国会質問

質問日:2011年 5月 23日 第177国会 東日本大震災復興特別委員会

復興基本法案

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 政府はよく、単なる災害復旧ではなく創造的復興を目指す、このように強調されます。しかし、単なる復旧ではなくと簡単に言いますが、それがどれほど難しいことでしょうか。

 先日も、三度目の女川町に行きました。二カ月半を過ぎても、ビルの屋上にあった車はそのまま、瓦れきが累々と続き、海の中にも家の屋根や漁船の底が浮かんでいます。今なお必死の捜索活動がされております。そして、あちらこちらに、もとの自宅があった場所なのか、じっと立つ人、座り込んでいる人たち、そういう姿が見受けられて、胸が締めつけられました。こうした被災者の気持ちに寄り添いながら、町の再生へ力を合わせなければなりません。

 総理、創造的復興とは何でしょうか。津波で全部流されたから何か新しいものを一気にという発想がもし先に立って、被災者がそっちのけにされていないでしょうか。復興は被災者自身が主役であり、被災者一人一人の生活の再建、復興が土台だと思いますが、いかがでしょうか。

○菅内閣総理大臣 私も、おっしゃるように、被災地に行き被災者の方にお会いしますと、何とかもとの生活に戻してほしい、素直にといいましょうか、率直にそう言われる方が大変多くおられますし、本当にそのとおりだと思います。

 と同時に、しかし、例えば低いところに住宅を同じようにつくった場合に、また何年か後に同じような被害を受けることもあるわけでありますので、そういう意味も含めて、それでは将来を見通してどういうまちづくりをしていくのか。あるいは水産業についても、まずはもとの形に戻りたいということはそれはそのとおりだと思いますけれども、場合によっては、この機会にもう少し大規模化した方がいいのではないかといったような声も現地からもいただいております。

 そういうことを考えて、決してもとに戻ることが悪いとか、それを否定しているつもりはありません。そうではなくて、将来さらに明るい展望が持てるような形に戻すというか、それを創造的な復興という言葉であらわしているつもりであります。

○高橋(千)委員 もちろん、津波が来るかもしれないところに同じ高さで何の手だても打たずにそこに住めばいい、そんなことを言っているわけではありません。防災対策は当然必要です。いろいろな知恵が必要かと思うんです。

 ただ、今総理、さりげなく、大規模化も喜ぶ人もいるかもしれないというような趣旨のことをおっしゃったんですけれども、私が言いたいのは、その大規模化の話はこの後出てきますけれども、一人一人の被災者が、つまり、形は整っても、きれいな町ができた、でも一人一人の暮らしぶりはもうもとのようには、普通ではなくなっているんだということではやはり困るわけですね。なりわいがもとに戻らない、それは困る。それがまず基本ですよねということが言いたかったんです。もう一言。

○菅内閣総理大臣 それはそのとおりだと思います。

 ただ、今私が大規模化と申し上げたのは、漁業の関係の中にそういう御意見が地元からもあるという意味で申し上げたわけです。

○高橋(千)委員 今、総理が漁業の関係でということでお話をされましたので、実は、きょう私は、漁業の問題を通して復興の道筋がどうあるべきかということについて少し考えてみたいと思います。

 パネルを示したわけですけれども、これは東北圏域の漁港の被災状況を地図に落としたものであります。大変細かくて申しわけないんですけれども、それほどの数が実はあるということなんですね。

 漁港は一般的に、地元の漁船を中心とする小規模の第一種から、全国を広く扱う第三種まで、あるいは、この赤で囲んであるところですけれども、八戸、気仙沼、石巻、塩釜などは特定第三種という大変大規模な重要港になります。また、離島などを対象とする第四種などもございます。山田湾をクローズアップした図があるんですけれども、山田湾、奥行きがせいぜい六キロなんですね。その六キロの湾の中に一種から三種まで五つの漁港がある、こういう格好になっています。

 このたびの震災で七道県、三百十九の漁港が被災し、そのうち、宮城県は百四十二全部、福島県は十全部、岩手でも三つ残して百八港という甚大な被害が出ました。漁船も二万七百二十三隻と聞いております。

 リアス式の入り組んだ三陸海岸は、だからこそ豊かな漁場であり、全国トップクラスのカキやワカメを初めとする多様な養殖漁業、沿岸漁業があり、その一つ一つに小さな集落が張りついて浜を守ってきたはずではなかったでしょうか。

 まず、この太平洋沿岸地域の水産業の役割、また日本における位置づけについて農水大臣に認識を伺いたいと思います。

○鹿野国務大臣 今、高橋委員からおっしゃられたとおりに、今回被災を受けた漁業地域というのは、水産業の発展のためにも大変大きな役割を果たしてこられたわけであります。特に被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県の沖というものは、世界三大漁場の一つとも言われてまいりました。

 平成二十一年度でございますけれども、特にこの三県での漁業生産量というものは全国の約一〇%以上でございました。特にサンマについては全国の三分の一と大きなシェアを占めておるところでございます。

 また、お話のとおり、三陸地域沿岸というのはリアス式海岸が重なるために海藻やあるいは貝の養殖業も盛んでございまして、平成二十一年度の三県の養殖業生産量は全国の二〇%、二割でございます。特にワカメについては全国の八割、カキについては全国の三割のシェアを占めておるということであります。

 そしてさらに、三県の主要な漁港というのは沖合遠洋の漁業の拠点にもなっておるということでございまして、地域の漁船だけではなしに、他の地域の多くの漁船が水揚げを行うとともに、燃料なり、あるいは氷なり水などを補給する基地となっているということからいたしましても、この地域はまさしく我が国の漁業、水産業における大きな役割を担っていただいておるというふうなことだと思っております。

○高橋(千)委員 重要な役割について詳細に述べていただいたと思います。

 そこで、宮城県の村井知事が復興構想会議に水産業復興特区、水産業の国営化というものを提案しました。そうすると、何だろうと目に飛び込むわけですけれども、一つは、漁港の集約再編構想、今ある漁港を三分の一から五分の一まで減らすと言っている案が一つであります。そして二つ目には、養殖、沿岸漁業への民間企業の参入を提案しているわけであります。

 これについて、先ほど総理は地元から歓迎の声もあるとおっしゃいましたが、宮城県漁協は、今月の十一日に漁協組織の根幹を揺るがす重大な事案、とても容認できるものではないと決議をし、十三日には知事に直接抗議をしております。

 大臣の率直な見解を伺いたいんですね。今、本当に丁寧に意義をお話しされました。同時に、一つ一つの漁港には、漁民がいて、集落があるわけです。それぞれに多様な漁業をやっており、一つにまとめられるはずがないんだと、これは宮城県だけでなく岩手県の漁連の方たちもおっしゃっています。大臣は漁港の集約を進めていく立場ですか。

○鹿野国務大臣 私は、今委員からお触れになりましたけれども、岩手県そして宮城県、福島県それぞれ、その県によっても、漁業のあり方なり、漁業の特徴なり、漁場に対するいろいろな歴史的な、そういう経緯というふうなものも違っているわけであります。ですから、なかなかそれぞれの地域を一括してこうするというようなことは、私どもとしては大変難しいことではないか。

 そういう意味で、先ほど高橋委員の方から、そのパネルに示されました山田町、私も行ってまいりましたが、山田町には、例えば船越の漁港、漁業組合があり、そして合併して、山田漁港、漁業組合がある。

 その復興ということを考えたときに、それぞれの漁業者の方々がどういう考えでおられるのか、それぞれの市町村はどう考えるのか、あるいは県はどうなのかというようなことをしっかりと私どももお聞きしながら、総理もおっしゃっておられますけれども、やはり地域の方々の声を大事にしていきたい、こういうふうな基本的な姿勢でおるところでございます。

○高橋(千)委員 では、続けて伺いますが、三月三十日の民主党の党内の会議の場で、農水省の漁政部長が水産業復旧・復興に向けた基本的考え方という文書を示して、その際に漁政部長は、水産業のダメージは前例のないものであり、通常の災害復旧のようにすべての漁港や漁船を災害前の姿に戻すことは不可能で、また意味もないと発言をしたと四月一日付の水産経済新聞が報じております。順番ですとか、さまざまなことはあると思うんです。ただ、意味もないと一刀両断に水産庁が述べる、これは大問題ではないかと思いますが、まさか大臣、そういう気持ちではないですよね。

○鹿野国務大臣 水産庁の職員がどういうことを言ったかというのは定かではありませんけれども、私自身は、農林水産業の責任者として、そういう考え方に立っておりません。

○高橋(千)委員 はい、確認できました。

 では、総理に改めて伺いたいと思います。

 もちろん、先ほどもあったように、あれほどの巨大津波の被害に遭った、地盤も沈下した中で、防災の観点が大事なのは言うまでもありません。ただ、この際だからという発想があっては困ると重ねて指摘しているんです。

 総理が四月一日に陸前高田を訪問した翌日に、私は釜石で漁業者の皆さんと懇談をしたんですけれども、そのときに、総理が陸前高田でいろいろ青写真を述べたことが話題になっておりまして、皆さん大変心配をされていました。つまり、高台に家を移すと言ったけれども、自分の土地はどうなるんだろうかと。作業場が浜に絶対ないと、せめてそれだけでもあれば自分たちは高台から通ってもいいけれども、とにかく浜につながっていたい、そういう気持ちがこもごも語られたわけなんです。

 改めて伺いますが、水産業の復興について、小さい漁港も集落も大事だ、住民の気持ちが大事だと私は話してまいりましたけれども、総理の率直な御意見をお聞かせください。総理に聞いています。大臣には十分聞いたので。

○鹿野国務大臣 総理の御発言というふうなものは、私どもといたしましては、とにかく安全な居住地を確保しなきゃならない、ここに重点が置かれていると思うわけであります。

 そういう意味で、例えば、平成五年でございますけれども、北海道の奥尻の地震の際に、奥尻の青苗地区におきましては、この漁港の復旧というふうなことを行うというときに、防潮堤の災害復旧と連携した、集落の地盤をかさ上げして、そこに、いわば高台にして居住地を移したというようなことの例もあるわけでございます。

 そういう意味で、私どもといたしましては、今回の補正予算におきましても、これらの知見というものを踏まえて、被災した漁業集落の地域住民の意向をしっかりと把握する、あるいは集落整備の計画策定のための調査費というふうなものを計上いたしておるわけでございますので、先ほども申し上げましたけれども、これからも地域の方々のお考えを聞きながら、復興構想会議におきましても、これからも積極的な議論がなされると思いますので、そういう意味で、漁業集落の安全というふうなものを軸にいたしまして、具体的な方策について私どもは取り組んでいかなきゃならないと思っております。

○高橋(千)委員 総理に一言お願いします。

○菅内閣総理大臣 今、農水大臣からもお話があったように、やはり私も幾つかの被災地を見ていて、既に高台に集落がかつて移っているところもあり、またその後、低いところに集落が生まれたところもあります。そういったことも含めて、やはりそうした安全なところに住んで、そして漁業を復活して頑張っていこう、そういうことの両立ができるような形、その中に、いろいろな形を地元の皆さんを中心にお考えいただき、国としてそれをフォローしていく、そういう考え方が必要かと思っております。

○高橋(千)委員 確認できたと思います。

 知恵は現場にたくさんありますので、問題は、先ほど来議論がされている二次補正ですとか、やはり国のそういう援助が必要なんだということで確認をしたいと思います。

 もう一つの論点ですけれども、実は、もう四年も前に宮城県の提案とそっくりな案が経済界から出されていた。これはもう皆さん御存じかと思うんですけれども、経団連のシンクタンクである日本経済調査協議会が二〇〇七年二月に、「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革を急げ」、こういう提案をいたしました。これは、あくまで民間レベルではなくて、内閣の規制改革会議の提言にも盛り込まれております。

 提言は、水産資源は国民共有の財産だから漁協と漁業者だけに独占させるな、企業にも参入させよと主張しています。少し、そうかなと思うようになりますよね。でも、漁業法の基本というのは、海は自然から与えられた環境そのものであり、本質的にだれのものでもない、それが基本であります。その海から、私たちは豊かな海産物を命の源としていただいております。

 ですから、国民の食料を安定的に供給するためには、海と資源の管理をやはり公益的な漁協が行って、それを漁業権という形で漁業者が活用をしてきたと思います。そこに利益追求、撤退も自由の企業の論理が入り込めば、浜の姿は変わってしまいます。

 例えば、ノルウェーのサーモン養殖の先行事例がございますが、外部から投資目的の資本が流入し、規模拡大のために養殖形態の企業による買収が進み、大手資本だけが生き残りました。機械化で労働者が削られ、鹿児島大学の佐野雅昭教授の表現をかりれば、海は無人の工場になったと言っています。

 提言が出された二〇〇七年は、重油高騰問題があって漁業者が一斉に立ち上がった年でした。そのときにもお話を聞いたことがありましたが、漁業の規制緩和について、こんなことをおっしゃっていたんですね。自分たちがもともと採算がとれない漁業をずっと続けているわけは、浜に住んでいる我々漁師だからなんだ、海を知らない人たちが机の上で集約だとか改革などと言っているのは許せない、そう発言していたのが忘れられません。大臣、企業の参入についても今論じるべきではない、見解を伺います。

○鹿野国務大臣 宮城県の知事が、いわゆる沿岸漁業等々に対しても民間の資本を参入してはどうかというようなことで、水産業の復興特区を創設するというような、そういう御発言もなされておるということも承知をしておりますけれども、基本的に現在でも、地元漁協と調整の上で外部企業が直接漁業権を取得して養殖業に参入しているという例もございます。あるいはまた、漁協の組合員となる形で外部企業が養殖業に参入し、そして民間資本が沿岸漁業に参入しているというふうな、こういう事例もあるわけでございます。

 このようなことから、宮城県知事のお考えはこれ以上私どもは承知はいたしておりませんけれども、今までも申し上げましたとおりに、地元の漁業者の方々がどういう意向なのか、あるいは県、あるいは市町村がどうなのか、復興構想会議の議論も本格的になされているところでございますので、どういう考え方に立つのか、そういうものを踏まえて、基本的にやはり災害に強い漁業、漁港というふうなものをつくり上げていかなきゃならない、生産性の向上も図っていかなきゃならない。

 そういうようなことも総合的に、これからの我が国を代表する世界に冠たる漁業、漁場というふうなもの、どういう復興の姿にするかというのは、いろいろな考え方をお聞きしながら取り組んでいかなきゃならないと思っております。

○高橋(千)委員 今大臣が紹介されたように、企業であっても、本当に漁業をやるつもりがあるのであれば、投資ではなくて本当に魚をとるんだというつもりであれば、参入する仕組みは実はあるわけですよね。あえて緩和をする必要はないのだということを確認したいなと思います。

 さて、宮城県漁連の阿部理事長もおっしゃっていました、最初の二カ月は海を見るのが嫌だったと。でも、今はやはり海につながる仕事がしたいとおっしゃるんですね。やはりそれが漁業者の気持ちなのかなと思います。何しろ宮城県漁連は、一万四百八十人中、四百三十七人もの組合員が犠牲になり、七割以上の方が家も流されました。役員十一人中、九人が被災をしたのです。それでも、八五%が再開したい、もう一度三陸の豊かな海を取り戻したいと訴えています。ただ一方、三割が廃業するかもしれないと言っているんです。だから急がれるわけですね。復旧、再構築を行って、希望が持てるメッセージを出さなければならないんです。

 昨年もチリ津波がありました。ようやくことしは再開できるかというやさきの津波被害であります。昨年は激甚災害法で補助がかさ上げされましたが、とはいえ、減価償却などもあって半分、それ以下、補助額は本当に小さかった、養殖施設などは一〇〇%やってほしい、去年に続くことしで、規模も大きいんだから、そういうことを皆さんは要望されていますが、いかがですか。

○鹿野国務大臣 今、高橋委員からお触れになりました漁業者の意欲ということでございますけれども、私も数度にわたりまして現地に参りまして、いろいろな関係者の方々からもお話を伺いましたが、ある地域におきましては八五%の人たちがもう一度やっていきたい、こういう本当に強い意欲をお持ちの方々もおられるわけであります。そういう方々にどうこたえていくかということは非常に重要なことだと思っております。

 そういう意味で、今回、養殖業のことにつきまして、平成二十二年度のチリ沖の地震津波のことに重ねてのこの災害、被災を受けているというようなことのお話から、どう取り組んでいくかということでございますけれども、実はこのチリ沖の地震津波の激甚災害におきましては、養殖につきましては、御承知のとおりに、四五%の補助、こういうような施策でございましたけれども、このたびはこのようなところにやはりかさ上げをしていかなきゃならないということから、国と県というようなことで六七・五%の補助というふうにかさ上げもさせていただいているところでございます。

 また、漁船につきましては、国が三分の一、そして県が三分の一、そしてあとは、御承知のとおりに保険、平均残存価格からいたしますと二二%ということになるわけでございますので、そうしますと、およそ九割くらいはカバーされる。さらに、共同でやるというふうなことならば、ほぼこの負担というものが軽減されるということでございますので、そのような、私どもは、今回、応急措置といたしまして、緊急的にということで、第一次補正に予算を計上させていただいたところでございます。

○高橋(千)委員 今、四五%、昨年はそうだったけれども、六七・五%まで引き上げたんだという、までというほどではないな、もう一声頑張ってくれないと、これではちょっと希望が持てないかなと思いますので、一〇〇%を我々は要求していますが、もっと汗をかいていただきたい。これは重ねて要求をしたいと思います。

 漁業と加工、冷蔵倉庫、市場、流通、あるいは造船所が九割やられましたけれども、関連産業が一体で再生しなければならないということは、もう言うまでもないことであります。雇用と地域経済の再生という点でも、本当に重要であります。この認識と、そのために、思い切った支援、工場への直接補助なども必要だと思いますが、これは官房長官に伺います。

○枝野国務大臣 御指摘のとおり、水産業あるいは水産関連業は、漁業にとどまらず、加工、流通、市場、それから造船所、さまざまな関連の産業が一体となって漁業、水産業を支えているという状況でございます。今回の被災地域の多くがこうした地域の経済構造になっておりますので、こうした構造を一体となって再生していかなければならないというふうに考えているところでございます。

 そのために、既に補正予算では、一体的な再生に資するよう、産地の市場や水産加工場の復旧対策、中小企業の資金繰り対策等を盛り込んだところでございますが、さらに、水産庁にとどまらず関連する産業はある意味では広いというふうに認識しておりますし、また物流などになれば、例えば国土交通省的な視点も必要かと思っております。水産庁を中心に、経済産業省や国土交通省など、関連省庁にもしっかりと一体となって協力をしてもらって、地域が海を中心にしっかりと雇用も含めて再生していくよう、内閣全体として努力をしてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 そのためにやはり二次補正だなということが何度も言われるわけでありますけれども、その中身の話で、一つ防災大臣に伺うんですけれども、被災地の首長や漁協、農協、皆さんから多かった要望が、被災者生活再建支援法の枠組みを、住家だけにとどめないで非住家にも使えないかということであります。個人の倉庫、加工場、店舗、いろいろあると思うんですね。

 この間、政府は、仮設住宅と一緒に、仮設の店舗だとか、工場だとか、診療所だとか、あるいは介護の拠点だとか、そういうのを備えることを予算に組みました。しかし、一定期間、二年、三年と、仮設、次のステップに行くときに、ほかの施設は置いてきぼりを食う。だったら、住宅と並び立つ店舗や工場、倉庫なども入れた方が全体の再生に結びつくのではないか。これは私は何度も質問していますが、もう一歩踏み込んだ答弁をぜひお願いしたい。

○松本(龍)国務大臣 お答えいたします。

 被災者生活再建支援制度は、自然災害によって生活基盤に著しい被害が生じたときに、いわゆる自立した生活再建を支援する制度であります。そういう意味では、これは、住宅に重大な被害を受けた世帯を対象としておるところであります。

 しかも、これは、平成十年に、まさに阪神・淡路の経験をした、それぞれ与野党の皆さんが一生懸命努力をして、全国の知事会がそれぞれ基金を持ち寄って、相互扶助の観点からつくられた法律であります。二分の一を知事会の基金から、また、国が二分の一を補助する制度であります。そういう意味では、店舗や工場といった事業用資産を被災者生活再建制度の中で支給対象とすることは、制度の趣旨から、今のところは困難であります。

 一方で、今御指摘のように、被災事業者の支援は重要なことでありますので、今回は、中小企業基盤整備機構によって仮店舗あるいは仮工場を無償で供与するシステムができております。仮店舗の方で床屋さんでありますとか八百屋さん、あるいは仮工場の方でいわゆる水産加工業とかいったさまざまな状況を今用意しております。今、三十市町村からそういう要望があっておりますので、どんどんまたこれも使っていただきたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 工場や店舗をつくってあげて、無償で貸し出ししますよ、そこまで言っているのに、工場を補修したいというのにはお金が出ない。何かおかしいんじゃないかということを言い続けてまいりました。

 私は、今回非常に気になっているのは、やはり個人補償という点がどうも弱いのではないか。従来ではないやり方をするのだと言っておきながら、一番肝心のところがおくれているんです。先ほども御指摘があったように、被災者生活再建支援法のもともとの三百万円さえも今は配る予算がついておりません。一万人分しか三百万円出ないんですね。あとは十万人に百万円出るだけなんですね。だから、どうもそこがおくれているという気がするんです。

 だけれども、振り返ってみれば、能登半島のときは、復興基金のメニューで中小企業に対する直接支援をやったんですね。中越地震のときも、そういう個人の宅地被害に対する支援を基金でやりました。中越沖では、個人負担を軽減して柏崎の山本団地を丸ごと復興させる、こういうことができたわけです。でも、二〇〇一年の芸予地震のときは、被災者が自分の土地を市に提供する、贈与するという形でしか復興ができなかった。でも、それを今は乗り越えて、個人の資産を守りながら再生するという考え方が前進してきているんです。

 片山大臣に伺いたい。大臣自身が鳥取県知事として切り開いてきたことであります。個人補償と地域の再生の関係について見解を伺います。

○片山国務大臣 被災地の復興に当たりまして、個人の生活基盤の安定、それから、生業の基盤の安定ということは非常に重要だと思います。

 私が鳥取県知事をしておりましたときに、マグニチュード七・三という鳥取県西部地震に見舞われましたけれども、幸い、そのときは生業が壊滅的な被害を受けるということはございませんでした。もちろん、農地などは地割れを起こしたり、いろいろなことがありましたが、しかし、年月をかけて復興するということが可能でありました。問題は、住宅を失った方が大変多い。ともすれば、もう地域を後にしてしまうということが予想されましたので、地域を守るためには、やはり何がしかの住宅再建支援が必要だろうということで、当時は国の制度は何にもありませんでしたので、県独自で三百万円を限度にということをしたわけであります。

 これは、おっしゃったような個人の補償ということでは必ずしもなかったわけでありまして、その地域に残っていただいて、皆さんと一緒に地域の復興を共同でやっていただきたい、そういう意味合いがあったわけであります。

 今般の地震は、住宅はもちろんでありますけれども、生業の基盤も全部失われているところが多いので、いささか事情は異なると思います。

 そこで、先ほど来議論がありますように、中小企業、漁業者、それから農家の方々に対してできるだけの支援を行おうということで、今るる検討がなされていることだと思います。

 その際に、これは手法でありますけれども、全国一律にすべて政府が決めてしまってというやり方をするのか、それとも、私は鳥取県で政府の制度とは関係なく単独で住宅再建支援をやりましたけれども、ある程度その自治体が地域の事情とかそういうものを勘案しながら、主体性を持って、アクセントをつけて復興を心がけるのかというのは、これは選択の問題だろうと思います。

 いずれにしても、コンセンサスを得ながら、どこまで生業の支援がなされるかということが今次の復興の一つの大きなポイントだろうと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 これまでにない未曾有の災害で、どう復興していくのかという課題の中で、やはりこれが最大の課題なんだ、個人補償が本当にできるかどうか、そのことで地域の再生につながるという立場で質問させていただきました。そのために、今、片山総務大臣、念頭に多分置いているんだと思いますが、先ほどちょっと紹介した復興基金というものを、もっと自由度の高い、自治体が使える、しかし国がきちんと手当てをする、そういうようなことも踏まえながら、今までにない取り組みをぜひお願いしたい、ここは要望して次につなげていきたいと思います。

 ちょっと時間の関係で、少し質問を飛ばして、最後の方の質問をしたいと思います。

 原発の問題なんですけれども、日本共産党は、十六日の予算委員会での笠井議員の質問、また翌日には志位委員長が直接総理に提言を行ったように、エネルギー政策について、原発からの撤退を明確にするべきだ、そして、そのためのプログラムを示した上で、それまでの間は、徹底的な安全対策や規制機関の推進行政からの独立と、抜本的な強化を行うべきだと主張をしています。

 総理は、エネルギー基本計画は一たん白紙に戻して議論をすると述べておりますが、報道によると、二十六日からのG8サミットにおいては、自然エネルギーの推進については発言をされるようですけれども、原発を減らすのかどうか、明確にされていないようであります。また、昨日の日中韓首脳宣言においては、原子力エネルギーは多くの国にとって重要な選択肢との文書を交わしたといいます。となれば、結局、原発はこれからも動かし、つくり続けるという立場ですか。

○菅内閣総理大臣 先日、志位委員長が来られて、共産党は原子力から撤退するということを言われ、これまでの政策をやはり変えられたのかなという感じがいたしました、共産党としてですね。

 私が申し上げたのは、今回の原子力事故について、まずは徹底的な調査、検証をする、その中で、より安全な原子力の利用を、どうあるべきか、このことが一つの大きな、我が国にとっての、この経験を踏まえての責務でもあろうと思っております。

 と同時に、エネルギー基本計画という観点でいえば、従来は化石燃料と原子力エネルギーが主要なエネルギーとされてきたわけですが、それに加えて、自然エネルギーと省エネということをもう二つの柱として、特に自然エネルギーと省エネでは、グリーンイノベーションという新成長戦略にもつながりますし、CO2、いわゆる地球温暖化防止にもつながる、ここについてはしっかりと力を入れていきたい、こういう考え方で今週のG8にも臨んでまいりたい、こう思っております。

○高橋(千)委員 別に党の政策を変えたのではなくて、きちんと整理をしただけの話でございますので。

 主要なエネルギーに加えるとおっしゃいましたので、これは減らさないし、減らすかどうかはわからないんですけれども、原発をつくり続けるという、維持させるという立場なのかなと思います。

 そこで、十六日の予算委員会で、私と同じ青森県出身の木村太郎議員が、六ケ所村の核燃サイクル問題について総理の見解をただしました。もちろん、言うまでもなく、サイクルに対する立場は真逆でありますけれども、私とは。私は、ただ、この答弁を聞いて、総理は、ひょっとして、再処理工場とは全国の原発のごみ処分場だと思っていらっしゃるのかな、そういう思いになったわけであります。志位委員長との会談の中でも、福島の使用済み燃料があんなになっているとは知らなかったとおっしゃいました。

 私は、もともと、全国の原発から出てくる使用済み燃料というのは六ケ所に再処理をすることになるんですけれども、フル稼働したとしても処理できる能力は、毎年二百トンオーバーする、余っちゃうんですね。そういうことは最初からわかっているんです。

 それで、早くから福島原発の使用済み燃料のプール、ぎゅうぎゅう詰めにして、詰めかえて、今でも冷やしている。だから、中間貯蔵施設という矛盾のたまり場をつくったんです。これはむつ市です。総理は六ケ所村とおっしゃっていますけれども、そうじゃないんですね。六ケ所村は再処理工場であって、処分場ではありません。三十年から五十年、中間貯蔵すると言っていますが、次々と新しい燃料が入ってくるために、そこから五十年と数えますので、ずっと置かれることになる。それがむつ市議会で大問題になりました。

 再処理工場は、原発の使用済み燃料を再処理して、わざわざ危険なプルトニウムを取り出す。それが新たな燃料になって使われてちゃんと回らなければ、プルトニウムはどんどんたまっちゃうんです。年八トンなんです。取り出さない方がいいのは決まっています。その先だって破綻しているわけですから。

 歴代政府は、青森県を最終処分場にしないと言ってきました。総理にもちゃんと確認をしたいんです。青森県を最終処分場にしないということでよろしいですか。

○菅内閣総理大臣 おっしゃるように、六ケ所村はあくまで再処理施設として位置づけられており、最終処分場ではないということは、我が内閣においてもその認識は変わっておりません。

○黄川田委員長 高橋さん、申し合わせの時間です。

○高橋(千)委員 はい、終わります。

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