国会質問

質問日:2012年 4月 17日 第180国会 厚生労働委員会

子育て新システムでは待機児解消できない

 日本共産党の高橋ちづ子議員は17日の衆院厚生労働委員会で、政府が導入を狙う「子ども・子育て新システム」では待機児を解消できないと追及しました。

 政府は「社会保障と税の一体改革」で消費税増税分のうち7千億円を子育て支援にあてる方針。保育所待機児の82%は3歳未満児ですが、その保育利用を5年間で36万人分増やす目標を立てています。高橋氏が「目標に見合う保育所建設を行うのか」と問うと、小宮山洋子厚労相は「多様な受け皿を充実させる」と述べ、市町村は計画を立てるだけで保育所建設が株式会社やNPO(民間非営利団体)任せになることを認めました。

 民間保育所の建設に対する施設整備費も、「新システム」では廃止されます。高橋氏は、年10万人分の認可保育所を建設すべきだとの党の提言を示し、建設費と充実策を合わせて4千億円で実現できると強調。「国や自治体が責任を持ってつくる立場に立つべきだ」と迫ると、小宮山厚労相は「別枠で交付金をつくる」と答弁しました。

 「新システム」では保育所と保護者が直接契約を結びます。高橋氏は「市町村が(契約前に)保護者に出す認定証(保育の必要性の認定)に何を書くのか」と質問。小宮山厚労相は、氏名や利用時間のほかに虐待の恐れや所得に関する情報などを書くと答えました。高橋氏は、5~15カ所も回って保育所を探している親がいるのに、所得などの情報をみせていたら「保育所から選ばれるだけだ」と批判しました。

(しんぶん赤旗 2012年4月18日より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 私、きょうは、ちょっと手元に、ふだん自分は読まない雑誌を持ってまいりました。本当は何冊も、何種類もあるんですけれども、きょうここに持ってきたのは三冊でありまして、いずれも全くタイプの違う週刊誌あるいは雑誌であります。附箋がつけてあるところに載っているのは、これは政府広報なんです。
 イラストあり、写真あり、そして、今最後にお見せするアンアンは、皆さんの手元にございます、イラストあり。これの場合は、ちょっとよくよく見ないと広報だと気がつかない。イラストなどが大変工夫してありまして、「日本には女性がもっと安心して未来をデザインできる社会が必要だ。」と、イラストから、それからいわゆるコピーから、大変金がかかっているなという印象を受けるわけですが、雑誌の一つの記事なのかなと一瞬間違うわけであります。
 ただ、全て、これは何種類も本当はあるんですけれども、書きぶりとかイラストとか若干違います。でも、構成は、要するに安心の支え合いが必要なんだということと、一番最後に、めくっていただくとわかるように、最後の結論は、「社会保障制度を守り、進化させ、受け継いでいくためにも財源の確保が求められています。」というのが結論であり、全ての特集に古川元久国家戦略担当大臣のコメントが載っておりまして、「しっかりと国会で議論していきたい」、こういうことが載っているわけであります。
 それで、これらはまだ法案ができていない十二月に集中して雑誌に載ったものであります。新聞、雑誌、テレビなどさまざまな媒体があると思いますが、これらに要した費用は幾らでしょうか。また、この時期にどういう目的でつくったのか伺います。

○別府政府参考人 御説明いたします。
 ただいま委員御指摘のございました社会保障・税一体改革につきましては、これは非常に国民一人一人の生活に、特に未来の生活に直結するような大変重要なテーマであるということで、国民の中でもいろいろな御議論もございますので、そういう御議論をしていただくというためにも、政策に取り組む背景あるいは必要性、そういったものをお示しするということで、十二月から開始したということでございます。
 その中で、今御指摘のあった新聞あるいは雑誌とか行いましたが、さらに、あと、その後、二月になりまして、「明日の安心」対話集会等を行っておりますので、その募集の告知ということで、あくまでも国民的な議論をお願いするということを目的に行っているものでございます。
 全体といたしまして、約八億円がかかっております。

○高橋(千)委員 今の答弁を聞いていただいて、岡田副総理と小宮山大臣に同じ質問をしたいと思います。
 八億円かかっています。八億円というのはどういう額かといいますと、障害者自立支援法で障害者の皆さんが現在、いろいろ負担が軽減される中で、自己負担しているお金が一カ月四億円です。つまり、二カ月の負担金をチャラにするくらいのお金をかけて、背景を説明するとは言っておりますが、法案がまだ出ておらない、何をやろうとしているのかまだわからない、ただ金がかかるということだけを書いている、そういう広報にこれだけのお金をかけるやり方に対して、まずは知っていたのかということと、このような使い方をどう思うか伺います。

○岡田国務大臣 委員と同様の御質問は、たしか予算委員会の分科会でも、自民党の議員だったと思いますが、いただきまして、そのときからは承知をしております。
 私は、政策の内容、特に増税ということを伴う政策、国民生活に極めて重要な政策でありますので、それについて幅広く議論をしていただくための材料として、あるいは政府の考え方を示すものとして、こういったことは必要であるというふうに考えております。

○小宮山国務大臣 これは、社会保障の大体の案をまとめた後に、私もテレビなどに出ていろいろ話せることは話しましたし、その時期に、社会保障としてはこういう改革を考えているということをやはり広く知っていただくために、いろいろな方が読んでいただけるような雑誌などにも出したと承知をしていますので、それだけの金額が適切かどうかというのはいろいろな御判断があるかと思いますけれども、私はやはり必要なことだというふうに考えています。

○高橋(千)委員 政府の一員ですからそういうお答えになるのかなと思いますが、非常に残念に思いますね。
 これには何ら方向性がないわけです。お金がかかるということしか、消費税という言葉も出てこないわけで、もちろん、これから議論するのに、決めつけた言い方がどうなのかなということがあるわけですけれども、私が言いたいのは、党首討論の中で野田総理は堂々と、土俵に我々は上がったのになぜ待ったをかけるのかと訴えたわけであります。本当にそういうことを言うのであれば、一つ一つこれから議論をしなければならない一体改革の中の法案、重要広範議案、私はそういう扱いをしなければならないと思うんです。
 年金なんかは一回の国会で終わるような議論なんだろうか、そういうことが言いたいのに、多額の税金をかけて国民に金がないというメッセージだけを広報する、このような姿勢はやはり絶対に認められません。
 副総理と小宮山大臣も全国に飛ばれて対話集会をやられています。それぞれ個性のあるやり方をしているのを私も拝見しました。厳密に言うと、他の大臣がやった対話集会の中には明らかにやらせを疑うようなものもありました。でも、一々きょうはそれを言いません、そんな暇がないですので。
 ですから、そういうことにお金をかけたり国民に言う前に、きちんとした国会の審議をして、その姿を国民に見ていただくこと。そして、きちんと記録の残る地方公聴会、記録の残るというのは、インターネットでは残っていますけれども、そういうのではなく、正式な記録の残る地方公聴会を重ねていって大事な議論をしていくべきなんだ、こうしたやり方は認められないということを指摘しておきたいと思います。
 それで、質問に入りますけれども、増税する消費税五%のうち一%が新しい充実策に使うと説明されております。そのうち七千億円が子ども・子育て新システムに使うと言われています。
 子ども・子育て法案の施行日は、附則の第一条において、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の「附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の属する年の翌年の四月一日までの間において政令で定める日から施行する。」つまり、消費税法案の施行日が、予定は平成二十七年十月となっているので、そこから、その後から翌年の四月までの間ということで、増税が通った後という条件つきの大変まれな法案であります。増税できなければ法案そのものが成り立たない、この意味においては一体だと言えるのかもしれません。
 岡田副総理は、沖縄などで開催した対話集会の説明を読んでいましても、その第一のポイントは子ども・子育てですと強調されています。
 そこで、新システム法案を社会保障の充実策に位置づけているその趣旨と、何をもってこれが充実策だと言っているのか、二つ伺います。

○岡田国務大臣 まず、委員御指摘のように、消費税を五%引き上げた場合の四%は既存制度の維持、持続のためにということで、一%が充実のためということでございます。
 その充実、年金、医療、介護とかいろいろありますが、大きく言うと、子ども・子育てと、そしてもう一つは、所得の少ない方のための対策、具体的には最低保障年金やあるいは介護の保険料減免などということになります。
 子ども・子育てというのは、今までどうしても、社会保障制度というと、三事業、年金、医療、介護というところに重点が行きがちであったのを、やはり若い子育て世代に対してもよりしっかりとした対策をということで、約七千億のお金を消費税引き上げの中からいただいて、そして施設の整備などに使っていきたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 子育て世帯を社会保障に位置づけたことの意義を聞きました。それから、新システムがなぜ充実策なのか聞きました。

○小宮山国務大臣 新システムがなぜ充実策かということですけれども、新システムでは、就学前の全ての子供たちに質のよい学校教育、保育をするということ、それからまた、待機児さんの対策とか、地方で、単独では、幼稚園、保育所、それぞれでは成り立たないところを統合してできるというようなことも含めて、これは考え方がいろいろありますけれども、例えば株式会社とかNPOも基準を満たせば入って参画してもらうようにしているとか、必ず多様な子供たちを受け入れるところが充実をしていくということですので、これは子ども・子育てを支援する充実策になるというふうに考えています。

○高橋(千)委員 なぜ充実策かという質問に対して、いきなりまた株式会社が出てくるというのもちょっと、この後の議論で確かにありますけれども、やはりそうじゃないんじゃないかと。
 これまでも待機児童の問題は随分出てきましたけれども、やはり将来世代にツケを回さないということを皆さんはさんざんおっしゃっているわけですよね。そういうときに、若い世代が子供を産んで育てるという希望を失うような今の事態に対して、やはりそれに真剣に取り組んでいこうという姿勢が出てくるのかなと思いましたけれども、なかなかちょっとそうではないなというふうに言わなければならないと思います。
 具体のことを聞きます。
 新システムで待機児童対策を強力に推進するということで、三歳未満児の保育利用率を四四%まで高めることを二〇一七年度までの目標としました。現在も二万六千人を超す待機児がいるわけですが、その八二%が三歳未満児ですので、そこにターゲットを当てるということになると思います。そうすると、五年間で三十六万人増と大変な目標でありますが、それに見合う保育所の建設をするのでしょうか。

○伊奈川政府参考人 先生御指摘のように、平成二十九年度には三歳未満児の保育サービス利用割合を四四%にするということが、平成二十二年の子ども・子育てビジョンにおいて見込まれているところでございます。
 これをどう実現するかということで、今回の子ども・子育ての新システムにおきましては、潜在的なニーズも含みます保育の需要を満たすために、質を確保するとともに、保育の量的拡充を図っていくというふうにしているところでございます。
 具体的に申しますと、一つは、市町村におきまして子ども・子育ての支援事業計画を策定していただくということで、地域のニーズに応じて、そしてまた地域の実情に合った提供体制を計画的に整備していっていただくことが一点。そしてまた、指定制度ということで、多様な主体の参入が図られるようにしていくという点が二点目でございます。そしてまた、幼稚園、保育所を一体的に提供します総合こども園というものを設けるということで、質の高い学校教育そして保育を一体的に提供するということがございます。
 そしてさらに、こういった総合こども園以外の多様な保育事業ということで、例えば、小規模保育でありますとかあるいは家庭的保育といったような地域型保育給付も創設するといったようなことを通じまして、こうした潜在的なニーズを含む需要を確実に満たしていきたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 量的拡充ということをおっしゃいましたけれども、結局、質問は、建設をするのですかと。もちろん、三十六万人分、丸々でなくてもいいかもしれません。ただ、保育所の建設をするのですかという質問をしています。それに対しては一切、そうではない、いわゆる多様な主体云々ということで、株式会社やそれこそNPOなどに期待をするということになりますよね、結論は。

○伊奈川政府参考人 どのような形でこういった需要を満たしていくかということについて言いますと、総合こども園といったような主体、そして、あと、先ほど申しましたような多様な保育事業ということでの地域型保育給付というような形で対応していくということでございます。

○高橋(千)委員 ここがやはり最大の問題なんですよ。幾らニーズをつかんでも、そこに責任を持つ人がいないわけで、結局、多様なということで、もちろん、いろいろないい形が出てくるかもしれないけれども、しかし、そこは期待するだけの話であって、やはり必要なところをつくっていくというお答えがなぜないのかということを言わなければならないんですね。
 質問の中で、小宮山大臣、もしあれば答えていただければと思うんですが、岡田大臣が先ほどの対話集会の中で、例えば幼稚園では常にあきがある、定員に満たない幼稚園もたくさんあります、そこに一歳児から三歳児くらいの子供たちを預かっていただくと述べています。よく言われるお話ですよね、幼稚園はあいているんだからと。
 しかし、今回の法案では、幼稚園には三歳未満児の受け入れを義務づけていません。従来どおりの幼稚園は残るわけです。そうすると、待機児童解消にはならない、保障にはならないわけです。だけれども、保育所だけは全部総合こども園に移行するわけですよね。なぜですか。

○小宮山国務大臣 それは、総合こども園でもなるべく、義務づけてはいませんけれども、受け入れていただくために、例えば、消費税によってインセンティブを総合こども園にかける、職員の配置基準を上げるとか、そうしたことを考えています。
 それから、あと、幼稚園が自分のところで受け入れなくても、先ほど申し上げたような小規模の二十人以下の保育所と連携をしても、それは総合こども園と認めるとか、あるいは、家庭的保育、保育ママさんがどこかの施設で集合でやっているところと連携をしても、それは総合こども園と認めるとか、多様なあり方を検討していますので、そういう意味では、受け入れる施設というのがふえるように取り組んでいきたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 だから、なぜ保育所だけは全部移行するんですかということも聞きましたけれども。

○小宮山国務大臣 それは、一年半余りにわたって、幼稚園関係者、保育所関係者を含めて、内閣府で三つのワーキングチームで、本当に子供たちのためにどうしたらいいかということをかんかんがくがく議論いたしました。
 ただ、その中で、学校教育というのはやはり三歳以上にするということが強くございましたので、そこはそういう形を生かす。ただ、そこのところは義務づけないまでも、なるべく多くのところで受け入れていただけるように、先ほど申し上げたような形でいろいろなフォローを、後押しをしていきたいというふうに考えています。

○高橋(千)委員 ですから、最初に幼保一体化ということを打ち出したけれども、完全にその途中でずっこけているわけですよね。それで、保育所だけはこども園に移行するんだということでぐっと進んでいることに大きな矛盾が出てきているということなんです。
 ここはちょっと質問を逆にしてもう少しやりますけれども、総合こども園については、今、学校教育に位置づけるということをおっしゃいました。三歳以上の児童の場合は、幼稚園と同様に、小学校就学前の学校教育を行う学校であることを明確にすることになっています。
 幼稚園の一日の教育時間は四時間を標準としているわけですね、四時間以上ということで。そうすると、当初の議論は、新システムが始まるころの議論は、介護保険と同じような仕組みで一時間ごとの利用料というのが決められて、保育が細切れになるんじゃないかということが随分議論されました。今回は二つのタイプ、つまり短時間と長時間だけだということが言われているわけなんですよね。だけれども、その短と長の間をどこで分けるのか。これは非常に重大な問題、つまり負担にはね返ってくる問題ですので、一般的にはパートのお母さんたちも預けられるからいいんだよということが言われているけれども、そうなるのかということなんです。
 そこで、まず短時間の目安が、今言った幼稚園の四時間、これが目安になるんでしょうかということ。学校教育を義務づけるということで、四時間というのが、例えば九時から一時とか、まとまった時間、その時間だけは子供が全員そろっている、そういうイメージでしょうか。

○小宮山国務大臣 これもこども指針のワーキングチームの中でずっと検討してもらったんですが、今、幼稚園は幼稚園の教育要領でやっています、それから保育所は保育指針の内容でやっていますが、既にもう多くのところがオーバーラップしているんですね。そこの内容の整合性を確保した総合こども園保育要領、これを策定することにしています。
 その中で、総合こども園での具体的な学校教育、保育の提供のあり方、これはその時間数も含めまして、今後、子ども・子育て新システムの施行までの間に、総合こども園保育要領などを策定する中で具体的な検討をしていきたいと考えています。

○高橋(千)委員 ですから、短時間の目安、四時間との関係。それから、その時間は、学校と言う限りは、いろいろな働き方があってもみんなそろっているという意味ですね。

○小宮山国務大臣 みんなそろっているという意味では、今回、保護者の働き方にかかわらず、全ての子供にということなので、みんなそろっているということはそういうことです。
 ただ、それが四時間になるのかどうかということは、今申し上げたように、総合こども園の保育要領を定める中で具体的なものは決めていきたいと考えています。

○高橋(千)委員 それで、今おっしゃったように、とにかく四時間かどうかはわからないけれども、ただ、四時間以上だということははっきりしているわけですよね。
 それで、三歳以上は学校教育を行わなければならない。その昼間の時間が学校をやっているわけです。要するに幼稚園になっちゃうというようなイメージなわけですよね。
 そうすると、幼稚園と保育所では職員の配置基準が違います。幼稚園は、一クラス三十五人以下、教諭が一人、保育所の場合は、四、五歳児は三十人に一人、三歳児は二十人に一人であります。そうすると、昼間は三十五人でもよいよとか、職員を少なくしてもよいよ、そうすると人件費を抑えられるよとなってはどうかということですが、いかがですか。

○小宮山国務大臣 それは、今回あわせて質の高いということを言っていますので、質を下げるということはありません。
 そういう意味で、総合こども園では、幼稚園の方の学級担任制とか面積基準などの学校としての基準と、それから保育所の児童福祉施設としての人員配置基準とか給食の実施などの基準、これをあわせて適用することで、質を下げることなく、質の高い学校教育、保育を保障したいと思っています。
 そういう意味では、現在の幼稚園制度それから保育所制度の双方に求められる質の水準、これを基本としてやっていきたいと思っておりますので、質を下げるということはありません。

○高橋(千)委員 では、それぞれの施設の厳しい方といいますか、それに合わせるということでよろしいですか。

○小宮山国務大臣 具体的に今ある基準をどういうふうに組み合わせるか、その整合性をとってという言い方をさせていただいていますが、質を下げることはないということを申し上げました。

○高橋(千)委員 そこで、保護者はいよいよ直接契約ということになるわけですけれども、その前に、市町村から保育の必要度を認定される、これは全く新しい制度になります。その認定証に書き込む内容はどのようなものになるでしょうか。

○小宮山国務大臣 その認定証には、対象となる子供の氏名、生年月日などのほかに、保護者の就労や疾病、障害、求職活動など、保育の必要性に関する事由が一つあります。二つ目に、長時間利用か短時間利用かの区分。そして三つ目に、一人親家庭や虐待のおそれのあるケースの子供など、優先利用に関する事項。そして四つ目に、所得に応じた利用者負担の区分を記載する予定になっています。
 今後、この認定証に記載する事項の詳細につきましては、制度の施行までに詳しく検討していきたいと考えています。

○高橋(千)委員 認定証がどのような形になるのかとか、そういう詳細なことはこれからだと思いますが、今お話しされた内容そのこと自体が非常に重要な中身だと思うんです。
 それは、市町村との関係であれば、その人のさまざまな事情を配慮して保育所の入所を決定するというのが今までの仕組みでありました。しかし、これからは認定証を持って親が保育所を直接回らなければならないわけです。その認定証に、優先入所の必要な家庭であるということが書き込まれている。そして所得がわかる。どういう書き方になっているかわかりませんけれども、例えば保育料が、どこどこ市の場合であると一万円くらいだよというと、よほど所得が低い人だなというのはおのずとわかるわけですよね。
 そういうカードを持って直接保育所に行くとなると、それはもう、残念ながら、選ばれる、保育所の側から選ばれる側になってしまう。それが直接契約というものではありませんか。

○小宮山国務大臣 これは予算委員会の中でも御党の議員とも大分議論をさせていただいたところですが、これまでの、保育に欠ける子を認定して、それを措置して、義務を市町村にかけていくという仕組みではなくて、今回は、必要とする全ての子供を対象に、直接契約をして、それで市町村に責務をかける、これは考え方というかその基本が違うということなんですね。
 そうした中で、認定証を持って歩き回らなければいけないというお話がありましたけれども、市町村でも、当然、相談に応じたりあっせんに応じたりということをいたしますし、一人親家庭ですとか虐待のおそれがあるケースとか、優先度の高いケースはきちんとそれは市町村の方で入るところを探してちゃんとそこへ入れるということもしますので、そういう意味では、全く行政の方がかかわりなく、親だけが苦労するとかいう形にはならないというふうに考えています。

○高橋(千)委員 かかわりなくではなくて、大臣の予算委員会の答弁も私ちゃんと見ています。今だってそうじゃないかとおっしゃいました。そのとおりなんですよ。今でも一人で五カ所とかあるいは十五カ所とか、何カ所も転々としている親御さんがいらっしゃいます。わざわざ入所のポイントを上げるために、育休になった途端に申し込みをしなければならない、さまざまなことをやっているわけですよね。だけれども、十数カ所も自分の事情を持って歩く、これは大変なことでしょう。
 それで、市町村はあっせんできるとかいろいろ言うけれども、随時これを受け付けますから、いわゆる育休が明けるときというのは随時なわけですよね、みんなが四月にちょうどよくなるわけじゃないんです。そうすると、園が、わざと断ったと言わなくても、うちの園は満杯ですと言えばそれで済む話なんですよ。だから、市町村が確実に入れるところをきちっと確保しておくということがなければだめだということを言っているんです。
 それで、さっき用意していた質問に戻りますけれども、結局、私は、保育所をつくるということを全くやらなくなるということではだめなんだということなんです。
 それで、資料の四枚目にありますけれども、こども園給付、これは介護のような仕組みになって、減価償却費というところがありますよね。こういう形で、施設整備費というのが、減価償却費の中でそれぞれの施設が頑張れよという話になっちゃうわけで、そうではなくて、やはり国や行政が責任を持って保育所をつくるんだという立場に立っていただきたいんです。
 私たちは、国が計画を持って、年間十万人くらいの保育所の受け入れの整備をするべきだということを主張してきました。それにかかる予算は千四百億円。そして、処遇改善だとか、地方の負担を減らしても四千億円ということを提起しているんです。
 そうすると、四千億円という数字は、今回の新システムの充実分でも四千億円だし、安心こども基金が既に約四千億円のお金を基金として積んできましたよね。ですから、そこを本気でやろうとしてくれば、公立の保育所とか認可保育所を、無認可のところでもできれば認可になりたいと言っているところは四割あるわけですよね、厚労省の調査でも。そこに向き合ってくれば、こうした問題が解決していくのではないかと思うんですが、いかがですか。

○小宮山国務大臣 無認可のところで認可になりたいと言っているところでも、今回、客観的な基準を満たしたら、それは指定基準を満たしたということで財政支援の対象になりますので、それぞれの市町村の事情でそれを認定しないということはなくなると考えています。
 それから、施設のつくり方の問題ですけれども、今回、新システムの中では、減価償却費の一定割合相当額を給付に組み込む形で設定して、長期にわたって平準化した形で施設整備を支援するということ、それから、初期投資に必要な資金調達については政策的な融資によって支援をすることにしています。
 当面は、待機児童対策として、施設の新築とか増改築、それから幼稚園の調理室の設置など、増大する保育需要への対応なども重要なので、こども園給付とは別途の支援という形で、児童福祉法で新たに交付金を創設いたしまして、国から市町村にそれは補助をしていきたいと思っていますので、いろいろな施策を適切に組み合わせをして対応していきたいと考えています。

○高橋(千)委員 せっかく認可外の保育所が認可になりたいと言っているときに、基準をそっちに合わせて、客観的基準だから今の基準と違うものでもいいんだよ、そういうやり方ではなくしてほしいということを言っているんです。
 今、交付金のことも最後におっしゃいましたけれども、今回の七千億とは別の予算ですので、桁が幾らになるかすら教えていただけませんでした。見通しがあるのかどうかさえ全くわからないという事情であります。ですから、本当にニーズに応えるんだ、子育て世帯を応援するんだというのであれば、そこがきちんと答えられるようにならなければならないと思います。
 私は、本当は最後に岡田副総理に、社会保障と利益優先の営利企業の参入は矛盾するのではないかということを質問するつもりでしたが、時間がなくなりましたので、これで終わって、次の機会にしたいと思います。
 ありがとうございました。

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