国会質問

質問日:2013年 3月 25日 第183国会 東日本大震災復興特別委員会

原発立地推進の反省を

 日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は25日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、根本匠復興担当相に対して、無謀な原発立地を推進してきたことへの反省はあるのかとただしました。
 高橋氏は、2月の福島県議会の代表質問で、自民党議員が原発事故について、「県民、そして被災者のみなさまに対して、ここに改めて陳謝するものであります」とのべたことを紹介。また、福島県議会の斎藤健治議長が、震災前日まで県連幹事長として福島第1原発の7、8号機の増設を主張してきたことについて「とんでもないことを推進してきた」と反省の弁をのべていることを紹介しながら、根本復興相の受け止めをただしました。
 根本復興相は「安全神話に陥った原子力推進政策であった。このことは深刻に反省しなければならない」という安倍晋三首相の国会答弁を読み上げ、「私も総理と同じ考え」とのべました。
 高橋氏は「自民党福島県連として推進し、震災直前まで増設を求めてきたことを率直に反省しなければならない。『一般論ではすまない』という認識で発言いただきたい」と指摘しました。
 根本復興相は「私も(大震災が起きた)3月11日以降、地元にいたので、さまざまな思いの中で今、答弁した」とのべるにとどまりました。
(しんぶん赤旗 2013年3月27日より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、大臣の所信に対する質疑でありますので、根本大臣の率直な答弁をお願いしたいと思います。
 二月二十五日の福島県議会で、自民党の代表質問者は、原発事故を引き起こしたことについて、県民、そして被災者の皆様に対して、ここに改めて陳謝するものであります、このように述べております。政権与党として原子力政策を推進してきたが、安全神話に陥っていたという安倍総理の国会答弁を引きながら、県議会の自民党議員会にも当てはまることだ、こういう率直な意見表明をしております。
 また、資料の二枚目に、三月二十一日付の東京新聞をつけておきました。もう既に話題になったので御存じだと思いますけれども、福島県議会議長の斎藤健治氏が、自民党本部で行われた、原発がある道県の議会議長を集めての調査会の会場で、事故を収束させず、再稼働ありきなら一緒に議論できないと主張し、途中退席したということが報じられました。
 この記事は、この斎藤氏に対するインタビューでありますが、真ん中の段のちょうど真ん中の行のところにこう書いてあります。「震災前日まで、県連幹事長として県議会で「福島第一原発の七、八号機を早く増設しろ」と知事にけしかけていた。」こういうふうに率直に述べているわけですね。
 原発を一基つくれば、推進派にとってどれほどのメリットがあるかをるる告白しつつ、しかし、震災直後の周辺の町村の本当に深刻な惨状、このことを見る中で、とんでもないことを推進してきたと素直に反省せざるを得なかったと述べていらっしゃいます。
 私は、この率直な言葉、本当に大事だなと思っています。県議会の中でも、我が党の議員は、共産党の指摘をしてきたとおりにしていればよかったなということを率直に自民党の議員さんからも述べられることがあるんですけれども、しかし、議会の中ではやはりオール福島で、本当に、責任を追及することよりも、少しでも被災者の立場に立ち、あるいは事故の収束に向けて頑張って、心一つにやってきたな、こういうふうに思っております。
 そこで、根本大臣に伺いますが、原発推進を図ってきた政府の中枢におり、かつ、自民党福島県連の一員としての率直な言葉を述べていただきたい、伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○根本国務大臣 今もお話がありました。総理も、二月十二日の衆議院予算委員会で、自民党の小泉進次郎議員の質問に対して次のように答弁をされております。我々は、政権与党として原子力政策を推進してきた、そして、それは安全神話に陥った原子力推進政策であった、このことは深刻に反省しなければならないと思います、改めて、このことによって深刻な事故が起こって、多くの方々に大変な被害を与えている、おわびを申し上げたいと思いますと。
 私も総理と同じ考えであります。私としては、原発事故からの復興に全力を挙げることで責任を果たしてまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 多分、総理のお言葉を引いてお答えになるんだろうなと思っておりました。
 ただ、質問に述べたように、やはり福島県連として推進を図ってきたこと、そして、震災の直前なんですね、これは私が前から指摘をしていたことなんですが、原発の増設を求めていた、そういうことを本当に率直に反省をしなければならない。一般論では済まないんだという立場に立って御発言をいただきたかったなと思っていますが、もし一言あれば、お願いします。

○根本国務大臣 私も、三月十一日以降、ずっと地元におりましたので、さまざまな思いの中で今答弁を申し上げました。

○高橋(千)委員 この続きは、原発推進政策そのものについては、また改めて機会を見て指摘をしたいと思います。やはり、この反省をきちっと踏まえるとなれば、少なくとも、先ほども話題になりましたけれども、十基廃炉は当然であろうし、また、福島がこのような状態で再稼働の議論があるということはあり得ないであろう、このことを重ねて指摘をしたいと思います。
 きょうは、ちょっと具体の話に入りたいので、ここにとどめたいと思います。
 もちろん、あわせて言っておきますけれども、だからといって民主党政権の責任を免罪するつもりはありませんので、そこは一言、言っておきたいと思います。
 そこで、きょうは下村文部科学大臣においでをいただいています。大変申しわけありませんでした。三月十三日に通告をしておりましたけれども、時間切れになりまして、言いっ放しになってしまいましたので、きょうはその答弁をぜひ伺いたいと思います。
 三月五日に、文部科学省が東電の廣瀬社長宛てに要請文を出しました。原子力損害賠償紛争解決センター、いわゆるADRセンターの昨年一年間の活動状況報告書に基づいて、三割以上が、東電への不満や要望が多かった、こうしたことを指摘しながら是正を求めました。十三日の予算委員会では廣瀬社長が、大変重く受けとめ、今後もしっかりやっていくと答弁しましたが、大変抽象的な答弁でもあったかと思います。私は、このADRセンターの活動報告書並びに要請書はかなり重いものがあると思っています。
 そこで、質問は、この文書に対する東電からの正式な回答はあったのかどうかが一つです。それから、要請文書は、中間指針に具体例のない損害について賠償に応じてくれない、こういう被災者の苦情が非常に多かったということを指摘して、東電に改善を求めています。ただ、東電は政府の中間指針を根拠としているわけでありますから、やはり、そういう具体例が積み上がったのであれば、政府自身が中間指針の見直しをするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○下村国務大臣 お答えいたします。またお呼びいただきまして、ありがとうございます。
 まず、文部科学省では、今月の五日、東京電力に対して、事故の被害を受けた方に対する誠意ある対応を徹底するよう改めて要請いたしました。
 この要請を受け取った対応については、二十一日木曜日、東京電力より事務的な経過報告がございました。現在、組織内における要請の周知と指導を徹底しつつ、要請に対する対応を検討中であるとの報告があったわけでございます。今後、改めて東京電力から速やかに正式な回答が来るものと認識しておりますけれども、仮に東京電力の対応に不十分な点がある場合には、私としても厳正に厳しく対応してまいりたいと思っております。
 その上で、中間指針に明記されていない損害は支払わないとの声が多く聞かれていると、この中間指針の見直しについての御質問もございました。
 原子力損害賠償紛争審査会が策定した指針は、類型化が可能で、一律に直ちに賠償すべき損害の範囲や損害項目を示したものであり、「指針で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得る。」と明記がございます。
 文部科学省においては、これまでも、今のように、東京電力に対して、個別具体的な事情に応じて誠意ある対応をするよう要請してきたところでございますが、この報告書において、中間指針に明記されていない損害は支払わないとの声が寄せられていると報告された等を踏まえまして、改めて、先ほど申し上げましたように要請したところでございます。
 この指針に関しては、平成二十三年八月の中間指針策定後にも、審査会において必要に応じて見直しを行っており、ことしの一月には中間指針第三次追補を策定し、食品新基準値の設定に伴う農林漁業の風評被害の損害について、新たな品目、区域を賠償の対象範囲として追加したところでもございます。
 今後も、原子力損害の発生状況等を踏まえつつ、審査会において、指針の見直しについて検討がなされるものと考えております。
 さらに、指針で示すことができない個々の損害については、原子力損害賠償紛争解決センターにおいて、多くの申し立てに共通すると思われる点に関して一定の基準を示す総括基準、これを策定、公開しておりますけれども、和解実例を順次公開し、東京電力に対し、これを参考にして柔軟かつ適切な対応を要請しているところでございます。
 文部科学省としては、引き続き、センターによる和解の仲介などの体制を強化しながら、被害者の方々に対して、迅速、公正、適正な賠償が実現するための取り組みを全力で進めてまいります。

○高橋(千)委員 類型化を図れるところをまずやっていく、その上で、そこにないものであっても相当因果関係があるものはということで、これまでも答弁がされてきました。この問題については、東電の対応は、因果関係はあるかもしれない、しかし相当程度はないと、言葉尻を捉えるような答弁をして、なかなか踏み切ってくれないというのが実態でありました。しかし、大臣は今、必要に応じて見直しはされるものという答弁をされましたので、ぜひ認識を一致させたいなと思うんです。
 私が指摘をしているのは、指針にないものといっても、例えば実費負担の部分ですとか、個々に違います。個々に違うものは、ADRセンターですとか、さまざまな現場で見直していかなければならないかもしれません。しかし、そういうことではなくて、共通して出されているものがあるんじゃないか、そこに対しての認識であります。それは、精神的損害の問題、そして財物賠償の、一〇〇%認めるといっても、それはあくまでも震災前の土地の評価額でありますから、それでは到底再建の補償にはならない、こうした声が共通して出されているという問題です。
 例えば、ADRセンターの報告書、ここにありますけれども、精神的損害に対する申し立てが全体の五割を超えています。これを踏まえて、精神的損害については、遺憾ながら東京電力が直接請求では増額に応じないのが現状であるため、増額の可否の判断は、当センターが現在果たすべき重要な役割の一つと述べております。大変踏み込んだ報告なんですね。
 だけれども、本当にADRがカバーできるというのは、まだまだ被災者の中のほんの数%でしかないわけですよね。だったら、そこをもっと踏み込んで、少なくとも今打ち切りではないですよねと。子供さんの放射線の被害、すごく感受性が強いということを認めている、でも、そのことでお母さんたちが悩んでいる、これだって精神的損害じゃないか、こういうことをこもごも、この間、やりとりをしてきたんです。
 そうした課題といいますか問題意識ということを、まず認識として大臣自身が持っていらっしゃるのか、ぜひきょうはそのことを伺いたいと思いました。下村大臣に。

○下村国務大臣 被災された方々のさまざまな御要望や問題意識をしっかりと受けとめて、そして、迅速、公正、適正な賠償が実現できるよう、文部科学省としては全力でさらに取り組んでいく必要があるというふうに思います。
 原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針は、類型化が可能で、一律に賠償すべき損害の範囲を示すものであり、被害者の御要望の全てを反映することは困難であって、これまでも、損害の発生状況に応じ、随時見直しを行ってきたところでもございます。
 このように、指針については可能な限り被害の実態を踏まえたものであることが重要と考えておりまして、審査会においても、今後、原子力損害の実態把握に努め、必要に応じて指針の見直しを図っていきながら、被災者の方々に寄り添った視点で文部科学省も東京電力に対して対応してまいりたいと思います。

○高橋(千)委員 最後におっしゃった寄り添った視点ということを貫いていただいて、ぜひ見直しをしていただきたい。繰り返し要望したいと思います。
 本当に、ここは指摘にとどめますけれども、浪江町請戸の被災者の皆さんは、津波で家を流された後に、あの原発事故で避難を余儀なくされています。だけれども、家を流されたのは津波のせいでしょうといって、賠償の対象になりません。でも、帰ることができませんから、いわゆる被災者生活再建支援法の自力再建の部分の、残り二百万円もいただくことができません。こういう実態が、何ともおかしなことになっているわけですね。
 でも、中間指針の第二次追補には、事故による損害か、地震、津波による損害かの区別が判然としない場合もあるから、柔軟にやってくれとまでは書いているんです。そういうところをもっと踏み込んで見直しをすべきではないか。きょうは指摘にとどめたいと思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、原子力規制委員会に質問をいたします。
 原子力規制委員会が、福島第一原発事故に関連して健康管理のあり方を研究して、三月六日付で提言を発表しています。その経緯と提言のポイントについて簡潔にお願いします。

○黒木政府参考人 お答えします。
 現在、福島県により実施されている県民健康管理調査については、事故早期及び長期的外部被曝線量の把握が一部にとどまっているという状況であることを踏まえまして、東京電力福島第一原発事故の被災者である住民の健康上の不安を解消し、安定した生活を実現するために、昨年十一月より、有識者検討チームによる五回の検討を経て、原子力規制委員会として三月六日に御指摘の提言を行ったものであります。
 具体的には、事故早期及び長期的外部被曝線量及びホール・ボディー・カウンターによる内部被曝線量の把握、甲状腺検査及び健康診査などによる健康状態の把握、健康管理調査の実施体制等について提言を行ったものでございます。
 以上であります。

○高橋(千)委員 残念ながら、今の答弁には中身のポイントが全然触れられていなかったなと。
 繰り返す時間がないので、私の方で少し指摘をしたいと思います。
 提言の概要ということでまとめていただいたので、それを資料の一枚目につけております。
 個々人の被曝線量を積算個人線量計等によって継続的に実測し、その記録を残すべきであるとか、甲状腺の超音波検査の実施結果を定期的に評価しつつ、必要に応じた健診を実施すべきであるとか、具体的な課題を述べていらっしゃると思うんです。
 現状を見ますと、さまざま指摘したいことはございます。例えば、比較したら大して違いがないじゃないかとか、有意的な差はないんだとか、そういうことをマイナスに捉えることもできます。
 しかし、私がきょう言いたいのは、この提言は、やはり継続的な評価が必要だということをきちんと述べていることであります。それは、先ほど話題になった低線量被曝に対しても、きちんと、今は結果が、今すぐ出たらおかしな話になってしまうということもあるわけですから、出なくても、やはり継続していくことが必要だ、あるいは、疫学的な研究が必要だと書いていること、私は、これはとても大事だと思うんです。
 そこで、申しわけないんですが、根本大臣にこれを見ていただいて、ポイントは、国が責任を持って継続的な支援を行う必要があると述べているんです。これは、福島県の医師会の副会長である木田光一氏がもっと具体的に述べていて、国の直轄事業として位置づけ、被害に遭った住民自身の健康維持や健康管理の支援策を講じていただきたい、住民自身の視点に立って、国による健康診査、健康診断事業の長期にわたる一元管理を国として実施していただきたい、こういうふうに述べているんですね。
 これはいろいろ経過があって、私たちは国でやってくれと言ったんですが、福島県が自力で始めて、基金という形で支援をしています。でも、結局、こうして長期に、あるいは一元的に管理をするためには、国が責任を持つべきではないかという提言が出されている。このことをどのように受けとめますか。

○根本国務大臣 突然の御質問で。
 私も、その提言は読ませていただきました。特に、県民健康管理調査などの現状と提言、これについては、所管の環境省において適切に対応がなされるものと承知をしておりますが、個々人の被曝線量の正確な推定など、貴重な提言ではないかと考えております。
 特に、この健康管理の問題は大変重要な問題だと考えておりますので、引き続き、環境省において適切に対応されるものと思います。

○高橋(千)委員 次の通告をしていた問いとやはり関係があるんですね。
 先ほどの小熊委員の質問に対して、森まさこ少子化担当大臣が答弁をしていたことでもあるんですが、やはり国が責任を持って健康管理をしてほしい、そのときに、一ミリだとか五ミリだとかという基準というのは本当は念頭にあってはならないと思うんですね。
 むしろオール・ジャパンで子供の健康管理をしっかりやっていって、どこでも安心できるんだという体制をつくっていくこと。その上で、もうどうしようもなく避難を余儀なくされた、つまり、政府によって強制的に避難を指示された、帰還が困難になっている、そういう人たちに対してはもっと上乗せした措置をしなければならないのは当然であります。そういう趣旨が早く具体化されていかないのかなということを思っているんです。
 それで、ちょっと時間が来ましたので、これは要望にします。
 さっき、年内を目途に基準を規制委員会に出したと言っていますけれども、規制委員会に基準を投げてしまうと、それは単なる、今ある避難区域の線引きと変わらなくなってしまうと思うんです。それを乗り越えてほしいというのが立法者の意思である、国会と当事者の意思であるということを踏まえていただいて、どっちにしても年内じゃ全然遅いですからね、当事者の立場に立った支援法の基本方針と施策をやっていただきたい。これは要望にとどめて、続きをまたやりたいと思います。
 ありがとうございました。

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