国会質問

質問日:2017年 6月 7日 第193国会 厚生労働委員会

旅館業法一部改正案(民泊問題について)

家主不在民泊に懸念
高橋氏「違法施設の監視不十分」

 日本共産党の高橋千鶴子議員は7日の衆院厚生労働委員会で、改定旅館業法案について質疑を行いました。
 民泊新法に当てはまらない事業は、旅館業法の規制が適用されます。厚労省の調査では、無許可・不明合わせて1万2000件以上の違法民泊が判明しています。
 高橋氏は、2009年度の「生活衛生関係営業施設1カ所あたりの調査・監視指導回数」では、1年に1回も監視できていないと指摘。現在の監視率と今後の対応についてただすと、厚労省の北島智子生活衛生食品安全部長は「15年度の調査・監視対象施設数はのべ3万7375件で、監視員1人当たりの旅館業の監視数は約6施設」と答えました。高橋氏は「住宅街の民泊が増加し、住民とのトラブルが起きるだけでなく、稼働率が5割前後にとどまっている本来の旅館やホテルが閑散とするようなことがあれば、観光振興という趣旨からいってもおかしい」と述べ、家主不在型民泊は認めるべきではないと訴えました。
(しんぶん赤旗2017年6月18日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、旅館業法の質疑であります。さきの国土交通委員会で通過をしました民泊新法と大いに関係があるので、両方聞いていきたい、このように思います。
 それで、まず、先ほども少し出ていたんですけれども、民泊新法の中には、第二条第三項で、「この法律において「住宅宿泊事業」とは、」これを民泊と我々は称しているわけですけれども、「旅館業法第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業」とあり、民泊新法に当てはまらない業については旅館業法により規制するという意味でよいでしょうか。
○塩崎国務大臣 住宅宿泊事業法案、民泊法案、これにおいては、住宅宿泊事業とは、宿泊料を受けて住宅に百八十日以内で人を宿泊させる営業、そして、住宅宿泊事業の届け出を行った者は、旅館業法の規定にかかわらず、住宅宿泊事業を営むことができる、こういう旨が規定をされております。届け出を行うことによって、旅館業法の適用が除外されるということでございます。
 したがって、こうした住宅宿泊事業法案に基づく住宅宿泊事業法の対象とならない場合においては、旅館業法の規制の適用を受けるということとなるわけでございます。
○高橋(千)委員 ならないものは適用を受ける、このならないものの範囲が広いということが議論をされてきたなと思うんですね。
 それで、民泊サービスの制度設計のあり方に関する検討会、これは中間整理が昨年三月十五日に出されておりますけれども、そこでこのように書かれております。本来必要な旅館業法の許可を得ていない違法な民泊が広がっているため、この状況に早急に対応する必要があるとして、簡易宿所の枠組みを活用した旅館業法の許可取得促進を提言された。要するに、簡易宿所の中に民泊を規定、民泊もその中で規制されるという考え方だったと思うんですね。
 結果として、この中間整理を受けて、旅館業法施行令を出して、昨年の四月に既に施行されて、基準緩和をしています。例えば、面積は三・三平米以上でよいとか、フロントも要らないとか、基準緩和をやったにもかかわらず、結局、旅館業法とは違う新法にしたのはなぜでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 民泊サービスの制度設計のあり方に関する検討会の中間整理におきましては、早急に取り組むべき課題と中期的な検討課題というものが示されておりまして、委員御指摘の簡易宿所の規制緩和につきましては、早急に取り組むべき課題というふうに整理をされておりますけれども、引き続き、中期的な検討課題ということで、今般の住宅宿泊事業法案にかかわります基本的な骨格というものが議論され、まとめられてきたということでございます。
 現状におきまして、我が国で行われている民泊サービスは、居住性の観点から一定の設備を備えた住宅において宿泊事業が実施されるものであること、利用者の大宗を外国人が占めていること、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルなどが生じていること、旅館業者以外の者によって実施されるものであることなど、通常の旅館業と異なる性質を有してございます。
 また、住宅宿泊事業法案におきましては、住宅宿泊事業のみならず、これと関連する事業といたしまして、住宅宿泊管理業と住宅宿泊仲介業を規制の対象としておりますが、健全な民泊サービスの普及を図り、制度の一体的かつ円滑な執行を確保するためには、これら性格の異なる三つの事業を一体的に管理する必要がございます。
 こうしたことから、既存の旅館業法の改正ではなく、別の法制度として新法で対応することとしたところでございます。
○高橋(千)委員 ということは、早急にというのは、言ってみればつなぎ、もともと新法が目的であって、それができるまでの間であったということですか。確認します。
○北島政府参考人 民泊サービスにつきましては、住宅宿泊事業において実施される場合について、年間百八十日という規制がございます。ただ、年間を通してこの事業を実施したい、宿泊業を実施したいという場合については、簡易宿所、規制を緩和した簡易宿所の許可を受けて実施していただく、いろいろな形態の宿泊サービスが提供できるものと考えております。
○高橋(千)委員 私は、簡易宿所の緩和自体は歓迎はしていないんです。例えば、北島部長は一番よく御存じだと思いますが、三・三平米といったら、保育所や学童保育の基準ですから、子供と同じ基準で、大人がそれでいいんだという基準というのは到底受け入れられないわけなんですね。だけれども、やはり旅館業法の枠組みで規制するというのは大事な一歩を踏み出したんじゃないかと思っていたので、そうではないということが非常に残念だったなと思っております。
 それで、その後に、中間整理が出た後の報告書の中では、「旅館業法以外の法令においても、既存のホテル・旅館に対する規制の見直しについて、民泊に対する規制の内容・程度との均衡も踏まえ、早急に検討すべきである。」これは今度、逆立ちしましたよね。つまり、民泊の法律ができれば、それに均衡するということで、その他のホテルや旅館が規制を逆にそっちに合わせていく、つまり緩和するという趣旨でしょうか。
○北島政府参考人 今回の旅館業法の改正による規制緩和につきましては、ホテル営業、旅館営業という洋式、和式という形態による規制が時代に合わなくなってまいった。例えばベッドがある和室のホテル、そういったものもふえてきておりますので、時代の要請、ニーズの多様化に沿った形での営業ができるよう規制を緩和するものでございます。
 民泊に合わせてというよりは、両方がイコールフッティングになるような形で、またさまざまなニーズに応えられるような形で、お互い、この法案を提出しているところでございます。
○高橋(千)委員 ここを突っ込んでいると先へ進まないので、一言言い切りにしますけれども、時代に合わなくなったから、旅館は和式のもので、ホテルは洋式のものでという、これは本当に私もそう思います。それは全くそのとおりだと思います。でも、書いているのは、「民泊に対する規制の内容・程度との均衡も踏まえ、」ということですから、先ほど井坂委員が質問したのも同じ趣旨だと思うんですよね。民泊に合わせていけというのに対して、北島部長はうなずかれました。そこに問題があるんじゃないか。イコールフッティングという名で、さらなる規制緩和ということには、ちょっと承服できないと思っております。
 進みますけれども、資料の一の右側の囲みの部分からまず言いますけれども、全国民泊実態調査、わずか三カ月ですけれども、これだけの数が出ております。実際の旅館業法における許可は二千五百五件、一六・五%だったんですけれども、無許可が四千六百二十四件、三割であります。そして、物件特定不可、調査中が七千九百九十八件、五割を超えているということですね。
 それで、今調査中のところは、その後どうなったんでしょうか。半年以上たっておりますので、まだ何か頑張っているんでしょうか。
○北島政府参考人 委員にお示しいただきました資料の左側にもございますように、無許可営業者につきましては、これまでも都道府県等において、その実態を把握した上で、営業許可の取得や営業の取りやめ等の指導を行ってきているところでございます。
 今般実施した全国民泊実態調査において無許可営業者と判断された者につきましても、順次、都道府県等において同様の対応がとられているものと承知しておりますが、平成二十八年度における旅館業法上の営業許可を受けていなかった事案への対応状況につきましては、現在、都道府県等に対する調査を取りまとめ中でありますことから、現時点においては具体的な指導状況をお答えすることが困難となってございます。
○高橋(千)委員 今、多分、お答えの趣旨は、ここにある、二十五年度から二十七年度の調査、旅館業法上の営業許可を受けていなかった事案に対する調査、それと同じようなことをやっているんだけれども、今取りまとめ中だということだと思うんです。
 先ほども指摘があったように、無許可営業の把握が六十二件から倍の百三十一件、そして二十七年度は十倍の千四百十三件となっている。それが、たった三カ月の今回の調査では、無許可が四千六百二十四件、調査中を合わせると一万二千六百二十二件と、さらに十倍近くふえているわけですよね。
 それで、この把握方法を見ていただきますと、巡回指導ということで、四百九十八件、足を使った巡回をしていることと、あとは通報などもあります。ただ、今後は、当然、インターネットによる監視ということが必要なのではないかと思うんです。
 指導状況の中で、例えば、営業許可を取得した、七十六件、取りやめた、五百三十三件。無許可のものが取りやめたというのは逆にいいことだと思いますよね、いつまでも残っていてはいけない。ただ、二年越しで調査をしているというのも、この米印を見るとわかるわけです。ですから、これだけのものを、今回、民泊の違法な部分を、対応が本当にできるんだろうかということを大変心配をしています。
 それで、ちょっと時間の都合で続けますけれども、次の二の資料を見ていただきたいと思うんですね。
 これは、別に違法なところを狙っているという意味ではなくて、平成二十一年度の生活衛生関係営業施設一カ所当たりの調査、監視指導回数です。ですから、旅館だけではなく、公衆浴場や理容所、美容所、クリーニング所などを総称するわけなんですけれども、平均のところが、赤で書いていますが、平均〇・二四回。つまり、一年で一回、一つの施設に行けないでいるというのが実態であります。そして、一番多く行っているのが左端、何と京都市ですけれども、それでも〇・九で、一が立っていないわけですよね。一番右端の金沢市、これは〇・一も立っていない。極めて深刻な事態だと思うんですね。
 ですから、衛生監視員は微増はしていますけれども、到底現在でも追いついていない。追いついていないけれども、これだけの対象がふえる。
 まず、監視率が今どうなっているのか、そしてどう対応していくのか、お願いします。
○北島政府参考人 平成二十八年三月末現在において、環境衛生監視員による調査及び監視指導の対象となった施設数は、平成二十七年度地域保健・健康増進事業報告によると、延べ三万七千三百七十五施設とされております。また、平成二十七年度衛生行政報告例によりますと、環境衛生監視員は六千二百五十九人でございます。
 これらをもとに機械的に計算をいたしますと、環境衛生監視員一人当たりの旅館業の監視施設数は、同一施設への監視指導も含め、約六施設となっております。
○高橋(千)委員 ちょっと今の数字はおかしいと思うんですよ。私が出した資料に基づいて計算をしていただきたいと思うんですね。
 これは旅館だけを指しているわけじゃありませんので、極端に減るわけないんですよね。二十七年度でいうと、五十七万八千七十施設があって、十七万千九百三十三の監視をしています。これでいくと〇・二九回。大して変わっていないはず。それは間違いないですよね。どこをとって今答えたかによると思うんですけれども、それは間違っていないですよね。
○北島政府参考人 大変申しわけございませんが、議員御指摘のこの資料の出どころを昨日から探しておりまして、ようやく確認することができましたので、また精査いたしまして御報告させていただきます。
○高橋(千)委員 そうなんです。きのうずっと、資料を出してくださいとお願いしていたんですが、出てこなくて。
 でも、これは、下に書いてあるように、平成二十三年度の全国健康関係主管課長会議で出された資料ですので、同じ理屈でやれば出るはずなんですね。
 私が今紹介した〇・二九というのは、トータルで計算をしたので、この数字とはまた違うと思うんですが、要するに都道府県と指定都市別にやると違うと思うんですが、ぜひ、必要な資料だと思うので、やっていただきたいと思います。
 それで、監視がまだまだだということは指摘をした上で、次に行きたいと思うんです。
 民泊新法の第六条に宿泊者の安全の確保という項があるんですけれども、非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じるとされています。そして、具体の中身は国土交通省令に定めるとされています。
 先ほど来の議論で、旅館業法と全く同じだとかほぼ同じだという議論がされているわけなんですけれども、これは民泊サービスのあり方検討会で第一回に出された資料ですけれども、資料の三枚目を見ますと、一般住宅の一部を民泊として活用する場合は、その民泊部分が小さければ新たな規制が全くかからないとか、半分より大きければほぼ同じ規制がかかるというふうに説明されているわけですね。
 真ん中の囲みを読みますと、「民泊部分が大きい場合、新たに設置が必要となる設備は、消火器、自動火災報知設備、誘導灯が想定されるが、消火器は建物の延べ面積が百五十平米未満の場合は不要であり、自動火災報知設備も、建物の延べ面積が三百平米未満の場合は民泊部分のみに設置すれば足りる。」ということで、全体にかかるわけではないという説明が検討会でもされているわけです。
 そして、共同住宅の場合が資料の四枚目なわけですけれども、全体として延べ床面積が五百平米以上の共同住宅だと、もうマンション自体が規制がかかるので新たなものはない、だけれども、未満の共同住宅の場合、そのうち民泊部分が一割を超えるかどうかによって規制がかかるものとかからないものがある、こういう説明をしているわけなんですね。
 これは、まず、こういう事業を始めようとする人はこういうのに詳しいんだ、よく調べるんだと思うんですね。そして、ぎりぎりのところで、なるべく規制がかからないようにするという意識も働くのではないかと思うんです。でも、本当にそれでよいのだろうか。特に、家主不在のところなどはどうなのかなと不安に思いますけれども、伺います。
○蝦名政府参考人 住宅宿泊事業法案第六条におきましては、火災の初期に速やかな避難を確保するために、非常用照明器具の設置、連動型警報器の設置、避難経路の表示等を求めることとしております。
 委員御指摘のように、宿泊部分の面積が小規模な民泊の場合、特に家主居住型の場合につきましては、家主による火災時の応急対応が期待できますことから、非常用照明器具や連動型の警報器の設置を求めない方向で検討をしているところでございます。
○高橋(千)委員 ですから、あえて小規模にして分散させたりとかして、必要な設備をやらない。だから、それが違法だと言っているんじゃないですよ。でも、なるべくは必要な安全対策をする方向に向かっていくべきなのではないかという意見をしています。いかがですか。
○蝦名政府参考人 委員御指摘のような小規模な面積のところでございますけれども、届け出住宅に係ります面積につきまして、そうした虚偽の届け出をすることにつきましては、これらの設備の設置を逃れようということが考えられますので、届け出書の記載の面積と届け出書に添付する住宅の図面等を照合することによって確認をいたしまして、さらに、虚偽の届け出を行った場合は罰則を科すということにしております。
 こうした措置を通じまして、宿泊者の安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 続けて伺いますが、マンションの管理組合などの、管理組合自体が必置ではないですけれども、やはり規約などで民泊を受け入れたくない、あるいは独自のこれこれという条件をつけるということが考えられるけれども、いかがかということ。
 あわせて、地方自治体が、例えば、この地域、子供がいっぱいいる、公共施設が多い、住宅地域だから景観に気をつけたい、さまざまな事情を配慮して独自の条例で規制するということは可能だと思いますが、確認します。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、マンションの管理組合と民泊の関係の話でございますが、分譲マンションにおける民泊をめぐるトラブルの防止のためには、民泊を許容するか否かについて、あらかじめマンション管理組合において区分所有者間でよく御議論いただいて、その結果を踏まえて、民泊を許容する、あるいは許容しないかを管理規約上明確にしておくことが望ましいと考えております。
 民泊を禁止する場合には、管理規約において、専有部分の用途を定めている条項の中に民泊を禁止する旨の規定を追加することにより、民泊を禁止することができます。
 住宅宿泊事業法案に基づく届け出の際に、マンションについては、民泊を禁止する旨の管理規約等がない旨を確認していただくことにしております。
 なお、管理規約の改正には一定の期間を要することがあるというふうに思います。その場合には、管理規約上に民泊を禁止するか否かが明確に規定されていなくとも、管理組合の総会、理事会決議を含め、管理組合として民泊を禁止する方針が決定されていないことを届け出の際に確認することとしておりまして、禁止する方針が決定されたマンションにおける事業の実施を防止する予定としております。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 自治体の条例の関係で御質問がございました。
 良好な景観の形成を図ることを目的とした条例は、建築物等の外観に着目をして規制を行うものが一般的でありますことから、建築物の用途に着目して民泊の実施を規制するということにはなじまないと考えております。
 なお、本民泊宿泊事業法案におきましては、都道府県等が、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するために必要があるときは、合理的に必要と認められる限度において、条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができるという形にしております。
○高橋(千)委員 今、例え話で言った景観の方はだめだという答弁でありましたけれども、ただ、騒音だとかいろいろなトラブルもありますので、地域の実情に応じては構わないというお答えだったかと思います。
 これは規制改革実施計画の中にも、住宅として、住居専用地域でも民泊実施可能とするの後に、地域の実情に応じて条例等により実施できないことも可能とすると明記されておりますので、当然のことではないかなと思っております。
 そこで、やはり最大の問題となるのは、家主不在型の民泊だと思うんですね。ホテルであれば、二十四時間フロントで対応していることを、住宅宿泊管理業者に委託することになるわけなんですけれども、現実に可能なんだろうか。
 二つのことを聞きます。
 まず、チェックインのとき、本人確認、外国人であれば旅券の確認などが必要なわけですけれども、必ずしも普通の時間ではない、要するに飛行機の関係だとかで遅い時間に着いた、そういうときに、当然、家主がいるわけじゃないですし、フロントがあるわけじゃないということで、どういうふうにスムーズにやりますかというのが一つです。
 それから、実際に部屋に入ってから何らかのトラブル、空調が壊れているとかさまざまあると思うんですが、ホテルだったら電話一本でフロントにつなげるわけですけれども、そういうときに、どのようなイメージで対応すると考えていらっしゃるのか。
○海堀政府参考人 お答えさせていただきます。
 住宅宿泊事業法案におきましては、家主不在型の住宅宿泊事業では、住宅宿泊事業者からの委託を受けた住宅宿泊管理業者に対して宿泊名簿の備えつけの義務を課すこととしております。
 宿泊名簿の記載に当たっては、宿泊者の氏名、住所、職業等について、実際に宿泊する者の情報を確認するため、旅券の提示を求めることなどによりまして本人確認を行うとともに、対面またはそれと同等の手段で行うこととしております。
 現在の特区民泊におきましては、カメラを用いた映像を通じ遠隔で本人確認を行うといった事例も出てきているところでございまして、ICTを活用したこのような方向を含め、しっかりと担保をしていきたい。これがチェックインの本人確認でございます。
 次に、部屋に入ってからのトラブルでございます。これは、宿泊される方々のトラブルということでは、こういった方々のトラブルに適切に業務が対応できるように、宿泊管理業者の登録の際に、深夜、早朝を含め常時苦情や問い合わせへの応答が可能であることなどの必要な体制整備を確認するということを担保させていただいております。
 また、近隣の方々へのトラブルに対応しましては、いわゆる宿泊管理業者の連絡先を住宅に掲げる表示において掲示するなどの対応もとらせていただいているということでございます。
○高橋(千)委員 これだけしゃべっていると何分でも切りがないんですが、今の話も、遠隔操作でやるんだということで、実際に約束した人数がそのとおりだったろうかと。
 要するに、一般のマンションに入っていくわけですからね、必ずしもそれが正しくなるかどうかという不安もありますし、また、今、常時対応とおっしゃいましたけれども、二十五分以内だというルールも聞きました。ちょっとこれもまたすごい現実的じゃないなというふうに思って、やはり私は、人がいない対応というのはよくないんじゃないかというふうに言いたいと思うんです。
 これはちょっと次の質問にも関係するので、ここまでにして進みたいと思うんですけれども、やはり、住宅街の中の民泊がふえ、そして住民とのトラブルがふえ、だけれども、本来の旅館、ホテル業が空き部屋がふえているみたいなことになったら、観光振興という目的からいってもおかしいんじゃないかと思うんですね。
 それで、資料の五を見ていただきたいんですが、これは、昨年の三月十七日、日本とフランスの宿泊団体が都内で緊急フォーラムを開いて、“民泊”に対する共同声明というのを発表しました。左側がUMIH、ホテル産業連合というんだそうですが、隣がGNI、全国ホテルレストラン独立事業者団体、これは、二つ、フランスの団体で、右の方は、おなじみの全旅連と日本旅館協会の共同声明であります。
 緊急フォーラムですので、ここで発表したUMIHのローレン・デュック・ホテル部門会長は、パリ市内にエアビーアンドビー物件が三万五千四百二十八件あって、コントロール不能であるとおっしゃったそうです。ホテルの稼働率は〇・三ポイント下降し、民泊物件の稼働率は三八ポイントも上昇している、消防、衛生など安全面も放置され、旅行者も地域住民も危機にさらされている、パリのテロ事件ではテロリストの潜伏先となった、こういう報告があったわけです。
 そして、全旅連の北原会長は、我々は旅館業法、建築基準法、消防法などの規制があり、これらの設備の維持管理に莫大なコストがかかっているが、お客様の命を守るためには必要なことだと思っていると言って、その意味を民泊事業者がわかっているだろうか、こういう指摘をされているんですね。
 私は、先ほど来規制緩和の話をしてきましたけれども、古い規制は見直しをするのはいいんですけれども、これ以上の緩和というのは、やはりコストもかかるし、大変負担だ、だけれども、お客様を預かっている、そういう誇りに思って頑張ってきたんだという中で、今の民泊の事業者との関係、その立場に立ってもらわなければ困るというこの共同声明というのはやはり尊重されるべきだと思うんですね。
 一番から五番まであります。ちょっと読む時間がありませんけれども、「“民泊”を含め全ての宿泊施設は行政官庁への申告登録を経て、許認可を得る必要があるとすべきであり、無許可営業並びに脱税行為を厳しく取り締まる必要がある。」など、さまざま書いているわけなんですが、この立場を尊重して、さっきの問いに戻るんですけれども、家主のいない民泊というのはやはり認めるべきではない、このように思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○蝦名政府参考人 近年の訪日外国人の旅行者の増加に伴いまして、さまざまな宿泊に対するニーズがございます。
 一方で、旅館、ホテル業も、日本の伝統文化や食、おもてなしを体験できるという点で、引き続き大変重要な役割を果たしていくものであると思います。
 一方、民泊につきましては、日本人と交流し、その生活を体験したいというニーズ、あるいはできるだけシンプルでリーズナブル、あるいは中長期の滞在に適した宿泊サービスを求めるニーズなど、さまざまなニーズに応える宿泊モデルとして期待されているところであります。
 そうした中で、現在、旅館業法が必ずしも遵守されないままで実態が先行して、安全面や衛生面の確保がなされていないとか、騒音やごみ出しなどによる近隣トラブルなどの問題が生じているという面も発生しているということでございます。
 こうした状況を踏まえまして、さまざまなニーズに対応しながら、一定のルールのもとで、家主居住型、あるいは家主不在型も含めまして、健全な民泊の普及のルールを定めることが必要であるということで、今般の法律を提案させていただいているということでございます。
○高橋(千)委員 大臣にぜひ伺いたいんですが、五月三十日の国交委員会の参考人質疑で、「民泊サービス」のあり方に関する検討会の座長代理だった三浦弁護士が、三年後の見直しがあるということで、こういうふうに述べているんですね。最終的には、チェックイン手続の代行業務、あるいはリネンサービス等の清潔を図る業務の代行という新しいビジネス分野ができ上がる、既存の旅館業の方たちも新しい分野にどんどん入っていくということが予想できる、こう言っているんですね。
 言ってみれば、今の旅館のノウハウを、委託という形でビジネスにすればよいと。
 旅館に鍵を預け、共存している例もあるようです、大田区などはそうなんですけれども、歴史ある、努力を重ねてきた旅館業が、顔の見えない民泊の代行業、下請をさせられることにもなりかねないんです。こうした方向をよしといたしますか。
○塩崎国務大臣 旅館、ホテルの皆さんが、実際に今おっしゃったような業務に参入されるかどうかというのは、それぞれ経営判断であって、主体的に判断される限りにおいて、民泊の下請といった御指摘は当たらないのではないかというふうに考えるわけで、旅館の皆さん方も御自身の生きる道を考えていかれるということがやはり一番大事なことなんだろうというふうに思います。
○高橋(千)委員 規制緩和が進んで、競争していけばそうなるんですね。
 昨年四月の検討会で、一般社団法人民泊協会からヒアリングをしています。そのときにこう言っているんですよ。旅館業界との共存共栄が必要だ、リネン交換、清掃、鍵受け渡し、手荷物預かり、帳場、これらはホテルや旅館の余っている人材、常時いる人材であったりとか、もともとふだん行っている機能を果たすことによって、彼らが求めていることを提供できるだろう、こう言っているんです。
 つまり、旅館が、今だって五割の稼働率ですよ、五割を下がっているところもいっぱいあります、そういう中で、競争に、仮に厳しくなっていったときに、いやいや、これをやればいいじゃないか、余っている人材を使えばいいということを民泊協会が言っているんです。こういうことを、やはり旅館業法を所管する大臣としてしっかり問題意識を持っていただきたい。
 きょうはとても時間がなくなりましたので、また次の機会にしたいと思います。終わります。

 

――資料――

2017年6月7日衆院厚生労働委員会提出資料

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