国会質問

質問日:2013年 3月 19日 第183国会 厚生労働委員会

3ワクチンの定期接種化の財源、負担増にならぬように

(写真)質問する高橋ちづ子議員=19日、衆院厚生労働委

(写真)質問する高橋ちづ子議員=19日、衆院厚生労働委

 ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頚がんの3ワクチンの定期接種化を盛り込んだ予防接種法一部改正案が19日に衆院厚生労働委員会で全会一致で採択されました。
 日本共産党の高橋ちづ子議員は、3ワクチンの定期接種化は、細菌性髄膜炎で子どもをなくした親や子宮頚がんの当事者の訴えが全国に広がり、自治体からも声があがり「ワクチンの必要性が認められた」ものだと述べ、おたふく、水疱瘡(ぼうそう)など求められる他のワクチンも早期に定期接種化するよう促しました。
 同時に高橋氏は、今回の3ワクチンの定期接種化の財源に、子ども手当創設による年少扶養控除廃止による地方増収分が充てられていることを指摘。子ども手当は所得制限のある児童手当に戻したのに、年少扶養控除が廃止されたままでは「子育て世代は増税になってしまう」と批判。自民党が選挙公約で「年少扶養控除の復活」を掲げていたことも示し、年少扶養控除を復活させ、ワクチンのための財源もしっかり確保せよ、と田村憲久厚労相に求めました。
 厚労相は「公約はその通りだが、一度変わった制度を元に戻すと、子育て家庭が(支給額がどうなるか)予測がつかない」などと説明。高橋氏は「新たな財源をみつけて子育て世代を手厚くすると大臣が発信すべきだ」とせまると、厚労相は「将来的に復活となれば、違った財源措置をしなければならない」と述べるにとどめました。
(しんぶん赤旗 2013年3月20日より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、先ほど来ずっと、ドクターである委員の皆さんが専門的な議論を展開されておりまして、大変気おくれをしておりますけれども、私自身は、専門家ではありませんが、予防接種法を初め、法案のたび重なる改正の議論に参加をしてきた、そういう立場で議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 先ほど来、まず、そもそも、この法案が非常にこれまでにない大きな改正であるという人と、いや、そうではない、小さな改正であると、さまざまな議論がありました。私は、やはり、目的規定が変わっているということ、そのこと自体が非常に大きな意味があるのではないか、このように思っております。
 予防接種法第一条の目的規定が、「公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、」という表現だったものが、「国民の健康の保持に寄与するとともに、」という表現に変わりました。私は大変大きな変化だと思いますが、その趣旨は何でしょうか。

○田村国務大臣 今、予防接種に関しまして、法律におきまして、公衆衛生の向上及び増進という部分が抜けたというところが大きな今回の改正の意味がある部分ではないかというようなお話でございました。
 もちろん、感染症に対する発生でありますとか蔓延、そういうものを防ぎながら公衆衛生の向上、増進を図っていくということが全く抜けておるわけではないんですけれども、ただ、公衆衛生という意味からすれば、戦後、これは制定当時、二十三年だったと思うんですが、そのころから比べれば、かなり公衆衛生は向上してきておることは確かでございまして、他の法律も含めて、公衆衛生の向上という部分も必要ではありますけれども、それのみならず、他の目的というものが強くなってきておることは事実であります。
 この法律に関しましても、今回、もちろん、ここに書いてありますとおり、「公衆衛生の見地から」という言葉が入っておりますから、公衆衛生が全く意味のないという意味ではないんです。もちろん必要なんですけれども、同時に、国民のそれぞれの皆様方の健康というもの、こういうところにも重きを置くような時代になってきておりますので、そのような意味のところもこの目的規定の中に入れさせていただいたということであります。
 ちなみに、そんな中におきまして、今回、B類というものをつくりながら、そこでそれぞれの個人の健康を鑑みながらの政令での追加というようなことを法律の中に盛り込ませていただいておるわけでございますので、御理解をいただければというふうに思います。

○高橋(千)委員 御理解をと、別に批判しているわけじゃないんです、大臣。抜けたのが問題だと言っているんじゃなくて、健康の保持というのが加わったのが大きな意義でしょうということが私は聞きたかったのであって、何かそれが問題であるかのように受けとめられると、ちょっと困っちゃうんですね。
 これは、一類、二類というのがA類、B類という表現になったんですけれども、蔓延のおそれがある、そういう範囲だけではなくて、やはり重篤化を防ぐという、だって、それこそ、先ほど来議論されている子宮頸がんワクチンでいうと、蔓延するという話じゃないわけですからね、一対一の感染であるんですから。だけれども、やはり予防効果があるということに着目をして、健康の保持ということが出てきたんだろう、そこで分類が変わって、目的も変わった、そこが言ってほしかったのであって、批判をしているのではなくて、ちょっと……。

○田村国務大臣 まさにおっしゃるとおりでございまして、公衆衛生上も大事でございますけれども、それぞれ国民お一人お一人の健康というものが大変重要でございまして、感染症を中心として、その重篤化というものを防ぐためにも、この予防接種というものに新たな目的を加えさせていただいたということでございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 やはり、認識の発展だと思うんですね。おっしゃったように、当時の時代背景からは大きく変わる中で、しかし、細菌性髄膜炎のお子さんを亡くしたお母さんたちや、あるいは子宮頸がんの当事者の運動が、本当に切実な訴えが全国に広がって、自治体からも声が上がって、やはりワクチンの必要性が求められた。もちろん、世界的に見たら日本は非常におくれているという客観的なデータもあるわけですけれども、それとあわせて、国民の訴えがあって、こうした改正が迫られていたんだろうと思っております。
 その上で、七ワクチンと言われているじゃないかとか、ロタウイルスが必要じゃないかということは、この間、先ほど来ずっと議論されていましたので、ここはぜひ、そういう立場に立って、早期に入れていくということで頑張っていただきたい。これは要望にとどめたいと思っています。
 そこで、今回の三ワクチンの予算については、五百二十二億円。年少扶養控除などの見直しによる地方財政の追加増収分の取り扱いについて三大臣合意が一月にされまして、そこで取り決めをされたわけであります。
 しかし、この年少扶養控除の廃止は、子ども手当の財源にするためにやられたものでございます。言うまでもありません。その後、子ども手当が粉砕されまして、児童手当に戻り、このままでは、むしろ子育て世代に増税になってしまうということを私自身も何度も指摘をいたしました。
 ですから、先ほど少し指摘があったようですけれども、総選挙の際の自民党の公約集であるJ―ファイルには、年少扶養控除を復活させますときっぱり書いていらっしゃいます。また、児童手当法の改正におきましては、自公民三党修正によって、附則に年少扶養控除のあり方を含め検討するということが書かれてありました。
 ですから、復活させますという公約との関係、あるいは、少なくとも、控除そのものを検討すると言ったんですから、どうされるのか、伺います。

○田村国務大臣 まず、事実関係として御説明させていただきますが、年少扶養控除等々の廃止に伴う地方増収部分に関して、現行の児童手当の地方負担部分、これに使っていないというわけではございませんでして、これに使った上でまだ余りある部分を、今回、こちらの予防接種の方に使わせていただいたということでございますから、そこは御理解いただいているというふうに思います。
 その上で、年少扶養控除を復活するということを自民党の公約の中に入れておるではないか、そのとおりでございます。
 ただ、一方で、一度変わった制度をもとへ戻すとなると、財源の問題が一つございます。
 財源を中立化してもとへ戻そうと思うと、支給金額をいじらなきゃいけないという話になってまいります。そうすると、現行と比べて支給金額が減った方、ふえた方、それは減税も含めてでありますけれども、そういうようなそごが生じてくるわけでありまして、かなり制度がくるくると変わっておる中で、さらなる変化がありますと、これは本当に、子育てに一生懸命取り組んでおられます御家庭の皆様方にとってみれば、予測不能の中で、一体どのように子育てのためのお金を使っていったらいいかわからないというようなお叱りもいただくわけでございます。
 現行、自民党の税制調査会の方でも、これに関しては検討課題ということになっておるわけでございまして、現状、足元に関しましてはそのような状況でございますが、いざ、将来的にこれが年少扶養控除復活ということに相なれば、当然、財源に穴があいてくるわけでありますから、そのときには違った財源措置をしなければならないということであろうと思います。

○高橋(千)委員 検討課題ということになって、もしそうなればとおっしゃったんですけれども、やはり、そうしようということを言うのは大臣しかいないと思うんですね。それぞれの省庁の責任者の方は、ほかの財源をどうとるかということに必死なわけですよね。
 ですから、先ほど、確かに、児童手当に使っていないわけではないとおっしゃいました。しかし、全体としては足りていない中で、今回、地方財政の増収分があったから、それをどう使いますかというので、子育てと関係ないものもいっぱいありましたよね、昨年も。例えば国保の関係ですとか、自動車取得税ですとか、そういうのまで出てきました。今回は、若干、小児用のワクチンですよということで、子育てに関係はしますよね、だけれども、ちっちゃいパイのとり合いにしかなっていなくて、プラス、プラスにはなっていないわけですよ。
 だったら、やはり振り出しに戻って、子育て世代に手当でやりますと言ったのに、それは自民党はばらまきだと批判しましたよ、だけれども、それにかわるものと言っていたと思うんです。だから、扶養控除の復活も含めて検討しますと言った以上は、やはり、新たな財源を見つけて、ちゃんと子育て世代は手厚くしますよということを大臣から発信しないと、多分、発信する人はいないと思うんです。いかがですか。

○田村国務大臣 もう一度、正確に私は発言申し上げますけれども、年少扶養控除を復活するというのは党の考え方で、党の税調等々で御議論いただいてお決めをいただくことになろうと思います。
 今言ったのは、そうなったならばというのは、そういうふうに党が決定したならば、そのときには財源はしっかりと確保しなければならないということを申し上げたのでありますので、そこは御理解をいただきながら、他の部分も含めてどうなのかというお話だったというふうに思うんです。
 この年少扶養控除等の部分で子育ての財源を確保するのか。これは、委員は消費税の増税をお認めになられていない、そういうお考えの立場に立たれますから、そうは言えないのだろうと思いますけれども、消費税を上げると同時に、七千億円ほどは子供に使おう、さらに三千億円どこかから探してこなきゃいけないねという議論を我々も一生懸命今やっておるわけでございますので、子供たちに使うお金をふやしていくという意味では、しっかり財源を確保してまいるということでございます。

○高橋(千)委員 まず、二つ、整理をしましょう。
 一つは、とにかくどうなっても財源は確保するということは、今、お話がありました。私は、当然、増税には反対をしていますし、また、プラス三千億はどこかからというレベルで、まだ決まってもいないというお話を、改めて大臣が確認をされました。
 やはり、税と社会保障の一体改革の中で、財源がないのだということを繰り返し言われたわけですけれども、一方では、赤字国債は今、年度の期限をとったという対比の中で、本当に社会保障の財源というものがないのだろうかという立場できょうは指摘をさせていただきましたので、これ以上はお話をいたしません。続けてやる問題ですので。
 そこで、ワクチン行政には副反応の可能性が避けられないということ、また、HPVワクチンの重篤症例が出ているという問題なども議論がされました。
 ただ、四月からということで、しかも副反応の報告が義務づけられたということでは、かなり急ぐ問題ですよね。要するに、医療現場の皆さんに周知徹底、あるいは患者の皆さんにそのリスクも含めて情報提供するということでは、かなり徹底が必要だと思いますが、その点について伺います。

○秋葉副大臣 先生今御質問の趣旨は、いわゆるワクチンの実施に伴うサーベイランスを強化しろという……(高橋(千)委員「リスクの問題とか、ちゃんと制度の周知を医師の皆さんに」と呼ぶ)
 厚生労働省のホームページや、あるいは、一部ワクチンについては新たなポスターも作成をしながら、普及啓発の充実強化に努めてきているところでございます。

○高橋(千)委員 この問題は、やはり四月からということでは、義務づけですので、かなり厳しいことでもありますし、罰則はないけれども義務づけということなので、本当に効果的にいくように、もう一声、ちょっとお願いしたかったということです。
 では、次のところに重ねて答弁いただければと思います。
 実は私、二〇一一年の七月に、この問題、予防接種法のときに質問をしているんですけれども、感染症が、どういうものが、どういう地域で、どのように起こっているかということで、やはりサーベイランスが、今もされているんですけれども、全数把握が必要ではないか、そうでなければ本当に実態はわからないのではないかという指摘をしております。
 それについて、今後、ちょっと前進があるのかないのか、いかがでしょうか。

○秋葉副大臣 普及啓発については、先ほども申しましたように、さらに充実強化に努めてまいりたいと考えております。
 その上で、先生御指摘の、ワクチンの有効性を適切に評価するためにも、ワクチンにより予防可能な感染症の発生動向を的確に把握することは、厚生労働省としても大変重要なことだというふうに認識しております。
 そのような観点から、平成二十五年四月一日より、Hibワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化を見据えて、新たに侵襲性インフルエンザ菌感染症及び侵襲性肺炎球菌感染症を感染症法上の全数届け出対象疾病とする、感染症法施行規則の改正を行って、強化をしてきているところでございます。
 今後とも、必要に応じて、予防接種に関連する感染症の発生動向調査の充実を図ってまいりたいと思っております。
 なお、定期接種化が検討されております水痘やおたふく風邪につきましては、現状ではやはり患者数が大変多うございまして、医師に過剰な負担をかける等々の問題も一方でございまして、引き続き、定点報告での発生の推移を見守ってまいりたい、このように考えているところでございます。

○高橋(千)委員 予防接種部会の第二次提言でも、新たなワクチンの導入策に応じて、サーベイランスに係る疾病や定点の設定を見直すべきであると指摘をしていまして、多分、今のお答えは、それで強化をしたという答弁だったと思うんですね。
 ですから、本当に今思い切ってやるんだという、新たなワクチンを追加したこのタイミングで強化をしていくこと、できれば全数把握を目指していくということをぜひお願いしたい。これは要望にとどめたいと思います。
 それで、副反応報告を薬事法の副作用報告と同じように一元化をするということで、ルートが一元化するということは簡素化であるけれども、範囲は広がるわけですよね、副反応ということで。
 そこで、それ自体はいいんですけれども、今、薬事法の改正を検討している検討部会の中で、副作用の報告先をPMDAに一元化することを議論されていると聞いております。そうなると、厚労省が一旦集めてというところが仮になくなってしまうと、ちょっと関与が弱まることにならないかという心配をしていますが、考えを伺いたいと思います。

○秋葉副大臣 医薬品の副作用情報につきましては、薬事法に基づいて、製薬企業及び医療関係者に対しまして、厚生労働大臣に報告することを義務づけているところでございます。
 製薬企業からの報告につきましては、その整理をPMDAにさせることとして、既に報告先をPMDAとしてきているところでございますけれども、厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会におきまして、医師や歯科医師、薬剤師等の医療関係者からの報告につきましても、より迅速な対応を図る観点から、報告先をPMDAに一元化すべきだとの御提言をいただいたところでございまして、先生御指摘のとおりでございます。
 このPMDAに報告された副作用情報につきましては、速やかに厚生労働省にも報告をいただくということになっておりまして、PMDAといわば共有化されるわけでございまして、PMDAが情報の整理、また、調査を実施して、その結果につきましても必ず厚生労働大臣に通知される、そういう仕組みになっております。
 医療関係者からの副作用情報の報告先がPMDAとなりましても、厚生労働省の関与が弱まるということにはならないというふうに考えております。
 引き続き、これまでにも増してPMDAとの連携を強化しながら、医薬品の安全対策に万全を期してまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 私がなぜこういう質問をしたかといいますと、やはり、薬害肝炎の議論をこの委員会で何度もしたときに、副反応報告の活用について、厚労省が、本当はあったじゃないかということが随分議論されて、それが一つの突破口になったということがあったわけですから、共有するということは大事なんだけれども、厚労省の関与がなくなるとうまくないよねということを指摘したかったんです。
 それで、最後に大臣に伺いたいと思うんですが、言うまでもなく、二〇〇八年一月十五日の薬害肝炎訴訟の基本合意文書にある第三者委員会について、田村大臣も議員連盟の呼びかけ人の一人として、我々とともに実現を目指していたわけでございますが、ぜひ、大臣として、これを閣法で提出していただければありがたいと思いますが、決意を伺いたいと思います。

○田村国務大臣 昨日、C型薬害肝炎の原告団の皆様方、それから弁護団の皆様方とお話しする機会がございまして、議員立法で御努力をいただくというような動きもあったようでございますが、なかなか、やはり当事者の皆様方は、この第三者委員会に関しては閣法で、内閣でつくってほしいというような御要望が強いようでございます。
 もちろん、平成十一年の閣議決定で、審議会等々の新設は原則しないということがございまして、やる場合にはスクラップ・アンド・ビルド等々の手法を用いなければだめだということでございますから、非常にハードルが高いことは事実でございますので、そんな中において、厚生労働省として、当事者の皆様方のお気持ちをどのように反映をしていくのか、しっかりと前向きに模索をしながら、何らかの対応をできればというような思いを込めて、努力はしてまいりたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 ハードルを乗り越える資料を原告団も随分積み上げてきて議論してきたというのは承知された上での答弁だと思いますので、ぜひ前向きな解決が得られるように期待を申し上げて、終わりたいと思います。

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