国会質問

質問日:2016年 3月 18日 第190国会 東日本大震災復興特別委員会

放射性廃棄物処分は国の責任で

国の責任で処理を
放射性廃棄物 高橋氏迫る

 日本共産党の高橋千鶴子議員は18日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性廃棄物の処理を被災地に押し付けようとしている政府を厳しく批判しました。
 放射性物質汚染対処特措法の仕組みでは、1キロあたり8000ベクレルを超えたものは指定廃棄物として国の責任で処理します。それ以下の廃棄物の処理は市町村の責任とされてしまいます。
 政府が、2015年8月~16年1月にかけて未処理の放射性廃棄物の線量を再測定すると、宮城県内の3404トンのうち2314トンが基準の8000ベクレルを下回っていました。
 高橋氏は、自治体では従来の指定外廃棄物の処理さえ進んでおらず、国も全容をつかんでいないと指摘。「指定を解除しても処理が進むとは思えない」と迫ると、井上信治環境副大臣は「安全に処理できることを地元住民に説明し、指定解除後の処理については財政的支援を行う」と答弁し、あくまで自治体に処理を押しつける姿勢を示しました。
 井上副大臣はさらに「国が一方的に指定を解除するものでない。(放射性廃棄物の)一時保管者や解除後の処理責任者と協議が調うことが前提だ」と答弁。高橋氏は環境省の「指定廃棄物の指定解除の仕組みについて(案)」では、国が自治体に通知すれば解除できる仕組みになっていると反論し、「国が責任をもって廃棄物の処理を進めるべきだ。そのためには放射性物質汚染対処特措法を見直す必要がある」と迫りました。
(しんぶん赤旗2016年3月20日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 冒頭、一言。
 東日本大震災から五年が過ぎました。その五年を前に本委員会を開くべきだったと思いますが、結果として、今国会最初の質疑が、一週間過ぎた本日となってしまったことは非常に残念に思います。予算委員会でも発言させていただきましたが、被災地から見れば、国会をやっていても我々のことは忘れられている、そういう印象を持たれています。
 委員長にお願いしますが、今国会も残された時間は多くないとはいえ、できるだけ委員会の開催、また現地視察などに取り組んでいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○今村委員長 はい。そのように努力いたします。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 それでは、議題に入ります。
 三月十一日、「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針が閣議決定されました。まず、報道で必ず取り上げられている部分ですが、例えば、十一日の福島民報では、原発対応、国が前面、継続と書いています。該当部分を読むと、原子力災害からの復興再生、「福島の復興・再生は中長期的対応が必要であり、「復興・創生期間」後も継続して、国が前面に立って取り組む。」とあります。
 大臣に伺いますが、ここで言う福島とは、福島県全部を言うのですか。
○高木国務大臣 先般閣議決定されました「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針において、委員の御指摘のとおり、福島の復興再生は中長期的な対応が必要であって、復興・創生期間後も継続して、国が前面に立って取り組むこととしているところでございます。
 原子力災害により、福島第一原発の廃炉に三十年から四十年を要する、放射線量の低下に時間を要すること、避難指示区域において復興に時間がかかることなどから、福島の復興再生は中長期的対応が必要としたものであり、こうした災害の影響が残る福島の復興に向けて、国は前面に立って取り組んでいくという趣旨でございます。
 具体的な地域についての質問でございますけれども、これは、今後の復興の進捗を考慮しつつ、必要な施策に応じて判断すべきものと考えております。
 いずれにいたしましても、原子力災害からの復興に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 そうすると、国が前面という見出しとやはりちょっとイメージが違うんですね。
 安倍総理は、帰還困難区域の見直しに向けた国の考え方をことしの夏までに明確に示すと記者会見でおっしゃっております。復興基本方針の中でも、避難指示の解除が実施されて、復興は着実に進展しつつある、こういう書き込みがあるんですね。要するに、来年の三月までに帰還困難区域以外は解除をする、そして、さらに総理は踏み込んで、帰還困難区域も見直しをすると。
 そうすると、避難区域がどんどん縮小されていく。それは、そのことのよしあしを言っているんじゃありませんよ。まさか、そこだけが国が前面に立つ地域という意味ではないですよね、確認です。
○高木国務大臣 決してそういうものではないというふうに存じております。
 避難指示が出ているところ、出ていないところ、いずれにしても、原発事故による影響というものは少なからず、多少ともあるわけでございます。例えば、風評ということに関しましては、残念ながら福島全県に及んでいるかというふうに思いますので、そうした意味を持っているということでございます。
○高橋(千)委員 最初からそうおっしゃってくださればよかったんですが、何かちょっともったいつけた言い方だったかな、ちょっと含みがあったのかなと思ったので、あえて確認をさせていただきました。
 二つの風とおっしゃっておりますから、風評と風化、これはもう限定された問題では決してない、全体の問題であるということで引き続き取り組んでいくということを確認させていただきたいと思います。
 そこで、復興庁設置法、これは二〇二一年三月末までの時限立法です。当初から、私たちは、十年で終わりにするのかということを聞いておりました。十四日付の福島民報には、四月から議論を始め、三年後をめどに方向性を打ち出す、また、福島復興庁に衣がえする案も浮上と書いてあります。
 私は今、福島全部ですよねと言ったけれども、だからといって、福島復興庁でいいということは思っておりません。率直に言って、その議論はまだ早いかなと思いますけれども、大臣の率直な思いを伺いたい。
○高木国務大臣 復興庁の今後の組織のあり方につきましては、さまざまな報道、要望がなされているところではございますけれども、現時点では政府として具体的な検討はしておらず、また、現在はそのような議論を進める時期ではないと考えているところでございます。
 被災地の復興については、発災から五年を迎え、高台移転や災害公営住宅など住まいの復興や、産業、なりわいの再生など被災者の生活再建も着実に進んでいるところであります。
 他方で、復興・創生期間として次の五年間を展望すれば、長期避難者への心のケアやコミュニティー形成等への支援、東北の観光復興に向けた取り組みや、原子力災害被災地域を中心とした生活再建、産業、なりわいの再生等、全力で取り組むべき課題は山積しておりまして、現在はまず、これらの分野で一つ一つ実績を積み上げていくことが肝要だと考えております。
 もちろん、復興庁の設置期間、御指摘のとおり平成三十二年度末までとされておりますので、被災地の復興の進捗状況等を踏まえて、今後適切な時期に、それ以降のことをにらんだ議論はしなければいけないと考えております。
○高橋(千)委員 まずは当面の課題に集中ということだと思います。
 正直、大臣は就任された直後に復興庁はあと五年ということをおっしゃっておりますので、やはりこれは、最初から、今始まっている、さらに五年どうやっていくかということを議論しているときにその議論は早かったなということを重ねて指摘させていただきたいと思います。
 もう一つ気になることがあるんですけれども、復興・創生期間における政府の基本姿勢のところで、このような記述がございます。「被災地は、震災以前から人口減少や産業空洞化といった、全国の地域にも共通する中長期的な課題を顕著に抱えており、いわば我が国の「課題先進地」である。」と。
 何となく言いたいことはわかるんですけれども、課題といういわゆるマイナスの面といいますか、そういう表現と先進地をあわせたセンスは正直驚いたんですね。なぜこういう使い方をするのかなというのが、まず一つ伺いたいんですけれども。
 それと、やはり、被災地はもともと人口減、高齢化あるいは医療資源不足などの矛盾が集中していた、そこに大震災が来て持ちこたえられなかった部分がある、こういう認識はございますでしょうか。
 また、国による構造改革が進んでいた中、例えば、岩手県の県の職員の数は最もへこんでいた、行革がずっと進んで最もへこんでいたところにこの災害が来たわけですね。もともとこういう課題があったところにこれだけの痛みが来た、そういう認識があるのかということと、資料の一枚目に総理の会見の記事がありますけれども、どうしてそれが一足飛びに、外国人宿泊数三倍とか、新しい東北とか、観光復興元年となってしまうんでしょうか。
○高木国務大臣 被災地におきましては、委員御指摘のとおり、震災前から人口減少あるいは高齢化などの課題に直面をしておりまして、震災により、こうした課題が全国と比べても顕著になっている状況でございます。
 このため、復興に当たっては、原状復帰にとどまらず、これらの課題の解決を目指すさまざまな取り組みに対して、新しい東北の各種施策に支援しているところでございます。
 課題先進地という言葉に違和感という話でございますけれども、言いかえるならば、課題解決先進地というようにお考えいただくのも一つの考え方かなと思います。
 また、地方創生を今言っているわけでございますけれども、被災地東北を地方創生のモデルにしたいというような思いもございます。
 また、外国人宿泊数、この資料にございます、いわゆる東北観光復興元年でございますけれども、これは、私も、復興推進委員会におきまして、復興は道半ばでございますので、ややもすると観光はまだ少し早いのではないかというような話もしたんでありますけれども、その中で、こういった観光の振興を提案させていただきました。
 各県の知事からも、決して早くない、ぜひ今から観光のことをしっかりやって、ほかの地域に負けないように、いわゆる人口減少時代、交流人口をふやす、あるいはまたインバウンド二千万人、さらにその高みを目指している現状において、東北だけ置いていかれるのは、それは困る、ぜひ観光もしっかりとやってほしい、そういうお話もお聞かせいただきまして、今回、本年を東北観光復興元年として観光復興をやっていくということに至ったということでございます。
 ぜひとも御理解いただきたいと思います。
○高橋(千)委員 東北だけ置いていかれるのは困る、そういう声が自治体からあった、それ自体は理解できるんですね。
 だけれども、基本方針には、人が戻るだけではなくというくだりがあるんですね。そして、創造、復興となっているわけですね。だけれども、やはり戻ること自体が大変なことじゃないですか。十七万人以上が避難生活をいまだに送っているわけです。その方たちが本当に戻ってきてこそ、復興の一歩が始まると思うんです。そもそも、外国人がどんなに来ようと、インバウンドを国全体として強調しているのはわかります、でも、過程が抜けているんですよ、記述の中には。それで、いきなり新しい東北になっちゃう。そのプロセスが見えないんです。だから、あえて指摘をさせていただきました。
 もう一言ありますか。
○高木国務大臣 これまでの五年間、先ほど来申し上げているとおり、インフラの整備あるいはまたハード面の整備をやってきたというふうに思います。もちろん、まだ道半ばでございますので、これもしっかりやらなきゃなりませんし、いよいよこれからは生活の再建、あるいはまた産業、なりわいの再生、心の復興、そういったようなことをやらなければならないということは、それはもちろんそのとおりでございますけれども、あわせて、産業の復興というような意味において、観光というのも一つ大きな材料になるのではないかなと考えておりまして、先ほど来申し上げているとおり、ことしを東北観光復興元年と位置づけて観光にも力を入れていきたい、あるいはまた各自治体においても頑張っていただきたい、そういう思いでございます。
○高橋(千)委員 人が戻ること自体が大変なことでありますので、ここは本当に据えて、一緒に。もちろん、観光を進めることで、それに関連する産業の皆さんが復興していくということは当然含んでおりますので、それは理解しておりますけれども、同時に、やはり人々の暮らし、なりわい、その本当に基本的なところを絶対忘れていただきたくないということを重ねて指摘させていただきたいと思います。
 次に、きょうは、環境副大臣に幾つか質問させていただきます。
 放射性物質汚染対処特措法、これによって、いわゆるキログラム当たり八千ベクレルを超えた放射性廃棄物は指定廃棄物とされているわけですけれども、福島県以外の指定廃棄物が現在どのくらいで、何都県にトータルであるのか、お答えください。また、そのうち、宮城県の指定廃棄物の放射能濃度の再測定を行っておりますが、その結果と、八千ベクレルを下回るものについては指定を解除するつもりなのか、伺います。
○井上副大臣 福島県を除く指定廃棄物の量は、昨年末時点におきまして、一都十県で合計二万七千八百三十八トンが指定をされております。
 宮城県の指定廃棄物の放射能濃度の再測定につきましては、昨年八月下旬からことし一月下旬にかけて、県内の全ての一時保管場所三十九カ所を対象に行いました。全体的な傾向として、指定申請時の情報に基づく推計値よりも再測定値の方が低い場合が多く、宮城県内の指定廃棄物全体約三千四百トンの約三分の二に当たる約二千三百トン分について、既に八千ベクレルを下回っているとの結果が得られました。
 また、一昨日開催をしました第九回指定廃棄物処分等有識者会議において改めて御確認をいただきましたが、放射能濃度が八千ベクレル以下の廃棄物については、通常の廃棄物と同様に、安全に処理を行うことが可能です。
 環境省としましては、八千ベクレルを下回った廃棄物については、指定解除の仕組みも活用しつつ、自治体や一時保管者と協議しながら、処理ができるものは順次進めていきたいと考えております。
 なお、指定解除については、指定廃棄物の一時保管者や解除後の処理責任者と国との間で協議が調うことを前提としており、再測定の結果が八千ベクレルを下回っていたことをもって、一方的に国が指定解除することはございません。
○高橋(千)委員 予算委員会でも何度も丸川環境大臣が、この問題で現地に行かないのかということを質問されて、大臣の答えはいつも、今実測しているからと答えているんですね。これは、事情がわからない人には何を言っているのかわからない答弁だったわけです。つまり、それが今の井上副大臣のお答えにあるんですけれども、結局、実測をして、つまり再測定をして、八千ベクレルを超えていないものが三分の二あった、これは解除の条件ができたということ、それを待っているという話だったと思うんですね。
 宮城県では、指定廃棄物の最終処分場一カ所を決めるという方針に対して、三つの候補地からそれぞれ調査を拒まれて全く進んでおりません。それどころか、今や加美町だけではなく、栗原市や大和町も候補地返上を申し出ているわけです。
 私は、この指定を解除するということは、今おっしゃったように、安全に普通のごみとして燃やせますよと言いたいんだろうなと思ったんです。国は苦しくなって責任逃れをするつもりか、こう思ったんですね。だけれども、全部が八千ベクレル未満ではなかった。いずれにしても、処分場は必要なわけですね。だけれども、ひょっとしたら、もうちょっと待って、もうちょっと下がるまでほっておくつもりなのかしら、それでこんなに時間がかかっちゃったのかしらと言えなくもないんです。
 資料の二枚目に、宮城県内の保管場所と保管量、それから空間線量率などの一覧をつけておきました。これは、バックグラウンド、敷地境界、そして一番近い囲い境界ということでそれぞれ分けているわけですが、多分、大臣が行かれたのはこの一番上の岩沼市の浄水場だと思うんです。結構高い場所ですよね。黒塗りのところは多分個人の一時保管者のことで、これはさすがに出さないでというのでこういうふうになっていると思うんです。
 しかし、解除の仕組みについて、三枚目の資料にこうしてあるわけですけれども、結局は、国が解除する旨の通知をするというふうに書いてあるわけなんですね。もちろん協議はするというわけだけれども、通知するだけだと。そうすると、三年だと思って引き受けてきた一時保管者の皆さんが、五年たってもう限界だと訴えているのに、解除したからもう燃やしていいですよと言われて喜ぶでしょうか。
 もともと指定廃棄物ではなかった除染ごみや稲わらなどの処理は進んでいるんでしょうか。今の状況で指定を解除しても進むとは思えません。どのように進めようとしているんですか。
○井上副大臣 指定廃棄物でない農林業系廃棄物につきましては、実は、各地で通常の処理が進んでいるということで我々は理解をしております。例えば環境省の補助事業におきましても、宮城県において、今年度末までの累計で、六百トン程度の牧草やほだ木の処理実績もございます。
 このように、八千ベクレル以下の廃棄物については、自治体の御努力により適正な処理が進んでいる地域もあり、引き続き、科学的に安全であることなどを地元に丁寧に説明してまいりたいと思います。
 また、指定解除後の廃棄物の処理につきましても、処理の安全性に関する地元住民への説明などの技術的支援のほか、指定解除後の処理費用の財政的支援を行って、国として最大限の対応を図る方針でございます。
 いずれにせよ、この問題を進めていくには、地元の御理解と御協力が不可欠であります。明十九日には仙台で、宮城県主催の指定廃棄物処理に関する市町村長会議が開催をされますので、私自身も出席をして、国の考え方について御説明するとともに、地元の御意見も伺って、ともに協力をして進めてまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 六百トンというのが、全体の中でどれだけの意味があるでしょうか。
 これは、前に担当に伺ったときには、例えば焼却場ができましたといった福島県の話ばかりされました。それから稲わらが、いわゆる八千ベクレル以下の廃棄物はどのくらいあるんですかと聞いたら、数えておりませんと言いました。そういう中で、六百トンはできていますと、五年目でですよ、どれだけの意味がありますか。
○井上副大臣 ちょっと私の説明不足だったかもしれませんけれども、指定廃棄物でない農林業系廃棄物につきまして、各地で通常の処理をしていただいている自治体も多くあるということであります。ただ、そのことについて、国が統一的にデータを把握しているわけではないので、ちょっとその数字の方は持ち合わせておりません。
 他方で、環境省が補助事業としてそこに補助をしている事業もあって、まず、その対象が六百トンということでありますので、その六百トンが宮城県内の全ての量ではないということは御理解いただきたいと思います。
○高橋(千)委員 全ての量じゃないことを理解しているから、全体の中でどういう意味がありますかと聞いているんじゃないですか。把握していないんでしょう、今そうおっしゃったじゃないですか。まずそこから始めてくださいよ。それを重ねて言います。
 それで、現実に、最終処分場は立入調査もできない状態で、宮城県内三候補地、この方針を見直さないんですか。みんな返上しましたよ。どうするんですか。
○井上副大臣 済みません、たびたび私の説明不足だと思いますが、六百トンが全てではないという意味、私が申し上げた意味は、指定廃棄物でない八千ベクレル以下の廃棄物の中で既に処理済みのもの、それはもっとたくさんあるはずなんです。ただ、そこのデータを把握していない。その中で把握しているのは、環境省が補助している、その対象でありますから、それが六百トンだということで、全てではないというのは、そういう意味で申し上げたところであります。
 それと、御質問でありますけれども、放射能濃度が八千ベクレル以下となるのに長期間を要する指定廃棄物につきましては、災害などのリスクの観点から、県内一カ所に集約して、安全に管理することが望ましいと考えておりまして、この考えは宮城を含む五県に共通のものであります。
 また、候補地の選定手法は、国の有識者会議のほか、宮城県知事や県内の全市町村長が参加する市町村長会議において、数次にわたって議論を重ねた上で確定し、環境省として決定したものであり、尊重すべきと考えております。この選定手法に基づいて、環境省によって選定作業を行った結果、三カ所の詳細調査候補地を公表させていただきました。
 現地での調査が実施できていない状況につきましては大変遺憾でありますけれども、三つの市町に対しては、引き続き、調査についての御理解が得られるよう丁寧に説明する努力を行ってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 三つの自治体はそれぞれ、候補地になる時点で、データに問題があるとか候補地として適さないとか、さまざまなことを訴えていた。それは結局、平行線のままここまで来たんですよ。その間の努力が結局、調査させてください、できませんという、それだけだった。でも、全部の自治体に対しての、今例えば、では、汚染稲わらはどのくらいあるんですかという把握だとか、やはりそういう全体の努力が足りなくて、今になって線量が下がりました、解除します、これは余りにも無責任じゃないですか。
 二月十九日の予算委員会で、階猛議員がこの問題を質問しましたね。その際に、丸川大臣は、「指定廃棄物が八千ベクレルの基準を下回ったとしても、この廃棄物の処理が円滑に進むように国が責任を持って取り組んでいくということははっきり申し上げたいと存じます。決して処理責任を放棄するものではありません。」と答えている。この答弁は大丈夫ですか。
 放射性物質汚染対処特措法の仕組みでは、指定が解除されると、責任は、今言ったように、安全だから普通に燃やしてくださいと、市町村に移っちゃうんですよね。資料を見てもそうなんです。市町村がやるということになっています。これで本当に、今言ったように、国が責任を持ってということを担保できますか。本当にそのつもりであったら、特措法を見直して、国が責任を持つということ、要するに指定廃以外のものについても言うべきではないですか。
○井上副大臣 指定解除後の指定廃棄物の処理につきまして、やはり科学的には安全だとしても、住民の皆様の御心配、これは私どもも理解できるところであります。
 ですから、解除後の指定廃棄物の処理について、国としても、処理の安全性に関する地元住民への説明などの技術的支援、また指定解除後の処理費用の財政的支援など、国として責任を持って対応を続けていきたいと考えております。
 指定解除は、一時保管者や解除後の処理責任者との協議が調うことを前提に行うとしているため、一方的に国が責任を放棄するものではないということ、これは御理解をいただきたいと思います。
 指定解除の要件や手続につきまして、今後、省令改正によって明確に規定をすることも予定しております。
○高橋(千)委員 財政支援をすることと国が責任を持つということはイコールじゃないんですよ。それは幾ら何だって、財政支援はするでしょう、どんな場合だって。だけれども、それで責任を果たしたということにはなりません。
 これは、三年後の見直し、作業していて、結局今のスキームでいくという方向になったようでありますけれども、やはりこれを本当に進めるためには、あるいは自治体との信頼を取り戻すためには、見直す以外にないです。いかがですか。
○井上副大臣 先ほど来申し上げているのが国の方針ではありますけれども、やはりこの問題に対応するには地元の理解と協力が不可欠だということは私どもも間違いないと思っておりますので、そういう意味では、地元の御意見も丁寧に聞きながら、しっかりこの問題が前に進むように努めてまいりたいと思っています。
○高橋(千)委員 全く納得いきませんが、これは議員立法でもありますので、ぜひ皆さんにも呼びかけて検討したい、国にも責任を果たしてもらいたいということを重ねて指摘したいと思います。
 もう一つ。資料の四枚目を見ていただきたいと思うんです。
 二月十一日付福島民報、「県内線量測定 縮小へ」「避難区域外 装置撤去や再配置」と書いてあります。モニタリングポストを二千四百台ですか、避難区域以外のところは撤去するということなんだそうです。
 そして、これは同じことなんですが、資料につけておりませんが、河北新報の見出しは、帰還困難区域、放射線量を詳細測定へと書いてある。全く違うんですね。縮小というところを強調している記事と、詳細測定を強調している記事と、全然受けとめが違うんですね。
 これは、二月十日の原子力規制委員会において田中委員長が、昨年十一月及び本年最初の原子力規制委員会において、私から、事故から五年が経過しようとする中で、これまでの取り組みを整理した上でモニタリングについて見直すよう求めましたと言って、今の答えを引き出しているんです。こういうところにも五年というのがあるのかなと思うんですね。
 規制委員会に伺います。これが事実なら、なぜでしょうか。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。
 東京電力福島第一原発事故に伴う放射線モニタリングにつきましては、モニタリング調整会議で定めました総合モニタリング計画に基づいて、関係省庁、地方公共団体、事業者等の関係機関が連携して実施しておりますが、その際、モニタリングの方法につきましては、測定の結果等を踏まえて随時見直しを行っているところでございます。
 今回の見直しでございますが、東電の福島第一原発事故から五年が経過する中で、原子力規制委員会が実施するモニタリングについて、これまでの取り組みを整理し、必要な見直しを行うというものでございます。
 具体的に申しますと、今後の避難指示区域等の住民帰還に資するモニタリングの充実強化を図るため、新たに帰還困難区域等を対象とした詳細なモニタリングを実施すること、それから、これまで約五年間実施してきたモニタリングについて、空間線量率の時間的な変動が小さく安定してきている状況を踏まえ、リアルタイム線量測定システムによる測定については、今後は避難指示区域等を中心に継続することなどを内容とするものでございます。
○高橋(千)委員 リアルタイム測定というのは、ホームページでお母さんたちがいつでも見られるようになっているし、また、その線量計が学校とか公民館にあるので、いつでも見られるわけですよね。
 五年前、事故の前と、ほとんど線量が戻った、だからもういいんじゃないかということを田中委員長はおっしゃったわけですよね。だけれども、今現在も原発サイトでは汚染水が毎日四百九十トン流れております。本当に深刻な処理作業をまだしているわけですよね。
 そういうときに、もしも今、事故前と変わらない水準だというのであれば、そのことを今も確かめたい、それが県民の気持ちじゃないでしょうか。汚染水が漏れても、ちゃんと対策がとれているよ、変わっていないよということを確かめたいからモニタリングポストが大事なんじゃないでしょうか。その気持ちをちゃんと受けとめていただきたい。
 残念ながら時間が来ましたので、ここは見直しはやめるべきだと指摘して、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

 

――資料――

【資料1】福島民報記事

【資料2】宮城県内の指定廃棄物一時保管場所の状況

【資料3】指定廃棄物の指定解除の仕組みについて

【資料4】福島民報記事

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