国会質問

質問日:2006年 6月 9日 第164国会 厚生労働委員会

がん対策基本法案への意見表明

――議事録――

○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 提案されました、がん対策基本法案について、意見を述べさせていただきます。答弁は要りません。
 先般の健康保険法審議の中で参考人からも意見があったように、がん対策基本法については、患者や家族、関係団体からも強い要望があり、私自身も、今国会で成立させるべきと考え、そのために、各党の一致点を探るべきだと主張してまいりました。与党、民主党の協議が調わず、結果として、別々に案が提案されるという経過をたどったわけでありますが、そうであるならば、それぞれの案について十分な審議がなされ、その上で、一本化への合意を形成することが、本来のプロセスであったろうと思われます。
 残念ながら、今回の経緯は、少数野党への配慮を欠いた対応がされたと指摘せざるを得ません。がん患者、家族の強い要望を受けてここまで歩んできた経緯を踏まえれば、このような事態は極めて残念なことであります。今後も、さまざまな課題について、国民の要望にこたえ、党派を超えて決議を行う場合があり得ます。あえて一言申し上げさせていただきました。
 がんは、依然として、死亡原因の最も高い疾病であります。この疾病から国民の命と健康を守るために、原因の究明、予防、治療の前進、早期発見、早期治療の体制、そのために、必要かつ適切な医師や看護師等の確保、病院や施設の整備、地方自治体と医療機関の連携など、さまざまな施策を総合的に推進することが強く求められています。この推進に当たっては、国が責任を持つべきことは言うまでもありません。全国どこでも適切ながん医療が保障され、最新の医薬品や治療法情報についても、受けることができるように十分配慮されるべきであります。
 とりわけ、がん患者、家族の意見を施策に反映することが重要であります。抗がん剤の使用、最新情報の収集と公開、高度な医療機関の整備、緩和ケアの充実などは、患者、家族にとって切実な要望となっております。
 今回、一本化された基本法が、厚生労働省内にがん対策推進協議会を設置し、がん対策推進基本計画の案の作成段階において、関係行政機関だけでなく、がん患者、家族、遺族など、当事者の意見聴取を行うとしたのは、評価できるものであります。
 がん対策の前進にとって配慮されなければならないことは、インフォームド・コンセント、自己決定の権利の尊重であります。これは医療の大原則であり、深刻な病であれば、なおさら尊重されるべきであります。
 また、先進医療への期待と混合診療の拡大によって、経済的負担が増大することは避けなければなりません。本法案の大きな目的でもある地域格差が克服されていっても、所得のあるなしによって命に格差が起きることは、あってはならないと思います。
 また、薬害によるがんの発生など決して許してならないことも、言うまでもありません。
 我が党は、がん対策が不十分な現状と国民要望の広がりを念頭に、今回のがん対策基本法案が、おくれているがん対策を少しでも前進させ、患者や家族の深刻な現状を改善する一助になるものと考え、賛成したいと思います。
 以上述べて、意見とします。

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