国会質問

質問日:2011年 10月 25日 第179国会 災害対策特別委員会

復興交付金、復興基金について

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 昨日の復興特別委員会、また本日の委員会におきまして、集中的な議論があったのが防災集団移転事業やかさ上げの問題、また宅地被害の問題などについて、補助率の引き上げやあるいは要件緩和、これらについて質疑があったと思います。私自身も繰り返し取り上げてきたことでありますけれども、これらが要件緩和もかなりされて、また、自治体負担も基本的になくなったとされているということであったと思います。

 今皆さんのお手元に資料を配っているわけですけれども、今度の三次補正の中で、東日本大震災復興交付金という形で、これらの今言ったような事業が基幹メニューとして入って、これらが使えるということになっております。規模が国費一兆五千六百十二億円、括弧して事業費一兆九千三百七億円ということで、その差額が地方交付税措置、特別交付税などの措置によるものなのだという説明でありました。

 めくっていただきますと、例えば防災集団移転促進事業が従来ですと四分の三、土地区画整理事業が従来ですと二分の一というところに対して、一定負担率を上乗せする。ちょっと、本当はカラーだったものをコピーしたので濃い網目というふうに言いますけれども、濃い網かけのところは今回の交付金で措置をして、薄い網のところは特別交付税でやるということで、基本的には地方負担がなくなるということでございます。それ自体は大いに歓迎をしたい、このように思います。

 そこで、いわゆる自治体の超過負担について質問をしたいと思います。

 例えば、仙台市が防災集団移転事業について総事業費を大体見込んだときに、今回のスキームができる前ですけれども、千二百六十七億円の概算事業費に対して、限度超過額は七百八億円という試算がございました。今それをクリアしてクリアしていくと、その超過負担額がどれほど縮まるのかなということでやりとりをしたわけですけれども、例えば全体の上限額はなくしたよというわけなんですけれども、実際に細かく見ていきますと、用地取得費に平米当たりの限度額があるですとか、さまざまのまだ残っているものがあって、超過負担額がある。

 それは大臣が認めれば取り払うこともこれありなのだという説明を聞いているわけですけれども、やはりせっかくここまで来て、自治体負担はないんだと言っているんだけれども、ふたをあけてみたらまだまだ超過負担があるということで足かせになってはならないと思いますので、まず国土交通省の考えを伺いたいと思います。

○津島大臣政務官 お答えをいたしたいと思います。

 今回の東日本大震災の被災地における防災集団移転促進事業につきましては、補助採択要件の緩和、戸当たりの補助限度額の撤廃など、自治体の負担を軽減する措置や要件緩和を第三次補正予算案において盛り込んでいるところであります。

 また、住宅用地の取得造成費につきましても、今般の被災地の実情に応じた単価の引き上げを予定しており、地形が急峻である等の理由により、それでもなお地方公共団体の超過負担が生じる場合においては、当該住宅団地の位置や造成方法等が適切であると認められる場合には個別の事情に応じてさらに単価を引き上げるなど、柔軟に対応してまいりたいと考えております。

 国土交通省といたしましては、こうした措置を通じて、被災地の一日も早い復興を支援してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○高橋(千)委員 柔軟に対応したいという答弁でありましたので、これをぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 そこで、復興交付金は省庁間の横断ですとかさまざまな事業の組み合わせわざができるという点で非常に期待をするものでありますけれども、その配分を、つまり省庁間を横断するわけですから、最終的に、要望を受けてお金をどうしますかという、その配分をどこが行うのか。いいかげんおくれてきたという経緯がございます。本当ならば二次補正で姿が見えてほしかったということがあるわけですから、交付の決定は一刻も早く、このように思うんですけれども、その交付の決定の流れ、どのようになるのか、平野大臣に伺いたい。

○平野国務大臣 基本的には、この復興交付金につきましては、各地方公共団体から復興庁に事業計画を出していただきます。これは何も詳細なものを求めるつもりはありません。今市町村でつくっている復興計画の大まかなものを提出していただければいいというふうに思っています。その事業計画を踏まえて配分計画を策定するのは復興庁でありまして、各地方公共団体に対する対応としてはワンストップ、いわゆる復興庁で対応するということで考えていきたいというふうに思います。

 それから、復興庁は、各地方公共団体が行う事業計画の作成を支援し、その作成の円滑化を図ること、それから、市町村全体の計画ではなくて地区や箇所ごとの計画を柔軟に受け付けることにより、被災市町村等が行う手続の大幅な簡素化と、申請、調整の迅速化を図ってまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 大臣、今、復興庁と繰り返しおっしゃいましたけれども、まだできておりません。

 それで、そういう中で、実際、私はワンストップでなければならないと思うんです。今言ったとおりでなければならないと思うんですが、現実はそうならないわけですよね。

 まだ現地対策本部になっておりまして、そこに復興交付金事業計画を市町村が上げると、それが、交付決定をするのは本省である、本省の内閣府である。内閣府が交付可能額を決めたら、初めて、今言った国交省の事業であれば国交省にさらに申請をしなければならない、それで国交省から返事が来るという説明をきのう聞きました。これではだめなんです。

 いや、そうじゃないと言うのなら、そうだとはっきりおっしゃってください。

○平野国務大臣 これは今やっている一括交付金と同じ考え方であります。総額について自治体に配分を示した上で、自治体が当該年度でどの事業をするかの選択をしていただきます。その選択に基づいて、事務的な手続でいきますと、国交省の事業であれば国交省の事業とこちらから、内閣府から移しかえをします。移しかえをした予算をそのままスルーで自治体に補助金を流すというのが事務的な手続でありまして、これは、繰り返しになりますけれども、今やっている一括交付金の考え方と全く同じだということであります。

 一括交付金と何が違うかといいますと、こちらはメニューが圧倒的にふえております。自治体の選択の幅を非常にふやしたという意味において、一括交付金とはちょっと違うというふうに御理解をしていただきたいと思います。

○高橋(千)委員 そうすると、もう一度確認をいたしますが、昨日の担当者の説明ではそうではなかったわけです。そうすると、現地対策本部が相談も含めて事業計画を受けて、それが本省に行ったときにはもうそこで内閣府も国交省も一緒になって、交付と一緒に決定がされてくるということでよろしいですね。

○平野国務大臣 今の段階では内閣府ということになりますけれども、そこでいずれワンストップで、ワンストップというか自治体とのやりとりをやって、あとは手続の関係の中で省庁間のやりとりはございますけれども、そこに自治体にああだこうだというか、特別の手続をお願いするということは、今の一括交付金の枠内で動くということで、同じだということであります。

○高橋(千)委員 私は、やはり現地対策本部で判断も含めてできるのが一番望ましいと思っているんです。各省庁の出先もあるわけですから、市町村がそこで何度もということがないように、今大臣はそうではないのだとおっしゃっていますから、本当に、せっかくここまで待たされて、交付金使うよとなったら二度手間、三度手間ということにならないように、繰り返しお願いをしたいと思います。

 次に、きょうは総務省の方にも伺いたいと思っているんですけれども、二千億規模の取り崩し型の基金が創設されたということで、大変歓迎したいと思います。

 私、これは繰り返し質問をしてきたことなんですけれども、それはなぜかといいますと、中越沖地震あるいは中越地震のときも、決め手となったのがやはりこの基金事業でありました。

 そのときはまだ利子の運用という小さな幅ではあったわけですけれども、それでも、例えば先ほど来お話があったがけ崩れの対策なんかでも、要件を満たさないたった一戸のところでも基金事業で救済ができたとか、柏崎の山本団地が最後の自己負担のところを基金事業で最小限にすることができたとか、そういう大きな決め手になったわけであります。

 ですから、こうした基幹事業、補助事業でできないところ、補えないところを自治体独自できめ細かくやっていくということで期待をしたいと思うんです。

 もう既に岩手でも宮城でも中小企業に対する独自の支援策をやっていたりしますし、あるいは、一部損壊などの個人住宅に対する支援などもさまざま取り組んでいます。そういうものにも後押しになればいいなと思っているんですけれども、この基金の趣旨についてぜひ伺いたいと思います。

○福田大臣政務官 お答えをいたします。

 簡潔にということなので、簡潔にお答えをいたします。

 今回の東日本大震災からの復興に向けて、被災団体が地域の実情に応じて、住民生活の安定やコミュニティーの再生、地域経済の振興、雇用維持などのさまざまなニーズについて、単年度予算の枠に縛られずに、弾力的かつきめ細かに対処できる資金として、復興基金の創設について支援することといたしました。

 現在の低金利の状況を踏まえて、従来の運用型基金ではなく、取り崩し型基金により対処することといたしまして、特定被災地方公共団体である九県が取り崩し型の復興基金を設置することとなる場合について、特別交付税により財政措置を講ずることといたしております。

 今回の基金を具体的にどのように使うのか、どのような運用をするかについては各県の判断にゆだねられますが、基金規模の算定は市町村の財政需要を踏まえたものであり、きめ細かな事業を実施するという基金の趣旨からも、市町村事業に十分に配慮した運用を期待いたしているところでございます。

 以上でございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 本当であれば、市町村にも基金の配分があればという希望があったわけで、その点がぜひ配慮されるようにお願いをしたいと思います。

 次に、また平野大臣に伺いたいと思うんです。

 今度の大震災で、家の土台だけを残して全部流されてしまったという本当に大きな被害がありました。それと同時に、そうではないんだけれども、一部損壊という世帯も非常に多いわけです。また、内陸部でも非常に大きな被害がございました。

 資料の三枚目に現状をつけておいたわけですけれども、今回、全壊、半壊、一部損壊ということで、合計が九十万九千九百九十戸。そのうち六十万六千八百五十四戸が一部損壊、実に三分の二近いところが一部損壊になっているわけです。実際に今ある制度が、例えば住宅の応急修理とか被災者生活再建支援制度などがございますけれども、半壊以上とか大規模半壊以上という条件がございますので、二十三万三千五百九十五件程度であろう、今の到達はこうであります。

 ですから、全体の被災者の中で非常に大きな人たちがこうした一部損壊という事態になっているんだけれども、実は何の支援もないということについて、大臣の考えを伺いたいと思います。

○平野国務大臣 被災者生活再建支援制度というのは、委員も御案内のとおり、自然災害によって各個人のというか各家の生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対しまして、自立した生活再建を支援し、被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度であるということでありまして、著しい被害を受けた世帯ということから、全壊や大規模半壊等々の重大な被害を受けた世帯を今の制度では対象としているということであります。

 この制度の趣旨からしますと、委員が御指摘のように、一部損壊ということで多くの家が被害を受けておりますけれども、こういった世帯まで対象とするということにつきましては、やはり制度そのものの考え方にかかわる問題でありまして、私どもは、大変申しわけございませんけれども、慎重な検討が必要ではないかなというふうに思っております。

 なお、こうした一部損壊した世帯に対しては、住宅融資制度、災害復興住宅融資制度等々による貸付制度等々も用意してあるということについては、御案内のとおりであります。

○高橋(千)委員 今、支援法の趣旨をお話しになって、著しい被害を受けた世帯というところに焦点が当てられているんだと。

 でも、一部損壊という考え方が非常に幅の広いものなんですよ。それこそ、屋根がわら一枚落ちたとか、そういうものから始まって、もっと大きなところまで実はなっているという実態をちゃんと見ていただく必要があるのではないか。

 例えば、多賀城市の年金暮らしの夫婦、屋根がわらが損壊して、屋根のふきかえと住宅壁のひび割れを補修しただけで三百五十万円かかっている。六十二歳の共稼ぎの夫婦ですが、やはり屋根がわら損壊で、ふきかえで二百十万円。あるいは、仙台市は、年金暮らしの夫婦、同じように屋根がわらの全面改修で百五十万円。宮城野区の農家は、屋根がわらの全面改修で、農家ですから少し広いということもあって、五百二十万円かかると言われたというような形なわけです。

 地震保険も、同じように、一部損壊ですと五%しか出ない、たとえ自助の地震保険に入っていてもそうだ。屋根がわら全部やられても、これは一部損壊にしかならない。そうすると、やはり一部損壊という考え方を変えなくちゃいけないんではないか、私はこのように思うんです。ですから、もう少し制度を整理する必要があるかと思います。

 現時点では、先ほどお話ししてくださった基金事業を活用していただきたいなと思うんですが、しかし、やはりもう少し整理をして、例えば住宅の応急修理というのは、本来、応急修理だったので、一部損壊、五十二万円充てられる。そして、半壊以上は支援法できちんと充てられる。そういうふうに整理することも必要ではないか。

 ですから、大臣に、今のような一部損壊というのは非常に大きなものも入っているんだよということを理解していただいて、調査をするとか、その上でやはり国としても見直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○平野国務大臣 やはり、今回の制度ということが、今回の被害によって、その世帯が生活をしていく上で著しい支障を生じるというような状況に対しての支援だというその根幹は、現段階ではなかなか外すわけにはいかないというふうに思います。

 一方で、委員から、一部損壊というふうに指定されたものの中でも大きな被害のものがあるという御指摘については、今そういった御指摘も踏まえまして、実情等々については調査をしてみたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。

 そして、調査をぜひ行っていただくことと、省庁間の連携ですき間のないようにやっていただきたいなと思っております。

 二〇〇七年の十一月に被災者生活再建支援法を改正したわけですけれども、その四年後の見直しが、まさに今でございます。そういう中で、本当に、今言ったような見直しがやはり盛り込まれていくべきではないか。そのときの議論がまさにそうであったので、最後に一言、大臣の思いを伺いたいと思います。

○平野国務大臣 いずれ、今申し上げましたように、実情はちょっと調査をしてみたいというふうに思っております。

 その上で、被災者生活再建支援法の四年後の見直しということでありますけれども、この点に関しましては、ことしの三月十一日の東日本大震災で、とりあえずこの今回の震災に対応したという特例措置でございますけれども、かなりの見直しをやったということでございまして、今その見直しした制度でもって被災者生活再建支援が行われているということでございます。

 引き続き、今回の震災による被害の実態や、被災者の生活再建の状況などを詳細に把握しつつ、総合的な見地から検討を行う必要があるものと考えておりまして、一応この四年後の見直しということにつきましては、今回の震災の状況を検討するという時間がちょっと欲しいということでありまして、結論を得る時期は、ことしになるかどうかというのはちょっと微妙だということだけは申し上げさせていただきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 またいろいろと提案をさせていただきたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。

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