国会質問

質問日:2017年 4月 4日 第193国会 本会議

福島復興再生特措法改定案

 

――議事録――

※正式な議事録ができるまで、質問原稿を掲載します。

 私は日本共産党を代表し、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問します。
 三十一日と四月一日で浪江町、飯舘村、富岡町の一部と川俣町山木屋地区の避難が解除されました。残るは、福島第一原発の立地町である双葉、大熊両町と近隣五市町村の帰還困難区域で、避難区域の面積は三分の一、県土の二・七%に縮小されました。最大で一六万人、先月まで約七万九千人が避難生活を続けてきましたが、今回解除された四町村でも、帰還は一割未満にすぎません。
 安倍総理は、政府主催の追悼式典で、原発事故という言葉を一切使いませんでした。内堀雅雄福島県知事が「違和感がある」と指摘したのは当然です。菅官房長官は避難解除が進んでいることなどに触れていたと弁明しましたが、「解除」さえすれば、復興は進んでいるとお考えですか。菅官房長官に伺います。

 ふくしま法は、地震、津波被害に加え、原発事故という三重苦に見舞われた福島県の復興をはかるため、既存の法律や制度の枠を超えた特別の立法が必要であるとして、地元の強い要望もうけ、二〇一二年三月に成立しました。
 まず、ふくしま法には「原子力政策を推進してきたことに伴う国の『社会的な責任』」と明記されています。原発事故とその後の長い被害について、国と東電の責任が改めて問われています。三月十七日前橋地裁は、国と東電は事故を防ぐことが可能で、「国が規制権限を行使しなかったことは著しく合理性を欠き違法」であると断じました。国は控訴しましたが、原発事故に対する責任はない、という立場なのですか。

 ふくしま法の基本理念は「住民一人一人が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにする」とうたっています。実態はどうでしょうか。
 今村復興大臣。三月十二日のNHK討論番組で「ふるさとを捨てるというのは簡単だが」と発言されたのは、断じて許されません。「事故前には田畑をつくり、山菜をとって、ふるさとの恵みで暮らしてきた。帰っても、田畑には汚染土を詰めた袋が山積みだ。どうやって暮らしていけばよいのか。」という声がおわかりですか。私がお会いしてきた多くの避難者の方々の誰もが福島を思い、ふるさとにもう帰らなくてよい、という声を聴いたことはありません。たとえ帰らないと決めた人も同じです。発言を撤回し、謝罪すべきです。

 三月末で災害救助法にもとづく応急仮設住宅の無償提供が打ち切られました。いわゆる自主避難者の住宅確保はどのようになっているのか、伺います。
 いじめを受けているのは子どもたちだけではありません。大人たちも、避難先を転々とする中で、どれほどの言葉や扱いを受けてきたか。また、子どものためにと決意したお母さんたちも、経済的困難から避難生活を続けられなくなり、しかし帰っても周囲の目に耐えられず再び避難先に戻った方もいます。
 子ども・被災者支援法第二条基本理念には、「被災者一人一人が他の地域への移動および移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができる」と定めています。前橋地裁判決が、「避難指示が解除されたからと言って、帰還しないことが不合理とはいえない」と述べたことも重要です。
 住宅支援の打ち切りが帰還の強制になってはなりません。答弁を求めます。

 避難指示が解除されると、帰還するしないにかかわらず、一年後に精神的損害に対する賠償が打ち切られます。コミュニティを含め元の生活に戻れず、商売が成り立たないなど、帰還しても、避難を続けても、新たな困難によって被害は続いており、賠償は継続するべきです。また、原子力賠償紛争審査会中間指針には、避難区域の営業損害について、事故前と同等の営業活動を営むことが可能になる日まで、賠償を続けることが合理的だとあります。この趣旨を生かして営業損害の賠償も行うべきと考えますが、お答えください。

 本法案の最大の中心は、帰還困難区域のなかに「特定復興再生拠点区域」を定め、五年後をめどに帰還できるようにするというものです。
 まず、「復興拠点」整備のための除染などの費用について、国の負担とするとしたのはなぜですか。除染特措法で「東京電力の負担のもとに実施する」とした汚染者負担の原則に反するのではありませんか。
 安心して暮らせるためには、除染の徹底が不可欠です。そもそも帰還困難区域とは、年間積算線量が五〇ミリシーベルトを超え、「将来にわたって居住を制限することを原則」とした地域です。これから五年も待って、年二〇ミリシーベルトを下回ればよいという考えですか。回りは手付かずのまま、わずかな拠点地域のみが整備されても、いったいどれだけの住民が戻れるでしょうか。元の居住エリア全域の除染を明確にすべきです。
 そもそも、想定していなかった帰還困難区域の除染や公共事業の予算をどのように確保するのですか。復興庁もあと四年で廃止、ではなく、責任を果たすべきではありませんか。答弁を求めます。

 法案には「福島国際研究産業都市」いわゆるイノベーションコースト構想の推進を位置付けました。県が廃炉、ロボット、農林水産業などの国際的な共同研究開発をすすめる区域を重点推進区域として定め、整備された拠点に研究者や観光客の集客を行うとしています。イノベーションコースト構想の財政規模、国と県の負担はそれぞれどのようになりますか。
 本構想が住民の暮らしと生業の再生、地元事業者の再建と雇用の創出にどのように寄与するのか、伺います。

 最後に、福島県民は、事故収束、廃炉作業に関わる事故の危険と絶えず隣り合わせの生活を余儀なくされています。まして、福島第二原発の再稼働の可能性を残しながら、復興、再生などありえません。全基廃炉は、県議会でも繰り返し決議され、県民の意思は明確です。事業者任せではなく、原子力政策を推進してきた国自らの責任で判断するべきです。
 以上述べて、私の質問とします。

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