国会質問

質問日:2012年 3月 7日 第180国会 東日本大震災復興特別委員会

福島復興再生特別措置法案、原発推進の責任明記を

原発推進の責任明記を / 福島復興再生特措法案

 原発事故で被害を受けた福島の復興・再生を推進する福島復興再生特別措置法案の審議が7日の衆院復興特別委員会で行われました。
 日本共産党の高橋ちづ子議員は、山形県に自主避難している女性の「自主避難者の現状を発信することは、福島に残る母親たちの苦悩を伝えることにつながる」との声を紹介し、福島県民が分断されずに元の福島を取り戻すための、あらゆる支援を求めました。
 平野達男復興担当相は、除染やインフラ整備、雇用の確保などをあげ「総合的な施策で早く戻ってこられる環境づくりが必要だ」と答弁。放射線量が高い帰宅困難区域の住民支援については「どういう支援が必要か、今、検討している」と述べました。
 高橋氏は、福島県の復興計画には「原子力に依存しない社会をめざす」と述べられていることを指摘し、原発を推進した国と事業者の責任を明記するよう主張しました。法案に盛り込まれた住民の健康調査が、県を主体としていることについて「内部被ばくによる晩発性の健康被害はまだまだ未知の分野が多い」と指摘し、長期にわたり国の責任で行うよう要求しました。
 細野豪志環境相は健康調査について「事故の責任が国にあることを考えれば、当然私どもに大きな責任がある」と述べました。
(しんぶん赤旗2012年3月8日付より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 福島県の特別立法が必要だということは、地元の日本共産党県議団を初め、私自身も、本委員会、予算委員会などでも繰り返し求めてまいりました。
 今回、福島復興再生特別措置法案という形で審議入りができたということ、本当によかったと思っております。同時に、この法案が本当に望む形で、いい形でつくられていくこと、そしてまた具体化がされていくこと、そのことを期待したい、そういう立場で質問したいと思います。
 まず最初に、福島県から山形県に自主避難している母親たちでつくる山形自主避難母の会が昨年九月に発足し、福島県知事に対して三百人分の緊急署名を提出いたしました。会の代表を務めている中村美紀さんがブログで発信した声に一気に書き込みをされて、七百名くらい集まったそうですが、一人一人ばらばらだったお母さんたちがつながったのがきっかけだといいます。
 その中村さんが、十二月五日付の朝日新聞のインタビューに答えております。
 住民票を移さない理由として、福島に夫がいること、移すと子供の健康調査案内などが届かなくなるのではないか、あるいは、今後、補償問題なども移した日付で切られるのではないか、さまざま心配があると言います。借り上げ住宅で家賃の補助が今はあるわけですけれども、水光熱費合わせ生活費は月十万を超えるなど、乳児を抱えて働くのも大変難しい、避難生活に疲れ、孤立する人も多いと言います。
 そこで、署名は五つの柱だったわけですけれども、その大きな要望の一つが、県の医療費無料化制度。今、福島県が小学校卒業まで無料化になっているわけですね。これはもともと受けられるわけですけれども、窓口負担を一旦三割立てかえて、償還払いになっている。これをなしにできないかという要望があるわけです。
 そこで、総務省の原発避難者特例法の指定市町村になれば、こうした問題は起きないと思うんです。このことをまず確認したい。
 そうであれば、ここは指定市町村だとかそうじゃないなどということで線引きをしないで、同じく扱えばいいのではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

○黄川田副大臣 お答えいたします。
 まずもって、原発避難者特例法でございますけれども、今回の原子力災害に伴い、多数の住民が区域外への避難を余儀なくされている状況を踏まえまして、法律または政令に基づく事務のうち、避難元団体が処理することが困難なものの処理を避難先の団体に義務づけておるものでございます。
 また一方、御指摘の県の医療費無料化制度など、法令に基づかずに自治体が独自に行っている行政サービスにつきましては、各団体の判断で行っているものであることから、この特例法の第十条によりまして、避難先団体に義務づけられているものではなく、努力義務が課されておるわけでございます。
 また、この特例法におきましては、附則第三条でございますけれども、十三の指定市町村以外から市町村の区域外に避難を余儀なくされている住民に対しても、「避難住民に係る措置に準じて、必要な措置を講ずるものとする。」とされておるところでございます。
 したがいまして、このような独自サービスにつきましては、各自治体の判断により提供されるものでありますが、総務省におきましては、避難先団体がサービスを提供した場合に、十三市町村からの避難者であるかどうかにかかわらず、避難者の受け入れに要する経費として特別交付税の措置を行うことといたしておるところでございます。
 なお、これとは別に、医療費の窓口負担につきましては、警戒区域等の住民等を対象に、医療保険の保険者が免除を行った場合に、厚生労働省において財政支援を行っていると伺っておりますが、その内容につきましては厚生労働省において判断されているもの、こう思っております。

○高橋(千)委員 済みません、今、最後のところをちょっと、厚労省は窓口負担を、私たちはよく現物給付と言いますけれども、そういうふうにしたときに、助成をしているのではなくて、逆に、制裁措置というような形で、交付金を引くような形をしているわけなんですね。だから、それは自治体が独自に頑張って、厚労省がそう言ってもやっているというのが現状であり、これは別に原発避難にかかわらずですよ、ですから、そういうことをやめてくれということ、自治体が頑張って支援をしているんだからいいじゃないかということをずっと私たちは訴えてきたんです。
 ですから、今回は厚労省にあえて通告をしないで、趣旨は伝えました。伝えたけれども、今厚労省ができることはないのだということで、私は、今副大臣がおっしゃった特例法の趣旨がやはり本当に生かされるべきではないかと。つまり、自治体にとっては、山形市の場合は、負担した部分は国にちゃんと求めていくということを議会でも答えています。
 ですから、あとは、相談されるお母さん方に対して、あなたは指定市町村、あなたはそうじゃないというふうに線引きする必要はないわけですよ。このことをわかっていただければいいなということなんです。
 特例法で認められる事務は、八法律、百六十六事務と聞いています。医療、福祉関係が多くて、保育所入所や予防接種、児童扶養手当、乳幼児や妊産婦の健康診査、あるいは就学援助など、母子に今本当に必要なものばかりなんですよね。
 それをやはり線引きしちゃいけないよということで、今お話ししてくださった附則第三条で、要するに、指定した市町村に準じたサービスが受けられるということだったので、もう一声、総務省として何も妨げるものでもないし、特別交付税もやるしということで言ってくださればよろしいかなと思います。

○黄川田副大臣 現物給付をせよという形の中で、総務省はできませんが、自治体の判断でということで、ただし、法のたてつけは、十三市町村だけでなくて、避難者に対してしっかりと支えてください、そういうことは申しております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 もともとやっていた制度ですからね。もともと福島県で現物給付だったわけ、それを山形に行ってできないでいるということだったので、そこを線引きしないでくださいという趣旨でありましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、この特例法は、二つ目に、住所移転者に係る措置であり、住民票を移した避難者が申し出をすれば、指定市町村、県からの情報が提供される、そういう仕組みがあると思います。
 この住民票を移した人に対してもこうした措置を設けた趣旨について伺いたいと思います。

○黄川田副大臣 お答えいたします。
 まず、原発避難者特例法でございますが、この住所移転者に係る措置は、さまざまな事情によりまして避難先に住民票を移す選択をされたが、引き続き避難元団体への帰属意識を持ちまして、そして、申し入れをした方々の関心を常に地元につなぎとめておくといいますか、将来の復興と復旧、みんなで頑張ろう、そういうことに備えるために、避難元団体が関係維持に資する情報提供あるいはまた交流事業を行うことを定めたものでございます。
 また、こうした施策を通じまして、住民票を移す選択をした方々と避難元団体との関係を維持するための機関として、避難元市町村は、申し入れをした特定住所移転者により構成される住所移転者協議会を置くこともできることとしております。
 これらの仕組みを避難元団体が活用することによりまして、被災団体と元住民とのきずな、これをしっかりと維持し、原子力被災地域の復旧復興が実のあるものになるように、そういうふうなたてつけをしておるわけでございます。

○高橋(千)委員 今はまだかなり自然発生的な、あるいはNPO法人などに支えられて、県外に避難した方たちが自主的なつながり、先ほどの母の会もそうですけれども、そういう取り組みがされていると思うんですね。今お話があった協議会を組織していくなどという形で、やはり地域のつながりが残っていく、そして、避難する前の自治体とつながっているという趣旨が本当に大事ではないかなと思って、あえて聞かせていただきました。
 それで、今度は復興大臣に聞くわけですけれども、昨年はよく福島二百万県民という言い方をしていました。しかし、それが今二百万を切り、二月一日で百九十八万八百十四人になっております。福島県の発表で、六万二千六百十人が県外に避難をしているといいます。人口流出に歯どめがかからない実態、理由について、まず大臣の認識を伺いたいと思うんです。
 その上で、今、総務省の特例法の趣旨をおっしゃっていただいたわけですけれども、いろいろな事情で住民票を移した人も、やはり帰りたいと思っている人は当然いるわけですよね。だからこそ、県や市町村の情報を伝えて、つながっていくとしているわけです。
 そこで、福島復興再生特別措置法は、いわゆる自主避難と呼ばれる方たちや、住民票を移したものの機会があれば福島に戻りたいと考えている県民にとっても再生なんだと、そういうことを確認したいと思うんです。

○平野(達)国務大臣 今委員から御指摘がございましたように、福島県からの、わかっているだけの、把握している人数では約六万人が県外に避難をしておりまして、一番多いのが山形県でございまして、一万二千人が山形県に避難をしております。
 これは、なぜ減らないのかということでございますけれども、一つの理由には、やはり放射線に対する不安というのがあるんだろうというふうに思います。
 それから、一方で、三月十二日、十四日のいわゆる水素爆発の後の避難ということで、さまざまな経路を経て県外に避難した方々がおられます。いわゆる国の半ば強制的な指示によって避難された方々の中で、約二万人を超える方が県外にまだおられまして、その方々がなかなか戻ってくる場所がないということも一つの背景にあるというふうに思っております。
 いずれそういった方々が、できるだけ、一日も早く戻れるような状況、一つは、除染によって放射線のレベルを下げる、あるいは被災したインフラ等々の復旧等々もございます。雇用の場等々の確保もございます。こういった施策を総合的にまずやって、できるだけ早く戻っていただける環境づくりが必要だというふうに思います。
 あわせて、大変申し上げにくいことでございますけれども、中にはどうしてもやはり戻れないという方々も出てくると思います。こういった方々に対してもしっかりとした支援をする、賠償をする、こういったことも大事だというふうに思っております。
 最後に、委員の最後に、自主避難者が、住民票を移した方も戻ってくるような状況にする、それはもうそのとおりだというふうに認識しております。

○高橋(千)委員 こういう質問をしたのは、やはり、この復興再生特措法がまだまだそうした、全ての県民が視野に入っているのかなという問題意識があるからであります。でも、きょう、まず答弁はそこで、全ての県民なんだよということで確認をしておきたいと思うんです。
 先ほど紹介した中村さんは、その同じインタビューの中でこんなふうに言っているんですね。自主避難者を非難する声もあるんだけれどもと記者に聞かれて、「自主避難者の現状を発信することは、福島県に残る母親たちの苦悩を伝えることに必ずつながると思います。」これは本当に大事なメッセージだと思うんですね。
 ともすれば何かいろいろな、勝手だとか、自分のことばかりとか、さまざまなことを言われるわけです。だけれども、やはりそれぞれの立場で苦しんでいる。どちらも苦しんでいるけれども、やはり残っているお母さんたちも、避難をしたお母さんたちもつながっていって、お互いの声に応えていけるんだ、そういう立場で頑張っているということ、それに本当に応えていく、そして、県民が分断されることなく、もとの福島を取り戻すという目標にみんなが向かっていくということが大事なのかなと思って、そのことを紹介したかったと思うんです。
 それで、進学、入学という三月を迎えるに当たって、転校ですとか、やはり新たな流出がふえるのではないか、ここは本当に心配されること。だから、そこに福島法の存在というのは、本当に大事なわけです。
 子供医療費十八歳未満無料、これはきょうも随分議題に上りました。県民のそういう要望というのは、やはりそういう意味でも大きな意味があると思うんですね。
 二月二十五日に、ふくしま復興共同センターと同放射能対策子どもチーム百五十名が上京しまして、省庁交渉を行いました。十八歳未満の子供医療費無料化署名十二万一千八百七十七名分を積み上げたんですね。ここで母親たちの声が紹介されました。
 テレビで子供たちが落ち葉を拾って遊んでいるシーンを見ていた三歳の娘が、私も行ったよ、ずっと昔とつぶやいた。一緒にお風呂に入ったり、添い寝のとき抱き締めたりするとき、前にもっとおなかもぽってりしていたし、ほっぺもぷくぷくしていたよなんて思っています。
 つまり、外遊びができない生活が長く続いて、子供の心と体に変化が起きている。ですから、医療の無料化というのは、そういう意味では、せめてもの、せめて安心して病院にかかれるということでの当然の願いだと皆さんは主張しているんです。そのことを認識できるかということ。
 それと同時に、この交渉の場でも意見が出ました。外遊びができないために体力が低下している、体重がふえていないとか、そういう問題が言われているんです。
 そういうことに対して、調査をするですとか、そういう踏み込んだことが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

○平野(達)国務大臣 福島県から、十八歳以下の子供たちの医療費の無料化について強い要望を受けたときに、その背景にあるのは何かといいますと、委員が正しく御指摘いただきましたように、放射線に対する不安がある、不安があるから外に出られない、出られないために体の中にさまざまな障害が出てくる、あるいは、その不安からさまざまな障害が出てくるんだ。これが、放射線そのものではなくて、放射線不安ということが大きな理由だということで言われまして、これは本当に、私もその状況をいろいろな形で、その後、現地に行ってさまざまな方の意見を聞きましたけれども、かなりぐっときた話でもございます。
 そういう中で、国で医療費の無料化をすべきではないかという議論につきましては、政府内でもさまざまな議論を重ねました。重ねる中で、やはり医療制度の根幹ということもございまして、今はできないという中で、福島県との話の中で、既に先行している健康管理基金、これを活用して、福島県の独自の措置として無料化をやるということで御決断をいただいたということでございます。
 これにつきましては、まずは、私ども、先ほども答弁を申し上げましたけれども、この推移をきっちり見守りたいというふうに思っております。
 それから、あと、委員の先ほどの冒頭の指摘の中に、自主避難者のお母さんの気持ちというのがございました。
 避難したお母さんはなぜ避難したんだと中傷されるということで、そういう報告も受けています。一方で、避難していないお母さんは何で避難させないんだという。そういった本当に気持ちを持ってやる、メールなのか何かわかりませんが、そういうこともあるということも事実でありまして、こういったことについては、御本人は多分いいと思ってやっているかもしれませんけれども、決してそういう状況になっていないということについては、私も機会を捉まえてさまざま発言していきたいというふうに思います。
 いずれ、そういう出たら出たで、出なかったら出なかったで、家族とのきずなという問題もございますけれども、社会的にさまざまな、心の、決していい状況ではないということも私どもはしっかり把握した上で対応する必要があるというふうに思っております。

○高橋(千)委員 大変心のこもった答弁だったと思うんですが、質問したのは、ちょっと角度を変えたんですね。
 要するに、県の基金を使って担保していく、国が措置してくれたわけですから、やはりそれがきちんと担保されて続くことをまず求めています。
 今言ったのは、大臣も認識しているように、やはり心と体に変化が起こっている、そのことについてきちんと調査するべきじゃないかということを聞いたのです。

○平野(達)国務大臣 大変失礼いたしました。
 まず、今、文科省の方で、子供たちの心のケアということで、どういうことが起こっているかについての調査を進めるべく鋭意準備をしているということで、そういった調査を踏まえて対応することが大事だと思っています。
 細野大臣の方でもいろいろ考えておりますので、細野大臣にもちょっと一言お願いしたいと思います。

○細野国務大臣 時間が限られていますので。
 福島県が、健康管理調査というのを、県としてやはり住民にしっかり向き合うということで、進んでやっていただいているという状況です。
 ただ、そのことをもって国が責任を免れるものでは全くないというふうに思っております。国としても、当事者だという意識で人を出して、しっかりと、例えば身近なところで相談ができるような窓口が欲しいとか、そういう住民の皆さんのさまざまな声も聞いておりますので、そういったことの充実、さらには、健康をしっかりと維持していただけるような体制の整備に努めてまいりたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 きょうはちょっと進行がなかなか思いどおりに進まなくて、かなり問いを残してしまったんですが、今、細野大臣が思わず出てきたので、今のところでちょっと質問しますけれども、第二十四条の健康管理調査、これは、「平成二十三年三月十一日において福島に住所を有していた者その他これに準ずる者」とあり、ここが初めて、一番最初に私が質問した、全ての県民が視野に入っている。逆に言うと、ここだけなんですね。これは本当に大事なんです。だけれども、主語が県だ、これはやはり国にするべきではないか、私はそう思います。
 内部被曝による晩発性の健康被害、健康調査については、やはりまだまだ未知の分野が多いわけですし、もう言うまでもなく、四半世紀過ぎたあのチェルノブイリでも、国立の施設が今でも調査、治療を行っているわけです。長期にやらなければならない、だからこそ国が責任を持ってやるべきと思いますが、いかがでしょうか。

○細野国務大臣 あの基金を県につくる、そういうことを判断した際にはいろいろな経緯がございました。特に福島県が、やはりこれは直接県としてやるという意欲を持っておられましたし、そこに国としてしっかりと財政的なバックアップをすべきだという判断を私どももいたしましたので、形として、確かに県という形になっております。
 ただ、健康管理そのものは、事故の責任が国にあるということを考えれば、当然、大きな責任が私どもにございます。今、原子力に関して、原発の規制について、できれば国会で御審議をいただいて新たな体制をつくらせていただきたいと思っておりますが、それができた段階で、これまで若干ばらばらだと言われておりましたそうした健康管理の問題についても新しい規制庁で行うということになっておりまして、環境省としてはもう既にその準備を始めております。
 したがって、基金としては、県のお考えもありましたので県が管理をいたしますけれども、国も直接それに参加して、そしてその中で対応を充実していくという体制で臨んでまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 そこでまた、大臣の答えたことについて伺わなければならなくなるわけですけれども、県が主体的にやるんだ、国が責任を逃れるわけではないのだという趣旨でおっしゃったんだと思うんです。ただ、そこが実は明確じゃないんですね。
 この法案に、そもそも、原発を推進してきた国と事業者の責任がない、書かれていない。ここを明記すべきではないでしょうか。
 それと、時間の関係がありますので、続けてもう一問伺います。
 第五条のところで、「政府は、第二条に規定する基本理念にのっとり、原子力災害からの福島の復興及び再生に関する施策の総合的な推進を図るための基本的な方針を定めなければならない。」とあるわけですね。
 もちろん、これについては、これまでも福島県との協議会を重ねてきたし、これからも重ねる、そういう中で方針をつくるんだろうと思いますが、県の復興計画には、既に、原子力に依存しない社会を目指すと明記をしています。当然、基本方針に明記すべきと思いますが、いかがですか。この二点。

○平野(達)国務大臣 委員から今御指摘がありましたように、政府は福島復興再生基本方針を定めるということになっております。
 この中で、原子力政策やエネルギー政策そのものとの関係が問題になることは基本的にないというふうに考えておりますけれども、いずれにせよ、この方針を定めるに当たりましては、本法案に基づきまして、福島県及び市町村等の意見をしっかりと受けとめて策定してまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 国の責任はいいですか。

○平野(達)国務大臣 国の責任ということについては、この委員会でも何回も答弁申し上げましたけれども、三条という規定の中で、私どもは国の責任という意思を明示したつもりでございます。それで不十分だということについての議論は、これまでも何回もいただいておりますし、この院の中でもさまざまな議論が委員会でも交わされているというふうに聞いております。
 いずれ、この議論の結果を踏まえまして、真摯に対応してまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 ここはぜひ明記をするべきだと思います。今、委員の話し合いの中でも当然話題に上っているわけで、ここがやはり出発点になって、本当に福島の再生に向かっていけるのかということがあるわけですし、また福島も、今回の経験を通して、先ほどお話しした復興計画、原子力に依存しない、ここまで書くことができたわけですから、本当にここからスタートしなければだめなんだということで、重ねて確認をしたいと思います。
 そこで、法案は恒久法なわけですよね。だけれども、復興庁は十年の期限がございます。そうすると、復興庁の期限が切れて、財源、支援体制が切れるなんということは絶対あってはならないわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。

○平野(達)国務大臣 福島の再生、特に原子力被害からの復興ということについては、やはり、かなりの長いスパンで、長い期間で考えていかなければならないというふうに思います。
 復興庁は確かに十年で廃止ということになりますけれども、仮に廃止になったとしても、政府全体としてのその機能はどういう形かでしっかり継承されていくということでございますから、復興庁の存廃いかんにかかわらず、福島の復興再生については、国の責任として、政府を挙げて取り組んでいくということになるというふうに理解しております。

○高橋(千)委員 ここはとても大事なところだと思います。国の責任として政府を挙げてということだったので、そこが何らかの形で担保できる条文ですとか、そういうものが必要かなということで、また御提案をしたいな、協議をしたいなというふうに思っております。いずれにしても、十年の話ではないだろうということで確認ができたかなと思います。
 それで、きょう、除染のことですとか、幾つか用意をしていたのですが、中途半端になるので、最後の質問をしたいと思うんです。
 というのは、先ほど、全ての県民の話をずっとしてきました。もう一つは、今回の法案で実はほとんど書かれていないのが、帰宅困難の人々に対する支援なわけですね。これが、個別に賠償の問題ですとか出ているわけですけれども、しかし、この方たちがどう暮らしを再建させていくのか、あるいはなりわいを再建させていくのかという視点が全く盛り込まれていないわけです。
 それで、ぜひそこを検討していただきたいと思うのと、きょう、一つだけ提案をいたします。
 例えば、飯舘村が三つの区域に分断をされるわけです。でも、せめて、全国に散らばった方たちが村には帰ってくる。ですから、同じ村の中の低線量の区域に、みんなで仮設住宅なり復興公営住宅という形で地域のコミュニティーを復活させる、そういうことがあってもいいんじゃないか。だから、二重、三重の支援になるかもしれないけれども、そういう知恵がなければやはりだめなんだと思うんですが、いかがでしょうか。

○平野(達)国務大臣 答弁を正確にやるために。
 二つの質問をいただいたというふうに思います。
 まず一点目でありますけれども、これは吉野委員の御質問にもお答えしましたけれども、今回の特別措置法は、帰宅をする、帰還をするということについては、必ずしも全体がそこに入っているわけではございません。福島全体の復興をする、風評被害、健康被害、健康不安、こういったものを抱えているという状況を踏まえまして、福島全体の復興をするための一つの法律として今回提案させていただいております。
 一方で、十一万人の方々、半ば強制的に避難をさせられているわけでございますけれども、帰還をする、あるいは、中には、帰還しない、帰還できないという方もおられると思います。この方々にどういう支援をするかということについては、さまざまな観点での検討が必要でございます。賠償の問題、雇用の問題、インフラの問題、帰らないというふうになった場合にどういう住宅手当てをしなければならないのか、コミュニティーでやるのか単独でやるのか、さまざまなケースが考えられます。
 そういったことについての一つ一つの検証を今政府内でやっておりまして、この検証の結果として、例えば法律が必要だという場合には法律を提出する場合もあるかとは思います。ただ、今の段階では、法律というところまでの検討の段階までは至っておりません。ですから、この法律は、そういう一つの枠組みの中でやっているということでございまして、この帰還という問題については別途検討を進めているということでございます。
 飯舘村のお話がございました。放射線量の低いところでコミュニティーを形成して、住宅を建てたらどうか。同じようなことはほかの町村でも検討しているやに聞いております。しかし、この問題も、実際にこれをやるとなればさまざまな問題が出てきます。こういったことも含めて、この十一万人の半ば強制的に避難された方々に対してどういう支援をするのか、しなければならないのか、これは今、別途検討しているということでございます。

○高橋(千)委員 また続きをやります。ありがとうございました。

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