国会質問

質問日:2012年 3月 5日 第180国会 予算委員会

民法改正問題 ー分科会

○高橋(千)分科員 日本共産党の高橋千鶴子です。小川大臣に初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 国連女性差別撤廃委員会は、二〇〇九年の第六次日本報告審議において総括所見を発表し、四十八項目の懸念と勧告を発表しました。とりわけ二点、一つは、民法の差別的規定の改正、二つは、あらゆるレベルでの意思決定への女性の参加を引き上げるための数値目標とスケジュールを持った暫定的特別措置、いわゆるポジティブアクション、この二つをフォローアップ項目に指定して、二年以内に同委員会への報告を求めました。

 昨年十一月、同委員会は、八月に提出された日本政府のフォローアップに対するコメントを受けて、男女ともに婚姻年齢を十八歳に設定すること、選択的夫婦別姓、嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等化することを内容とする民法改正法案の採択について、また、女子のみに課せられている六カ月の再婚禁止期間を廃止する諸規定について準備と採択を、これについての一年以内の再提出を求めました。一年以内ですので、その期限はことし十一月であります。そうなると、今国会での法案提出が必須条件になると思います。

 法制審議会が九六年二月に家族法の大幅見直しを含む民法改正案要綱を答申してから十六年、民主党は、私たち日本共産党ももちろんですが、野党と共同し、あるいは単独でも改正案を毎議会提出してきました。ところが、二〇〇九年の政権交代後、千葉景子法務大臣、福島みずほ男女共同参画大臣が誕生し、民法改正への期待が大きく高まる中で、提出予定法案に盛り込まれたにもかかわらず、閣議決定がされませんでした。なぜでしょうか。

 小川大臣は、超党派の提出者の一人でもあり、今国会は提出が待ったなしと思いますけれども、どうなさるのか、伺いたいと思います。

○小川国務大臣 委員御指摘のとおり、平成八年に法制審議会より指摘の内容の答申をいただき、その法案提出ということの要綱案をまとめたわけでございますが、これがなかなか提出されない。御指摘のとおり、千葉元大臣が提出したいという意欲を、あるいは提出するという方針を示したこともありましたが、まだその段階でも提出できず、今も提出できないということを大変残念に思っております。

 この内容につきましては、大変にいい内容だとは思うんですが、しかし、政府の中、国会の中あるいは国民の間でさまざまな意見もございまして、全体がこれを成立させようという一つの声にはまとまっていないというのが現状でございます。

 そうした事情の中で、まだ法案提出できていない、この通常国会におきましても提出予定法案にはなっておらないのは大変残念でありますが、私としましては、提出できるよう努力をしていきたい、このように考えております。

○高橋(千)分科員 今、提出できるよう努力をしていきたいとおっしゃいました。その中身なんですね。今、国会の中でさまざまな意見があるというお話がありました。

 そもそも総括所見は、〇九年の政府報告に対して、さまざまな議論があり世論の動向を注視している、こういう答弁を厳しく批判して、差別的な法規定の撤廃が進まないことの弁明に世論調査結果を用いてはならないと指摘をしたところです。

 こうした指摘を受け、二〇一〇年七月の「第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」、いわゆる答申では、家族に関する法制について、夫婦や家族のあり方の多様化や女性差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要であると書きました。しかし、十二月の基本計画では、なぜか、引き続き検討を進めると、後退をしてしまったわけです。

 ですから、国連のたび重なる勧告に対して、政府としてまともに取り組んでいるとは到底言えないわけです。このまま十一月を迎えるのか。努力をすると先ほど言いましたが、法案を出すとおっしゃっていただけますか。

○小川国務大臣 なかなか、法案を出すとなりますと、私の一存ではいかない。やはり与党の党内手続あるいは政府の手続等がございますので、この場で出すとは言えないのでありますが、私としては、何とか提出できるよう努力をしたいというふうに思っております。

○高橋(千)分科員 きょうは、やはりその努力の中身について少しずつ聞いていきたいなと思うんです。

 例えば、国連女性差別撤廃委員会委員のドゥブラブカ・シモノビッチさんは、二〇一〇年の九月に来日をされまして、国会内でも、また各地でも講演をされました。そのときに指摘をされたことは、重要なことは女性差別撤廃条約を法的拘束力を持つ国際文書として認識することだと訴えたわけです。つまり、日本政府の認識が、そもそも国際文書だ、法的拘束力を持っているという認識はないということを指摘された、大変恥ずかしいことなわけですね。

 日本国憲法九十八条第二項には、批准、公布された条約が日本の国内法の一部として法的効力を持つと規定をしています。国内法の一部、そういう扱いなんだ、まずその認識はあるでしょうか。一言で。

○小川国務大臣 条約は法的拘束力を有するものと認識しております。

○高橋(千)分科員 認識をしているというお答えでありました。

 二〇〇六年に新設された国連人権理事会、日本はこの創設当初から理事国をされています。昨年九月三十日、「世界の人権保護促進への日本の貢献」、この中で、こういうことをおっしゃっています。「日本は、基本的人権を尊重する憲法の理念を踏まえ、民主的政治制度を発展させ、普遍的価値としての人権及び基本的自由を擁護・促進する政策を推進。人権は国際社会の正当な関心事項であり、特に重大な人権侵害について適切に対応する。」と宣言をして、「締結した主要人権条約を誠実に実施していく。」その中に、今言った女性差別撤廃条約も明確に位置づけているわけですね。

 ですから、民法改正に限らず、今、認識も認めました、条約を誠実に履行できないということは、やはり国際社会の一員として、また人権理事会の理事国としても恥ずべきことになるわけです。この点についても自覚はおありですか。

○小川国務大臣 なかなか、法的拘束力は当然あるのでございますが、少し形式論になって恐縮なのでありますが、差別をしてはいけないという点は、これは日本政府としても当然受け入れなければならないわけでございますが、具体的に差別かどうかという、その具体的な個々の内容につきましては、この条約の内容に盛り込まれていないものでございますから、その禁止されている差別について、これは、我が国の状況、習慣、慣習とか、さまざまな状況の中で、具体的にこの条約に違反する差別が現にあるという違法状態にあるとまでは言えないのではないかという解釈でございます。

 ただ、そうした解釈論とは別にいたしまして、法務省としましては、平成八年にいただいた答申の内容の事項につきまして法案要綱をまとめた、これにつきましては、やはり法案として提出したいという努力は引き続き継続していきたいと思っております。

○高橋(千)分科員 ちょっと今、重大な答弁をされたかと思うんですね。国際条約の法的拘束力について認識はしているとお答えになったけれども、では、個々の、つまり今の民法の改正の中身について、差別とまで言えるのかどうか、そういう趣旨のことをおっしゃったのではないかなと。これは、これまでの積み上げてきた議論がちょっとがらがらとなってしまうような、大変な認識ではないかなと思います。

 では、一つ具体的に伺いますけれども、例えば選択的夫婦別姓の問題について。

 婚姻するとき、男女どちらかの姓を届けなければならない、これが義務づけられている。このこと自体が差別であること、人権問題であるという、この認識はございますか。

○小川国務大臣 これも、形式的に過ぎるのではないかというお叱りをいただくような不安も抱いておるのでございますが、婚姻時に姓を統一するというのは、女性が男性の姓に合わせる、男性の氏を名乗るというふうに一方的に決められているわけではなくて、男性が女性の氏を称するということも、双方向で決められておるわけでございます。

 そうすると、双方向で決められておるわけですから、女性にだけ負担を強いたという意味では、そうではないというような解釈論になりますので、女性であるがゆえに差別しているとまでは言えないのではないか、このような解釈論になるわけでございます。

○高橋(千)分科員 私は先ほど質問したときに言葉をちゃんと選んでおりまして、女性差別でありという表現をわざとしませんでした。差別であり人権問題。

 一般的に、どちらかを選ぶとなると、圧倒的に、九割以上が女性が男性の姓を名乗っている、このこと自体が女性差別の実態をあらわしているんです。でも、それを乗り越えてさらに、男性だって女性の姓を名乗らざるを得ない場合もあるわけですよね。例えば農村部ですとか、さまざまなことはあるわけです。

 そういうことを含めて、どちらかを選べるといっても、一つの姓を名乗らなければならない、そのこと自体が人権問題であり、差別ではありませんかと言っています。

○小川国務大臣 さまざまな御意見があるということは重々承知しておるわけでございますが、国民の世論を調査してみますと、国民の大多数がということではなくて、大ざっぱに言いますと、半々といいますか、賛成、反対に分かれるというような、こういう現実もございます。

 また、我が国としては、やはり夫婦は同一姓というのが、この近世以降、定着した慣習でもございます。社会としてそれが認知されているといいますか、そういう状況であり、それを国民は受けとめてきたという歴史的な事情もあるわけでございます。

 そうしたことを踏まえますと、結婚するとどちらかが姓を変えなくてはいけないということが、直ちに人権問題であり、直ちにこの条約違反になるのかというと、なかなか、そうした解釈論では、直ちには人権侵害とは言えないのではないか、このように答弁させていただきます。

○高橋(千)分科員 二つ質問します。

 まず、日本が例外的な国であるということは、要するに、どちらかの姓に決めなければならない、そういう国が今でも多数派なんですか、あるいは幾つかあるんですか。そのことが一つです。

 それから、国会の中で、熱心な民法改正を求める発言がある一方、家族制度を壊す、通称が使用できるからよいではないか、そういった反対の声も根強いです。しかし、先ほど言ったように、強制的にどちらかの姓を届け出ることを法律で決めている日本は、極めて例外的であります。別姓を認めている諸外国において、家族のきずなが軽視されている、そういう事実は聞いたことがありません。だって、国際結婚の場合だったら同じ日本人でも夫婦別姓が認められているわけですからね。そもそも、では国際結婚の人たちは家族が壊れていますかといったら、もうそれだけで理屈は通らないわけです。

 こうした議論に対して、何らかの根拠、政府としてありますか。

○小川国務大臣 先ほど述べましたように、近世以降の我が国の社会ではそうした夫婦同一姓が受け入れられてきたという状況を、やはり一つの重い事実じゃないかと思っております。

 また、平成十八年に行いました世論調査につきまして、家族の名字が違っても家族の一体感には影響がないという方が五六%で、過半数を超えておりますが、一方で、一体感が弱まると思うというふうに考える方も三九・八%という、決して無視できない数があるわけでございまして、そうした状況を考えますと、なかなかここは、直ちにこれは人権侵害だからとは言いがたいのではないかというふうに答弁させていただきます。

○高橋(千)分科員 あえて大臣がその調査を使うとは思ってもみませんでした。内閣府の調査で、家族の名字が違っても一体感には影響がないと答えている人が六割近くいる、そのことの方が大きいじゃないですか。わずかに、いや、それは困ると言っている人が四割いるからといって、だから無視できないというのは、全く逆行していますよ、発想が。そういう立場に立たなければならない。根拠も全く答えられなかったのではないかと思うんですね。

 夫婦別姓、しかも選択的ですからね、強制しろと言っているわけじゃないんです。そう訴えている人たちの声には、やはりみずからの歴史、アイデンティティーを認めてほしいという気持ちがもちろんありますが、それだけではなく、いろいろな不利益をこうむっている、そうしたこともこれまでも挙げてきたわけです。通称使用や事実婚では、保育所や学校に提出する書類、貯金通帳や生命保険の受け取りに至るまで、さまざまな場面で不利益が生じている、そういうことを言われてまいりました。

 例えば、二〇一〇年二月の新日本婦人の会のアンケートには、事実婚をされている方の声が出されています。正しくない結婚として扱われ、私たち夫婦のことをきちんとした関係でないものとして見られることがあります。夫に対しては責任感のない夫、私に対しては従順じゃない妻、そういうレッテルを張られているなと思うことがあり、非常に心外ですと。三十八歳の女性は、夫婦としての証明に使うのは住民票を使うことが多いのですが、未届けの夫、妻と記載されている、公的な書類であるのに何が未届けなんでしょう、そういう思いをしているんです、私は違法なことをしているんですか、そういうことを訴えられています。

 ですから、こうした問題を客観的に調査をして、さっき努力をすると言いましたが、その中身なんですよ。そういう努力をしてきたのか、あるいはすべきではないですか。

○小川国務大臣 委員の御指摘ももっともでございまして、法務省としましては、そうした趣旨で法律案要綱もまとめて、これを提出したいと思っておるわけでございますが、さまざまな政治の状況、国会の中の状況、さまざまな状況で提出できないということは残念に思っておりますが、これからも、そうした提出できない事情となっている状況につきましては、なるべく多くの方に理解をいただいて提出できるよう、提出してさらに成立することが望ましいわけですから、そうした努力はしっかりとしていきたいというふうに思っております。

○高橋(千)分科員 二〇一〇年十月の一般勧告二十八号パラグラフ二十九は、女性差別撤廃条約の第二条「遅滞なく」、この表現について、「締約国がすべての適切な手段を利用して政策を推進する義務が差し迫った性質であることを明確に表している。」として、「遅滞は、政治、社会、文化、宗教、経済、財源やその他留意事項、または締約国内における制約を含め、いかなる理由でも正当化することができない。」と指摘しています。大変厳しい指摘です。

 小川大臣は、読売新聞の一月二十五日付インタビューで、「選択的夫婦別姓制度は、個人的には賛成だが、連立を組む政党に強い反対がある。関係を壊してまで(導入)は難しいと思う。」と述べています。今も答弁も似たようなことを言っておりました。ですけれども、与党内の不一致という、さっき一番最初に出てきた「政治」です、政治的理由、こういうものが許されないということはわかっていらっしゃいますか。

○小川国務大臣 そうした委員の御指摘を真摯に受けとめて、与党内あるいは国会の中で理解を得られるよう努力をしていきたいと思っております。

○高橋(千)分科員 私の指摘、私が今指摘をしましたが、国連の指摘ですからね、これをちょっと曲解しないように。国連に向けてまさかそんな答弁はできないでしょう。そういう立場に立たなければならないと思います。

 きょうは福田政務官にもおいでいただいているので、一言伺いたいと思うんです。

 例えば、選挙では通称利用が認められておりますよね。私は、余り疑問を持たずに夫の姓名を届け出したのですけれども、初めて選挙に出たときには旧姓を括弧にして書きました。実は教員をやっていたので、教え子も元同僚も全く私だと気づかないわけです、当然ながら。それで、とにかく旧姓を書いてくれということになった。でも、これは、まして議員になって結婚した方にとってはもう大変な問題なわけですよね、ここにも当事者がいらっしゃいますけれども。ですから、そういう点で、当然通称は認められています。

 だけれども、当選証書はやはり戸籍名が書かれる。この名前で戦って、この名前で投票してもらったのに、その当選のあかしが戸籍名で書かれる。これは何か、本当にこれまでの頑張りが否定されたような気持ちになってしまうわけですよね。

 そこで、仙台市の超党派の女性議員らが繰り返し申し入れを行ってきました。市の選管は、当選証書には戸籍簿に記載された氏名のみを記載するとした政府の見解があるとして、認められないと主張してきたんですね。付与式では通称で読み上げたのに、証書には残念ながら戸籍名を書いている。だから、これでは納得いかないということで十名の女性議員が申し入れをして、総務省に問い合わせをして、そうしたら併記でも構わないというふうな返答があったということがございました。

 ですから、戸籍簿に記載された氏名のみを記載するとあるのは、昭和五十六年の部長通知でありまして、法律ではないわけですよね。ですから、自治体の裁量によって通称の併記あるいは通称のみでも構わないということになるのではないでしょうか、いかがでしょうか。

○福田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のとおりでございますので、後段の方だけお話し申し上げますが、当選証書における取り扱いについては、御指摘のとおり、当選証書が当選人としての身分を公証する公文書であることから、記載する氏名については、立候補の届け出書の場合と同様、戸籍簿に記載された本名を記載することとしておりますが、当選証書において戸籍簿に記載された本名が記載されていれば、その上で追加情報として通称を付記することについては、各選挙管理委員会の判断によって行うことも差し支えないと解されているところでございます。

○高橋(千)分科員 付記でなくてもいいのかなということをきょう思い切って質問してみましたが、まだそこまでは踏み込めないということでしょうか、地方分権ですので。

○福田大臣政務官 そこは、今後もう少しの検討が必要だと思いますが、ぜひそういう方向は、個人的には望ましいと思っております。

○高橋(千)分科員 個人的には望ましいということでございました。

 改めて小川大臣に聞きたいと思うんですが、こうした各地の取り組み、女性たちの思い、やはり本当に現場で頑張っているわけですね。政府に対しても何度も申し入れをしてきました。そうした声に応えて民法改正へ踏み出すべきだと思います。

 世論調査でも、今はもう賛成が反対を大きく上回っている。特に毎日の調査などでは、二十代の賛成が五七%、三十代が五二%という形で、結婚年齢の世代、こうしたところで高いし、前回の調査に比べても倍近く伸びているんですよね。ですから、社会が何かと思っているようなことではないと。

 ですから、意識は変わってきている。そして、まだ残っている意識、差別や偏見があるのだとすれば、それを解くために政府が努力をするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小川国務大臣 さらに広く理解をいただいて法案提出できるよう、これが提出した後、法律が成立して実現できるよう、しっかり努力していきたいと思います。

○高橋(千)分科員 お願いいたします。

 そこで、関連するんですが、きょう、もう一つテーマがございます。

 二〇一〇年十二月十七日閣議決定の第三次男女共同参画基本計画を踏まえた、社会のあらゆる分野において二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%程度という目標の達成に向けて、ことし二月に、基本問題・影響調査専門調査会の報告書が出されました。

 その中の政治分野についてですけれども、参議院は一八・六%まで来たけれども、衆議院における女性の割合は一〇・九%、IPU、列国議会同盟の調査では百八十七カ国中百二十二位にとどまっており、この格差は拡大する傾向にあると指摘をされております。

 その上でこう書かれているんですね。「一般に死票が多くなる小選挙区制より中選挙区制・大選挙区制や比例代表制の下での方が多様な民意が反映されやすく、女性議員の割合が高くなる傾向が見られる。」これは大事な評価だと思いますが、具体的にどのような検討をされてきたのか、伺います。

○園田大臣政務官 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のように、ただいま第三次の男女共同参画基本計画の推進に向けて、私ども内閣府としても、しっかりと踏まえて行わせていただいているところでございます。

 今御指摘いただきました基本問題・影響調査専門調査会、ここの調査におきますと、先生のきょうの提出資料にもございますけれども、まず衆議院の選挙制度につきましては、御案内のとおり、第四十一回の衆議院選挙から小選挙区比例代表並立制が導入されております。ここの中において過去五回にわたって実施された選挙においては、当選者に占める女性の割合を拝見させていただきますと、いずれも、選挙区より比例区の方が高くなっているという調査が出ているところでございます。

 また、同調査におきますと、都道府県の県議会議員選挙、この選挙区の定数と女性議員の割合についても言及がございます。

 これでいきますと、平成二十三年三月、昨年の三月末の時点で比較をさせていただきますと、一人区では女性議員の割合は三%台でございます。これに対しまして、四人区では一一%台、そして六人区ではさらに二二%台と、選挙区における定数が多いほど当選者に占める女性議員の割合が高くなっているという傾向がデータとして出てきております。

 専門調査会におきましては、これらのデータに基づいてこのような傾向について述べている、御指摘がされているものであるというふうに承知をいたしているところでございます。

○高橋(千)分科員 ありがとうございました。

 内閣府の方から、今提出している資料をつくっていただいたわけです、バックデータをぜひ欲しいということで。

 今、園田政務官がお話をしてくださったように、やはり比例代表並立制になってから女性の当選者の割合がふえているということと、その上と下を見ていただくと、候補者に占める女性の割合というのは、選挙区と比例区を比べてそんなに違いはないですよね。四十五回でいいますと、選挙区が一六・二%で、比例区は一四・四%。むしろ選挙区の方が多いわけでありますけれども、当選者の割合で見ますと、選挙区が八%に対して比例区が一六・七%という形に、倍以上になっている。それをずっとたどってみても、過去の選挙でも二倍から三倍近い違いがあるということが見てとれるかなと思っております。

 そういう点で、今回こうした分析をされたわけですが、先ほど紹介したこの報告の次にこのようなことを書いていらっしゃいます。「政治分野における女性の参画の拡大は、民主主義の在り方や今後の経済社会の活性化に不可欠な男女共同参画の在り方に密接にかかわる問題であり、選挙制度の在り方の検討において重要な論点として考慮されなければならないことを強調しておきたい。」この指摘は大変重要だと私は思うんですね。

 文字どおり、今、選挙制度が争点になっております。衆議院の比例定数八十の削減などを民主党さんが公約として掲げていらっしゃる。しかし、四割以上も比例を削減することは、この報告書の趣旨からいうと、大きく後退することになる。せっかく、女性の政治参画が進んできたよねと言っている、しかも、やはり比例代表は女性の参画にとっても大きな意義があるねということを言っていながら、後退することになるかなと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○園田大臣政務官 先生御指摘のように、ポジティブアクションというものの推進、これは大変重要なものであるというふうに私どもも考えておるところでございます。そういった意味では、今、第三次基本計画にのっとりまして、女性における、政治の分野あるいは行政の分野、雇用の分野、そして科学技術・学術の分野、こうした四分野を重点的に推進していこうという形でこのポジティブアクションというものをつくってまいりたいというふうに考えております。

 その中の一つとして、きょう先生から御指摘をいただきました政治の分野でございますけれども、今、やはり政党においてこのポジティブアクションの導入を検討していただくといったことに、このデータが大変参考になるものではないかなというふうに私どもとしても考えておるところでございます。

 その上で、さまざまな諸外国の事例も取り上げさせていただきまして、例えば韓国でありますとか、イギリスなども、クオータ制度を各政党の中においては導入していただいているというところも、この報告書の中においては指摘をさせていただいているところでございます。御案内のとおり、民主主義のあり方であるとか、あるいは男女共同参画のあり方につきまして密接にかかわる問題であるという観点から、こういったデータの考慮が必要であるという形で指摘をさせていただきました。

 政治分野における女性の参画の拡大、これは大変重要な論点であるし、課題であるというふうに考えておりますし、また一方では、選挙制度のあり方というものは、この報告書にも書かせていただいておるところでございますけれども、女性の参画の拡大のみならず、政治の安定性であるとか、健全な政権交代であるとか、あるいは一票の重み、こういったところのさまざま観点をしっかりと各党派各会派でも御議論いただきたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)分科員 せっかくの重要な報告を与党内でぜひ生かしていただきますようにお願いして、終わります。

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