国会質問

質問日:2012年 4月 18日 第180国会 厚生労働委員会

自立支援法の廃止こそ

 日本共産党の高橋ちづ子議員は18日の衆院厚生労働委員会で、障害者自立支援法を恒久化する障害者総合支援法案について、「自立支援法を廃止する」という国の約束違反だと追及しました。小宮山洋子厚労相は、「応益負担」が「応能負担」になったので「廃止」だと強弁しました。

 高橋氏は、違憲訴訟団と国の「基本合意」で「障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた」と明記していることをあげ、自立支援法を恒久化することは基本合意に背くものだと強調。法案の骨格に「応益負担」が残っていると指摘すると、小宮山厚労相は「がらりと変えると混乱が起こる」と答え、自立支援法の根幹が残っていることを認めました。

 利用者負担の上限額を決める収入認定に配偶者の収入を加えることも引き継がれます。「財源不足と他制度との公平性」を理由にあげた西村智奈美厚労副大臣に対し、高橋氏は「今の利用者負担を全額無料にしても4億円であり、『財源』は理由にならない」と指摘。「これでは障害者権利条約を批准するに値しない」と述べると、西村副大臣は全く反論できませんでした。

 難病患者の一部を障害福祉サービスの対象に加えることについても高橋氏は、対象からもれる「新たな隙間」が生じるのではないかと追及。西村副大臣は「検討する」としか答えられませんでした。

 高橋氏は、障害当事者も参加する障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の「骨格提言」と「基本合意」を具体化した法案を出すべきだったと強調しました。

(しんぶん赤旗 2012年4月20日より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、わずか三時間の審議でこの法案の採決が提案をされました。幾ら何でも、自立支援法を廃止し、障害者が権利の主体となった新法をつくるんだと期待されていたのに、それがこのような形で幕切れとは、怒りで言葉が見つからないくらいであります。二〇一〇年一月に基本合意を結び、喜びの涙を流した原告らが、今や、悪夢のようだと叫んでいます。
 大臣は、二月十六日の予算委員会で、私の質問に対し、名称や目的規定を改正するということから、障害者自立支援法の廃止になると答えました。
 改めて聞きます。その後、閣議決定されて提出された本法案は、確かに名前は違いますが、骨格はつなぎ法案です。障害者自立支援法の一部改正にすぎないと思いますが、これで廃止になったのですか。

○小宮山国務大臣 再三お答えをいたしておりますように、平成二十二年の一月の基本合意以降、平成二十二年十二月の障害者自立支援法、児童福祉法等の一部改正によりまして、障害者自立支援法で一番問題となって、廃止をしなければというもとになりました利用者負担が応益負担から応能負担に改正されるなど、抜本的な改正が行われているという事実があります。また、低所得の人に対するサービスの利用者負担の無料化など、予算措置とか運用改善などで対応を行ってきました。
 そして、今回の新法では、障害者基本法に基づいた基本理念を盛り込むとともに、法律の根幹となる名称や目的規定を改正することにしていますので、基本合意にも掲げている障害者自立支援法の廃止になると考えています。

○高橋(千)委員 あくまでも廃止だとお答えになりました。もしそれが本当であれば、誰もこんなに怒りの声を上げたりはしないんです。そうじゃないからこそ、今こういう事態が起こっているんじゃありませんか。
 昨日、大臣の読み上げられました法律案の提案理由説明、本当に、正直驚きました。
 最初の二行は、内容の概要を説明いたしますというところから始まっていますが、これまで障害保健福祉施策については、障害者や障害児が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、障害者自立支援法等に基づき、必要な障害福祉サービスに係る給付等の支援を行ってきましたと。つまり、自立支援法のことを書いているわけです、何の批判もなく。そして、平成二十一年十二月以降、制度改革会議が設置をされました。骨格提言を踏まえという表現はございますが、その間がありません。違憲訴訟と基本合意があったことが全く抜け落ちているのです。
 訴訟は、自立支援法を、今読み上げたこの自立支援法を憲法違反だと否定して、廃止を約束したのが基本合意だったわけです。そして、基本合意は、その文章の中に「障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた」と明記をして、原告を初めとする障害者とその家族に反省の意を述べているんです。
 改めて聞きますが、この基本合意にある、尊厳を傷つけたというのは、何をもって尊厳を傷つけたと認識しているんですか。そして、大臣自身がその立場は変わらないんですか。

○小宮山国務大臣 基本合意では、障害者自立支援法の立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担、定率負担の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対して反省の意を表したもので、この反省の気持ちということは今も変わっていません。

○高橋(千)委員 反省の気持ちというのは変わっていないというお言葉でありました。
 やはり、障害があるゆえに、生きていくために必要な支援を受けなければならない、そのことを益だと言われて、逆に、障害が重くなればなるほど負担が重くなる、そのことが憲法違反であるということを指摘した裁判であり、だからこそ、尊厳を傷つけたと述べられたんだと思うんですね。その原点が全く反映されていないということを言わなければならないんです。
 資料にあるんですけれども、四月五日現在、百八十三の自治体で意見が上がっています。廃止とはどうやら違うようだということがわかってから、わずか二カ月から三カ月という短期間でこのように広がっている。これでもまだ、廃止する法案なのにみんな誤解しているのよとでも言うつもりなんでしょうか。こういう地方の声をどう受けとめているんでしょうか。

○小宮山国務大臣 それは、地方からの声、そして当事者の皆様の声はしっかり受けとめさせていただきたいと思っています。
 でも、現実の問題としまして、一番根幹になるところが応益負担から応能負担に変わっているということ、先ほども御説明したように、全くがらりと根底から変えてしまうと、今サービスを受けていらっしゃる方、また事業者の方などが全部また最初から手続もしなければならないというような混乱が起こること、そうしたことなどを考慮して、また各党の御意見も伺った上で、今回このような措置をとらせていただいた。
 そして、先ほど申し上げたように、あくまでもこれは段階的にやらせていただく第一歩なので、これからまた一層、当事者の方の御意見も伺いながら、さらに一歩一歩進めていくように努力をしたいというふうに考えています。

○高橋(千)委員 さっきも言ったとおり、本当にこれまでもずっと、当事者の声を聞いて、参加でやってきたわけですから、本来ならば、段階的なんだよ、いろいろな困難があるから一歩一歩なんだよというのであればみんな理解しているはずなんです。そうじゃないということがなぜなのかということをさっきから議論しています。
 二月十六日の予算委員会で、私は、総合福祉部会の席上で厚労省の中島企画課長が述べた言葉を紹介しました。結局、法律の廃止とは、本気でやらないといけないということではないんだ、こういう意味の発言をしているじゃないかという指摘をしたのに対して、大臣は、これは不適切である、そして注意をしますということを述べたと思います。それが二月十六日です。
 ところが、その直後の二月二十二日付の東京新聞、今度は課長補佐、さっき話したのは課長、今度は永尾企画課長補佐が、これまでに法律を廃止したのは、らい予防法などごくわずかである、政策に一定の継続性がある場合、廃止とはいっても技術的には改正のことなんです、こう言っているんです。
 つまり、初めから厚労省はそのつもりなんだと、皆さんにはずっと、いや廃止するんだと言ってきて、最初からそのつもりなんじゃないかということを改めて思わざるを得ない、指摘せざるを得ない。どうですか。

○小宮山国務大臣 事務方の課長並びに課長補佐がした発言が不適切である場合は、私は、それはしっかりと注意をしていきたいというふうに思っていますし、この間、予算委員会の後、課長の方には、どういう趣旨かということは私の方で調べております。その前後のところも含めて全部読んでほしいということでありましたが、やはり不適切だととられるような発言は慎むようにということは私の方から言いました。
 それについて、やはり事務方の方で私どもが思っていることと違う考え方に基づいて動かしているようなことがあれば、私は、それは一つずつ注意をしていきたいと思っていますし、私どもが考えている方向で施策が進むように全力を挙げていきたいと考えています。

○高橋(千)委員 多分これは、単なる不適切ではなくて、やはり本音なんですね。厚労省がずっと準備をしてきた、そういう中でやられてきている話なんです。結局、何度も何度も聞いていけば、大臣だってさっきから、いろいろな手続があるからとかとおっしゃるじゃないですか。それは厚労省が準備した答弁でしょう。そういうことなんですよ。それをやはり言わなきゃいけない。
 ちょっと具体の話に入りますからね。
 それで、さっき、一番の根幹である応益負担が応能負担になったんだからと答弁をされました。骨格提言は、原則無料としているわけですよね。やはりここは、つなぎ法案のときも随分議論をしましたけれども、骨格は、応益負担の仕組みを残しているんですよね。
 実態が応能負担かどうかということではなくて、実態がそうであれば、そのようにちゃんと条文を書きかえればいいんです。原則無料として、そして所得の高い人、払える人には応分の負担をしてもらえばいいということは、もともと言っているじゃないですか、当事者の皆さんが。それをなぜそうしないのか、伺います。

○小宮山国務大臣 平成二十二年十二月に成立した障害者自立支援法等の一部改正によって、利用者には家計の負担能力その他の事情をしんしゃくして政令で定める額を負担していただくことになり、法律上も応能負担であることが明確化をされています。しかし、サービス利用量の少ない人については、家計の負担能力そのほかの事情をしんしゃくして政令で定める額よりもサービス提供に要した費用の一割相当の方が低い場合もあるということから、低い方の額である一割相当の負担で足りることがあわせて規定をされています。
 御指摘の規定は、応能負担により利用者に不利益が生ずることのないように配慮をして設けられたもので、応益負担の仕組みを残したものではないと考えています。

○高橋(千)委員 応能負担の方が一割を超える場合もあるからという答弁は、この委員会で何度も聞きました。それも方便かなと思うんです。
 つまり、肝心のところは、結局、法律ではないところで、場合によってはその時々に応じて上げることだって可能になるじゃないですか。その仕組みを残すことが問題だということを言っているんですね。
 そして、今大臣が読み上げたところの、家計の負担能力をしんしゃくしと、この一言が残ったことによって、配偶者の収入認定ということは結局残ってしまったんです。これくらい取ってもよかったんじゃないですか。いかがですか。

○西村副大臣 障害福祉サービス等の利用者負担についてでございますが、平成二十二年の四月から低所得の障害者等の利用者負担を無料として、実質的に応能負担とすること、平成二十二年十二月に成立した障害者自立支援法等の一部改正法により、応能負担であることを法律上も明確にすること、同じく一部改正法で、障害福祉サービス等と補装具の利用者負担を合算し、負担を軽減する仕組みを導入することといった取り組みを行っております。
 そして、利用者負担額を算定するに当たっては、障害者本人とその配偶者のみの所得で判断する仕組みとしております。配偶者につきましては、民法上、扶助義務が課せられていることなどを考慮いたしまして、負担上限月額を算定する際の対象としているものでございます。
 利用者負担に係る収入の認定に際して配偶者の収入を考慮に入れないということになりますと、財源の確保状況や、医療や介護などほかの制度との整合性、公平性も踏まえた国民的な議論が必要であるというふうに考えておりまして、引き続き検討してまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 今、二つおっしゃったと思うんです。
 考慮に入れないということは、まず一つは財源の問題。財源の問題については、もうほとんどが無料になって、きのうここで指摘をしたように、一カ月四億であると。その中で、では、家族に、配偶者に影響する部分がどれほどのものだというんですか。財政の問題ではないでしょう。それが国民的に大問題なんですか。そこをまず一つ確認したいです。
 それから、他の制度との関係ということがございました。やはりこれは、障害者の権利条約に基づいて突破してきた問題ではなかったか。そもそも、家族が、本当に、自分が一日でも長く子供よりも生きていなければならない、そういう思いを述べながら訴えてきた、そのことを乗り越えて、今回、親子の関係などは、個人の収入認定ということまでやっと来たわけです。ですから、そういう中で乗り越えて、ここだけが乗り越えられない理由はないはずなんだと思いますが、いかがですか。

○西村副大臣 障害福祉サービスに係る利用者負担の推移でございますけれども、無料でサービスを利用している方の割合は、平成二十二年三月の一一%から、平成二十三年の十月時点で八五・五%まで増加をしております。
 そして、自立支援医療に係る低所得者の利用者負担ということにつきまして、平成二十二年の一月の障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国との基本合意文書で当面の重要な課題とされ、平成二十三年度、平成二十四年度の予算編成過程で検討を行ってまいりましたが、厳しい財政状況の中でどのように財源を捻出できるのかといった大変難しい課題があったために、引き続き検討することとしております。

○高橋(千)委員 副大臣、ごめんなさい、それは、次に言おうとしていた自立支援医療の質問に対する答弁でございます。
 私が聞いたのは、今、家族の、配偶者を残したところは、財政的な理由だなんて、そんなものじゃないでしょうと、きのうも言ったように、全体で四億円だと、政府が社会保障と税の一体改革の広報に使った八億円の半分にすぎないと、配偶者にかかわる部分はその中のほんの一部じゃないですかと、そうじゃないですかということを、財源の問題じゃないでしょうということを聞いたんです。それと、他の制度との関係は既に乗り越えてきたじゃないかということです。

○西村副大臣 失礼いたしました。
 同じことの繰り返しになるかもしれませんけれども、利用者負担に係る収入の認定に際しては、配偶者の収入を考慮に入れないということでありますと、財源の確保状況はこれまた大変厳しいものがございますし、また、医療や介護などの他の制度との整合性、介護の方等は世帯全員を含むということにもなっておりますので、これらとの整合性、公平性も含めた国民的な議論が必要であるというふうに考えております。

○高橋(千)委員 さっき先に答弁してしまった自立支援医療の問題も含めて、結局、最初に大臣が、根幹だった応益負担を応能負担にしたんだからこれはもう廃止に値するんだと言ったけれども、そうじゃないんです。乗り越えていないんですよ。だから、やはりそこはちゃんと見なければいけないし、これでは、権利条約の批准を今目指して、次の新法もつくる予定なんだけれども、それに値しないなということを言わなければならないと思います。
 次の質問ですけれども、難病が加わったことで、本当に、すき間のない制度と呼べるんでしょうか。

○西村副大臣 今回の法案におきましては、昨年の障害者基本法の改正で、その他の心身の機能障害を有する者が障害者に含まれたこと、また、閣議決定等において、制度の谷間のない支援の提供を実現することとされており、これにも対応するものでございます。
 このため、障害者の定義に新たに難病等を位置づけ、障害福祉サービスの対象とすることにしているわけですが、対象となる者の範囲については、政令で定めることにしております。
 対象となる具体的な範囲については、現行の難病患者等居宅生活支援事業の対象疾患、百三十疾患及び関節リウマチ、これを参考に、厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会での議論を踏まえ、施行に向けて検討することとしております。

○高橋(千)委員 制限列挙だとどうしても漏れてしまうんですね。例えば、団体の皆さんは、小児慢性疾患及びキャリーオーバーとか、そうした方たちも入れてほしいと述べておりますが、いかがですか。

○西村副大臣 これについては既に大臣等からも答弁ありましたけれども、現在検討中ということでございまして、対象となる具体的な範囲については、難病対策委員会での議論を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 新たなすき間の可能性が残されているということをまず確認しなければならないと思うんです。
 それで、資料の二枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、難病患者等で障害者手帳のない方たちに対して、ここに資料がありますけれども、三つ、ホームヘルプ、それから短期入所、日常生活用具給付事業など、難病患者等居宅生活支援事業というものがございます。この利用実績とこれにかかわる予算はどのくらいでしょうか。

○津田大臣政務官 お答えを申し上げます。
 難病患者等居宅生活支援事業の利用実績は、平成二十二年度において、ホームヘルプサービス事業が三百十五名、短期入所事業が十名、日常生活用具給付事業が七百二十九件となっておりまして、その決算額は、約六千五百万円となっております。
 また、本事業の平成二十四年度の予算額は、約二億七百万円となっております。

○高橋(千)委員 ホームヘルプで三百十五名、そして短期入所で十名、本当にわずかな事業規模なんですね。だけれども、本当にこれは、やはり市町村が頑張らなければいけないということもあって、困難があるんだろうと。こういうことはもっともっと広げていくべきなんです、いい制度なんですからね。手帳がなくてもこうしたことをやってきた。
 ただ、問題は、これからは、この人たちが、難病が含まれるとなったことによって、今の障害者のサービスと同じサービスを受けるということになるわけなんです。果たしてそれが、今よりも受けられるサービスがふえて、それで負担が変わらないということになるのか。それは難しいと思いますが、いかがですか。

○津田大臣政務官 お答えを申し上げます。
 難病等の人についても、法律に基づく給付対象とすることから、他の障害と同様に障害程度区分の認定などの手続をとっていただくことになります。
 この難病等の方々は周期的、断続的に症状が生じる人や症状自体がわかりにくい人もいることから、平成二十五年四月の施行に向けては、難病等の人についても適切にサービス利用を行うことができるよう、認定調査の際に十分に留意するなど、運用を工夫することで対応していきたいというふうに考えております。
 具体的には、百六項目の認定調査項目の中で難病等の特性をどのように踏まえるか、二つ目には、認定調査票の特記事項にどのような記載をすることが適切であるかなど、各市町村で難病等に配慮した認定調査を行うことができるよう、留意点を具体的に示した指針を作成し、市町村に周知することを予定しておるわけでございます。
 また、既に難病患者等居宅生活支援事業を利用している方については、利用実態等をよく調べた上で、支援の必要な方が引き続きサービスを受けることができるようにしていきたいというふうに考えているわけでございます。
 なお、平成二十五年四月以降の運用状況を見ながら、判定方法自体を見直すことが必要と判断された場合には、今回の法案で盛り込んでいる検討規定を踏まえて検討していくことを考えております。

○高橋(千)委員 今、実態を考慮してということと、それから、引き続き利用できるようにということをおっしゃったと思うんです。程度区分が今度支援区分ということになるわけで、支援区分が検討されるのは法施行後三年間だと、それまでの間は今までどおりの認定方法があり、その中にいろいろ医師の意見書とかそういうのを踏まえて運用していくということなんだと今の答弁で理解をしたわけですけれども、私が言っているのは、まず、今まで利用していた人が、当然、入ったんだからもっと広がると思っていたらそうではなくなったということがあってはならない。また、今の制度だって、さっきから言っているように、三百十五名しかいないわけですね。全く足りないわけ。これをもっと拡充していく形で、本当の意味で、対象になってよかったなと思えるようになるんでしょうか。それを約束していただけますか。

○津田大臣政務官 高橋委員の御指摘についても、しっかり我々は検討していきたいと思っております。

○高橋(千)委員 そこで、今紹介された検討事項のところですけれども、障害区分認定を含めた支給決定のあり方、パーソナルアシスタンス制度、就労支援を含む福祉サービスのあり方等について、三年を目途に検討するとしているわけです。
 ただ、これについては、既に、骨格提言の中で具体的に方向性を示しています。今言った区分認定の問題も、ガイドラインという形で、なくてもいいんだ、新たな仕組みができるんだということをきちんと示しているわけですよね。それが今回は取り入れられていないわけですけれども、その、検討するということは、骨格提言に沿って実現を目指すということなのか、いやいや、それは難しいので違う道を考えるという意味なのか、どうですか。

○小宮山国務大臣 それは、検討する際には、骨格提言に沿ってやりたいと思っています。

○高橋(千)委員 一つ確認をいたしました。
 私は、この法案の中身一つ一つを見たときに、全否定はもちろんしません。当然、当事者の皆さんがこれまで訴えてきたことが反映をされていたり改善されたものがあるのは承知をしています。
 また、先日、当委員会で長岡のグループホームに視察に行ったときに開口一番言われたことは、つなぎ法で家賃補助ができたのでよかったということを言われました。まさかそのために行ったのではないと思いたいわけでありますけれども。
 結局、それは当たり前なんですよね。それは当事者の運動の反映であります。最初のころは、何を言っても、今改革会議で検討しているからできませんということが随分多かったです。だけれども、それはみんな織り込み済みで、いいものをつくるんだ、だから法律はちゃんとつくるんだと。でも、今できることは、例えば政令ですとか省令で落として今できることはすぐ改善してほしいということをずっと訴えてきた中で、あるわけです。
 ですから、言ってみれば、自民党時代にもそういうふうにやってきた。そもそも、つなぎ法というのは自民党時代につくった法案であります。ですから、その延長にすぎないわけです。だったら、わざわざ障害者自立支援法の廃止を掲げ、基本合意を結んだ政権交代の意味はなかったということなんです。
 ねじれ国会だからといって最初から諦めて、基本合意と骨格提言という当事者との約束、この成果よりも、自民党、公明党に受け入れてもらえること、そのことを優先して、いわば官僚の手のひらで動いていたにすぎない、こう言わなければなりません。
 最後に、私が最も共感したというか、私が一番言いたかったこと、これを、弁護団と原告団が声明に書いていることがまさにそのものずばりですので、読み上げたいと思います。
 「どれほど深刻な政治不信を引き起こしたか本件に関与した政治家に自覚があるのであろうか。 二〇一一年八月三十日まとまった骨格提言は五十五人のあらゆる立場からなる委員の一致した提言であり、政府はその骨格提言の内容を法案として上程するべきなのである。「全国の障害者団体の一致した願いを法案として提出した。反対するならば、反対してみなさい。」と政府・与党は筋を通すべきであった。野党は反対出来るはずもない。 政府が調印した基本合意と政府が署名している障害者権利条約を基礎として作成された骨格提言を政府自ら無視し軽んじた罪はあまりにも重い。」
 つまり、一度もこれに沿った法案を出してこなかった。その法案を出して、それから、どうしても賛同が得られないのであれば、そのための努力をするべきであった。まだそのことをしていないんですよ。そのことを私はどうしても言いたかったんですね。
 一歩一歩ではなくて、まずその政府の姿勢を示さなかった、そういう意味では、やはり約束をほごにされたと怒るのは当然であります。
 断固、認められない、反対だということを指摘して、終わりたいと思います。

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