国会質問

質問日:2016年 3月 16日 第190国会 厚生労働委員会

雇用保険法等一部改正案

雇用保険法等改定案を可決
厚労委で高橋氏「基本手当改善を」

 政府が六つの法律の改定を一本化して提出した雇用保険法等改定案が17日の衆院本会議で採決され、全会一致で可決し、参院に送付されました。
 16日の厚生労働委員会で日本共産党の高橋千鶴子議員が賛成討論に立ちました。一括法案のうえ短時間の審議で採決するのは「きわめて乱暴だ」と抗議したうえで、法案で介護休業の分割取得を可能にしたことや、有期雇用労働者の育児休業取得の拡大、介護休業給付の賃金日額の引き上げを盛り込んだことは「一定の改善」であり「総合的に判断して賛成する」と述べました。
 一方で高橋氏は、失業給付は、相次ぐ給付日数・給付額の削減で失業者の2割しか受給できておらず、前回改正で課題とされた基本手当の改善に「ただちに取り組むべきだ」として、国庫負担を本則25%に戻すべきだと求めました。
 65歳以降に雇われた人への雇用保険適用の拡大については、保険料が徴収される一方、給付金は従来通り一時金のため、一般被保険者と同じ給付水準にすべきだと強調。シルバー人材センターによる派遣事業の規制緩和は、「本来の『いきがい就労』の役割を逸脱し、低賃金で劣悪な労働条件の雇用を広げることにつながりかねない」と批判しました。
(しんぶん赤旗2016年3月20日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは珍しくトップバッターですので、よろしくお願いをいたします。
 昨日の参考人質疑でも指摘があったように、今回、雇用保険法案と一くくりに呼び、かつ、日切れ法案であるというのは乱暴だと思います。来年一月一日施行のものもあり、一つ一つ切り離して丁寧な審議を行うべきでした。ここは、冒頭、指摘をさせていただきたいと思います。
 今法案のもととなった労政審の職業安定分科会雇用保険部会報告では、「現在の雇用情勢は、着実に改善が進んでいる。」こういう指摘から始まっております。雇用保険積立金残高は六兆二千五百八十六億円、二事業は八千三百二十九億円と積み上がり、「雇用保険の財政運営についても、そのあり方を検討する必要がある。」と述べております。雇用保険の積立金が非常に突出している、だから見直しする必要があるんだというふうに読めるわけですね。
 しかし、これも、昨日参考人から指摘があったように、憲法二十七条、勤労権を保障し、失業中の生活の安定という雇用保険の本来の役割を果たしていると言えるのか、ここが問われると思います。
 資料の一枚目を見ていただきたいと思います。
 これは、雇用保険の積立金残高、この青い棒グラフが、現在の積立金がどうなっているのか。一旦は枯渇するのではないかということが、平成十四年のとき、四千六十四億円まで下がって減ったわけですけれども、この後、順調に積み上がっているのは、国庫負担をもとに戻したりとか保険料率を上げたりとか、そうしたことをやってきたことがあるわけなんです。
 私がきょう見ていただきたいのは、黄色の完全失業者の数と、今失業等給付を受けている方の数なんですね。一番最初の年、これが下の、七十万人から始まっております。ですから、当時は給付率四二・一%から始まりました。一番落ち込んだときは二九・二%と、三割を切ったわけですね。その後、一定、非正規労働者にも対象を拡大するなどということで広げてきたわけですけれども、結果として今は二割を切っている、こういう状況になっていると思うんです。
 ですから、これは、この間に、二〇〇〇年、二〇〇三年、法改正があって、離職理由によって給付額も日数も差がつけられる、そして待期という形で制限がつけられる、そうしたことがやられてまいりました。
 ですから、ここだけを見るとどうしても、何か突出していて、これは国庫負担はもう要らないんじゃないか、そういうふうな議論がされがちであります。しかし、単に雇用情勢が改善し、失業等給付の必要性が減ったんだというわけではないと思いますが、いかがでしょうか。
○生田政府参考人 お答えいたします。
 雇用保険制度につきましては、失業者の勤労権を保障するセーフティーネットとして必要なものでございまして、今委員御指摘になりました国庫負担につきましても、失業につきましては、国の経済政策あるいは雇用政策の責任をあらわすものとして必要であるというふうにされてございまして、雇用保険法上はっきり書いてあるものでございます。
 今現在ございますこの枠組み自体は非常に大事なものだというふうに認識しております。
○高橋(千)委員 大臣に本当は質問したんですけれどもね。
 ちょっと明確な答えではなかったかなと思いますけれども、おっしゃったことは、国庫負担の役割について改めて確認をされたということだと思うんです。それは、私がきっと国庫負担を削っちゃいけないという質問だと思って、多分先を越してそういうふうな答弁をされたんだと思うんですけれども、一つ一つやはり確認をしていきたいということなんですよ。
 もう一つ伺いますけれども、財政審は、今言ったように、国庫負担の一定規模の停止を言っています。しかし、例えば、過去最低の、積立金が四千六十四億円まで落ち込んだ時点、この時点にさかのぼりまして、今やろうとしている保険料率千分の八に固定して、国庫負担も本来の負担額の五五%、そこまで抑えてきて、今の水準まで来た場合に、積立金は維持できていたんでしょうか。端的にお答えください。
○生田政府参考人 お答えいたします。
 雇用保険制度につきましては、財政状況に照らしまして、一定の要件を満たす場合につきましては、弾力条項によりまして、雇用保険料率を大臣が変更することができるということでございますので、保険料率を〇・八%に固定するということ自体は実際には起こり得ないわけですけれども、仮に、仮定といたしまして、お問い合わせのケースとしまして、平成十四年度から保険料率が〇・八%で固定されるということにいたしますと、国庫負担が本来の負担額四分の一の五五%であった場合の試算をいたしますと、まず、試算の初年度、平成十四年度末の段階から積立金残高はマイナスとなりまして、ずっとマイナスで推移いたしまして、平成二十六年度末時点の積立金残高は三兆円のマイナスとなる見込みでございます。
 なお、弾力を仮にきかすということで考えますと、平成十四年度以降プラス〇・二%、それから十九年度からは弾力の幅が広がりましてプラス〇・四%になるわけですが、そういった弾力をきかせた場合につきまして御説明いたしますと、平成十四年度から十八年度までは積立金残高はやはりマイナスでございますが、十九年度以降につきましてはプラスに転じまして、二十六年度末で約二兆円の積立金残高となる見込みでございます。
○高橋(千)委員 今お答えがあったのは、まず、〇・八%に固定してしまうと既に三兆円のマイナスになっていたであろう、ただ、弾力条項があるので、いろいろ上がったり下がったりする中で、二兆円維持している。そこでとんとんだということだと思うんですね。だから、そこに国庫負担の方をいじってしまうと大変なことになるということが明らかになるのではないかなと思うんです。
 昨年の十二月十八日の第百十回雇用保険部会で、財政運営、今言ったような試算をいろいろな形で出しているわけなんですけれども、やはり、直近の受給者人員の平均は四十七万人、でも、過去十年間で見ると六十一万人、つまり、私が最初に言ったように、受給者というのは本当はもっといたわけですよね、その両方で試算をして、保険料率を仮に下げたとしても三兆円あるいは四兆円残るから影響ないという試算を出している。でも、これはあくまでも国庫負担を維持してのものである、そういうことをちゃんとアピールしていかなければいけないと思うんですね。
 改めて大臣に伺いますが、国庫負担を停止ではなくてやはり本則に戻す、そういう方向で役割を果たしていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 これは、国庫負担はなぜもともと導入をされているのかといえば、やはり経済政策の責任を一定程度政府も負わないといけない、こういうことから来ているわけでございまして、今暫定的なレベルになっておりますけれども、国会での附帯決議や国会での議論を通じて見れば、本来のレベルに戻すという方向についての国会の中での御議論もいただいているわけでございますので、雇用保険のあり方については、私どもとしても、原則はやはり法律に書いてあるとおりであろうというふうに思いますので、雇用情勢をよく見ながら、また、他の経済的な要素、つまり財政的な問題等々含めて総合的に判断をしてこれから決めていくということに、私どもの方でも今検討をしているところでございます。
○高橋(千)委員 国の経済政策、雇用政策に対する責任ということを改めてお話しされたと思うんですね。そういう点で、やはり本来必要な雇用保険行政をやっているのか、必要な方に手当てをしているのかということが問われる必要があると思うんですね。
 雇用保険部会で、昨年十一月二十五日、意見のまとめというのが出されておりますけれども、この中でこうした指摘がありました。「今まで一万六千円で家族を支えていた人が九千円のところに再就職している。」つまり、一定の所得があった方が実際再就職するとなると、そこまでダウンをしてしまうということでありますよね。「日額の高い層は主たる生計者である場合が多いが、家族のために急いで就職していると考えられる。そもそも労使の保険料が賃金に応じて上限なく設定されている一方、給付に上限があることについてどう考えるか。」こういう指摘があったとまとめに書かれております。
 私、全くそのとおりだと思うんですね。だからこそ、基本手当のあり方が議論されてきたのではなかったか。それが先送りされたということは非常に残念に思って、とにかく早く再就職しなさい、そこにインセンティブを与えることにだけ熱心だったのではないかと思うんですね。
 昨日の参考人質疑でも、全労連のハローワークでの失業者調査の紹介がありました。皆さんのところにも資料が配られたわけですけれども、男女ともに二十代から六十代までの声を拾っているんです。だけれども、共通するのは、仕事を選ぶ基準。長く働きたい、そして派遣や有期でないもの、これが最低の基準なんですね。
 結局それは、今までがそうだったから。少しでも今より安定したものを、そう願うのは普通の感情ではないのか。普通に家族に責任を持ちたい、そうして一定の安定した暮らしをしたい、それだけの希望がかなえられる状況ではなかなかない。それを、こうした実態をモラルハザードだといって、失業給付をできるだけ長くもらおうとしているのは問題だみたいな議論がされてはならないと思うんです。
 一言感想をいただけますか、大臣。
○塩崎国務大臣 今、モラルハザードの指摘は適切ではないんじゃないか、こういうお話がございました。
 さっき申し上げたように、経済政策そしてまた民間の経済活動と両々相まって経済の状況というのは決まってくるわけで、私どもにとって大事なのは、今お話があったように、やはり生活をみずからつくり上げていくために働くということが大事でございまして、雇用保険でどういうふうな役割を果たすべきかということは、絶えず状況を踏まえながら考えていかなきゃいけないことだろうと思います。
 それで、例えば基本手当のあり方についてもございますけれども、この間の労政審でも、労働者側、使用者側、いずれも給付水準についてのいろいろな御議論がございました。
 大事なことは、再就職をきちっとしていただくということが大事でございまして、このところ、この基本手当受給者の支給終了までの就職率を見ますと、平成二十四年度が一番最近でございますけれども、一貫して大体五割をちょっと超えるぐらいのところにここ三年ぐらいなっておりまして、そういうことを考えてみると、今回、私どもがお願いをしているような見直しということでいくべきではないのかというのが、労政審の結論を受けての私どもの提案だということでございますので、先生の今のお気持ちはお気持ちとしてしっかり受けとめて、今後また議論を重ねてまいりたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 受給者に対しては、長くもらうとモラルハザードだよといって、そして、なるべく早く就職をしなさいという指導がかかっております。一方で、雇用保険の財政を使っての事業、そっちの方はどうなのか。私は、これこそモラルハザードではないかということを指摘したいと思います。
 今国会、労働移動支援助成金がいわばリストラ助成金になっているのではないかと指摘があり、注目をされています。
 この問題は、昨年三月の予算委員会で私が質問をいたしました。雇用の維持を目的とする雇用調整助成金と、失業なき労働移動という名目で離職者支援をやる、これは全く目的が違うものであり、竹中平蔵氏の号令のもと、二つの予算が逆転し、しかも、大企業に支給できるようになったことで、国によるリストラ支援そのものになったということを指摘いたしました。
 おさらいですが、労働移動支援助成金は、二十七年度予算の三百四十九億四千万円から、百三十二億円と大幅減になっております。これは、実績が予想に比べて少なかったからということが言われておりますけれども、では、大企業、中小企業、それぞれに分けて、件数と人数が平成二十六年から二十七年、比べてどうなっているか、お答えください。
○広畑政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘の労働移動支援助成金、再就職支援奨励金の実績、件数と人数でございます。
 多少細かくなりますけれども、平成二十六年度につきましては、大企業は百十四件、二千百九十人、金額は二億四千二百万円、中小企業は三百六十件、二千百二十九人、三億四千八百万円。平成二十七年度につきましては、十二月まででございますけれども、大企業が二百七十三件、六千六百四十七人、金額は十億七千七百万円、中小企業は二百五十八件、二千八百七十二人、金額は五億四百万円となっております。
○高橋(千)委員 今、年度ごとに言ったから、聞いているとわかりにくいと思うんですね。要するに、中小企業は三百六十件だったのが二百五十八件、大企業は百十四件だったのが二百七十三件と倍増しているわけなんですね。人数でいっても、二千百九十人だったのが六千六百四十七人、三倍になっている。結局、大企業にとっては使い勝手がよいんだ、そういうことが全体の実績が減ったという中でもあらわれているのではないか、実は狙いが当たっているのではないかということを指摘したいと思うんです。
 そこで、今度は、今年度中にこの労働移動支援助成金の支給対象を拡充するといいます。一つは、送り出し企業に対する支給要件。これまでは、事業規模の縮小、廃止に伴う労働者の離職を対象としていました。今後は、それに加えて、事業転換、事業再編も対象となる。何でもありじゃないのか。どのくらい対象がふえるとお考えですか。
○広畑政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘の、この助成金の対象となります事業規模の縮小等についての取り扱いでございますけれども、これは、雇用対策法上の取り扱いと同じく、事業規模の縮小、事業活動の縮小、事業の廃止のみではなく、従来より、事業転換、再編の場合も含まれております。しかしながら、このことが十分に周知されておらず、今後周知を図るべきとの指摘が政府の規制改革会議からなされたことから、今年度中ということで、今般改めてその周知を図ることとしたものでございます。
 なお、厚生労働省のホームページで既にこの周知を行っておりますけれども、事業転換や事業再編を統計上区別しているものではなく、また、今年度の予算の積算においてその効果を新たに織り込んでいるものではございませんので、この措置による効果をお示しすることは困難でございます。
○高橋(千)委員 要するに、もともと雇用対策法に基づくものだから、それを今足したんだと。では、何で今足したんですかということですよ。つまり、リストラ助成金と言われると非常に響きが悪いから、いやいや、もともと雇用対策法に再就職援助計画というものがあるから、そのスキームでやっているんだという後づけのことでしょう。
 この再就職援助計画だって、出したって、出したけれどもその後どうなったかということに対しては一切責任がないんですよ、計画さえ出せば。そうじゃないですか。
○広畑政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、従来よりこの助成金では雇用対策法上の取り扱いと同じく取り扱われておりまして、申請書上、一事業所当たり三十人以上の離職があるという場合でございますと、事業の再編であっても従来より対象としてございます。
○高橋(千)委員 ですから、もっと使いやすいことを周知している、そういうことですよね。これは労働新聞で、昨年の十二月七日ですか、一面で報じられたことなわけです。それが徹底されていなかったということで、一層あらゆる場合に、結局、企業が、事業を縮小したい、事業所を閉鎖したい、あるいは中身を再編したい、そうしたあらゆるニーズに応えられるものになっているということではないでしょうか。
 さらに、もう一点。二〇一四年に改正をしておりますけれども、再就職に向けた休暇付与、これに対する給付金も拡充をするといいます。最大で百八十日休暇を付与し、日額八千円、大企業なら五千円付与するというものです。失業等給付の基本手当は上限で日額七千八百円ですよね。ですから、それよりも高いわけです。失業等給付の平均日数は九十日ですよね。それに比べて、百八十日間求職活動をしなさい、それで、リストラを予定しているけれども休んでいい、これこそがモラルハザードではないんでしょうか。
 リストラする人を休ませて、半年もですよ、失業給付よりも休ませて、求職活動という名目で基本手当より多く支給する。おかしくないですか。
○広畑政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、平成二十七年の六月三十日の閣議決定、規制改革実施計画におきまして、労働移動支援助成金の対象者の失業期間を最小限にするため、事業主の、本人に対する再就職支援が、本人の退職が決まり次第できるだけ早い時期から開始されるような仕組みを検討することとされたところでございます。
 このため、今委員御指摘のとおり、平成二十八年度予算案において、事業主が、退職が決定した方に対して在職中から再就職活動を行うための有給休暇を与えた場合の助成について、日額を、現行の七千円、中小企業以外は四千円から、これを八千円、中小企業以外の場合は五千円に引き上げるとともに、その支給の上限日数を現行の九十日分から百八十日分に拡充することにより、できるだけ早期に再就職支援を開始することに対する事業主のインセンティブを高めることとしてございます。
 また、この助成は、退職が決定した方が在職中から再就職活動ができるような有給休暇制度を事業主が設けて、それを運用した場合、その運用に伴って事業主に発生するコストに対して助成するものでございます。このため、労働移動支援助成金は、本人の再就職活動中の生活の安定を図るために本人に対して直接給付される、委員御指摘の失業等給付とは異なる制度でございます。
 最終的な目的は、どちらも労働者御本人の再就職の支援と、同一ではございますけれども、両者を支給額や支給日数の点で単純に比較することはできないことを御理解いただければと思います。
○高橋(千)委員 当たり前じゃないですか。単純に比較できないって、私は、失業等給付の方が高くなきゃおかしいと言っているんですよ。企業内失業でしょう、これは。結局、完全失業者にも入らないわけですよ。そうやって半年間休ませて、失業者を出していません、そういう評価になるじゃありませんか。失業なき労働移動というのはそういうことなんですよ。やっていることは同じです。ただ半年間休ませる、給付はしかし国が面倒を見る、これがモラルハザードじゃなくて何なんですか。
 大臣、率直に感想を伺いたいです。
○塩崎国務大臣 もともとこの制度が導入をされたのは、産業構造を転換して、新しい、付加価値の高い日本経済にするために、産業構造の転換をスピードアップするとともに、それは当然、人も一緒に動いていただかなければならないということで、労働移動のための支援金を創設した、こういうことだろうというふうに思うんですね。
 そのこと自体は、目的は正しいわけでありますし、むしろ、さらにこれを進めないと、世界はどんどん日本に追いつき、追い越そうとしているわけでありますから、そのことは大変大事なことなので、そういう制度が必要であるということは何も変わらないと思います。
 ただ、今、先生からも御指摘があったように、この有給休暇の問題、休暇付与を延長したりしていますが、いろいろ見てみると、労働移動といいながら、むしろこれは、今御指摘がありましたが、どちらかというと雇用維持型にも近いような、百八十日ということは半年ですから、そういうようなことにもなっております。
 今回わかったことは、この制度を、言ってみれば事実上悪用しているような企業や再就職支援会社があるということもわかってまいったわけでありますし、ですから、これはもともとの政策意図に立ち返って、この制度というものを絶えずしっかりと見直して、目的達成のために役立つ制度にしていかなければならないというふうに思いますので、こういった形でいろいろ御議論いただいて、御提案いただくことをしっかりと受けとめて、直していかなければならないなというふうに思うところでございます。
○高橋(千)委員 昨年も予算委員会で指摘をしたことなんですけれども、やはりこれは、最初にパソナの会長である竹中氏がこの問題を、労働移動と雇用調整助成金、雇用維持であるものと労働移動を逆転せよと言ったときに、何の文脈で出てきたかということなんですよ。結局、解雇の議論をしていた、解雇の規制緩和、金銭解決の問題、なかなか難しくて今すぐ出てこないと思いますが、議論していましたよね。その文脈の中で、いかに企業が痛まずに解雇ができるかなと、そんなことをいろいろな議論をしている中で出てきた議論なんです。
 だから、産業構造とかいろいろ言っているけれども、本当は、それを送り出し企業にお願いして、人材会社にお金を払ってやるとか、そういう議論じゃないんですよ。本当に力があり、そして訓練をすることによってバージョンアップできる、キャリアアップできるという人には別のスキームがある、本来はそうであるべきだと思って、これが結局、大臣もお認めになったように悪用につながっているということは重ねて指摘をしたいし、そこは思い切って正していくということをしていただきたい。
 こういう問題は、結局、法律で、国会で議論されるのはほんの一部なんですよ。今私が言ったのは、全部、省令改正とかで、私たちがわからないところでどんどん変えていけるわけですよ。それで倍になったりとか、やはりそういう仕組み自体を見直していくべきだということを指摘したいなと思います。
 それで、重ねますけれども、昨年の派遣法改正のときに強調されたのが、キャリアアップ助成金ですよね。正社員になるチャンスを与えますと。これは必ずなれるわけではないわけですけれども、その一つの目玉として紹介をされました。
 たくさんメニューがありますけれども、その中で、例えば有期から正規に転換、または、直接雇用した場合一人当たり六十万円の支給ということで拡充をされたわけですよね。予算額がどれだけふえ、どれだけの正規雇用を目指してふやそうと思っているのか。
 それから、これにかかわるキャリアコンサルタント、この資格を格上げしたと思いますが、それについてお答えください。
○坂口政府参考人 私の方から、お尋ねのキャリアアップ助成金の点についてお答えを先に申し上げさせていただきます。
 議員お尋ねのキャリアアップ助成金でございますけれども、今年度の補正予算に合わせまして、御指摘のように、有期雇用から正規雇用などへ転換した場合の助成額の増額を行いました。
 また、平成二十八年度の予算案におきまして、今年度の支給実績の増加などを踏まえまして、前年度から約百八十九億円増額をいたしまして、約四百十億円を計上しております。
 また、今年度の上半期におきまして、キャリアアップ助成金を活用していただいて正規雇用などに転換した方の実績が約一万六千人おられまして、平成二十八年度におきましては、これを上回る実績を目指すこととしております。そういった状況で、約五万人を予算積算上の計上という形で申し上げております。
○宮川政府参考人 キャリアコンサルタントの国家資格化についてお答え申し上げます。
 キャリアコンサルタントは、職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発、向上に関する相談に応じ助言指導を行うキャリアコンサルティングの専門家のことでございますが、さきの通常国会で成立いたしました改正職業能力開発促進法に基づきまして、平成二十八年四月より国家資格化がなされるものでございます。
 この国家資格化は、国家試験あるいは登録制度、守秘義務の創設などによってキャリアコンサルタントの質を担保することにより、働く方が安心してキャリアコンサルティングを受けられる環境整備を狙いとしたものでございます。
○高橋(千)委員 これは国家資格になるということで、相当厳しいものにしなければならないと思うんですよ。五万人正規を目指すということで、予算も倍増、四百十億ということがありました。
 これもやはり問題があって、昨年の一月二十八日の書き込みですけれども、ある社労士のブログにこんなのがありました。このキャリアアップ助成金は、現在求人応募を検討している、または実際に行っている会社様が活用しやすいものとなっております、今から新しく採用される方を有期雇用契約で採用し、半年後に正社員化を行うといった流れで助成金を活用していくことが多いからですと。
 どうでしょうか。就業規則に正社員登用制度を書き込んでおけば大丈夫と指南しているわけですね。つまり、本来正社員を採用する予定なんだが、最初は有期で採用しておいて、国から助成金ももらえるし、やはりやめてほしいなというときには、これはお試し期間で有期ですからこれだけの限りですよとなって、リスクも避けられてラッキーというお勧めをしている。これも税金の使い方としては間違っていませんか。
○坂口政府参考人 キャリアアップ助成金につきましては、その支給要件としまして、事業主の方からは事前にキャリアアップについての計画を出していただいて、その認定をした上で、それに基づいての正社員化ということをしっかり伴っていただいた段階で支給するということにしておりますので、私どもとしては、このキャリアアップ助成金の適正な支給ということにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 また、最初から正社員を希望されているという方につきましては、若者の適職選択も含めまして、ハローワークの方で、正社員就職に当たっての支援ということも含めてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 ここは絶対そうしたことがないように。最初から正社員を雇うつもりだったら雇えばいいんですよ。それを国の助成金までちゃっかりもらって正社員化しましたなんてことは絶対ないように、これは通達なり指示なりやっていただけますか。
○坂口政府参考人 先ほど申し上げましたように、キャリアアップ助成金の適正な支給の徹底ということにつきましては、これまでも地方に対して指示しておるところでございますけれども、再度改めてその適正な支給ということにつきましては徹底の指示を出したいと思います。
○高橋(千)委員 確認をいたしました。
 次の課題がありますので、ここは言い切りにしますけれども、今、キャリアアップという言葉、キャリアコンサルという言葉、これは本当にいいように使われちゃっているんですね。もう今、あげくの果ては、正社員に対して自分を見詰め直せと言っている。
 どういうことかというと、雇用保険部会報告では、教育訓練給付、これだってちゃんと税金が出るわけですよね、「労働者が自らのキャリアについて主体的に考え、これに即して職業能力の開発、向上に取り組むことが重要」とされて、日本再興戦略に、セルフ・キャリアドックというふうに位置づけられたんですよね。
 これも実は、去年の派遣法の議論のときにありました。何で三年ごとにかえることをやるんですかと言ったときに、見詰め直し、自分のキャリアを見詰め直すんですという言葉が使われて、非常に、法の緩和をやるときに、都合のいい言葉を持ってきたものだなと思ったんですけれども。
 これが結局、正社員に対しても、自分が望んでいろいろなキャリアアップを目指して訓練したいという方に対しては別ですよ、そうではなくて、自分で自分を見詰め直しなさい、自分の能力はこの程度だよと見きわめろというふうなことも言いたいのかなと言いたくはなりますが、もう本当に、そもそも、上から目線でこうして言っている、セルフ・キャリアドックと言っている、こういうこと自体が、形を変えたリストラ支援になりかねないと指摘をしておきたい。
 積立金は、本来余っているわけじゃないという話をしてきました。雇用保険二事業についても同じなんです。どう見ても、企業の使い勝手を税金で応援しているだけなんだ。これこそがモラルハザードだ。きちんと職業紹介と公的職業訓練、これを中心とした王道を行くべきだ、このことを重ねて指摘をしたいと思います。
 次に、育児・介護休業法について質問します。
 毎年十万人が家族の介護のために離職をする中、介護をしている雇用者二百三十九万九千人、うち介護休業を利用している方は七万二千人で三・二%。しかし、介護休業給付を受けている方は、さらに少なくて、九千六百人にすぎません。
 ですから、今回、給付で六七%まで見ますとしたことは、遅きに失したとはいえ、求めてきたものであるので、評価をしたいと思います。
 ただ、一方、九十三日という上限は変わりません。極めて利用の少なかったこれまでのデータのみで九十三日で足りているとするのではなくて、柔軟に利用できるようにするべきではないでしょうか。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 介護休業の九十三日の議論でございますが、これはもう先生御案内のように、介護休業は、いわば介護を介護家族がみずから担う、つまり、家族介護を前提に介護休業を求めるということではございませんで、基本的には、公的介護保険制度その他の公的サービスを適切に利用しながら就労の継続をするということで、個々の家族が介護体制をつくる、そのための休業ということで一定期間利用できるようにということで創設されているものでございます。
 今回の改正案の議論の中では、今の制度ですと、九十三日とりますと、一回で九十三日間という形になりますので、なかなか使い勝手が悪いということで、実際に介護を経験された労働者の方は、実際に一週間以上連続して休暇をとった場合、大体、二週間以内というのが七五%、さまざまな分割をとられている方を見ますと、三回までで九〇%がカバーできるということですので、今回は、九十三日を一回でとるのではなくて、介護の開始から、介護されている方が、介護が終わるまでの期間の中で分割をして、三回、九十三日を上限にとるという形で、いわば柔軟に利用できるような形にするという形で今回は改正案を考えたということでございます。
 この点は、事業主側の雇用管理の負担という問題もございますので、法律上の最低の基準ということで、九十三日を分割、三回までということとしたところでございます。
 他方、二十四条では、事業主にさまざまな配慮義務が課されておりますので、個々の企業あるいは労使の交渉の中で、法律を上回る柔軟な制度の導入ということはもちろん可能でございますので、これは、各企業において、そういった形で、労使交渉の中で、あるいは企業自身の努力において上乗せの水準に取り組んでいただくということにつきましては、積極的な取り組みを促してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 今局長がおっしゃったことは、きのう参考人の中からも意見が出たし、これは審議会の中でも出た話なんですね。家族が離職に追い込まれる前提にやはり家族介護というのがあると。介護休業は、それが目的ではなくて、公的介護保険でやることを、あとは導入のときですとか途中の経過ですとかということであって、本来、自分で介護するというのが前提じゃないんだということを今おっしゃったんだと思うんです。自分で介護するとなったら九十三日じゃとてもとても足りなくて、一年も二年もかかったり三年もかかる、そういうことが実際にあるわけですから。
 だけれども、そういうことを議論しておきながら、では実際に介護がどうなっているかということとあわせて言わないと、同じ厚労省でありながら全く矛盾していると思うんですね。労働者だって介護のために仕事をやめたくはないわけです。
 八年前、この介護離職の問題を私は指摘しました。あのときも十万人でした。そのときに話題となったのは、同居する家族がいるだけで、仕事をしていようが何だろうが生活援助を受けられない。これではやっていけないじゃないかということで、何度も通知を出させて、家族の事情を見て例外を認めさせるということをやってきた。
 だけれども、今はもう生活援助そのものが介護保険ではカバーできないというふうになってきている。要支援外し、あるいは介護度一、二を外す。これはどうやったって、自分でやるなといったってやるしかない、やりなさいという仕組みに介護保険を変えようとしているじゃないですか。大臣、違いますか。
○塩崎国務大臣 訪問介護の生活援助につきましては、利用者が単身、あるいは家族が障害、疾病などのために、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものでございますが、同居家族がいることのみをもって利用できないというものではございません。これまでも、同居家族がいることをもって一律に拒否することがないように、自治体に私どもの方から重ねて周知を図ってまいったところでございます。
 それから、後段今お話がございました、いわゆる軽度者に対する生活援助サービス等のあり方について、今、それをなくすのではないかという御指摘がございましたけれども、これは何度も申し上げているように、昨年末の経済財政諮問会議で取りまとめられました経済・財政再生計画、この改革工程表の中で検討事項となっているものでございまして、これを含めて、今、社会保障審議会介護保険部会、ここで次期介護保険制度改正に向けた議論をお願いしているところでございまして、まだ始まったばかりでございます。
 高齢者の自立支援、そしてまた介護の重度化防止というのが介護保険導入の際の理念でございましたから、その理念にのっとって、軽度者の要介護者の生活を支える観点はどうあるべきなのかということ、その観点をしっかりと踏まえて検討を行っていかなければならないと思っていますし、今何らかの具体的な方針が決まっている中での議論をしているわけでは決してないということでございます。
○高橋(千)委員 一方では、重度化を防ぐといいながら軽度を外すという議論をやって、一方では、介護休業は必要だけれどもそれは基本は公的介護保険でカバーしてねと言って、これは矛盾しているんですよ。同じ厚労省で議論しているんですから、これは人ごとのような答弁をしないで、大臣がきちんと、公的保険でカバーできる範囲をちゃんと守るんだという立場に立ってください。
 もともとの出発点は介護の社会化だ。本当に、お嫁さんが家庭に縛られて介護をずっとやっている、その中から起きてくる問題から、何とか社会で支えようというところから公的介護保険が始まったんじゃないですか。つくった人たちが本当に喜んでいたのに、今はもう変質してしまったということを声を上げている、そのことにやはりちゃんと立たなければならない。重ねて指摘をしたいと思います。
 次に、子の看護休暇について。これは簡単に答えていただきたいと思うんですが、ぜひ、半日単位でなくて、年五日が少ないというのがまずあるんですが、時間休なども細かくとれるようにしてほしいということがあります。
 それから、育児の時短制度について。これは二つまとめて聞いて申しわけないんですが、小学校の低学年まで引き上げられないか。
 学童保育も時間は短いし、学校行事などでしょっちゅう休まなければならない。結局どうしていますかといったら、年五日はとても足りないので、時短も足りないので、結局年休を使っているというのが実態だということでした。
 家族責任休暇、こうしたものも議論していいんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
○香取政府参考人 では、一つ一つ、ちょっと御答弁申し上げます。
 まず、看護休暇の五日の弾力的な取得のお話でございますが、これは審議会でも確かに御議論になりまして、特に労働者側から、時間単位で取得をするといったような細かい取得の仕方ができないかという御議論があったんですけれども、これは、やはり、業種とか業務内容によって雇用管理が非常に難しい業種もある、あるいは代替要員の確保をしなければいけないということもあって、最低の基準として全ての企業に義務づけるという意味で今回法律上セットするわけですが、そこは時間単位までということはなかなか難しいということで、法律上の最低基準ということでは半年単位ということで、一歩前進といいますか、改善をしたわけでございます。
 こちらにつきましても、前の答弁でお話ししましたように、各企業において上乗せはできますので、これは指針等で事業主側の実質的な取り組みを促してまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、時短の話でございますが、現在、御案内のように、育児を行っている労働者につきましては、三歳に満たない子に関しましては時短の制度があるわけでございます。
 これは、平成二十一年、前回の改正のときの議論の中で、やはりこれをもうちょっと延ばしてくれというのもありましたが、当時の制度の普及の状況でありますとか事業主側の負担、それから、これを利用する方は現実にはかなり女性の方が多いということもありますので、余り長い期間、短時間勤務ができるということになりますと、今度は逆に、御本人のキャリア形成等にも影響があるということで、むしろこれは、長時間労働の是正をしていくとか、そういったいわば労働時間全体の見直しをしていくということで基本的には対応することが重要であろうということで、この三歳というところは現行のままで維持するということになったところでございます。
 ただし、この点に関しましても、やはり、短時間勤務については、小学校へ入るところまで可能にするような措置というものは努力義務として事業主側にかかってございますので、これは個々の企業の中でできるようにしていただきたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 家族責任休暇については、ぜひ御検討いただけるでしょうか。
○香取政府参考人 申しわけありません。先ほど、看護休暇で半年単位と申し上げましたが、半日単位。私、言い間違えたので、申しわけありません。
 それから、家族責任休暇でございますが、確かに、我々でも子供を育てますので、学校行事への参加というのはもちろんあるわけなんですが、仕事を休む場面というのはさまざまな場面がありますし、学校の行事ということになりますと、例えば、PTAもありますし、運動会もありますということになりますので、さまざま、かなり実施方法がいろいろあるということがございますので、事業主側の負担ということでこの休暇を一律に義務づけるというのは、やはりなかなか使側の同意も、理解の得られないところもちょっとございまして、ここは、現時点では、そういった家族責任休暇というような形で休暇を設けるというところまでの議論には至っておらないということでございます。
○高橋(千)委員 きょうは、この部分は芽出しですので。
 キャリア形成に影響があるというのは、審議会の中で公益委員の方から出てきたものを局長が代弁されたんだと思いますね。やはり、そういうのがするっと出てしまうのが、本人がそう思っていらっしゃるのかなというのはちょっと残念に思うんですよ。女性の活躍とか、政府としては言うんだけれども、結局、休み過ぎると女性の活躍に響きますよ、昇給もできませんよ、そういう議論をしてしまうこと自体がだめなんですよ。
 やはり、これは全体として労働時間を、男性も含めてですよ、男性も含めてちゃんと減らしていくという取り組みの中に、必要なものを、家族責任を果たさなきゃいけないねとか時短必要だよねということをきちんととる中で、当然全体としても下げていかなきゃいけないねということにやはり力が働くような、その先頭に立っていただかなければ、公益委員の代弁ではなくてということを重ねて指摘したい、このように思います。
 資料の二枚目をぜひ見ていただきたいと思うんですが、時間がなくなってきましたので頑張りたいと思います。
 全労連女性部の、妊娠・出産・育児に関する実態調査。「あなたは、過去に流産した経験がありますか?」というのに対して、これは、一回あるが一七%で、非正規は一八・三%で若干多いんですね。二回ある人が四・七%。三回以上の人もいるんですよ。実に四人に一人が切迫流産などを経験している。これは本当に深刻だと思います。職場の理解不足で、産休がそもそも労基法の定めのとおりとれていないとか妊娠中の保護措置ができていないなど、職場環境の改善は本当に急務であります。
 続けて言いますけれども、マタハラの最高裁判決があって、社会的に認知をされて、今回は、人事権のない上司とか同僚の言葉についても防止措置をとるべきとされたことは歓迎したいと思います。
 現場の声を聞くと、残念ながら、同じ経験をしてきた先輩女性から、また産むのかと言われたり、妊娠は病気じゃない、体調管理をしっかりしてと言われるなど、心ない言動があるんですね。驚いたのは、医療・介護職で、初めての妊娠で胎盤剥離で死産した、その方に対して、子供を亡くしていなくなったんだから産後休暇は要らないだろう、欠勤だと言われた、本当に驚きますよね。
 これは間違っています。間違っているけれども、こんなことが平気でやられているんです。一番身近で相談に乗ってくれるべき人から冷たい言葉を浴びせられるこのしんどさ、この職場環境を本当に改善しなければなりません。
 相談体制の確立や、セクハラもマタハラも許されないんだということをきちんと、定義も含め、指針も大事ですが、法定化すべきだと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 セクハラについては、男女雇用機会均等法において定義を規定して、具体的にどういうものがセクハラに該当するのかということは指針において詳細に規定をしているわけでございますけれども、いわゆる今御指摘のマタハラについては、今般の改正法案において定義を規定して、具体的にどのようなものがマタハラに該当するかについては、法案成立後、労使の参画する労政審の議論を経て、指針で具体的な内容を定めることにしているわけであります。
 男女雇用機会均等法や育児・介護休業法というのは、事業主の雇用管理上の責任を明らかにする法律でございます。妊娠、出産、育児休業等を理由とする事業主による解雇、降格などの不利益扱いについては、既に、先ほど申し上げたように、法律で禁止をされているわけであります。
 一方で、今御提案がございましたけれども、つまり、マタハラ、セクハラ行為自体を禁止すべきじゃないか、こういうことでありますけれども、今回、特にマタハラは、主として上司、同僚等の労働者間の行為として発生するものとして捉えているわけでありますけれども、男女雇用機会均等法等で労働者間の嫌がらせ等を禁止することは、実は、事業主に対する義務を定めることによって労働者の保護を図るというこの労働法制の基本的な構図から見てみれば、なかなか先生の御提案については難しいというふうに考えるわけでありまして、事業主に対して、嫌がらせ等の防止をするための措置、これを義務づけることによってこの問題への対応を進めていくというのが今回のこの法律の改正の趣旨でございます。また、そういう枠組みだということでございます。
 他方、労働者間におけるセクハラ、マタハラが許されないということはもう当然のことであって、その旨については今後とも十分に周知を図っていきたいというふうに思います。
○高橋(千)委員 これはぜひ取り組んでいただきたい。指針はもちろんですけれども、法定を目指して知恵を出していただきたいと思うんですね。
 日本医労連の調査で、さっき一部実態を紹介しました。本当に医療、介護の現場は人手不足、みんなそう思っていますよね。その原因は何かということを考えれば、慢性的な人手不足から、時短中なんだけれども夜勤を強要されたり残業させられる、しかも手当もない。これでは、一度出産した方が職場に戻りたくても戻れないんですよ。
 だから、看護師、介護士不足の背景に、やはり出産しても復職して働き続けられる労働条件がないこと、逆に言えば、これがちゃんと整備できると、やめずに働き続けられる、人手不足も解消できるということなんです。ワーク・ライフ・バランスを処遇改善と一体で解決することが人材不足解決の鍵だということで、早急に実態調査を行い、特別対策を行うべきだということを指摘したいと思います。
 ちょっと時間が来てしまったので、そこは要望にとどめますので、通告してありましたけれども、ぜひ大臣、お願いいたします。
 それで、最後のところは説明だけいたします。
 最後の資料、シルバー人材センターについて、シルバーの派遣事業についての資料であります。
 生きがい就労という位置づけがやはり変わってしまったのではないか。年金が減っているのでもう少し働きたいという高齢者のニーズと、安上がりの労働力供給ということが結びついてはならない。この下の方にあるように、介護とか保育の補助ということでシルバーはもっと活躍してほしいという要望が出ているんですね。その補助が当たり前になってしまっては困るということ、ちゃんとした正規でやらなきゃいけないということ、やはりそこは代替になってはいけないということを指摘して、終わりたいと思います。
 済みません、ありがとうございました。

 

――資料――

【資料1】積立金残高・受給者実人員・完全失業者数・失業給付費・給付率の推移

【資料2】全労連女性部「妊娠・出産・育児に関する実態調査」より

【資料3】シルバー派遣事業について

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