国会質問

質問日:2016年 4月 22日 第190国会 厚生労働委員会

B型肝炎法案

発症20年後も同額に / 高橋氏 B型肝炎法改正で要求

 国の給付金支給の対象拡大や請求期限の延長を行うB型肝炎特措法改正案が22日の衆院厚生労働委員会で採決され、全会一致で可決しました。採決に先立って日本共産党の高橋千鶴子議員が質問。長く裁判をたたかった原告らの思いに応え、給付額に差をつけないよう求めました。
 高橋氏は、全国のB型肝炎訴訟の勝利和解が2011年の特措法成立に結び付いた一方、発症後20年で支給金などの権利を失う「除斥期間」を過ぎた重度の肝硬変や肝がん患者が対象外とされた経緯を指摘。「長く、重く苦しんだ患者が対象外なのは理不尽だ」という原告らの訴えを引用し、改正案で対象に加えたのにあわせ、支給額も、発症後20年未満の患者の4分の1とはせず、同額にすべきだと求めました。
 塩崎恭久厚労相が「和解の基本合意を踏まえたものだ」と弁明したのに対し、高橋氏は「(当時の)裁判長が指摘していたように、政治が乗り越えるべき課題だ」と強調しました。また、改正案は特措法成立後の国会答弁に基づき、国が原告団・弁護団と協議し、昨年に「基本合意(その2)」を結んだことによるもので「政権交代しても約束を履行し、前進したことは評価する」として改正後の周知徹底を求めました。
 高橋氏は、肝がん患者や、慢性肝炎などを発症していない「無症候性キャリア」が発症・重度化した場合、追加給付金の支給や、キャリアの診断時ではなく発症時を起算として除斥期間を数え直すことも確認しました。
(しんぶん赤旗2016年4月25日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 冒頭、熊本地震について、被災された皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 強い余震が続いていること、わずか一週間で関連死が十一名を超えたことなどは本当に深刻な事態だと思っております。せっかく助かった命をこれ以上犠牲にしないよう、政府の対応を求めるとともに、党としても、各地のネットワークを生かして奮闘してまいりたい、このように思っております。
 三・一一のときも、障害のある方は、犠牲になった割合が健常者の二倍というデータがございます。助かった後も、例えば、作業所が既に被災をしている、特別な治療食や補装具などが手に入らない、そもそも避難所に受け入れてもらえないなどの困難がありました。こうした実態や支援は、全国の障害者団体が協力して実態をつかみ、取り組んできたものだと承知をしておりますし、既に熊本でもそうした取り組みが始まっております。
 厚労省としても、そうした当事者団体とよく連携をとり合って必要な対応をしていくべきだと思いますが、大臣に伺います。

○塩崎国務大臣 これは記憶がまだ新しいわけでありますけれども、東日本大震災のときに、障害者の皆様方の亡くなる率が、健常者の方と比べると倍以上高いということが、本当に胸の痛い、心が痛むこととして記憶にあるわけでございます。
 そういうことも踏まえて、厚生労働省として、今回の地震で被災をされた障害をお持ちの方々、この方々について、既に障害福祉関係団体の皆様方にも情報収集あるいは広く支援をお願いしてまいっておりまして、地震直後から、施設の被害状況の確認、それから利用者の方々の安否の確認、被災をされた障害のある方々などの受け入れ、それから水、食料等の調達がうまくいっているかどうかなどに御協力をいただいて、団体ごとにそれぞれ御報告を厚生労働省に上げていただいております。
 今後とも、障害のある方々の置かれている状況、それから必要な支援、さまざまな支援がありますが、これに適切に、ニーズに合った形で対応ができるように、まずその把握に努め、そして関係団体と緊密な連携をとりながら、被災地における障害のある方々の支援に不足がないように全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 何が必要かは当事者団体が一番よく知っています。でも、当事者団体だからこそ、お互いに困難を抱えながら支援活動をしておりますので、今大臣はしっかり連携をとりながらとお話ししていただきましたので、その点を重ねてお願いをしたい、このように思います。
 さて、法案に入りたいと思うんですが、一九八九年、五名の原告が札幌地裁に提訴したB型肝炎訴訟が、最高裁で勝利、和解したのは十七年後でありました。これを先行訴訟と言っておるわけですが、この報道を見て初めて、自分が長年受けてきた差別や偏見、あるいは理解されない病気に苦しんできた、そういうことが理解されて、原告らが一斉に立ち上がったのが二〇〇八年でありました。全国十の地裁で、どんどん原告の数がふえまして、一千名を超えております。
 原告や弁護団あるいは学生たちなど、支援団体が国会に何度も足を運び、院内集会もやりましたし、各党ヒアリングもやりましたし、そういうことを重ねて、ただ、その間に、解決を見ずに亡くなる原告もいらっしゃいました。そして、とうとう和解が成立して、二〇一一年、この特措法ができたわけであります。
 ただ、発症後二十年が過ぎた重度の肝硬変や肝がん患者などが除斥の対象とされたこと、また、請求期限五年は短過ぎるのではないかなどの指摘があり、課題として残されておりました。
 今回の改正は、さらに五年延長し、二十年が経過したものについても対象としました。また、この五年の間に何の救済も得られないまま亡くなった方もいらっしゃいます。
 なぜ今か。また、この法改正の趣旨、意義について大臣の認識を伺いたいと思います。

○塩崎国務大臣 二十年以上過ぎた対象者の給付金の問題……。
 失礼しました。事前に通告していた順番かなと思ったものですから。
 法案の内容、それから目的全般についてのお尋ねでございますが、集団予防接種の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染された方と、その方から感染をした方に対する給付金の請求期限につきまして、今回、現下の請求状況を勘案いたしまして、つまり、請求がはかばかしく進んでいないという状況を踏まえて、平成三十四年一月十二日までの五年間の延長ということを図るとともに、給付金の支給対象を拡大するということにしているものでございます。
 これによって一人でも多くの特定B型肝炎ウイルス感染者の方が給付金を受けられるようにすることで、過去の集団予防接種によって生じた感染被害の救済に万全を期して、この問題を可能な限り早く全体的に解決するようにするというのが今回の法律の目的でございます。

○高橋(千)委員 順番どおりです。表現の仕方が通告より丁寧に言っているので、大臣、よくその趣旨を踏まえていただければありがたいなと思っております。
 二〇一一年十二月二日の本委員会で、原告団長の谷口三枝子さんが出席して意見陳述を行っております。
 谷口さんは、このようにおっしゃいました。「私は、発症後十九年で提訴しました。提訴したのは、その直前に新聞でB型肝炎訴訟のことを知り、弁護団に連絡したことからです。発症がもっと早かったら、あるいは訴訟のことを知るのがもっと遅かったら、発症後二十年の提訴となっていました。除斥という門の外にほうり出されていたのです。」。「除斥という門の外」、この言葉の重みを、改めて議事録を読み返して大変重く受けとめました。
 特措法は、谷口さんら原告が壮絶な体験をしながら闘ってかち取ったものではあるけれども、先行訴訟自体が解決まで長過ぎたために、既に除斥期間を過ぎた人も多かったわけです。このことが大きな課題となりました。
 特措法では、慢性肝炎は、千二百五十万円のところを、発症後二十年経過した者は三百万円、ところが、軽度の肝硬変、死亡、肝がん、重度の肝硬変などは対象となりませんでした。このことについて谷口さんは、「より重い症状で、より長く苦しんできた被害者が、逆に、低い救済しか受けられない、あるいは救済を受けられないということは、どう考えても理不尽」と訴えました。ここをぜひ大臣に受けとめていただきたいなと思っているんですね。
 改めて、除斥期間を過ぎているかどうかは、ある意味、偶然であり、運でもあるわけですね。それを新たに法律で今回救済するわけですが、今さら四分の一にしなくても、同じ額でいいんじゃないでしょうかと思いますが、いかがでしょうか。

○塩崎国務大臣 二十年を過ぎた方についての対応についての御指摘だというふうに受けとめましたが、民法上の損害賠償に係るいわゆる除斥期間の規定、これは民法に定めてあるわけでありますが、これを踏まえて、発症などから二十年が経過した方への給付金というのは、法的な損害賠償責任に基づかない対応として行うということになっているわけでございます。
 この給付金額は、裁判所が、原告、国、双方の意見を聞いた上で示した所見にて提示をされた金額でございまして、原告と国の双方がその所見を受け入れて、締結をした基本合意にも明記をされているわけでございます。
 今回の立法措置は、その基本合意の内容を尊重して行っているものでございまして、御理解を賜れればというふうに思うところでございます。

○高橋(千)委員 部分的に、既に前回も、そして今回も、除斥期間を過ぎている方を対象にしているわけですから、民法の規定があるからということは理由にならないわけなんですね。
 それはどういうことかといいますと、二〇一一年の基本合意の際も、それは当時の争っていた原告の中には二十年を過ぎていた方がいなかったわけですから、そののりを越えて、裁判所が、こういう場合もということを言うのはないわけですよ。だけれども、そのときに、札幌地裁の裁判長は、立法の際にはよりよい解決をしていただければと思います、つまり、政治が乗り越えてほしいということを言っているんです。だから今回も、こうして一定前進があったのではないか、こういうふうに思っておりますので、その趣旨をぜひ受けとめていただきたいなと思います。
 それで、二十年以上過ぎて対象とならなかった方で、今回どの程度の方が新たに対象となるのでしょうか。これは病態ごとに答えていただきたい。それから、それがなぜか、なぜそういうふうな計算ができたのかというのもお願いいたします。

○福島政府参考人 お答えいたします。
 死亡または肝がん、肝硬変を発症後二十年を経過して提訴する方の、まず、今の法律の二十八年度までの見込み数でございますけれども、現在の提訴状況を踏まえますと、二十八年度までで、死亡、肝がん、重度の肝硬変の方は約三十人、それから軽度の肝硬変の方は約七十人、合計で百人というふうに推計をしております。
 今回の法案で五年間延長するわけでございますが、延長後の五年間、平成三十三年度末の提訴見込みについては、これまで提訴された方が少ないのでなかなか的確に申し上げることは難しゅうございますけれども、現時点では、平成二十八年度までの方と同程度というふうに想定をしております。

○高橋(千)委員 つまり、二十年を過ぎて既に提訴をしていた方が同じくらいいらっしゃる、それを踏まえて、これだけの方が対象になるだろうとおっしゃっている。確認、もう一回、そうですと。

○福島政府参考人 これまでも提訴をしていらっしゃった方、そして平成二十七年の合意書以降の方も踏まえて考えますとそういうこと、二十八年度までの数で先ほど申し上げた百人ということでございまして、さらに五年延長した場合もこれと同程度というふうに考えているということでございます。

○高橋(千)委員 ですから、予想ではなく、実際に、対象にならないけれども提訴した方がいて、百人程度だということを言っているわけですから、根拠のある数字だということなんですよね。ですから、一日も早く救済をしなければならない、このように思っております。
 資料の一枚目に、改正内容のポンチ絵をつけておきました。これを見ると、二十年を過ぎた人とそうでない人の違いが余りに大きいということがよくわかると思うんですね。そもそも現行水準自体が薬害肝炎よりも割り引かれていると弁護団の指摘もあった。これ以上は言いませんけれども、これは、あえて今言っておかなければならないかなと思っております。
 ただ、資料の二枚目にあるように、基本合意その二というのが結ばれてありまして、二枚続きであるんですが、これは、昨年三月二十七日に政府と弁護団、原告団が合意したものなんですね。これに基づいて今回の改正があったと承知をしています。
 ですから、当時、この問題に対して、厚労大臣の誠実に協議していくという答弁があり、実際に協議をしてきて、昨年こうした合意がまとまった。政権が交代した間にあるわけですよね。だけれどもその約束を果たしてくださったということは評価をしたい、このように思います。
 そこで、基本合意のその二の中で、今私が示している資料ですけれども、再発した肝がんの中に、除斥期間の起算点をどのようにするというふうに合意したのか、簡潔にお答えください。

○福島政府参考人 除斥の場合の起算点につきましては、基本的には、それぞれの疾病の発生、肝がんであれば肝がんが発症した時点、あるいは肝硬変であれば肝硬変が発症した時点、あるいは死亡であれば死亡をした時点ということになります。
 それから、一点、その例外として、再発した肝がんの除斥期間の起算点について例外を設けておりまして、基本合意書その二におきましては、最初に発症した肝がんの治癒後に新たに多中心性発生による肝がんを再発した場合は、その時点を肝がんの発症の時期とみなすという合意になっております。

○高橋(千)委員 あえて資料を出していますが、読んでいただきました。三枚目で、2の二と書いている資料のところに「例外」、原則だけ読んだらどうしようかなと思ったんですが、ちゃんと例外を読んでいただきまして、多中心性発生による肝がん、過去に発症した肝がんの根治後における非がん部、残存肝から発生した新しい肝細胞がんを再発した場合は、再発した時期を発症の時期とみなすということを例外として書いていただいたわけです。
 それで、最初の発症からは二十年以上過ぎているんだけれども、新しいがんが再発した場合、出たときに、そのときを起点とみなす。これは、やはり再発肝がん患者の救済を広げたいという趣旨と理解してよろしいでしょうか。

○福島政府参考人 損害賠償における除斥の起算点というのは、ある損害が発生した時点と考えるわけでございまして、その多中心性発生による肝がんというのは、初発の肝がんが根治した後に新たながんが発生するという特異性に鑑みまして、当初の損害とは質的に異なる損害が新たに生じたと評価できるために、例外的に、再発がんの発生時を除斥期間の起算点としたものでございます。

○高橋(千)委員 ちょっと事務的におっしゃいましたけれども、やはり再発ということの重さは非常にあるわけです。もちろん、二重に払うことは、三千六百万を二度払うという意味ではもちろんなくて、除斥期間を過ぎていても、また新たながんに向かわざるを得なくなった、こうした方に対して、特異性を認めたから例外なんだとおっしゃったけれども、やはりそれは、そういう患者の皆さんの思いに少しでも応えるということには結果としてはなっていると受けとめたいと思うんですが、それを受けとめちゃいけないということではないですよね。もう一言。

○福島政府参考人 やはり、こういう多中心性発生による肝がんのような場合、このように、除斥期間の起算点が再発時にあると評価できるものについては、この合意書の中では多中心性再発がんに限られているというふうに考えておるわけでございます。
 それぞれ、現実に再発をされている方、患者さん方が非常に御苦労されておることは十分に認識をしておるわけでございますけれども、この基本合意書の内容という観点では、再発の肝がんについては、このがんに限定的に取り扱わせていただいているということについては御理解を賜りたいと存じます。

○高橋(千)委員 やはり、重度になった方、肝がんになった方、再発された方、その方たちをどう支えていくかということは、後で述べる医療費助成も含めて、まだまだ課題が残されておりますから、これを一つのヒントとして次につなげていきたい、このように思っております。
 時間がないので、少し質問を飛ばします。
 基本合意その二によって和解した方たち、既に三十一人生まれているわけですよね、昨年の合意によって。こうした、やはり本当に待たれているということでありますので、今回、改正を機に、周知徹底を図るべきだと思いますが、一言お願いいたします。

○福島政府参考人 厚生労働省といたしましては、感染被害の早期解決に向けまして、これまでも、ポスター、リーフレットの医療機関への配布を初めとした周知、広報を行ってきたところでございます。
 今回の改正によりまして、請求期限、五年延長をするわけでございますけれども、証拠が散逸したり、あるいは除斥期間が経過することがないよう、できるだけ早期に提訴いただくことが重要であると考えております。
 このため、法案が成立した暁には、関係省庁や地方自治体、医療機関の協力を得ながら、従来から行ってきたこの給付金制度の周知、広報、提訴を検討中の方へのきめ細かな相談支援、あるいは肝炎ウイルス検査の受検促進に、より一層取り組んでまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 あと、済みません、飛ばしたんですが、やはりもったいないので、もう一問、キャリアの問題について、無症候性キャリアについてです。
 これは大きな争点になったんですが、今紹介した基本合意その二のところでは協議の対象に入っていないと思うんですね。変わっていない。それで、その上で、無症候性キャリアの提訴者数、その後発症した方の割合を把握されていたらお願いしたいということと、同じように、その除斥期間の起点の問題がございます、どのようにお考えでしょうか。

○福島政府参考人 お答えいたします。
 昨年の八月時点までに無症候性キャリアで提訴された方は六千六百十九名ございまして、そのうち和解された方が四千四百二十二名となっております。このうち、無症候性キャリアで和解された後に病態が進展して追加の給付金を受給されている方は、平成二十七年八月時点で五十七名、和解した方のうちの約一%強ということでございます。
 お尋ねの除斥の考え方でございますけれども、無症候性キャリアの方、仮に除斥であったとしても、その後病態が進展して肝炎になる、あるいは肝硬変になる、肝がんになる、そうならない方がもちろんよいわけでございますけれども、その肝炎になった時点で、そこで新たな損害が発生するということでございますので、そこが除斥の起算点になるということでございます。

○高橋(千)委員 新たな肝炎になったところが起算点だ、それを確認させていただきます。ありがとうございました。
 次に、制定当時、四十五万人が対象となるということ、これは最初のポンチ絵にも書いているわけですが、とすると二兆円の財源がかかると言われました。そして、原告の要求を全部入れたら八兆円かかるということがまことしやかに政府の中から言われたわけですね。
 B型肝炎訴訟への対応の基本方針において、財源確保策も含めた全体の枠組みを固めておくことが不可欠だ、本件の原因が集団予防接種であることを踏まえ、こうした枠組みを国民全体で支えていただくことについて、国民の理解を得ることが必要であるということが確認されているんですね。
 私はこのことを、まず二兆円、八兆円というのは過大ではないかということを当時も質問しています。過大な数字を前に出して、要するに特別な枠で増税をしなければ財源が生まれないんだということを言うことによってまた原告を苦しめる、国民の理解を得られなければできないんだと言うことによって。
 しかも、その増税の財源に当時浮上していたのは成年扶養控除だったと思いますけれども、結局、障害のある方などを対象とする、成人になっても対象となる方たち、それで、最も弱い人たちから財源をもらってと、そういうことをやったら、幾ら何でも、被害者だったつもりが加害者にさせられてしまうということを当時指摘いたしました。
 でも、そんな心配はしなくてもやはりよかったんじゃないかと思うんですね。一遍にふえるわけがないんですと指摘をしてきましたが、この間も結局三万人にとどまっている。財源の面でもそれほどはかかっていなかったと思います。
 そのことを確認したいのと、附則についている財源規定、なぜ見直しをしなかったんでしょうか。

○福島政府参考人 もともとの法律をつくったときの推計でございますけれども、私どもは、全ての方が提訴され、救済を受けていただくべきと考えて、全ての方が提訴された場合の費用として、平成二十九年一月までの当初五年間で一・一兆円、それから、その後病態が進行することを踏まえ、三十年間で三・二兆円と見込んだわけでございます。
 実際の現在の実績は、病態の重い、慢性肝炎よりも上の病態といいますか、そこにつきましては想定した約七割の方が提訴いただいているわけでございますけれども、無症候性キャリアの方は四%にとどまっております。これが実態でございます。
 財源の議論でございますけれども、これについては、やはり給付金の財源につきましては、これは今、附則の五条に規定をしておるわけでございますけれども、これに基づいて所要の措置を講じてきたところでございまして、引き続き、財源を確保しながら給付金の支給を確実に行っていく、こういうことをやる必要があるものですから、この規定を削除することは適当でないというふうに考えております。

○高橋(千)委員 まず、でも実際は一般財源でやれているわけでしょう。そこは言ったとおりだったということをお認めください。

○福島政府参考人 現在もこの枠組みに従いまして基金を造成して行っておるわけでございまして、この規定を設けずに行っていくということであれば、今後、提訴していただく方を、私どもとしてはできるだけ多くの方に提訴していただきたいと考えておるわけでございまして、そういう観点で、一般財源で行うのではなく、こういうふうに規定を設けて行っていくことが適当であると考えております。

○高橋(千)委員 ごめんなさい、今の話はすれ違っている。
 資料の四に、基金の繰り入れと歳出の実績があります。
 ですから、一兆一千億円というのを毎年かかるというふうな話をされていたけれども、桁が違いますよねということを確認したかったのと、繰り入れは一般財源から繰り入れて、基金という形をとっている、それは当然なんですが、一般財源から入れているわけ。つまり、そのために増税をする必要はなかったんだ、今後も、今考えているわけじゃないんだということを確認したかったんです。

○福島政府参考人 財源の確保という観点では、今申し上げましたように、増税をしたということでは……。
 これは、当初、税制上の措置、あるいは厚生労働省における基金の余剰金の返納、あるいは遊休資産の売却等により確保するということをしたわけでございます。
 やはり、この財源確保については、これまでも毎年度、各種基金の国庫返納も活用しながら対応をしてきたことも参考に、今後も対応を考えてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 もう時間が来たので終わります。
 このことは確認した上で質問しているわけですから、当時言っていた、過大にかかって、国民の理解を得られなければやっていけないんだという話ではないんだということを認めていただきたかったんです。
 この後、いっぱい質問があったんですが、もう時間が来たので終わりたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

 

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