国会質問

質問日:2017年 3月 17日 第193国会 厚生労働委員会

HPVワクチン問題について(1)

事実関係を調査せよ
高橋氏 HPV被害で厚労省告発

 日本共産党の高橋千鶴子議員は17日の衆院厚生労働委員会で、子宮頸(けい)がんワクチン(HPV)接種後の健康被害をめぐって、厚労省がワクチンと健康被害との因果関係を否定しようと世界保健機関(WHO)の委員会と下打ち合わせなどをしていた問題を告発しました。
 HPVは2013年の定期接種開始後に健康被害が多発し、3カ月で接種勧奨が中止されました。その後、同省は疫学調査研究などを実施。健康被害を受けた女性は国と製薬会社を相手に損害賠償訴訟を起こしています。
 厚労省は14年2月26日、健康被害とワクチンの因果関係を指摘している国内外の学者を招き、非公式な意見交換会を開きました。
 高橋氏は、同省の当時の担当者が、WHOワクチン安全性諮問委員長を通じて因果関係を論じる学者に反論するために、その分野での研究実績に乏しいのに因果関係を否定する立場の学者を急きょ意見交換会にビデオ参加させたり、WHOの「ワクチン安全声明」にまで同省が関わっていたことを示すメールを示し、事実関係を調査し厚労委員会に報告するよう同省に求めました。
 塩崎恭久厚労相は、不適切な経緯は認められないとしつつ、事実関係を調査する考えを示しました。
(しんぶん赤旗2017年3月21日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、HPVワクチン、子宮頸がんワクチンとも呼ばれますが、この問題について質問したいと思います。
 二〇一三年四月に定期接種が開始され、わずか三カ月で厚労省は積極的接種勧奨を中止しました。このHPVワクチン接種で健康被害を受けたとして、国と製薬会社を相手取っての集団訴訟が東京、大阪、名古屋、福岡の各地裁で起きています。原告は十代から二十代の女性百十九人、国側は、原告が副作用とする症状は医学的に広く認められてはいないとして争う姿勢と報じられています。
 きょうは、訴訟の中身そのものに入るつもりはないんです。聞きたいのは、国としては、このHPVワクチンと、訴えられている健康被害との因果関係はないと結論づけたのでしょうか。
○福島政府参考人 御指摘の訴訟につきましては、現在係属中でございまして見解を述べることは差し控えたいと思いますけれども、厚生労働省としては、HPVワクチン接種後に起きた接種との因果関係は必ずしも明らかでない、いわゆる有害事象によりまして長期に苦しんでいる方がいらっしゃるのでございまして、そのことにつきまして非常に心を痛めておりまして、こうした方々に寄り添いながら支援を行っていくことが何よりも重要であると考えております。
 そのために、平成二十七年九月に打ち出しました方針に基づいて、速やかな救済、医療的な支援の充実、生活面の支援の強化などのさまざまな取り組みを進めているところでございます。
○高橋(千)委員 中身に入らないと言ったんですから、余計なことを言わないでください。私は、裁判のことではなくて、ここで紹介されている声を言っているだけですから。
 この資料の一枚目の東京地裁での第一回口頭弁論の中で、朝日新聞二月十四日付ですけれども、「以前のように皆と笑い合った日々を、体を返してください」と訴えたと。原告らが法廷に立つというのは、やはり並大抵の決意ではありません。この声をしっかりと受けとめて対応していただきたいと思うんですね。
 この報道の中にも書いているんですけれども、「日本産科婦人科学会は今年一月、早期再開を求める声明を改めて出した。WHOも「いかなる安全性上の問題も見つかっていない」とワクチン接種を勧めている。」と報じております。
 そこで、二枚目ですけれども、二〇一四年二月二十六日の東京新聞。見出しは「子宮頸がんワクチン中止訴え 「アルミが副作用原因」」というふうな報道なんですね。これはよく中身を見ますと、同年二月二十五日に東京都内で国際シンポジウムが開かれて、シン・ハン・リー米エール大元准教授が、「子宮頸がんを引き起こすウイルスのDNAがアルミニウムに吸着し、人体に激しい自己免疫疾患を引き起こす」、こういう見解を示したとあります。そのほかにも内外の医学者が集まってシンポジウムを開いたと。
 この記事の下の方に、二十六日午後、つまり翌日ですよね、「厚労省は二十六日午後、専門部会を開き、現在中止している接種勧奨を再開するか検討する。」また、その午前、「シンポジウムに参加した」、つまり、今言った「シンポジウムに参加した医学者も呼んで意見を聞く場を設けるが、専門部会の議論に反映させるかは分からないとしている。」
 そこで伺いますが、ここで言っている意見を聞く場、二月二十六日、これはどういう性格なんでしょうか。
○福島政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会でございますが、これは平成二十六年二月二十六日に開催いたしました健康局長が参集した私的な会議でございます。
 この意見交換会は、HPVワクチンにつきまして、国内や諸外国で得られている研究成果や、それらに対する公的機関が行った評価結果など最新の科学的知見を的確に把握し、予防接種施策に反映することを目的として、国内外の学識経験者からヒアリングを実施したものでございます。
○高橋(千)委員 まず、健康局長の私的な意見交換の場という位置づけでありました。これもまた、こういうことをやるのかなと思って不思議に思ったんですが、しかし、ちゃんと議事録がアップをされております。
 その中で、最初に佐藤敏信健康局長がこの趣旨を述べているんですよね。要するに、もうWHOや国際的な海外の当局からも安全性に関する声明などもお聞きしている、安全性についてほぼ明らかになりつつある、そういった上で、今なお一部の学者、研究者から懸念が出ている、これらの意見は必ずしも国際的に幅広く理解されているものではないと考えるけれども、一応お聞きする必要があると考えました。かなり失礼ですよね、専門家を呼んでおいて、一応お聞きすると。
 でも、本当にそうなんです。そうなんですというのは、これを見ますと、今最初に読み上げた記事にあるシンポジウムに出たシン・ハン・リーさんや、フランソワ・ジェローム・オーチェ医師、元東海大学医学部教授の堺春美氏など三人が発表者として招聘されて、そのほかに、あとは審議会のメンバーなどが参加しているんですね。
 発表者は三人なのに、そのほかに、有識者の中にヘレン・ペトウシス・ハリス氏、ニュージーランドのオークランド大学のワクチン部長をビデオ会議という形で参加をさせて、いきなり、このシン・ハン・リー氏の、たった十分ですよ、呼んでおきながら十分発表させたら、直ちにこのヘレンさんに、座長が指名して反論せよと言っているんですね。ちゃんと用意周到にスライドを出してきて、報告をとうとうと始めるわけです。
 わざわざ専門家を招聘しておきながら、十分の発言の後には、反論の余地もないほど次々と発言をする。つまり、発表者が反論できない、余地を与えずに周りの人が発言をする、これは本当に不思議だなと思いました。また、メーンの発表者でもないのにビデオ会議で参加させる、これもレアな気がいたします。
 そこで伺いますが、この二月二十六日の後、三月十二日に、WHOのワクチンの安全性に関する世界諮問委員会、GACVSが、ワクチン接種の継続的安全性に関する声明を発表しています。厚労省は、こういうときに、意見交換会に誰を招聘したらいいですかとか相談したりするんでしょうか。
○福島政府参考人 WHOのワクチンの安全性に関する世界諮問委員会、GACVSでございますが、これは御指摘のように、平成二十六年三月十二日に、HPVワクチンの安全性につきまして、引き続き科学的知見に基づき評価を行う必要があることなどを内容とする、HPVワクチンの安全性に関する声明を出したことは承知をしております。
 このワクチン安全性諮問委員会、これはワクチンの安全性について検討する独立した専門家の集まりでございまして、こういう声明を出す際に、同委員会が独自に適切に判断した上で声明を出していると考えております。
 私どもとしては、こういうGACVSにつきまして、その声明の内容というものについて、特段意見をお出しするようなことはしておりませんし、メンバーの選定、先ほど言いました意見交換会のメンバーの選定等については、この中の専門家のいろいろな人たちに御意見を頂戴する場面はいろいろな形でございますけれども、それはGACVSとしての御意見として求めているようなことはございません。
○高橋(千)委員 国際会議に参加をした方が、翌日、これは自然ですよね、反対の意見もあるから意見を一応お聞きすると健康局長がおっしゃった。そこにわざわざビデオ会議で参加をしてきた方が反論するわけですよね。こういう方に対して、誰を呼んだらいいのかと相談したんでしょうか。
○丹羽委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。
 福島健康局長。
○福島政府参考人 今の御質問でございますが、先ほどの私的検討会のそこのメンバーにつきましては、GACVSの委員長に私ども相談をして、どういう方に御参加いただいた方がよいかということについての御意見を頂戴したことはございます。
○高橋(千)委員 相談があったとお認めになりました。
 では、塩崎大臣に伺います。
 薬害オンブズパースン会議が、二〇一六年十一月二日付で、子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会に対する質問書を提出しております。承知をしていますか。また、承知しているとすれば、その質問書をいつごらんになったでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただいた質問書でございますけれども、これは、私が報告を受けたのは、平成二十八年、去年の十一月七日に担当部局から報告を受けております。
 内容についてそのとき知ったところでございまして、質問書の内容については、そこまでは構いませんか。HPVワクチンについて平成二十六年二月二十六日に反対派と推進派の双方の専門家を招いて開催された子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会に関して、事務局である厚生労働省と参加者の一人でありますヘレン・ペトシウス・ハリス氏などとの電子メールのやりとりを薬害オンブズパースン会議が問題視した、そういうものだというふうに承知をしております。
 薬害オンブズパースン会議が問題とした内容は、当時の関係者へのヒアリングや提出をされた資料などの確認を私どもとしてさせたわけでありますが、その結果については、ニュージーランドから参加をした研究者の提出資料について、英語の訳として片仮名が記載をされていたものが、削除するよう助言をしたものなど、意見交換会を円滑に実施するための準備を進めていたものなどであったというふうに聞いているわけであります。
 当時のやりとりを含めた一連の経緯に不適切と認められるような行為はないものというふうに考えているところでございます。
○高橋(千)委員 思ったより丁寧にお答えいただきましたが、不適切はないとおっしゃいました。
 質問書の中には、今回の意見交換会に当たって、反論を用意するために、WHOのGACVS委員長と厚労省の課長補佐が連絡をとり合って、ヘレン氏にビデオ参加させたなど、水面下でやりとりをしていたことを告発しており、また、その証拠として、ニュージーランドの情報公開で得たメールも添付をしてあります。
 一部紹介します。
 二月十八日、GACVSのロバート・プレス委員長からヘレン医師へ、そのビデオ会議に参加した人。至急。私は現在、WHOのワクチン安全性諮問委員会のメンバーであり、また日本の厚労省のドクター難波江功二に協力するため、彼の代理人としても、このメールを書いています。あなたが書かれた仮説、これは、このヘレンさんという方がウエブにちょっとした論文を書いているわけですが、さらに突っ込んだ疑問に答えられそうな人は誰か、アドバイスをいただけませんか。GACVSもDNAの問題についてまだ詳しく検討できていません。
 その日のうちにヘレンさんから返事が来ています。私がこの問題の専門家であるかどうかはわかりませんが、博士課程の研究の一環で何年か前に検討した経験はありますと返信しています。
 だから、このやりとりだけで既に、WHOもヘレン氏もこの発表された問題について研究実績に乏しい、つまり、猛烈反論しているんですが、ではそのことを詳しく研究してきたかというと、そうじゃないということを告白しているんです、お互いに。
 同日の午後には、厚労省の難波江課長補佐、当時です、お礼のメールが出されています。
 そして二月二十一日には、電話会議をやる、これは多分作戦会議に値すると思うんですが、難波江氏が関係者一同にメールを送っています。厚労省の阿部氏、意見交換会の座長である国立感染研の倉根一郎氏、そして元国立感染研の吉倉廣氏。
 意見交換会翌日には、難波江氏から関係者にもう一度メールを宛てています。本日、日本で行われたHPVワクチンに関する二つの会議は非常にうまくいきました。二つの会議というのは、意見交換会とその後の審議会の両方のことを言っている。既にメディアは今回の会議を取り上げています、中立ですと。そんなことを喜んでいるわけで、何万回でもお礼を言いたいと言っている。そして、WHOワクチン安全性諮問委員会の同僚の皆さんに多大なる御支援と励ましをいただいたことに、感謝を申し上げます。我々の委員会が一、二カ月以内に結論に達して、予防接種プログラムを前進させることができるようになることを心から願っています。
 大臣、資料をごらんになったと先ほど言いました。このメールは、さっき言ったように、ニュージーランドの研究者が情報公開したものをオンブズパースンが本人の了解の上にいただいたものであります。このままにしてはおけないと思いませんか。かつて、薬害イレッサの下書き事件のときは厚労省として調査委員会を立ち上げました。相手はWHOですので、本当に世界の権威であり、WHOが何か言えば、そうかなと言わせるわけです。だからこそ慎重でなければなりません。事実関係を徹底調査し、本委員会に報告するべきですが、いかがでしょうか。
○福島政府参考人 お答えします。
 まず、ハリス氏でございますけれども、ハリス氏は、オークランド大学の予防接種センター予防接種・ワクチン部長でございますし、また、所属する大学のホームページなどから、HPVを含めたワクチンの専門家として認められているわけでございまして、こういう方でありますから、意見を伺う必要があるというふうに判断をして招聘をしたものでございます。
 そういう面で、私ども、この意見交換会自体につきましても、賛成する立場、あるいは、影響があるという立場、ないという立場、いろいろな立場の専門家の皆さんから広く御意見を頂戴する会として開催しているものでございますから、適切に開催されたものというふうに考えております。
○高橋(千)委員 皆さんの方が専門家なんだから、わかっていると思うんですよ。ワクチンの担当といったって、さまざまあるわけでしょう。この日、発言をされたシン・ハン・リーさんの、ウイルスのDNAがアルミニウムに吸着する、ここの部分に反論しなきゃいけないというので、GACVSが誰か知りませんかというメールを送ったんじゃないですか。
 もう一回読みますよ。
 HPVのDNAに関して、特に、いわゆるDNA断片に結合したアルミニウムの役割とそれによる影響について、あなたが書かれた仮説に関して、さらに突っ込んだ疑問に答えられそうな人は誰か、アドバイスをいただけませんか。DNA断片が悪影響をもたらすのかどうかという問題はこれまでも検討されてきていますが、これらの断片の存在による影響と言われるもっと曖昧な問題について書かれているのは、あなたの記述が唯一です。あなたの記述が唯一です。GACVSもDNAの問題についてまだ詳しく検討できていません。
 専門家なんという領域じゃないわけですよ。それぞれに領域があって、この人が全く素人だと言っていません、だけれども領域というものがあるわけでしょう。だから、今回の意見に対して反論できる人がいないから何とかしてくれないかといって頼み込んだんじゃありませんか。そして、この難波江氏が、その後になって、彼女がつくったスライドに対してあの意見を言った。これは片仮名を直すとかそういう問題じゃありません。そういうことをお認めになりますか。
○福島政府参考人 お答えいたします。
 まず、議員御指摘のアジュバントの問題あるいはその他の問題です。アルミニウムアジュバントの問題でございますけれども、これは、ワクチンの効果を高めるために広く、HPVワクチンだけでなく、例えば小児用肺炎球菌ワクチンあるいはB型肝炎ワクチンにも使用されておりまして、そういう面では、安全性については評価をされておるというふうに考えております。
 また、先ほど申し上げましたように、ハリス氏については、ワクチンの専門家ということでございますので、この方を招聘したこと、ここについて御議論いただいたことは適切であるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 全然答えになっていないじゃないですか。領域があると言ったでしょう。それに対して本人が認めているわけですよ、専門家と言えるかどうかわかりませんがと。
 大体にして、今アジュバントの問題が一般的なものだというんだったら、日本にだって専門家はいるとか、もっと簡単に見つけられるはずでしょう。GACVSが、誰かいませんか、至急なんてメールを送らなくたってできるはずですよ。おかしいじゃありませんか。
 大臣、それはおかしいと思いませんか。しっかりと調査をして報告すると答えていただけますか。
○塩崎国務大臣 一通りは調査をしたということでございまして、今御指摘をいただいておりますけれども、一連の経緯に、私がさっき申し上げたとおり、不適切なものは認められないということではありますが、今の問題意識を受けて何があり得るのかは考えてみたいと思いますけれども、いずれにしても、子宮頸がんワクチンの問題も、子宮頸がんをどう回避するかという大きな枠組みの中で、科学的に、冷静に、やはり時間をかけてしっかりと検討していくということが大事だということを私は常々申し上げているところでございます。
○高橋(千)委員 これで終わりますが、何があるか考えてみたいと言ったことをきちんとやってください。資料は提出いたします。
 意見交換会の後に審議会を開いていますが、意見交換会の座長だった倉根氏が招いたメーンの発表者の発言についてはたった三行ですよ。たった三行しゃべって、あと反論を十五行も、こんなにたくさんの反論があったと報告しているんですよ。このこと自体がもうできレースです。そうしたことを言っておきながら、この後の臨床研究法案、本当にただす立場に立てるかなという懸念を申し上げて、一旦終わります。

 

――資料――

2017年3月17日厚生労働委員会提出資料

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