国会質問

質問日:2017年 5月 25日 第193国会 東日本大震災復興特別委員会

東日本大震災からの復興について――参考人質疑

「東日本大震災復興の総合的対策に関する件」について参考人質疑を行いました。

<参考人>
○阿部秀保 前宮城県東松島市長
○松本德子 避難の協同センター共同代表世話人
○熊坂義裕 社会的包摂サポートセンター代表理事、医師、元宮古市長
○早川篤雄 福島県楢葉町 宝鏡寺住職
○中村一郎 三陸鉄道株式会社 代表取締役社長

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は、五人の参考人の皆さん、ありがとうございました。
 震災と原発事故後六年、また、それ以前からのさまざまな取り組みや思いがある中で、短い時間で皆さん言い足りないことがたくさんあったかと思われますし、私も、聞く側の方も時間が足りないなと思って困っておりますので、なるべく全員に伺いたいことがありますので、頑張っていきたいなと思います。
 最初に、早川参考人に伺います。
 福島法には魂が入っていないという指摘がございました。まさにそのとおりではないかなと思います。
 避難を続けている方の中でやはり多く言われるのは、第二原発が動くかもしれないのに、このような状況でやはり帰るとはとても思えない、そういうことも言われるわけであります。ですから、全会一致で、オール福島で求めていることに向き合うべきではないかとおっしゃったことは、そのとおりだと思っております。
 早川さんたちの運動というのは、私自身も青森の出身で、ずっと取り上げてきたことではありますが、原発反対というときに、単に原発は危ない、やめろということを繰り返すだけではなくて、原発事故の危険から住民を守る、これがスタンスではないかなと思うんですね。
 ですから、事故やあるいはささいなトラブルであっても隠さないことや、避難計画もしっかりとつくることや、そして、最悪の事態を想定して最悪の過酷事故に備える、そういうことをずっと皆さんは言い続けて、だからきょうもその一端を紹介してくれたのではないかなと思うんですね。そこにやはり向き合ってこなかったのが電力事業者の側ではなかったかと思いますが、その辺の思いを一言お願いします。
    〔委員長退席、谷委員長代理着席〕
○早川参考人 申しわけありません、ちょっと聞き取りにくいところがあって。
 まさに先生がおっしゃるとおりでありまして、原発そのものはまさに危険なんだけれども、危険なものは世の中に私の常識で考えればいっぱいあるわけで、扱い方の問題なんですね。
 だから、僕たちは、原発は危険であるからというので、危険だと認識したので、第二原発ができる前までは建設反対とやった。しかし、やられてしまった。やられてしまったらば、これはどうしようもない。結局、危険に反対する。
 原発の危険に反対するといっても、先ほども申し上げましたように、結局、危ないものをどういうふうに扱うかということで、政府、電力会社は結局は、一言で言えば、危ないものは危ないものとしないで、暴走してきた。原子力、核燃サイクルの暴走、これが危険の元凶なんですね。だから、そのことを、事故があるたびに、事故隠しがあるたびに具体的にそれを指摘してきたということなんですね。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。大きな声で言うようにします。
 でも、聞いたことに答えてくださっていたと思うんです。
 要するに、やめろ、やめろというだけの運動であれば、とめられなかったらそれで終わっちゃうわけで、でも、そうはいかないんだと。だからこそ、何度も何度も何かあるたびに声をかけてきた、皆さんが取り組んできたということを御紹介いただいたと思うんですね。
 それに対してやはり誠実に向き合ってこなかった。要するに、過酷事故対策をしろと言っても、起きないと言ってやってこなかったように、そのことが、今日の福島第一原発の深刻な事故と、そしてその後の避難者の苦しみをつくったのではないかというふうに思っております。
 あわせてもう一つ伺いますけれども、楢葉町の解除というのは、指示区域で、全町避難されているところの一番最初だったわけですよね。ですから、例えば浪江ですとか富岡ですとか、その後の町の解除の言ってみれば突破口というような、そういう役割も果たしたと思います。
 しかし、帰ってすぐに、第二原発があるので避難訓練もやはりやらざるを得ない。つまり、廃炉と決まっていないものですから、避難訓練をやっているということを聞きました。また、来年には、同じように精神的損害の賠償もなくなるわけであります。
 そうした中で、ただ賠償を続けろと言うだけでは、分断されていますから、もらっていない人もたくさんいるという中で、今置かれている、一割しか帰っていない町の状態、事故の危険は引き続いているという町の状態の中でやはり国と事業者が今やるべきことは何なのか、お願いいたします。
    〔谷委員長代理退席、委員長着席〕
○早川参考人 いろいろございますが、まず、安全に収束される。ああ、これならば安全に収束されるだろうと私どもが安心できることの一つは何かというと、現在、第一原発に六千人から七千人の労働者が収束作業に当たっておるわけです。この労働者の労働賃金あるいは危険手当が十分に担保されていないという。私どもは、東京電力と二月に一回ぐらい交渉しています。まず、交渉の大半は、その労働者の身分、安全を守れ、こういうことについて。
 六千人、七千人の労働者のうち、原発で働いた経験のある経験者は何割おられると思いますか。実は、六千人、七千人の原発労働者というのはプロなんですよ。定検で全国を渡り歩いている、原発をつくった時点から。こういう人たちが何と三割しかいないんですよ。何ででしょうか。
 だから、長々申し上げられませんので極端なことを言いますと、原発で働く十分な手当をもらう、何かあったらば完全に補償されるという、それをわかりやすく言ってみれば、私は常にずばっと言っているんですが、国家公務員にしてください、準公務員にしてください、身分を保障してください、そうしたらば、やりがい、気概を持って働くと。実際、俺がつくったんだから、俺がやらざるを得ないなという労働者がいるんです。そういう労働者は三割しかいないんですよ。
 だから、安全に収束されるという手だてをなんでかんで考えていく。結局、特措法を考えられても、何にもならないです。
 それから、第二原発、先生がおっしゃるとおり、これも簡単な話なんです。実に簡単な話なんです。災害訓練なんかやる必要はないんです。決まっているんです。あれを燃料プールから全部キャスクに入れて、乾式貯蔵すればいいんです、高台に置いて、頑丈な建物をつくって。それでも万々一ということはございます。とにかく今は燃料プールに入れておるわけです。これはやはり危険性があるわけです。これをやらない。
 だから、原発をまず廃炉にする、これが大前提ですよね。そういうこと、こういうこと、よもやまた三・一一のようなことがあるんじゃないかと思うのが、やはり子育て中の皆さんである。
 それから、三つ目は、フレコンバッグ、中間貯蔵施設、三十年という言い方をしておる。言葉は汚いですが、ずばっと申し上げる。ごまかしでしょう。三十年後、どこかに行くんですか。まして、人が近づいたら即死するような大量の溶融燃料の行きどころなんかあるはずがないんです。それを正直に認めて、そのために世界の英知を集めてやりますという、イノベーション構想なんかそこまできちっと踏み込んだものになっておらない。一方で復興をしながら、一方で原発はまだ中途半端な、住民が安心できない状態にある、これが問題なんです。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 それでは、中村参考人に伺いたいと思うんです。
 三鉄の再開は本当に明るいニュースだったと思うし、そこまでの苦労や、また、きょうは一端を紹介していただきましたが、活用していただくためのさまざまなアイデアをやっているんだなということを受けとめました。
 そこで、伺いたいのは、JR山田線の問題であります。これを引き受けるということで、私は、率直に言って、JRの責任をもっと果たしてほしいという思いがありました。しかし、苦渋の決断でもあったと思います。今となっては、やはり最長の地域の鉄道だというのを生かしたいということもおっしゃいました。そういう意味では、地域の財産であり公共鉄道であるという立場で、もっと国が支援していくべきことではないのかなと思いますが、一言お願いいたします。
○中村参考人 JR山田線、宮古―釜石間を今度引き受けて、二年後には一本につながるということで、それは岩手の沿岸の皆さんにとってはやはり大きな喜びといいますか、希望になっている側面も非常に大きいというふうに思っております。逆に言えば、それを我々としてはしっかり活用しながら、沿岸地域の活性化につなげていきたいというふうに思っております。
 先ほどもちょっとお話しさせていただきましたけれども、今、国のスキームとしても、いわゆる上下分離で、下の方の整備に対しては一定の国の支援措置はあるんですが、やはり全国の特に過疎地のこういった三セクの地方鉄道が置かれている状況というのは非常に厳しいところもありますので、やはり上の運行の部分に対しても何らかの一定の支援みたいなスキームもぜひお考えいただければ、我々としては非常にありがたい。
 そういった中で、やはり鉄道というのは大きな財産ですので、一旦失うと復活というのは非常に厳しいものだというふうに思っております。これを何とか、当然、行政だけでどうこうということではない、地域の皆さんがしっかり守っていくという決意のもとに、全員で使いながら守っていくといったようなことをぜひ引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。そういう立場で頑張りたいと思います。
 次に、熊坂参考人と松本参考人に同じ質問をしたいと思います。
 熊坂参考人、よりそいホットラインの取り組み、年間二十五万件、大変な取り組みですし、また、実際に電話の量はその四十倍であるということでありました。テーマを分けているということや、きょう紹介いただいた特徴は非常にまとまっていて、要するに、被災者は困難が幾つも折り重なっている問題ですとか、仕事、家庭以外の関係性の希薄さですとか、一つ一つの問題が非常に理解できるというか、よく捉えて発表してくださったなと思って伺っておりました。そういう中で、自殺念慮が非常に多いという御指摘がございました。
 また、松本参考人からは、避難しているお母さんたちの苦悩、特に自死された方のお話もされました。私もたくさんのお母さんたちに会っていますが、子供たちが学校でいじめられていると同時に、お母さんたちも、帰れば帰ったで、同じように、いじめといいますか、孤立の中で苦しんでいたということがあったと思うんです。
 そういう中で、質問は、原発いじめという事件をどう受けとめるかということで、確かに、放射能がうつるというような誤解や偏見、それは一部にはあるかもしれないですけれども、もっと大きな社会的なものじゃないのか。例えば、大臣という方が、避難することは自己責任だとか、勝手でしょうと言ってみたり、そういうものが社会全体の芽になって、だから言っていいんだみたいな、そういう条件をつくっちゃっているのかな、やはり根っこにあるのはそこなんじゃないのかなという思いがあるんですけれども、お二人に御意見を伺いたいと思います。
○熊坂参考人 私も福島県人でございますので、今回のいじめの問題につきましては大変心を痛めております。
 なぜなのかというその背景ですけれども、いろいろ考えると、私も、戊辰戦争までさかのぼると、白河以北一山百文とか、あるいは蝦夷(えみし)退治みたいな、そういったところまで東北に住んでいると実は行き着くのかななんて思ったりします。
 この差別の問題ですけれども、もしクラスにそういう子が入ってきたら、みんな、その雰囲気の中でそういうことがやはりあってしまうのかなということも思ったりしまして大変心苦しいんですけれども、その背景については、日本社会全体の、今、本当に生きづらさを抱えている人が非常に多くなっているので、そういったところまで考えていかなければいけないなというふうに思っております。
 あと、おっしゃいました自殺の問題でいくと、福島県だけが震災関連死は自殺も含めてふえておりますし、震災直接死よりも既にはるかに多いわけでありまして、こういったところも光を当てて、なぜなのかというところをやはりもう少し見える化していかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
○松本参考人 この原発のいじめですが、従来、やはり原子力発電所、原子力とはどういうものなのか、そして原発事故が起きればどういう災害が発生するのか、そういうことをきちっと子供たちがわかっていない、まして大人がわかっていないということで、その事故のためにどうして避難しなければいけなかったのかということを今きちっとメディアでも伝えていないように私は思います。
 この原発の子供のいじめは大人のいじめであって、大人がきちっとした解釈をしないで、世間話のように子供のいる前でそういう話をすることによって子供がいじめられる。
 そして、先ほどもお話をしましたが、子供は、自分を守るために避難したということをよく知っています。なので、これ以上、そのつらいこと、自分がいじめられていることを親に話すことができない子供がたくさんいます。それを知る親はまた苦しみます。
 なので、きちっとした情報、きちっとしたものをやはり包み隠さず教えていくこと、教育がきちっとなっていないことがこのいじめにつながっていると私は思います。
○高橋(千)委員 貴重な御意見、ありがとうございました。
 私は、行政に対して、大臣などに対しても、ホットラインですとか協同センターのように、やはりそうやって接している人たち、そのことを聞いている人たちの声をちゃんと聞いて、それを生かすべきだということを主張してまいりましたので、今後も生かしていきたいなと思っております。
 最後に、阿部参考人に伺いたいんです。
 トップダウンとボトムアップを市長として貫いてきたのかなと思います。やはり急がれる場合には思い切った市長の決断も必要ですし、そのことが被災地全体を引っ張ってきた、そういう役割も果たしてきたのではないかなと私は思っております。
 同時に、住民の声というのは、実は特区法のときには住民の声を取り入れてという一項が盛り込まれませんでした。それは、市長がちゃんと話を聞くからいいでしょうという答弁だったんです。私はすごく残念に思っているんです。
 それで、伺いたいのは、やはり震災のときというのは首長に一定の裁量を与える、そしていろいろな縛りを取る、そこがやはり大事なんじゃないか、だけれどもそれがずっと続いては困るわけで、復興計画というのは丁寧に住民参加でやっていくべきではないか、この二つの兼ね合いについて一言伺いたいと思います。
○鈴木委員長 阿部参考人、大変恐縮ですが、質疑時間が限られておりますので、できる限り簡素にお願いいたします。
○阿部参考人 非常時、災害時はトップダウン、当然だというふうに思います。船頭が多ければ船は進みませんので、非常時はそうだと思います。
 ふだんのまちづくりは住民との合意形成が大切だと思っています。私は議員も長い間務めましたので、悩んだときはいつも、住民から理解が得られるかと自問自答するわけでありますので、原点はそこにあります。
 やはり住民の合意形成、住民自治が基本だというふうに思っていますので、これからも東松島はそういったまちづくりで進んでいくというふうに思っております。
 ありがとうございます。
○高橋(千)委員 終わります。ありがとうございました。

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