国会質問

質問日:2017年 9月 20日 第193国会 厚生労働委員会

年金支給漏れ問題 ー閉会中審査

過去の教訓生かされず 衆院委 高橋議員が指摘

 約10万6千人、598億円の年金支給漏れを受けた20日の衆院厚生労働委員会閉会中審査で、日本共産党の高橋千鶴子議員は、過去の教訓が全く生かされていないと厚生労働省と日本年金機構をただしました。
 高橋氏は、同機構の前身にあたる社会保険庁時代に相次いだ未払い・過払いを受けた報告書(2005年)に触れ、旧社保庁として「年金給付システムの総点検を開始」するとしていたと指摘。今回の支給漏れで厚労省は総点検をやると言うが、「10年前からやるべき話だ。当時の再発防止策や反省点がまったく生かされていない」とただしました。加藤勝信厚労相は「なぜ共済年金まで(総点検の)思いが至らなかったのか」と対応の不備を認めました。
 高橋氏は、過去最大となった今回の支給漏れ問題について、厚労省の調査経過について質問。高橋俊之年金管理審議官は昨年11月に行った共済年金受給者のサンプル調査で200件中54件、27%も支給漏れが判明したことを明らかにしました。
(しんぶん赤旗2017年9月21日付より)

大臣の所信表明なく質疑のみ / 高橋議員が厳しく批判

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は20日の厚生労働委員会の閉会中審査で、安倍政権が、憲法53条に基づく野党4党の国会開会の要求を3カ月間放置したあげく、安倍晋三首相が解散・総選挙に向けて自民党内の選挙準備を進めていることにふれ「年金問題での閉会中審査は野党が求めたことだが、大臣の所信表明もないまま、今日の3時間半の質疑が最初で最後の質問になるのは納得がいかない」と厳しく批判しました。
 そのうえで、国会開会要求に応じないで冒頭解散に踏み切ることは「憲法違反と言うべきもの。臨時国会を開き、大臣所信聴取、代表質問など行うよう首相に進言すべきだ」と求めました。
 加藤勝信厚生労働相は「解散を前提にものをいうのは控えさせていただく」と述べるにとどまりました。
(しんぶん赤旗2017年9月21日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 厚生労働大臣としての加藤大臣には初めて質問いたします。しかし、まだ大臣の所信を聞いておりません。閉会中審査をきょう開くことは我々野党が求めたことではありますが、合意がされた後に解散・総選挙のことが取り沙汰をされているわけです。ですから、きょう三時間半の質疑が最初で最後の質問になるというのは、到底納得がいきません。臨時国会を開き、大臣所信聴取、質疑、当然、その前には代表質問や予算委員会も開くべきだと思いますが、それをきちんと行うことを求めたいと思います。
 大臣は、この点について一言いただけるでしょうか。
○加藤国務大臣 先ほどから申し上げているんですが、解散を前提にしたスケジュール感で物を言うのは控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしても、それぞれの場面場面に誠実に対応させていただきたいと思っています。
○高橋(千)委員 憲法五十三条に基づく臨時国会の開催要求を三カ月間放置したわけですよね。ようやく開いたら、総理が言いたいことを言うだけで解散だと。これはもう憲法違反と言わざるを得ないと思うんですね。私は、先ほど来大臣は、これには言及できないという答弁をされていましたけれども、総理の信頼が厚い加藤大臣でございますので、ぜひ議論をするべきだということを進言いただきたいということを一言指摘したいと思います。
 本題に入ります。
 先ほど来議論をされていますように、今月十三日に、約六百億円の年金の振替加算の支給漏れが公表されました。おさらいになりますが、大部分は、夫婦どちらかが元公務員で、共済年金に加入していた方々が多い。約十万六千人。支給漏れの額は一人平均約五十六万円、最大では五百九十万円と言われております。また、うち四千人は受け取らないまま亡くなってしまっている。
 それで、私は思うんですが、一度に発覚したケースとしては過去最大といいます。ただ、それは、さっき、一番最初の答弁にあったように、振替加算の制度が始まった時点で漏れはあったとおっしゃっている。だから、どこで区切るかによって、すごい多いか少ないかという話になっちゃうわけなんですよね。だとすれば、過去最大になるまで公表しなかったこと自体が問題だと思うんです。
 改めて伺います。今回の事案はいつごろからわかって、なぜ今まとめて公表したのでしょうか。
    〔田村(憲)委員長代理退席、橋本(岳)委員長代理着席〕
○高橋政府参考人 今回の振替加算の事案でございますけれども、振替加算が正しく加算されていない事案、これは従来からも散見されてございまして、確認が不十分だったんだろう、こういうようなことで一件一件個別に対応してまいりました。
 しかしながら、昨年十一月ごろになりまして、どうも多いなということの中で、十一月にサンプル調査を行い、その結果、もっと本格的に調べようということで、十二月に総点検するということを決め、一月以降、これは抽出のためのプログラムをつくったりかなり綿密な準備が必要でございまして、プログラムをつくって抽出をし、それを、機構で抽出したものを共済組合にも投げ、共済組合でもまた抽出してぶつけてもらったり、そういうことをやっておりまして、全容が判明したのはことしの八月でございます。
 その上で、できる限り早くお支払いをしなければいけないと、全容が判明した時点で大臣に御相談し、対処方針の御指示を仰ぎ、最速の十一月のお支払いということをするとなった次第でございます。
○高橋(千)委員 やはり、先ほど来議論されているように、これではわからないわけですよ、きっかけが。
 二つ伺いますが、個別に対応してきたとおっしゃっていました。個別に対応で間に合っていたんでしょうか。つまり、それはたまたまわかった場合、本人が申し出た場合。では、そうじゃなければ漏れていたということでよろしいのか、一点。もう一つは、先ほど来議論になっている、昨年十一月にサンプル調査をやった、その中身について答弁がありませんので、御紹介いただけますか。
○高橋政府参考人 まず一点目の、これまでの漏れでございます。これまで、個別に見つけてきたものにつきましては、その都度対応し、お支払いをしてまいったわけでございますが、その際に当たりまして、これが構造的な問題、事務処理の流れでございますとかシステムの問題がございまして、ほかにたくさんの広がりがあるという認識には至っておりませんで、その一件一件が誤りであったという認識のもと対応してまいったということでございます。
 それから、サンプル調査でございますけれども、昨年十一月、共済情報連携システムを平成二十七年から使えるようになっておりますので、共済情報連携システムも使いながら、これは一件一件入力して画面を見て確認するわけでございますけれども、こちらが、機構が持っております共済データベースの記録と少し違うな、こういうような発見、サンプル例二百でございますけれども、これを調べたということでございます。
○高橋(千)委員 二百例の中身を言ってください、結果を。
○高橋政府参考人 二百例でございますけれども、国共済八十件中三十二件に問題あり、地共済八十件中十九件に問題あり、私学共済四十件中三件に問題あり、こういう点を確認したところでございます。
○高橋(千)委員 きのう、ようやっと数字をもらったんです、今答弁いただいた数字を。国家公務員共済八十件中三十二件、これは四〇%ですよね。大変な数字じゃありませんか。二百件を、全部足しますと三割弱になるわけなんです。
 先ほど、失礼ですが、橋本委員が出された資料の中で一・七%という数字がありますが、それは厚生年金とか全部入れるとそういう大したことないように見えるけれども、これは共済で見ると三割弱である。これだけの数字を放置していたんだということにやはりちゃんと思いが至らなければ重大なことになると思います。
 対象の方には今回十一月には支払いを始めるということですが、全ての対象者に払うことができるんでしょうか。また、過払いも当然あると思いますが、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 今回把握いたしました十万六千件でございますが、これにつきましては、十一月の上旬に通知をいたしまして、十一月の支払い日にお支払いをすることとしております。
 その中で、既にお亡くなりになってしまった方、こういう方につきましては、未支給年金を既に受け取られた方の記録を機構の方でしてございますので、その方について調べる、その方もお亡くなりになっていれば、生計同一でありました三親等内の親族を捜してお支払いする、こういったことをしっかりとやってまいるということでございます。
 また、過払いがあるかという点でございます。
 今回は、加給年金がありながら振替加算がないという未支給の件を総点検したわけでございます。
 過払いにつきましては、過去、加給年金が始まっているのだけれども、途中でお亡くなりになっていたり、あるいは離婚されていたり、そういう場合で、本来加給年金がとまっているにもかかわらず振替加算を出してしまった、こういう事案がありまして、これは平成十五年、十六年でございましたけれども、これにつきましては、平成十七年のシステム改修、厚生年金でございますが、システム改修がございまして、コンピューター上でそこを突き合わせるようなことをいたしましたので、それ以後は過払いは防止されていると認識してございます。
○高橋(千)委員 今回報告されているのは、先ほど八百三十二件云々という議論がされましたけれども、年金機構になってからの随時相談の件数なんです。ですから、では社保庁時代はどうでしたかと聞いたら、正確な数字はわからないという答弁でありました。ただ、この時代も、いわゆる消えた年金問題が表面化する前にも、二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年と、システムや事務処理誤りとして未払い、過払いがありました。
 特に、資料の一にあるように、これは二〇〇三年に起こった事案を二〇〇五年の四月二十五日「年金実務」でまとめて書いているものでありますが、過払い六千二百四十九人、二十四億一千万円、そして振替加算の未払い三万三千四百人、二百五十億円、こういうふうなかなり大きな事例が既にあったわけですよね。
 そして、左の真ん中ら辺に書いていますけれども、「今回の給付誤りを教訓として、年金給付システムの総点検を開始。」とあります。
 ですから、総点検は、今やる話ではなくて、もう十年前からやると言っているわけなんですよ。ですから、当時の再発防止策や反省点が全く生かされていないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 そのときのシステムによって、システム的にはかなり改善がされたというふうに認識をしておりますけれども、ただ、残念ながら、今日でも厚生年金においても支給漏れがあったり、あるいは、今回調べてみてわかったんですけれども、システム改修、十五年度からやったんですが、改修は十七年なんですね。ですから、その辺がしっかりやれていなかったということが出てきているわけであります。
 それからもう一つ、そのときにどうして共済まで思いが寄らなかったのかなというのは、私、話を聞いて疑問に思ったというのが私の率直な感想でありますが、いずれにしても、今回の事案の対処においてはそのとき必ずしも十分に対処できなかった、そのことも教訓に対応させていただきたいと思っています。
○高橋(千)委員 今大臣が、どうして思いが寄らなかったのかなとおっしゃいました。その視点が、当時の平成十五年の事案に対しての社保庁のまとめの中に明確に書かれているわけなんですね。
 具体的には、振替加算などを行うために必要とされる情報が記された届け出の進達漏れ、または必要な情報の請求者からの確認を漏らしていたケースがあった、配偶者情報のデータが不備であったにもかかわらず、その後の調査を行っていなかったものがあった云々とたくさんあるんですけれども、やはりこれは、大部分は、人の判断によって行ってきており、スキルも十分でなくて、できていないということを指摘しているわけです。
 だから、届け出がなくても、あるいは記載がなくても改めて調べてみよう、妻の方になければ夫の側、夫の側になければ妻の側というふうに調べてみようというふうに反省点を書いて、それが今回の誤りの事例集の中に出てくるじゃないですか。平成十七年十月、夫に加給年金が支給されていないと収録されている場合は、リストを出力して個別に確認することとしたと。
 したと言っているけれども、同じことを繰り返しているんだということをやはり強く受けとめる必要があるんだと思うんですね。なぜ同じことが繰り返されるんだろうか。いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 御指摘のように、平成十五年に支払い漏れ事案、また過払い事案もございまして、そのとき、事務処理を見直す、それから、できるだけシステムによりまして自動化をするという対応をしたというところでございます。しかしながら、今となってみれば、あの当時もっとしっかりやっておくべきだったということではございますけれども、共済組合との関係、今回の事案は共済組合が中心でございますが、そこのところが、コンピューターで自動的に連動して処理するという、当時はまだ、共済組合間でオンラインでつなぐ、こういうふうになっておりませんで、そこまでできなかったということでございます。
 今般、平成二十七年から被用者年金一元化で、共済の事務組織との間でもオンラインでデータが見れるような情報連携システムをつくり、ようやくそこができたわけでございます。それを見ながら今事務をやっておりますが、さらにヒューマンエラーが起きないようできる限りシステムの自動化をしていく、こういうことをやってまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 ここで大臣に伺います。
 はっきり言って、今の答弁は、本当にシステム的な問題だという議論でしかないんですよ。でも、だったら、今のような大きな問題は起きていないと思います、改善が始まってからですからね。
 やはり当時の報告書にも、煩雑で大幅な制度改正による事務処理内容の複雑化とその内容の決定おくれによる周知期間が短いと。これは国の問題なんですよね、政策の決め方の問題。担当ごとの理解の程度にばらつきがあらわれ、個人の経験に依存してしまっている面があると。これは機構の体制の問題なんですよ。支給開始年齢が順々に引き上げられてきた、やるたびに制度が変わっている、それを知っている人が、余りにも複雑で人も足りない、そういう指摘がありますけれども、大臣はお認めになりますか。
○加藤国務大臣 おっしゃるとおり、年金制度というのは、たび重なって改正がされ、その都度暫定的な措置が入ったり、それがたまりたまって大変複雑な制度になっている、そして、それが逆にこうしたミスを生む根底になっているということは、私は否定できない部分があるというふうに思っております。
 ただ、そうした状況を急に全然違う制度にというわけにはいかないわけでありますから、現行制度の中で運営が的確に行われるよう、職員の研修に努める、また、それぞれスキルのある専門職等々をしかるべきところに配置することによってミスがないようにしていく、さらには、最近のITの技術等を使って、ミスが起きてもどこかでチェックできるような仕組みにするとか、そういった対応をしっかりやっていく必要があると思っています。
○高橋(千)委員 確かに、制度の複雑化をまずお認めになりました。その上で、すぐにシンプルにというのは簡単にはできないことであります。それを補うのが人であるということなんですけれども。
 資料の二を見ていただきたいんですね。「新たに年金を受けとれる方が増えます。年金額を増やすこともできます。」これはポスターですね。それで、三つのことが書いてあるんですが、一つ目のところだけ読みます。「年金を受けとるために必要な納付期間が二十五年から十年に減りました」ということで、だから自分も資格があるんだなと思うじゃないですか。
 それで、次のところは、今紹介したのはポスター、三枚目は広報紙です。「十年以上となれば年金を受けとれるようになりました」ということで、十年に短縮したという図があります、どういう人が資格があるかということで。
 問題はその下のところなんですね。「対象となる方は手続きが必要です。」ということで、「年金請求書が郵送されます。」これは資格期間に応じて、下にあるように順々に送られてくるんですね。「「ねんきんダイヤル」で予約の上、手続きを!」と書いている。だけれども、現場は、やはりポスターを見たら、自分も対象になるかもしれないということで、予約ではなく、あるいは紙も来ていないうちに窓口に殺到している、大変な混乱がしていると聞いていますが、いかがですか。
○高橋政府参考人 御指摘のように、日本年金機構では、本年二月末から七月上旬にかけまして、保険料納付済み等期間が十年以上二十五年未満の方、五十九・八万人の方に対しまして、年金請求書の入った封筒を送ってございます。七月末時点の現在でございますが、三十五・五万人、約五九%の方が新たに年金を受給するための手続を終えられております。
 七月末までに終えられた方は十月の支払いができるわけでございますけれども、現在も、八月以降も順次手続にお見えになってございます。八月以降に手続をされた方につきましても、年金をさかのぼってお支払いされるわけでございますので、御安心いただきたいわけでございます。
 現場の事務所、御指摘のように、今この対応を、たくさんのお客様がお見えになりまして、対応してございます。そこのところにつきまして、しっかりやっていただいているというふうに考えております。
○高橋(千)委員 しっかりやっているの一言ではちょっと、泣きたくなりますよね、現場の対応は。
 私は、実は、今回の支給漏れも、十年間で資格を得るということによって空期間だとか主婦年金の期間だとかさまざま調べなきゃいけないので、その中で実は多く出てきたんじゃないかな、こういうふうに思っているんですね。
 現場では、本当に予約なしの、来て、いきなり自分の空期間を確認してくれなんというと、物すごい一人に対する時間がかかるに決まっているんですね。しかも、いろいろなところを行ったり来たり、いろいろな年金制度に入った、あるいは空白期間があったりということで大変複雑で、さばき切れないということが訴えられているんです。ですから、今、特定業務契約職員の募集などもしているわけですが、退職者が相次いで、現場は本当に疲弊している。これでは、事務処理誤りの再生産、拡大再生産になるんじゃないかというふうに思うんです。
 私は、もう一回大臣に聞きますけれども、年金機構の発足のときに、経験ある職員を、当時五百二十五名でした、リストラし、そのかわりとして不安定雇用に頼ってきたことが、経験の継承になっていない、実は本当に深刻な事態になっているんじゃないでしょうか。
 裁判をやって職場復帰をかち取った方もいるんです。だけれども、ずっと闘っている方もいらっしゃいます。職場復帰をずっと求めながら、年金事務所ではなく、その事務所の向かいで、社労士事務所が受託した年金相談を自分の経験を生かしてやっているという方もいらっしゃるんですよ。もったいないじゃないですか。そういう方たちが今でもつながっている。でも、その人たちがいる間にやはり回復しないと、本当に経験の空白ができて誰もわからなくなっちゃいますよ。ですから、希望する職員の職場復帰と、臨時職員の正規職員化を今するべきではありませんか。
○加藤国務大臣 委員御指摘のように、こうした事務量の増加に対しては、有期の雇用職員を確保しながら主として対応させていただいているところであります。
 平成二十年に閣議決定された日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画においては、正規職員の範囲で定員管理を行うということで、そこに一応枠があるわけでありますので、この枠内において、有期雇用職員の正規職員への登用、あるいは、これはちょっと別ですけれども、無期雇用への転換、これが今行われているというふうに承知をしております。
○高橋(千)委員 それが、一年限りの契約をもう一度やってくれと、仕事がもう、消えた年金、一定めどがつくと思っていたら、まだこうした問題が出てきたということでの本当に不安定雇用が続いて、要するに、期間雇用ですよ、それが一旦切られて、また復職をしているみたいな状態になっているんです。そこがきちんと評価をされて、つながれるように、大臣自身が、今どうなっているのか、本当に、しっかり対応と言っているけれども、混乱していないのか、現場をよく見ていただいて、判断に資するようにしていただきたいと思いますが、お約束いただけますか。
○加藤国務大臣 この十年の短縮業務を初め、さまざまな年金の処理が円滑に行われるように、不断に注視していきたいと思っております。
○高橋(千)委員 かなり一般論の答弁でありましたが、ぜひ、現場に足を運んで、どれだけ混乱しているのか、通常の相談の倍以上の方がいらしているということで混乱をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 残りの時間で、ぜひ聞きたいことがございます。
 高齢社会対策の基本的考え方等に関する検討会が報告書骨子案の中で、年金受給、繰り下げを七十歳以降も可能とするという検討事項を盛り込みました。これは、検討会の中で七十五歳も可能にという意見も出たと聞いておりますが、その背景と今後の検討会の見通しについて伺いたいと思います。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 内閣府に置きました高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会は、新しい高齢社会対策大綱を策定するために有識者の意見を聴取する場として設けておりまして、来月、十月に検討会報告書の取りまとめを予定しているところでございます。
 委員御指摘の年金の繰り下げ受給につきましては、検討会で高齢者の就業促進を御議論いただいた際に、複数の委員から、現行制度の周知や、受給開始年齢の選択肢の七十五歳までの拡大が望ましいとするような御意見がございまして、これを提言骨子案に盛り込んだところでございます。
 今後でございますが、この報告書を踏まえまして、また関係省庁ともよく相談の上、年末を目途に取りまとめを予定しております大綱に盛り込まれる項目の検討を行うこととしております。
○高橋(千)委員 七十五歳までが望ましいという意見が出たと。でも、その議論の背景は就業促進ということで、今の、働く時間を一定制限をしている、そういう現場の高齢者の起業などを担当している方が有識者として参加をして、そういう意見が出ているということだったと思うんですね。ですから、年金の繰り下げ全体を行っていくべきだという話ではなかったと思う。つまり、私は在職老齢年金の見直しでよいのかなというふうに受けとめたんですね。
 そこを確認したいというのと、骨子案には、「若者が高齢者の資産を活用しながら、更なる資産を生み出す構造を作り、多世代でその富を享受することが重要。」と指摘しています。これは、朝日新聞の九月十三日の解説は、「高齢者の資産を日本の経済成長につなげる方法の導入も盛り込んだ。」こういう表現をしていますよね。高齢者の虎の子の資産を黙っておくな、経済成長につなげるんだ、そういう話ですが、一体それはどういう趣旨でございますか。
○嶋田政府参考人 まず、年金の開始、支給の繰り下げのことについては、これはあくまでも選択肢ということで、仮にということで、具体的な選択肢として委員から御指摘があったというふうに理解しております。
 あと、それからもう一つ、若者が高齢者の資産を生かしながら、さらなる資産を生み出す構造をつくり、多世代でその富を享受することが重要というような御指摘でございますけれども、これは、検討会における議論では、年齢に応じた特性とか強みを生かす社会を志向することが重要との視点に立ちまして、技術革新を背景に、高齢者の活躍を促進する観点から、高齢者と若者が共同する上での高齢者の持つ強みとして、金融資産でありますとか、知識資産でありますとか、人的資産等が挙げられました。
 例えば、先進技術の開発が得意な若者世代と、知識経験等が豊富で、社会や業界の構造に精通し、組織づくりが得意な高齢世代が、お互いの強みを生かし合うことで社会全体を活性化させて、その成果をまた高齢者や若者が享受していくようなあり方が望ましい、こういうような御指摘の趣旨で述べられたというふうに理解しているところでございます。
○高橋(千)委員 私は議事録を読みましたので、今の答弁はちょっとどうかなと思うんです。
 高齢者そのものを生かすのではなくて高齢者の資産を生かすという話ですから、結局、高齢者が圧倒的に資産を持っている、日本の金融資産の六五・六%は高齢者である、だから、それを単なる預貯金ではなく株式や投信などでやるべきじゃないかという議論があった中での流れだと思うんですね。一方では、公的年金だけでは補い切れない、自己責任の個人年金という議論がされている中ですから、非常にこれは私は重要な議論ではないかなと思います。
 ちょっとこれをこれ以上やる時間がないので、きょうは指摘にしたいんですが、大臣にぜひ聞きたいと思うんですね。
 ことし四月に、高齢者に関する定義検討ワーキンググループの報告書、高齢者に関する定義って、すごいですよね、高齢者とは何かということですが、老年学会、老年医学会が、もはや六十五歳は高齢者ではないと発表した。大変衝撃でした。六十五歳から七十四歳までは准高齢者で、七十五歳からが高齢者である、九十歳以上は超高齢者と定義すると言ったわけです。元気な高齢者がふえていて、十歳くらい、十年くらいは若返っていると。
 私は、それはある意味事実だと思うんです。そのことを医学的意味から定義したものであって、それが年金や医療や定年などにはねることを言っているわけではないということを念押しはしております。だけれども、議論はやはり穏やかではないわけですね。
 そういう中で、選択制といいながら、七十五歳という話も出ている。自民党の一億総活躍推進本部からも提言されている。加藤大臣はそのとき、一億総活躍担当大臣でありました。今は厚労大臣であります。よもや、六十五歳となっている支給開始年齢がこれ以上繰り下げなどということ、七十歳になるなどということはないと言っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
    〔橋本(岳)委員長代理退席、田村(憲)委員長代理着席〕
○加藤国務大臣 定義について、高齢者とは必ずしもこうだという定義がそもそもなくて、それぞれ、年金においては今おっしゃったように六十五を基準に支給されている、あるいは医療保険では前期、後期みたいな形の定義がある、また雇用法ではまた違う形の定義がある。これはそれぞれがその目的に応じてやっているわけでありますから、今のはあくまでもフィジカルな御議論なんだろうというふうに私は受けとめさせていただいております。
 ただ、他方で、人生百年という今議論をさせていただいております。ですから、そういう中でどういうあり方がいいのかというのは不断に考えていかなきゃいけないと思いますが、ただ、今委員御指摘のように、今の六十五歳を、七十歳までの繰り下げ年齢を七十五にするという議論は今もちろんあるわけですけれども、六十五そのものを今動かそうという議論を私どもしているわけでは全くありません。
    〔田村(憲)委員長代理退席、橋本(岳)委員長代理着席〕
○高橋(千)委員 最後に含みのある答弁がちょっとございましたので、人生百年、ちょっと気になりますが、少しでも軸がずれますと、本当に事情があって早くもらっている人がふえて、減額される人がふえるわけですから、これは本当に私はあってはならないと思っております。
 続きをぜひ、機会をいただきたいということを指摘して、終わります。ありがとうございました。

 

――資料――

2017年9月20日衆院厚生労働委員会提出資料

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