないと思うんです。でも、個人の部屋の前だと意味がありません、普通。でも、ほかの人は入れないですから。では、集合ポストに張るんでしょうか。どのようにしますか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅宿泊事業法第十三条の規定に基づきまして、住宅宿泊事業者に標識を掲げていただくということになっておるわけでございますけれども、これは省令におきまして具体的な様式を定めておるということでございまして、これは先生御指摘のとおりの様式となっておるということでございます。
 この標識には、住宅宿泊事業の届け出を受け付けた自治体の長の名称でございますとか、自治体が届け出者に対して通知した届け出番号などを記載するということにしておりますけれども、これらが記載された標識が掲示されるということによりまして、住宅宿泊事業法に基づく届け出が実施されているということが外形的に確認できるようにしておるということでございます。
 場所でございますけれども、法律におきましては、公衆の見やすい場所に標識を掲げることというふうに規定をされておりまして、具体的な場所につきましては、今後発出するガイドラインにおきまして、より具体的に掲示の場所についてお示しするという予定にしておるということでございます。
○高橋(千)委員 ですから、どこかと聞いているんですよ。マンションの場合、ポストに張るくらいでもしなければわからないじゃないですか。でも、その建物の全部じゃないのに玄関のところに張っていたら絶対おかしいし、お部屋に張っているんだったらわからないでしょう。
 これは資料の一枚目に、改めて聞きますけれども、標識の掲示については「合法民泊の明示」と書いている。それは当たり前です。これは、ああ、合法だと。だけれども、「その結果、違法民泊も特定可能」。どうすれば特定できるんですか、違法なものは。違法なものは張っていないんですもの。どうやってわかるんですか。それは、集合ポストにばっと張っていて、番号を見て、そのくらいのことをやらなかったらわかるわけないじゃないですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。
 この法律の趣旨でございますけれども、合法な民泊につきましては、その標識を外形的に掲げるということによりまして、外形的に、あっ、ここは合法な民泊なんだなということをわかっていただく、そういう制度設計をしたということでございます。
○高橋(千)委員 だから、どこに張るかと聞いているじゃないですか。
○水嶋政府参考人 繰り返しのお答えになることをお許しいただきたいのでございますけれども、法律におきましては、公衆の見やすい場所に標識を掲げるという規定がございまして、その具体的な、より具体的な掲示場所につきましては、今後発出するガイドラインにおいてお示しをする、そういうことになっておるということでございます。
○高橋(千)委員 だったら、マンションは絶対ポストじゃなければ、目の前の集合ポストでなければ見やすいとは言えないと思います、最低でも。でも、きっと隣の人も嫌がりますよね。そういうことをちゃんと考えなければいけないと思うんです。
 そこで、大臣に伺いたいと思うんです。
 結局、こうやって民泊新法が施行されると、届け出された民泊以外が違法とされ、どこにいるかわからないのに、隠れているのに、それが旅館業法で規制されるということで、厚労省の所管になるわけです。
 資料の六枚目に、この間の違反のおそれがある業者に対して行っている指導の状況がありますけれども、昨年度でもう一万八百四十九件指導していて、その前、その前と見ていきますと、一桁ずつふえているわけなんですよね。だけれども、私は、その中でちゃんと許可をとるというふうに指導すればいいと思うんですが、それができたのはたった二%。では、違法だったらもうやめてくれと、それはわずか一四%にすぎないわけです。圧倒的に多い五三%が、調査中で連絡がとれないもの。こういう中で、新たに違法民泊の取り締まりをどのようにやっていくんでしょうか。
○加藤国務大臣 委員の御提出資料のように、旅館業法違反のおそれがある事案について、これは都道府県等から報告を受けた件数ではありますけれども、平成二十七年度が千四百十三が、平成二十八年度が一万八百四十九と大幅に急増しているわけでありますし、このうち、下の方でありますけれども、調査中が五千七百七十九ある。
 これは、連絡がとれないなどの理由で調査中になっているわけでありますけれども、この背景には、逆に、都道府県等に無許可営業者に対する立入調査権が付与されていない、現行制度のそういったこともここに出ている。そういった意味で、今回、そうした調査権限を創設する、また、罰金額の上限を上げる、こういうことによって違法民泊への取り締まりの強化を行うことにしていきたい。ある意味では、そういったことに対する対応をとらせていただきたいと思います。
 また、具体的には、やはりこれを調査する人たちがいるわけであります。それについては、私ども厚生労働省から総務省に対して、保健所体制強化のための地方交付税措置を今お願いをしているところでございます。
○高橋(千)委員 残念ながら、時間が来ました。前回も指摘をしたんですが、衛生監視員は、微増とはいえ、六千三百一名で、その専従者はたった二百九十四名なんですよ。そして、見るのは、旅館や違法民泊だけではなくて、クリーニングとか理美容とか、五十七万以上の施設があるわけなんですね。思い切った体制をとらなければ、そして、やはり体制をとるだけでは絶対追いつかないと思うんです。だから、法律で縛りをかける分野をもっときちんと見ていくということが絶対必要だということを指摘して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

――資料――

2017年12月1日衆院厚生労働委員会提出資料

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