国会質問

質問日:2016年 2月 15日 第190国会 予算委員会

震災から5年 ~住宅再建、除染、賠償~

 東日本大震災から5年を経ようとしています。いまなお住宅再建に至っていない被災者の実態、自治体の独自支援により住宅再建を果たした被災者の声を示し、国の被災者生活再建支援金の拡充を求めました。
 また、浪江町の住民による慰謝料増額を求める申立てについて東京電力が原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)の和解案を拒否し続けている問題をとりあげ、福島第一原発事故の被災者に寄り添った賠償を求めました。

○赤旗記事

損害賠償 責任果たせ / 福島事故 高橋氏が東電追及

生活再建支援金の拡充を / 高橋氏要求 自力再建は復興の土台

環境相に謝罪迫る / 高橋氏 被災者の気持ち受け止めよ

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 東日本大震災と原発事故から間もなく五年になろうとしています。きょう二月十五日は、千八百三日目です。大切な人を失った悲しみが癒えることはありません。今も、行方不明者二千五百六十二名、月命日には捜索活動がされ、家族を捜し続けている方々がいらっしゃいます。卒業式を開けないまま離れ離れになった中学生は、ことしは成人式です。もう五年とは決して言えない年月ではないでしょうか。
 政府は、五年目の三・一一を前に、復興基本方針を閣議決定すると言っています。骨子案によると、向こう五年間を、集中復興期間に続く復興・創生期間と位置づけ、復興期間の総仕上げとして、被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるような復興を実現すると言っています。
 総理は、一月二十二日の施政方針演説で、来年春までに、計画の八五%に当たる二万五千戸の災害公営住宅が完成し、高台移転も七割で工事が完了する見込みなど、この間積み上がってきた数字を示しながら、復興は新たなステージと強調されました。
 しかし、だからこそ、一人一人の被災者にとって、どうなのでしょうか。
 伺います。
 立派に道路や建物が立ち並んでも、人々の暮らしと生業が再建されなければ真の復興とは言えないと思いますが、総理もこの認識を共有されるのか、伺います。
○安倍内閣総理大臣 まさに私は、高橋委員のおっしゃるとおりだ、このように思います。
 東日本大震災からの復興は安倍内閣の最重要課題であります。地震、津波被災地域では、来年春までに、計画の八五%に当たる二万五千戸の災害公営住宅が完成し、高台移転も七割で工事が完了する見込みであるほか、これまでに水産加工施設の八五%で業務を再開するなど、住まいの再建やなりわいの再生が本格化しており、復興は新たなステージを迎えつつあると考えています。
 復興に当たっては、これまでも、インフラの復旧や住宅の再建だけではなくて、被災者の方々の暮らしやなりわいの再生にしっかり取り組んできたところであります。
 四月からは後期五カ年の復興・創生期間が始まりますが、この期間に復興をやり遂げるという強い意思を持って、引き続き、心身のケアやコミュニティーの形成支援、観光業や水産加工業の復興の加速化などに取り組んでまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 心身のケアという一言はあったんですけれども、私が質問したのは、やはり人々の暮らしそのものに着目して。確かに、インフラがいろいろ進んでいるのは私自身もこの目で見ていますし、現場がどんなに頑張っているか承知の上で聞いています。そこに思いを寄せていただきたいということであります。
 もう一つ、発災以降、全国で四十七万人以上だった避難者は、一月十四日現在で十七万八千人になっております。うち、福島の避難者は九万九千六百八人です。
 先ほど紹介した政府の基本方針の骨子案には、こう書いています。「福島の原子力災害被災地域においては、田村市、川内村、楢葉町では避難指示の解除等が行われるなど、復興に向けた動きは着実に進展。」極めて違和感を覚えました。
 昨年九月に全町避難から避難指示解除になった楢葉町では、帰還率は六%を切っており、松本幸英町長は、二〇一七年春に五割ぐらいが戻ればいいと思うとコメントされています。
 解除イコール帰還ではありません。この書き方、どうでしょうか。解除さえすれば復興が進んでいるという認識なんですか。
○安倍内閣総理大臣 避難指示の解除につきましては、ふるさとに戻りたいと考える住民の方々の帰還が可能となります。そこから本格的な復興が始まると考えております。まさにこれは、避難指示解除によって終わりではなくてスタートだというふうに考えておりまして、安心して戻れるふるさとを一日も早く取り戻せるよう、政府一丸となってしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
○高橋(千)委員 そうであれば、解除が進んでいるので復興が進展しているという表現はやめればいいと思います。これは案ですので、これから閣議決定されると思いますので、ぜひこれはとっていただきたい、この認識を改めていただきたいと思います。復興の総仕上げとか、解除したから進んでいる、こういう認識の一つ一つが被災者を傷つけていると言わざるを得ません。
 陸前高田市の戸羽太市長は、五年が過ぎてしまえば次は十年目だ、忘れられるのが一番つらいと述べておられます。大熊町のある自治会長さんは、国会を見ていると、私たちのことは忘れられているんじゃないかとつぶやきました。これは私自身にとっても大変重い言葉だと思っています。三・一一が単なるメモリアルデーにならないように、今やるべきことを政府に質問し、また、具体の提案もさせていただきたいと思います。
 まず、住まいの再建についてです。
 自宅の再建が進んでいるかどうかの一つの目安として、個人の住宅再建に、基礎支援金百万円と加算支援金合わせて最大三百万円支給する被災者生活再建支援金がございます。最初の基礎支援金を受け取った世帯は十九万二千六百三十八世帯。うち、加算支援金まで受け取った世帯は十二万五千七十四世帯。基礎支援金を受け取ったうち、三六%が再建に至っておりません。
 二〇〇七年法改正のときには、衆参の附帯決議で四年後の見直しを明記しました。その四年後に三・一一大震災があったために、今、災害の規模が大き過ぎるので待ってほしいというのが当時の防災担当大臣の答弁でありました。でも、それからさらに五年たったのです。支援金を五百万円まで拡充するとか、支援対象を一部損壊まで広げるなど、改正に踏み切るべきではないでしょうか。
○河野国務大臣 二〇〇七年の附帯決議を受けまして、これまでさまざまな検討を行ってまいりました。東日本大震災の後も検討会を行いまして、平成二十六年の八月に中間取りまとめがありました。
 その中で、被災者の生活再建については、被災都道府県の独自支援の活動を広げていく、あるいは、災害に対応するための保険や共済にしっかり加入をしていただく、平時からそうした備えをしていくことが必要だというのが取りまとめでございます。
 そういうことで、私は、特に法改正をするよりは、自助、共助を促すために保険や共済への加入を促進していく、そういう道をしっかりとってまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 今、二つのことをおっしゃったと思うんですね。
 後半の地震保険については、今、平均加入率が二八・八%、トップは宮城県の五〇・八%でして、この間、地震が大変続いた、津波も続いた、そうした中で加入率が高まったのかなと。そこに、国が支援する、税金の控除ですとか、それは当然いいことだと思っていますし、それ自体は否定をいたしません。
 しかし、最初におっしゃった、都道府県が先にやればいいという話は、私は、もともと都道府県は、自治体もそうですが、住民に一番向き合っているわけですから、言われなくてもやっているわけなんですよ。それを、都道府県や自治体がいろいろ努力をしてやってきたことを、国が後から、そうですね、こういう制度も必要ですねとやってきたのがこれまでの歴史であって、今さら、県がまず最優先ですよというのは違うだろう。今までのいろいろな仕組みが、法の縛りがあるんだということがこの間の震災でも言われてきました。そのことにしっかりと立って見直しをするべきではないかと思うんですね。
 具体的にお話しします。
 岩手県は自宅再建に最大百万円、それに各市町村が上乗せ支援をしております。
 資料一枚目、これは二枚、各市町村のをつけておいてあります。大変バラエティーに富んでおりまして、建設費のほかに、地域材を活用するとか、バリアフリーの活用、浄化槽設置費用など、さまざまなメニューを活用することで五百万円から最大で一千万円を超す補助が実際に実現をしています。
 先月、岩手県の大船渡市で高台移転をして自宅再建を行った方たちの声を聞いてきました。千五百万円を三十年間二世代ローン、最初は諦めていたが、やはり家を建てようと子供に言われて決心をした、県や市の独自補助がなければ無理だったという方。二年我慢すれば仮設から出ることもできるとお互いに励まし合ったけれども、二年たっても三年たっても気配がない、小学校一年生だった孫は今春卒業、四年生だった孫は高校生、このまま家を再建せずいいのか、それが大人の責任ではないのかと自問自答して決意をされたとおっしゃっていました。
 サラリーマンなら定年を過ぎている年代の被災者たちが、長い期間のローンをしょってでも再建に踏み切っていることを知ってほしいんです。
 しかも、ただじっと支援を待っていたのではありません。土地も自分たちで見つけ、高台移転の、その高台のどこがいいかを自分たちで見つけているんです。地域として話し合いや勉強会を重ね、途中で抜ける方もいれば、入る方もいました。大変な苦労を重ねました。
 総理に伺いますが、個人の財産に税金は投入できない、これは阪神・淡路大震災のときから国がおっしゃって、常に壁となってきました。しかし、岩手県の事例にあるように、自力再建は、単なる個人の財産問題ではなくて、地域をつくり、復興の土台というまさに公共的役割があると思います。総理にこの認識を伺います。
○安倍内閣総理大臣 被災者の住宅再建については、県、市町村の取り崩し型復興基金を活用した助成に加えて、被災者生活再建支援金を支給するとともに、高台移転事業による宅地を借地として提供するなど、被災者の負担を軽減する支援措置を引き続き講じることとしております。
 引き続き、地元の声に丁寧に耳を傾け、まちづくりやなりわいの再生、心身のケアなどあわせて、一日も早く被災者の方々が安心して生活できる住宅に移れるよう、全力を尽くしていきたいと考えております。
○高橋(千)委員 では、資料の二。三枚目を見ていただきたいと思うんですね。
 これは「山田型復興住宅 地産地工で住宅再建をお手伝い」と書いています。これは、町として、地域の材を使って地元の工務店に発注することで八百万前後で自分の家を建てられますよと、モデル住宅を示しているんですね、安くて良質で。
 山田町の佐藤町長は、五百万を超す独自補助を受ければ、あとは利子補給など融資もあって手の届く値段だから自力再建が可能になるとおっしゃっていました。大いにモデルケースとして期待しております。あと一押しの支援で自力再建につながるんだったら、むしろ、費用対効果も大きいですし、若い人の定着にもつながります。
 そして、今総理が期せずしておっしゃった自由度の高い基金、決め手となった県や自治体の独自支援策だって、財源は実は国の復興特別交付税なんですね。つまり、間接的なら国は支援できているんですよ。だったら直接的に踏み切ったっていいじゃないかということ、このことを言っているんですね。
 次に、資料の三を見ていただきたいと思います。
 東日本大震災の住家被害は百十七万八千二百三十三件です。うち、被災者生活再建支援金を受け取ったのは、一六・三%にすぎません。しかし、これは、東日本大震災の方はまだ割合が高いわけです、みなし全壊とかがあったから。しかし、現実には、全壊か大規模半壊以上でなければ対象にならないので、全体の住家被害から見たら大変少ないです。
 二〇〇七年から見覚えのある災害の名前が続いているので見ていただきたいと思うんです。能登半島地震、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震と、ずっと豪雨や台風が続きました。どれで見ても、住家被害のあるうち数%、一桁台、零コンマの割合でしか支援金を受けられないんですね。一部損壊や床下浸水、床上浸水などが多いからです。
 こうした実態をどう見るのか。よく検証して、被災者生活再建支援の名にふさわしい制度に再構築するべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 被災者の支援は、一義的には基礎自治体であります市町村がこれに当たるということになっております。市町村の財政負担が大きい場合に、県あるいは国が財政負担を軽減するために出てくるというのが今のスキームでございます。
 被災者生活再建支援法は、自然災害によってその生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対する、生活再建を支援することを目的とした制度でございますので、全壊世帯あるいは大規模半壊世帯を支援対象としております。これを拡充するということは、ほかの支援制度とのバランスや、あるいは財政負担などを考えると、慎重に対応しなければならないというふうに思っております。
 半壊世帯に対しましては、災害救助法に基づく応急修理、住宅金融支援機構融資、あるいは災害援護資金の貸し付けなどの支援がございますので、それで対応していただくということで、これからの災害については、やはり保険、共済への加入をしっかり促していくということにまず注力してまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 八年くらい同じ答弁を聞いているんです。ですから、これだけの災害が積み上がっていますから、一部損壊といえども何百万も補修にお金がかかっている、これも私、ここで質問をしています。そうしたことも含めて検証するべきではないかと言っているんです。
 住宅の応急修理だって、本当に、修理をすれば住めるということが本当の目的だったにもかかわらず、半壊以上、しかも所得制限を設けたために、多くの方が受けられないでいるんです。だから、このことを指摘しています。これは私、最初に応急修理の問題を二〇〇四年に災害特別委員会で取り上げたその経緯がありますので、本当に悔しく思っています。でも、ここは同じ議論はしません。これをきちんと検証してくださいということを求めたいと思います。
 そこで、次に、今月の十二日、仙台市青葉区の災害公営住宅で、四十代の息子さんと二人暮らしの女性、七十二歳の女性が死亡しているということがわかりました。河北新報によりますと、息子さんが入院中で、死後十日以上たっていたといいます。この公営住宅は三十二世帯が入居し、御近所づき合いはほとんどなかったといいます。
 また、先月も、私自身が仙台市内の仮設住宅を歩いていたときに、高層マンションのような災害公営住宅に入って、誰とも会わず孤立死した高齢者がいるのよという話を聞きました。
 今心配されるのは、まさにそうした孤独死の問題であります。
 まず最初見ていただきたいのは、阪神・淡路大震災における孤独死の数であります。
 兵庫県警の資料でありますけれども、孤独死とは、仮設住宅や公営住宅における独居変死者、誰にもみとられず亡くなった方と定義をしています。毎年毎年、三十人から七十人台が亡くなっている。このこと自体衝撃です。九九年ががくんと減っているのは、仮設住宅が解消した年なんですね。その翌年から、またこんなに、五十六、五十五、七十七というふうにふえていることに大変衝撃を受けております。
 そこで、復興大臣に伺いますが、東日本大震災の被災者で、孤独死といったものはどのように把握をされているでしょうか。
○高木国務大臣 お答え申し上げます。
 孤独死については、その人数などのデータを把握しているものではございませんけれども、自治体との意見交換等の場で、孤立防止は対応すべき課題として把握してきたところでございます。
 警察においての数字、あるいはまた県における集計といったものは報道等を通じて知っておるところでございます。
○高橋(千)委員 私、このこと自体を問題にしたいと思うんです。ぜひこれは、ちゃんと定義も決めて把握するべきではないでしょうか。
 例えば、宮城県が、昨年八月、県警が七十九人孤独死がいますと把握していたのに対して、いやいや、ゼロですと言ったんですね。それは、県の定義が、六十五歳以上で、かつ周囲から孤立し、誰にも理解されなかったみたいな、そういう厳しい要件をつけていたので、値しないというふうになってしまったんです。
 きょう出したこの資料は、必ずしも孤独死とイコールではないかもしれません。ただ、ヒントになると思うんです。被災三県の警察の、仮設に単身居住であった中の死者数という数字であります。四十一人、四十五人、四十六人、五十三人というように積み上がっているんですね。
 しかも、私、すごく深刻だと思うのは、さっき言ったように、各県で、六十五歳以上の孤独死というふうにカウントをしているわけなんです。ですが、六十五歳未満の割合が、実は、二〇一五年で四七・二%、半分近くいるんですよね。ですから、これは神戸でも同じことが繰り返されていたんです。介護などにも結びつかない。だからこそ、若年者はむしろ深刻だとも言えるんです。
 そうしたことを踏まえて、やはりきちんと定義もして、把握を今からでもするべきではないでしょうか。
○高木国務大臣 今委員も御指摘のように、定義というのもいろいろな考え方があるんだろうというふうに思います。
 いずれにしても、こういった状況というのはあってはならないというふうにも思いますので、まず何におきましても、そうしたことが起きないようにやっていくというのが私どもの務めだというふうに思っております。
○高橋(千)委員 せめて神戸のように、阪神・淡路大震災のように、倣って、しかも、岩手、宮城でも一定の把握をしているわけです。今からでも把握をするとお約束いただけますか。
○高木国務大臣 先ほど申し上げたとおり、警察においてもそうでありますし、県においても集計をしているところでございますから、そうしたような数字もいただきながら、どのように考えていくか検討をしていきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 ここはぜひ把握をきちんとして、その上で対策が当然急がれるわけですから、お願いをしたいと思います。
 もう一つ、現実的な提案をしたいと思います。
 国土交通大臣にお願いをいたします。
 私は、三・一一の直後から沿岸部を回りながら、車も流されて、遺体安置所を一つ一つ訪ね、家族を捜している被災者たちを見て、瓦れきの中でもバスなら走れる、そう思って、ミニバスやディマンドタクシーなどのこうしたコミュニティーバスに補助を、被災地特例をと質問で求めました。それが今、三十二の市町村で実施をされ、大切な足になっています。
 ところが、来年からは、さらに五年間延長はするんだと聞きましたけれども、条件が、仮設住宅を経由しなければならないと言っているんです。これから先、どんどん公営住宅や高台移転に移っていくのに、仮設住宅を経由しなければバスが走れないというのは、これはおかしな話ではないかと思うんですね。
 仮設を公営住宅と読みかえてもいい、あるいは、高台移転したときに交通の便が悪い地域とか、自治体の計画に整合性があれば認めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 東日本大震災の被災地の生活交通を確保するため、復興特会による地域公共交通確保維持改善事業において、応急仮設住宅等と病院、商店街等の間のコミュニティーバスなどの運行を支援してきたところでございます。
 今後の復興特会による地域公共交通確保維持改善事業については、引き続き応急仮設住宅等を経由する運行を支援してまいりますが、現在までの被災地の状況に鑑みれば、災害公営住宅等も経由する運行が大半になるものと見込まれます。
 仮に応急仮設住宅等を経由しないで災害公営住宅等を経由する場合におきましては、被災地特例ではない、一般会計による地域公共交通確保維持改善事業において、交通不便地域の移動確保を目的に支援できるものと考えておりまして、被災地の実情を踏まえて適切に対応してまいる所存でございます。
 国土交通省といたしましては、今後とも、被災地からの声をよくお聞きしながら、必要な生活交通の確保に努めてまいりたいと存じます。
○高橋(千)委員 せっかく途中まではいい答弁をしてくれるのかなと思ったのが、ちょっと残念でございました。
 わざわざ被災地特例を設けたのは、一般であると基準が厳し過ぎるからなわけですよね、十五人以上とかで。それを今被災地でやるのは厳しい。一般に必ず入るというのであればそれは違うかもしれませんけれども、そこをちゃんと見ていただきたい。今大臣だって、答弁したときに、仮設住宅等とおっしゃったのに、なぜその等に公営住宅を入れないのかと不思議に思って聞いておりました。
 山田町でようやくことし秋までに、ベッドのある県立山田病院が完成するわけです。いろいろ課題はあるけれども、私たちの病院ができると現場も町も大変喜んでいました。でも、今あるプレハブ仮設の病院も、つながっているのは、私が今紹介したコミュニティーバス事業があるからなんですよ。仮設を出た途端、あるいは高台に行った途端、通えなくなったら意味がないではありませんか。
 先ほど紹介したように、ひとりぼっちで、買い物もできないような不便なところに、高層マンションのような公営住宅に入った高齢者が孤立死になっていく、そんなことがないように、これは大切な足、確保していただきたい。もう一度お答えいただきたい。
○石井国務大臣 先ほど御答弁いたしましたとおり、仮に応急仮設住宅等を経由しないで災害公営住宅等を経由する場合には、一般会計による地域公共交通確保維持改善事業ができるわけでありますけれども、現在の被災地の実態からすれば、実態上、大半がこの一般会計で行います地域公共交通確保維持改善事業の対象になり得るものと理解をしております。
○高橋(千)委員 なり得るとおっしゃいました。本当にそうなのかどうかは検証してみないとわかりませんので、ぜひそのことも等に含めていただきたい。今せっかくこうして喜ばれている足がまさか奪われるようなことがないように、重ねてこれはお願いをしておきたいと思っております。
 それで、国交大臣、もう一点簡単にお答えいただきたいと思うんですが、災害公営住宅が完成するまでに長い時間がかかったために、入居を希望しながら取りやめにしたなど、少なくない空き部屋が出ております。自治体にとっては大変頭の痛い問題です。
 そこで、被災者ではないけれども住宅に困窮している低所得者や公営住宅の待機者など、あるいは復興支援で被災地に移住したい、そういう方たちを受け入れるということ、これは、公営住宅を必要とする被災者を阻害するのでさえなければやはり柔軟に対応してもよいと思いますが、一言お願いいたします。
○石井国務大臣 災害公営住宅の入居率は昨年の十一月末時点で約九四%となっておりますが、これは、被災者が民間住宅へ入居したり自力で自宅を再建するなどその意向が変化をしたこと、また、被災者が死亡されたり高齢者施設に入居するなど事情が変化したことなどにより、災害公営住宅の一部に空き室が生じている地区もあると聞いております。
 こうした空き室につきましては、まずは、地方公共団体が広く被災者の再募集やまた住宅相談を行い、被災者の方々が避難生活を解消できるよう、その入居を促しているところでございます。また、それでも入居が進まない場合につきましては、一般の公営住宅として、地方公共団体の御判断によりまして、地元の方や復興支援を行う方などで住宅に困窮する低所得者に入居していただくことが可能でございます。
○高橋(千)委員 確認をさせていただきました。これからは、いろいろな応用編、あるいは柔軟な対応というのが本当に求められると思うんですね。五年で区切りをつけたら仮設じゃなきゃだめよ、さっき言ったバスのようなそういうことではなくて、やはり実態を見て対応していただきたいということを重ねてお願いしたいと思っております。
 それでは次に、原発事故からの復興について伺いたいと思います。
 政府は、昨年六月に、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」を閣議決定いたしました。事故から六年を超えて避難指示の継続が見込まれる帰還困難区域以外の区域、すなわち避難指示解除準備区域と居住制限区域については、各市町村の復興計画等も踏まえ、遅くとも事故から六年後までに避難指示を解除するとしました。つまりは、来年三月までに帰還困難区域以外は帰還を促すというものです。もちろん、そのための拠点整備や除染などの集中支援を行うと言っておりますけれども、原発事故においては期限を決めても全てをそこに合わせることはできないと思います。
 総理に伺いますが、原発事故が収束していない中、期限を区切った帰還や打ち切りではなく、被害の実態や対応状況に応じて判断し、必要な賠償や支援もするべきと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 避難指示の解除は、線量の低下、インフラや生活関連サービスの復旧を確認し、自治体や住民の方々とのさまざまな場における対話を重ねた上で行うものでありまして、期限を切って行うものではありません。
 東京電力による損害賠償については、政府として同社に対し、引き続き、被害者の個別の状況を丁寧に把握した上で、迅速、公平かつ適切に行うよう指導していきます。
○高橋(千)委員 今、期限を切って行うものではないという明確な答弁をいただきました。それに本当に沿って実態がなっているのかということを見ていきたい、お願いをしたいと思っております。
 まず、全町避難を余儀なくされ、現在、帰還困難区域、居住制限区域、避難解除準備区域というように三分割されている富岡町は、早ければ来年四月の帰還開始を目指しています。
 同町の除染検証委員会が、昨年の十二月二十二日、中間報告書をまとめ、緊急提言を行っています。例えば、復興拠点なのに未除染のところがあるとか、住宅地だけれども局所的に線量が高いところがあり、再除染を行うべきなどと、急いで取り組んでほしいと四点を提言しています。
 実は、富岡町のある区長さんから、道路一本隔てて、向こうは帰還困難区域、こちらは居住制限区域、つまり、片側は除染していないのに、これでは帰れないだろうと訴えられたんですね。なるほどと思い、それがまさにこの報告書なのであります。
 資料の六を見ていただければと思います。
 これはかなり細かく、地上からも三カ所、一センチ、五十センチ、百センチというように、それから、境界線から一メートル、十メートル、二十メートルというように、何カ所もはかっているんですね。そうすると、見ていただくとわかるように、境界線がやはり高いということがわかると思うんです。
 これを写真で見るとこうなるわけですね。
 住宅密集地では、道路は四メートルしかないんです。この際というのは、境界線というのは道路は四メートルなんです。それを隔てて、除染をしているところとしていないところ。道路際までしかやっておりません。山林部だと道路は少し幅が広いです。それでも十メートルなんですね。これが境界線になっている。
 ですが、環境省だって、生活圏の空間線量率低減のために、宅地境界から二十メートルの範囲は除染するとしているじゃないですか。
 丸川大臣に伺いますが、これは当然、一体的に進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○丸川国務大臣 先生の御指摘の富岡町の除染検証委員会の取りまとめた中間報告について、私どもも承知をしておりまして、富岡町からも、帰還困難区域における境界付近について除染を行ってほしいという御要望をいただいているところでございます。
 その上で、富岡町の御要望については、今まさに関係省庁とともに町と御相談をさせていただいているところでございまして、どのような対応が可能かということについては引き続き検討させていただきたいと思っております。
 と申しますのも、帰還困難区域の取り扱い全体をどうするかということについて、まず、議員も御承知だと思いますけれども、政府全体の方針として、放射線量の見通しであるとか、あるいは今後の住民の皆様方の帰還の御意思、あるいは将来の産業ビジョン、復興の絵姿を踏まえて地元の皆様とともに検討をして、一方、復旧復興のために特に必要性の高い広域インフラあるいは復興拠点というところについては、環境省と連携して個別に除染を進めていくというようなことで今やらせていただいているところでございますので、こういうことも踏まえた上で、きちんと富岡町の皆様と向き合って、しっかり検討を進めてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○高橋(千)委員 正直、衝撃の答弁でありました。年末に大臣に要望書が出されているのに、まだ今相談しているという答弁で、ちょっとがっかりしましたよね。
 しかも、これは富岡町の区長さんからお話を聞いたと私、言いましたけれども、どこでも今、これから起きる問題なんです。だから、全体の問題としてちゃんと考えてくださいということなんですよ。しかも、富岡町は、さっき言ったように、ほとんどが除染に同意をしていますし、昨年の年末では八割もう完了しているわけなんですね。そうした中で放射線量も下がってきた。だけれども、これはないでしょうということを具体的に指摘している。
 環境省の方針を見ますと、復興拠点となる施設や地区について、関係機関と調整の上で限定的にやると言っているんです、帰還困難区域については。つまり、常磐道を通す、そのときは除染をするけれども、一般の生活道、ここと向き合っているんですよ、それに、ちょっと待ってくれ、まだわからないと。それはないでしょう。環境省の方針からいったって、これは一体的にやるとお答えになるべきではありませんか。
○丸川国務大臣 今まさに協議をさせていただいている最中でございますので、また御報告させていただけたらと思っております。
○高橋(千)委員 また御報告というのは、どこで御報告をいただけるんでしょうね。これは本当に引き続き答弁を待ちたいと思います。前向きに本当にお願いいたします。
 先ほど来、丸川大臣の発言のことで議論が進んでおりますけれども、一ミリシーベルトは何の科学的根拠もない、時の環境大臣が勝手に決めたと発言されたことを撤回されました。このことについては、当時の環境大臣だった細野委員が十日、この委員会で、国際機関であるICRPの資料も示して指摘をされましたので、私はそれは繰り返しません。
 だけれども、私は、大臣自身が誤解されているんじゃないかな、こう思うんですね。今紹介した富岡町だって、環境省が直轄でやっているんですよ。そして、細野大臣の時代に目標とした、まずは五割下げるということを実際にやり切ったと喜んでいる。だけれども、まだまだ部分的に高いよと現場で必死にやっている方たち、そういう方たちに対しても、やはり傷つける、謝罪するべきではないかと思います。
 また、中間貯蔵の予定地がある大熊町の皆さんは、去年も会いましたし、先週も会いました。中間貯蔵がなければ除染も復興も進まない、だから仕方ないと思うと受け入れる覚悟をしているんです。今、二千三百六十五名の地権者のうちまだ二%、四十四人しか同意がとれていないといいますけれども、でも、一年前お会いした人たちが、ことし、先週会ったときも、まだ何にも言われていないと言うんですよ、環境省から。そうおっしゃっているんですよ。協力しようと思っているのに、環境省の高飛車な態度が許せない、我慢できない、そうもおっしゃっています。
 大臣は、帰還が進まないのは、被災者がむちゃな要求をしているとでも思っているんですか。それこそ誤解ではありませんか。被災者の気持ちをちゃんと受けとめると、はっきりお答えください。
○丸川国務大臣 中間貯蔵施設についても受け入れていただいていること、本当にこうべを垂れる思いでございまして、必死に努力をしているところでございますけれども、これからもしっかり、先生の御指摘も踏まえて、福島の皆様の思いに向き合ってまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
○高橋(千)委員 引き続き、大臣がこれから本当に言葉どおりやっていけるのかどうか見ていきたいと思います。私は、大臣としていかがなものかと思っております。このことは指摘をしていきたい、そのように思います。
 次に、賠償の問題について伺います。
 二月五日、東電は、浪江町の住民一万五千七百八十八人が慰謝料の増額を求めた申し立てに対するADR、原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を拒否すると、何と六回目の拒否の回答をしてきました。申し立てから三年近い歳月が流れ、既に四百四十人以上の町民がお亡くなりになっています。
 浪江町は、平成二十五年、二〇一三年の五月に、町が代理人となって申し立てを行いました。この申し立ての内容は、三・一一から除染が完成するまでの間、中間指針による慰謝料月額十万ないし十二万に加えて、一律月額二十五万円を求めるという内容でした。和解案は、将来分は含めない、平成二十六年二月末日までとし、しかも、加算するのは一律五万円です。求めていた水準から見ると極めて低いんです。ですが、町はそれを受諾したんです。それなのに、何でこうなっているんでしょうか。
 原発事故被害地で、帰還困難区域の総面積の五三%以上が実は浪江町であります。そして、その区域は町の総面積の八割以上に当たります。ADRの和解案提示理由書では、「行政区毎のまとまった集団避難を行うことができず、避難先は分散し全国各地に及んだ。また、世帯全員で避難を行うことができなかった者も多く存在している。」事故前は七千七百世帯だったのが一万七百世帯までふえているんですね。それだけばらばらになっているということなんです。こうした状況を考慮して、繰り返し、和解案提示理由補充書、求釈明書、勧告などを重ねて出しているんですね。
 東電の廣瀬社長に伺います。なぜこうした第三者の和解案を拒否するんでしょうか。
 パネル四を見ていただきたいんですが、既に有名になっていますが、東京電力の損害賠償に関する「三つの誓い」、「最後の一人が新しい生活を迎えることが出来るまで、被害者の方々に寄り添い賠償を貫徹する」、いい言葉ですね。そして三つ目、「和解仲介案を尊重するとともに、手続きの迅速化に引き続き取り組む」とおっしゃっています。
 廣瀬社長、この誓いは変わってしまったのでしょうか。
    〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕
○廣瀬参考人 東京電力の廣瀬でございます。
 間もなく、私どもの事故から五年になろうとしております。このような長きにわたりまして大変多くの福島の皆様を中心に御心配、御迷惑をおかけしておりますことを、改めまして、この場をおかりしておわび申し上げたいと思います。
 お答え申し上げます。
 私どもとしまして、東京電力として和解案を尊重するということについて変わりはございません。御指摘のありました浪江町のADRの事案につきましても、この考え方に基づいて今対応させていただいておるところでございます。
 したがいまして、私どもとして、この和解案を全面的に拒否するとしているわけではなく、今もなおまだ和解仲介の手続、そのもとで話し合いが続けられているところでございますし、私どもも、その中で何とか和解に至りたいということで努力しているところでございます。
 私どものこの事案に対する考え方を述べさせていただきます。
 皆様御存じのように、避難指示区域、この中にはもちろん大熊町も含まれますし、もちろん浪江町も含まれておるわけでございますが、この地域の皆様には、これまで精神的損害の賠償ということで賠償を行ってまいりました。ところが、本事案では、その中で浪江町の方たちには慰謝料を一律的に増額するという事案でございます。私どもは、この一律的に増額するということについて、受け入れがたいというふうに申し述べさせていただいているところでございます。
 もとより、個々の事情をしっかりお聞きして、個別の事情をしんしゃくしていくということは必要でございますので、そうしたことを通じて、個々の事情によって賠償を加えていかなければいけないという可能性はもちろんございますので、本事案につきましても、ADRを通じて、そうした個々の事情をぜひお聞かせいただきたい、説明していただきたいということを今お願いしているところでございます。
 それらを通じて、個々の事情をお聞きする中で、賠償を通じて、和解による解決の実現が図られていけばというふうに願っているところでございます。今後とも努力してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○高橋(千)委員 多分おっしゃりたいのは、集団申し立てだから、個々の事情があるのに一律には受け入れがたいということだと思うんですね。でも、逆なんですよね。個々に事情がありながら、あえて一律に申し立てをしている、その趣旨をちゃんと見てください。それを配慮してADRが和解案を出しているわけじゃないですか。
 昨年の二月のADRの活動状況報告書、これにこんなふうに書いています。「東京電力は、全件に共通する被申立人の立場にあり、本件事故の深刻さ、重大さに鑑みれば、大規模な集団申立てがされることも当然予見し得たことであるから、上記のような集団申立てについても、迅速な解決の実現に向けて積極的な協力をすることが求められる。」当然予定されているじゃないかと。三年待たせる、それで、今になって一律は云々ということではないと思うんですね。
 これはADRに伺いますけれども、二〇一四年の八月四日に、資料もつけておりますけれども、東京電力の和解案への対応に対する総括委員会所見を発表されております。これは別に浪江町に限った問題ではなくて、近時、仲介委員が提示した和解案に対し、被申立人、つまり東電から、その全部または一部について受諾を拒否する旨の回答がされる例が少なからず認められるようになっているという指摘もされて、まことに遺憾であり、強く再考を求めると強調されています。この趣旨について伺います。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の総括委員会所見でございますけれども、これはもともと、東京電力のホームページにおきまして、「原子力損害賠償紛争解決センターの和解案への当社対応について」との見出しのもと、「中間指針やその考え方から乖離している、あるいは客観的事実からすると事故との相当因果関係が明らかに認めがたい請求については、お支払いした場合、中間指針に基づき賠償を受けられている方との公平性を著しく欠くことになるため、その内容に対しては充分に吟味・検証したうえで慎重に対応する必要があります。ADR手続きにおいても同様の対応をしているところでございます。」と記載されておりました。
 御指摘の平成二十六年八月四日付の原子力損害賠償紛争解決センター総括委員会の所見は、この東京電力の記載を踏まえ、和解仲介手続において仲介委員が提示する和解案に、中間指針等から乖離したもの、あるいは客観的事実からすると原発事故との相当因果関係が明らかに認めがたいものは存しない旨、確認的に改めて表明させていただいたものでございます。
○高橋(千)委員 委員長に申し上げます。
 私は、今回、このADRの問題について、室長の出頭をお願いいたしました。事務方でもいいからということを言われて、受けとめていただけなかったんですけれども、所見を伺っているのに、この前段を読んで。これは東電の言い分なんですよ。東電の言い分に対してまことに遺憾であると総括委員会が言っているのに、そこを一切言わないで、東電の言い分だけを答弁しました。承服できません。引き続いて、参考人の問題について御協議いただきたいと思います。
○平沢委員長代理 後刻、理事会で協議します。
○高橋(千)委員 この問題は、実は、昨年一月二十八日の原子力損害賠償紛争審査会においても話題となっております。
 大谷委員の方から、当時の河北新報の東電副社長のインタビューの記事を紹介して、中間指針は一人当たり月十万円と定めている、公平性の観点から増額は認められない、仮に中間指針が変われば、それに沿った賠償をすると発言している、これはおかしい、あくまで目安であるということで、ここに書かれていなくても、合理的かつ柔軟な対応が求められるということを言っているはずなのだという議論をしているわけなんですよね。その中で、この委員は、東電が審査会の賠償方針をみずからに都合よく利用していると言わざるを得ません、ここまで厳しく指摘をしています。
 あくまでも審査会の中間指針及び追補は目安であって、指針の範囲内でしか賠償しないというのは審査会の意向ではないと思いますが、改めて御所見を伺います。
○田中(正)政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力損害賠償紛争審査会が策定した指針では、賠償すべき損害として一定の類型化が可能な損害項目やその範囲等を示したものでございますので、指針で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められることがあり得るとされてございます。
 また、指針では、避難指示に係る精神的損害に関して、個別具体的な事情により、指針に明記された損害額の目安を上回る金額が認められ得るとされてございます。
 東京電力におかれましては、このような指針の趣旨に沿って、個別具体的な事情に応じて、相当因果関係のある損害については、指針に明記されていない損害についても賠償を行うとともに、指針に明記された損害額の目安を上回る場合も適切に賠償を行うなど、被害者に寄り添った誠実な対応をすることが重要と考えているところでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 一定の類型化をしたけれども、個別事情を見て対応するべきだという答弁だと思っております。
 それで、もう一度東電に伺いたいと思うんです。
 先ほど紹介した「三つの誓い」を決めた新・総合特別事業計画の中では、「東電と被害者の方々との間に認識の齟齬がある場合であっても解決に向けて真摯に対応するよう、ADRの和解案を尊重する。」とまで言っているんですね。
 だけれども、今の東電の対応は、さっき読み上げられたように、客観的事実からすると原発事故との相当因果関係が明らかに認めがたい請求については、その内容を十分に吟味、検討した上で慎重に対応する必要があると言っているんです。損害がある以上、当然、賠償していくという考えに変わりはないと、これまでも東電はお答えになっております。しかし、その前提に、相当因果関係があり、合理的な範囲内ではあるがと言っている。
 おかしくないですか。つまり、加害者である東電が賠償するべき根拠、相当因果関係があるかないかをジャッジする、これはおかしくないですか。逆立ちしていませんか。
○廣瀬参考人 お答え申し上げます。
 ADRも含めてでございますけれども、賠償額につきましては、被災者の皆様から申し立てがあり、私どもがその協議をさせていただいて、合意を得てお支払いをするということでやらせていただいておりますので、私どもが一方的にそれを判断しているということではないのではないかというふうに認識しております。
 まさに、先ほど来出ておりますように、個別の事情をよくお聞きし、そうした中でそれぞれの額をお示しさせていただいて、最終的には、被災者の皆様からの合意をいただいた上で賠償額をお支払いするということだというふうに思っております。
 今後も、引き続き、しっかり個々の事情に配慮をして、丁寧な対応に心がけていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
○高橋(千)委員 先ほど指摘をしたように、ADRの、先ほど事務方が答弁をされました。そして、あえて私がアンダーラインまで引いている資料を、下を読まずに、東電の言い分だけを言っているわけですよ。
 これは、「仲介委員が提示した和解案の内容のみならず和解仲介手続自体をも軽視し、ひいては、原子力損害の賠償に関する紛争につき円滑、迅速かつ公正に解決することを目的として設置された当センターの役割を阻害し、」ちょっと省略して、「信頼を損なうものといわざるを得ず、まことに遺憾であり、強く再考を求める」、ここまで言われているんですね。そこを省略して、相当因果関係があれば吟味する、ここだけを言って。なぜ東電がそれをやるんですか。そのためにこうした機関を設けたんじゃないですか。私はそのことを言っているんです。
 仲介委員が指摘をしているのは、それまでは、こうした方針を東電が言うまでは、きちんと和解案を受け入れていた。東電の社員と家族にかかわる手続以外は受け入れていたんです。全部受諾していた。それが急にこうして拒否が目立ってきたということに、自分たちで根拠をつくっている、見ている、やはりこれはおかしいだろうということを重ねて指摘したいと思います。
 ADRの和解案には確かに強制力はありません。しかし、中間指針を決めた紛争審査会も、あるいはADRも、所見という形で、和解案を尊重せよと指摘をしています。まして、日弁連は、繰り返し会長声明も出して、一定期間内に東電側が裁判を提起しない限り、あるいは著しく不合理でない限り和解案が成立したとみなす、そういう法制化が必要という提言さえもしています。
 このような事態を見て、どう解決に向かうべきか、文科大臣と経産大臣に一言だけお願いします。
    〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕
○馳国務大臣 東京電力には、みずからが表明している「三つの誓い」において掲げた和解仲介案の尊重の趣旨に鑑み、誠意ある対応をしていただきたいと考えております。
 文科省としても、従来から、東京電力に対して、賠償の迅速化や被害者への誠意ある対応等を要請してきております。
 以上、終わります。
○林国務大臣 ADRセンターに対する申し立てにつきましては、現在、和解仲介手続が継続中であります。個別事案につきましてはコメントすることは差し控えたいと思いますが、事故の責任を負う東京電力は、事故に係る賠償について最後まで責任を果たすということが大前提でありまして、引き続き、こうした考え方に基づきまして賠償を進めていくべきものと理解しております。
 経産省としても、東京電力に対しまして、被害者の方々の個々の状況をよく伺って、公平かつ適切な賠償を行うことを指導してきております。
 今後とも、東京電力に丁寧な対応を求めるとともに、その対応を引き続き注視してまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 時間になったのでこれで終わりますが、先ほど総理に答弁をいただいたように、期限を区切って終わることができないということを、この賠償の問題でも除染の問題でも、本当に実現をしていただきたい。きょうは、汚染水の問題も一言指摘をしたかったんですが、時間を守りますので、これで終わります。次にしたいと思います。ありがとうございました。

 

――資料――

【資料1】住宅再建のための独自支援制度一覧(岩手県)

【資料2】山田町復興住宅

【資料3】主な災害の住家被害状況と被災者生活再建支援金の支給状況

【資料4】阪神・淡路大震災における「孤独死」の推移

【資料5】東日本大震災 仮設住宅でなくなった単身居住の被災者

【資料6】境界の空間線量率(富岡町除染検証委員会「中間報告書」)

【資料7】居住制限区域と帰還困難区域の境界の除染

【資料8】東京電力の損害賠償に関する「3つの誓い」

【資料9】東京電力の和解案への対応に対する総括委員会所見

【資料10】河北新報「汚染水の発生量倍増」

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