国会質問

質問日:2011年 11月 25日 第179国会 東日本大震災復興特別委員会

復興特区法案

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、企業の立地促進にかかわって質問させていただきたいと思います。

 復興産業集積区域内に新設され、平成二十八年までの間に、当該地域の雇用機会の確保に寄与する事業を行う者として当該地方公共団体の指定を受けた法人が、指定を受けた日から五年間、法人税を無税とする措置というものがございます。これについては幾つかの条件があって、次の要件をすべて満たす法人というふうになっているわけです。

 その最初の要件が、当該復興産業集積区域を規定する復興推進計画の認定の日以後に設立された法人であること。となると、新しく参入した企業であっても、計画の前に既に入ってきて地域のために頑張っているところも、あるいは震災の直後から、被災をしながら自力再建をして頑張ってきた企業も入らないじゃないかという問題がございます。こうしたところもやはり対象とすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○平野国務大臣 御指摘の新規立地促進税制につきましては、企業の新規立地を促進するという政策目的のための税制であるという基本的な税制としての性格から、既存企業や計画認定前に新規進出した企業を対象とするというのは、これは制度上なかなか困難ではないかというふうに思っております。

 被災地においてこの税制を有効に活用していただきたいと考えておりまして、政府としては、地方公共団体が、企業の立地の動きがある区域のみを対象として復興推進計画を作成し、認定を申請することを認める等、計画の認定において柔軟な対応をするほか、復興推進計画の認定を迅速に行うよう努めてまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 今の最後の御答弁は、認定待ちになって、立地されなければ困るわけですから、それを急ぐよという話で、それは当然のことなんですね。

 でも、早期に被災地に訪れて頑張って守り立ててくれた企業に対しても、やはりそれはどうなのかなということもありますし、これまで、被災した企業であってもいろいろな雇用の状況に応じて特例措置があるという答弁もあったんですけれども、今指摘をしたここの部分が最も大きい支援であるからこそ、やはりそれと同じだけの支援が被災した企業にも受けられるべきだという趣旨なわけですね。

 そういう趣旨で、宮城県や岩手県などは、被災企業に対する過去五年間の法人税還付という、いわゆる同じくらいの趣旨で要望を前から出していたと思います。これは検討されてきたのでしょうか。

○平野国務大臣 さまざまな税制の要望は受けておりますけれども、そういった要望等々も含めて、最終的に今回の復興特区法案に盛られた税制になったということでございます。

 それから、もう委員も十分御存じだと思いますけれども、既に入った企業、いわゆる既存企業という位置づけになりますけれども、この既存企業については、事業用設備を取得した場合の即時償却、それから被災者を雇用する場合の税額控除等の適用は受ける、こちらの税制の特例は受けられるということは御承知のとおりだと思います。

○高橋(千)委員 それは今私が言いました。

 十五日付の福島民報によりますと、福島経済研究所が警戒区域などを除く五百社を対象に行ったアンケートの結果について紹介をしています。

 四月から六月の売上高が前年同期より減った企業が六割もいると。半数以上が、本社や工場、営業所などを県内から移転しない、つまり県内で頑張ると答えてくださっているんですね。その一方、今のところわからない、県外拠点にバックアップ機能を設けると答えたところが二割に上って、しかも資本力の大きい企業ほど、わからないという答えがある傾向が強いというふうにしているわけです。

 福島ですので、風評被害が県内全域に広がっている、こういうことも指摘をしつつ、営業、操業中の企業や商店にも同様の扱いをするべきだ、これまで頑張ってきた事業所の存続なしに地域再生はおぼつかないと指摘をしているわけです。私は全くそのとおりだと思うんですね。

 新規立地を誘導するのは本当に大事なことです。でも、二百二十二と言われる、しかもまだ関連があるよという議論はこの間されてきている、そういう特定被災区域を新規立地だけでカバーできるはずは当然ないわけで、もともと被災者を雇用していた地元企業の存続こそが雇用の維持の最大のかなめだと思いますけれども、この認識はいかがでしょうか。

○平野国務大臣 委員おっしゃるように、福島県の各会社のいわゆる営業成績といいますか、そういったものは、被災前に比べて大きく落ち込んでいる会社が多いということについては私も承知しております。

 委員御指摘のように、新規立地ももちろん重要でございますけれども、今ある企業が引き続き福島県できちんとした仕事ができること、生産ができること、こういったものが重要であるという認識は私も持っております。

○高橋(千)委員 そういう中で、例えば先ほどの還付の問題ですとか、これから、議論されてきたように、国会に託されて、新しい特例も必要だねということだって、理論上はあり得るということですね。

 自治体から要望がある、そうすると、修正案などでもこの間協議をしてきた、議論もされてきたように、新しい特例としてこういう制度も設けてくださいということに対して国会がこたえていくことも理論上はあり得るわけですよね。

○平野国務大臣 国と地方との協議会の場においては、さまざまな議論が出てくるというふうに思います。

○高橋(千)委員 まさに国会が受けとめるという意味でもございますので、そうした趣旨で、本当にこの地元の雇用を維持してきた企業に配慮をするということをぜひ呼びかけていきたいなと思います。

 その上で、一つ確認なんですけれども、例えば、気仙沼では、土地利用制限が長くかけられていたために、再建の見通しが持てないということで、地元を離れた企業が多くありました。それに対して、今のところは引きとめることもできない、見通しが持てないんだからということで、本当に苦渋の思いをにじませていた商工会議所の声がございました。

 あるいは、岩手県の一関など、内陸部に沿岸部から進出して再起を図る、そういう企業もあったかと思うんです。あるいは、福島の場合は、事業所がたとえ壊れていなくても、避難を余儀なくされているとか、そういう形で、何年か外で頑張って、しかしUターンをしてくる、改めて、もといた場所で頑張る、そういうこともあってもいいと思う。

 そういうところは、先ほどから指摘をしている新規の企業と同様の扱いになると思いますが、そこは確認させていただきたい。

○平野国務大臣 既存の法人が、もし一たん解散しまして、清算手続を完了した上で、新たに被災地の復興産業集積区域内に新法人を設立した場合などには、新規立地促進税制の対象となり得るというのが見解ですけれども、今の委員の御指摘の中では、必ずしも解散をしていない、一時的に工場を別なところに移して、そしてまたもとに戻ってくる場合どうするかということでございますね。

 それは、今の制度の中では、例えば、グループ補助金でありますとか、一回被災した工場等についての再建についてはその再建を支援する、それからあと、二重ローンというスキームで、過去債務についてはできるだけそれを軽減する、そういった仕組みを活用して、一たん地域外に出た企業にできるだけ戻っていただくということについての支援をやっていくという体系になっております。

○高橋(千)委員 済みません。きのう説明を受けたときには、解散は条件となっていなかったと思うんですね。

 やはり、一たん出てしまった企業がすぐに戻るということは困難であると思うんです。ある程度の時間を要するであろう。そこは、当然、戻ってくるという機会が残されているということはとても大事なことだと思うので、解散を条件、どうなんですか。本当ですか。

○平野国務大臣 ちょっと先を急ぎ過ぎた答弁になってしまいまして、恐縮でございます。

 先ほど言った中小企業のグループ化の補助金等々とあわせまして、被災地域から一時的に避難した企業であっても、被災地域に再進出した後は、被災地において事業用設備を取得、被災地において被災者を雇用、被災地において開発研究設備を取得等、いずれかの要件を満たした場合には、それぞれ税制の特例措置の対象になるということでございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。確認できました。

 やはりそういうことがあってもいいと思うんですね。いわゆる企業のUターンということで、やはり地元で頑張ってきた企業に戻ってきてほしいということも含めて、質問させていただきました。

 次に、最初の質問の中であったわけですけれども、新規の企業なんだけれども、復興推進計画が認定される前の設立だということでこの対象にならない、だけれども、期日を除いては全部要件を満たしているよというところ、そういうところが被災者の雇用創出に本当に必要だと公共団体が認める場合に同様に扱う、そうしたことがあってもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○平野国務大臣 計画認定前に進出した企業、この取り扱いについては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、新規立地のために今回用意させていただいた税制措置を適用するというのは、これはやはりなかなか困難ではあるという前提で今の法律を仕組んでおります。

○高橋(千)委員 今回、集中的な、思い切った支援をするということで、当然要件が厳しくならざるを得ないと思うんですね。だけれども、その中で、この部分は逆におかしいのではないかと思うわけなんです。

 つまり、どうやって地域に貢献するのか、そこにやはり主眼が置かれるべきですので、全部要件を満たしていなきゃいけないということで、設立の日の違いだけで排除されるというのはどうなのかということが一点述べたかったので、ここは重ねて指摘をしておきたい、今後の検討にしておきたいと思っております。

 それで、集中的な支援を五年単位ということで、本会議でも質問しましたが、その後の撤退が心配されるということもございます。

 それで、再投資等の準備金を五年間、損金扱いということで税金を免除していたものを、その後は益金に算入するということで、課税するんだよというふうな説明をいただいております。ただ、十一年目ですかね。

 だから、それはどの程度、言ってみれば、税金、これまで優遇してきたものを回収になるのか。言ってみれば、それが、ああ、簡単に撤退はできないんだなと思わせる程度の歯どめ策になるのかなということを確認したいということと、それから、県外へ撤退してしまった企業に対しても、これは同じ扱いでよろしいのか。

○平野国務大臣 まず、最後の質問でございますけれども、県外に出てしまって、再投資、いわゆる被災した地域での再投資がキーワードでございますけれども、再投資がされれば、それは今回の無税の特典が受けられますけれども、それがされない、そしてまた県外に出ていくということであれば、それは特典が受けられないということで、益金に算入される形になります。

 それから一点目は、撤退できないようにするためにどういうルールが必要か、そういう御質問だったでしょうか。

 これにつきましては、まず、今回の指定を受けるためには、復興推進計画に適合する事業を適正かつ確実に実施し、雇用機会の確保に寄与することが見込まれる企業を指定するということになっておりまして、自治体は指定をした旨の公表を義務づけられておりまして、指定を受けた、税制上の特例措置が講じられた企業は、地域の各方面から雇用機会の確保等の責務を果たすことが求められるということになります。

 これらの措置によりまして、指定を受け、税制上の特例措置が講じられた企業が適正に事業を実施し、そのことを通じて雇用機会が確保されるというふうに考えております。

○高橋(千)委員 済みません。最初に質問したのは、要するに、準備金の積み立てを損金扱いすることで税を免除しますよね、それを、言ってみれば、回収とはいかないんですけれども、一定の歯どめ策になりますかと。

 つまり、撤退した後は、それを逆に益金として、回収に近いことをやるんですよね。それがある程度企業にとっては痛いことになるかなということを聞いているんです。

 時間ないので、短く。

○平野国務大臣 益金算入は十分な措置になるというふうに理解しております。

○高橋(千)委員 それで、次の話、今の雇用の問題になるわけですけれども、やはり、地方公共団体にとって、企業を誘致して雇用を支えたいという思いは、もう必死ですから、今までだって、税金などの各種優遇措置はすごいとってきたわけですね。企業誘致の繰り返しであった。それと同時に、もうこのせっぱ詰まった時期であるから、どんなに短期でも、有期雇用であっても雇用の数をふやしたいということで、自治体としては大変受け身にならざるを得ないと思うんです。そこは、自治体の事情はそういう事情なんですよ。

 だから、国もお願いベースではよくないということが私は最後に言いたかったわけなんです。

 東北でも、この間も、ソニーや富士通など大手企業の撤退、リストラは繰り返されてきました。それで、国がいろいろな補助金を出しますね。それを逆に、悪用されるという言い方をすれば失礼ですけれども、例えば〇六年の尼崎の松下PDP。これは、県の雇用補助金をもらって、派遣を雇います、ちゃんと二百何十人と出すんです。でも、雇った途端に請負に切りかえて、いつでも雇いどめできる、そういうことをやって、県議会の答弁も全く別だったということがありました。

 それから、私が取り上げた福島と岩手の富士通MLの再配置という名のリストラ問題。岩手と福島、合わせて二千人ものリストラだったんですけれども、これは、結局八十人規模の介護の事業所をつくって、就職対策ですよといって、それにまた国のふるさと再生の基金事業でちゃんとお金をもらっているんですね。

 そうやって、結局、補助金、補助金というやり方をすると、企業がそれをもらって、しかしまたリストラして、またもらうみたいな、モラルハザードにもなりかねない。結局、それはお願いベースというところにやはり最大の問題があるんだ。

 ですから、思い切った支援策だからこそ、身勝手な撤退を許さない、雇用の維持、安定した雇用ということでのルールづくりがやはり必要だと思うわけですけれども、最後に一言お願いします。

○平野国務大臣 委員おっしゃるように、今回の場合は、特に被災地に対しての雇用の場の創出、こういう大きな意味もあります。そしてまた、そのために税制上の特例措置等々も用意しておりますし、こういった特例措置を受けた企業につきましては、しっかりとそこに根づいて、ずっと仕事をしていただく。もちろん、経済の大きな循環の中で、どうしても仕事が立ち行かなくなるというような場合はありますけれども、そういった姿勢で臨んでいただくことが大事だと思っておりますし、そういったことを自治体等も、また私どもも、そういった企業に対してはしっかり訴えていくということはやらなければならないというふうに思っております。

○高橋(千)委員 終わります。

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