国会質問

質問日:2015年 6月 19日 第189国会 厚生労働委員会

労働者派遣法改悪案に対する反対討論

○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました労働者派遣法改正案について、断固反対の立場から討論を行います。
 もともと本法案は、昨年二度も廃案になったものであり、本来提出すべきではありませんでした。委員会審議では、冒頭から政府答弁の混乱や訂正が相次ぎ、審議が尽くされたとは到底言えません。
 審議入りを前に、いわゆる一〇・一問題が表面化しました。十月一日施行の労働契約みなし制度について、大量の派遣労働者が失業、訴訟が乱発するおそれなど、何が何でも本法案を九月一日施行で成立させ、みなし効果をなきものにしたいという、経済界の思惑をあからさまに正当化した資料であります。それも相手によって説明を使い分けるという悪質さで、国会審議を形骸化しました。このことだけを見ても、本法案は廃案にするべきです。
 さらに、本法案によってみなし制度は効果が極めて限定的になるのにもかかわらず、期間制限に抵触する場合における派遣先の直接雇用申し込み義務というわずかにあった規定さえも、みなし制度の施行を理由に削除したことは重大であります。
 そもそも職業安定法四十四条は労働者供給事業を禁止しており、政府自身も、労働者派遣は臨時的、一時的業務に限る、常用雇用の代替であってはならないと説明してきました。本法案は、この大原則を根底から覆すものであり、到底容認できません。
 今回の改定では、事業所の派遣受け入れ期間は三年としますが、過半数労働組合等から意見を聞きさえすれば、際限なく延長できます。個人単位の期間制限も、三年を上限とするものの、課をかえればずっと使い続けられます。さらに、派遣元で無期雇用であれば、期間制限は一切適用されません。これでは、正社員から派遣労働への置きかえが大規模に進むことは明らかです。
 重大なのは、個人単位の期間制限は、派遣法が禁止する特定目的行為につながるおそれがあることです。政府は、三年ごとに課をかえることでキャリアを見詰め直すと説明してきましたが、そのためには派遣先がどの派遣社員か指定せざるを得ないのは自明なのに、派遣元が決めると答弁を繰り返しました。まさに改正案の欠陥であり、断じて認められません。
 また、派遣労働者のキャリアアップ措置と雇用安定措置は、いずれも実効性がなく、正社員になれる保証はありません。多くの派遣労働者がキャリアを持ちながら雇用の調整弁として首を切られていることは、質疑でも、参考人質疑でも告発されてきました。それどころか、専門二十六業務を廃止することで三年後の雇いどめが表面化したのに対して、政府が全く無策であることは厳しく指摘したいと思います。
 本法案は、昨年廃案になった政府案に与党修正を盛り込んで再提出されました。しかし、参考人からも指摘されたように、臨時的、一時的原則を法定する一方で、事実上期間制限がなくなる、派遣労働者がふえれば速やかに見直しを行うなど、相反した内容で、極めて矛盾した法案になっています。
 以上、このような矛盾、欠陥だらけの本法案は廃案にするほかないことを強く申し述べて、反対討論といたします。(拍手)

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