国会質問

質問日:2013年 5月 17日 第183国会 厚生労働委員会

企業年金受給権守れ

(写真)質問する高橋ちづ子議員=17日、衆院厚生労働委

(写真)質問する高橋ちづ子議員=17日、衆院厚生労働委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は17日の衆院厚生労働委員会で、中小・零細企業が中心の厚生年金基金の問題について質問しました。
 高橋氏は、企業年金は賃金の後払いであり、受給権が保護されるのは前提だと指摘しました。
 厚生年金基金は、厚生年金の一部を企業年金が代行する仕組み。基金を解散するには、代行部分を一括返済しなければならず、最低責任準備金が不足する基金が562のうち160にものぼります。高橋氏は、青森県の縫製会社が脱退を希望したものの一括返済を迫られ、半年ごとに掛け金が上がっている実例を示し、法改正でどう救済されるのかとただしました。
 香取照幸年金局長は「早期に少ない負担で解散できるよう手だてをとった」と答弁しました。
 高橋氏は、超低金利の中、責任準備金に見合う予定金利5・5%で計画していた企業が多く、実態とかい離した現状を放置してきた政府の責任を追及。90年代の「金融自由化」で、基金の運用規制緩和などが行われ、基金の財政悪化に拍車がかかったことをあげ、受給権の保護から問題があったと指摘しました。田村憲久厚労相は「反省しなければならないところもある」と述べました。
(しんぶん赤旗 2013年5月23日より)

 

――― 議事録 ――――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 大臣、きょうは長い一日、大変御苦労さまでございました。最後、よろしくお願いいたします。
 午前中に柚木委員から年金給付水準について大変細かい資料が出されまして、私は、もっと単純な、誰でもぱっと数字が出てくるような議論をしたいかなと。自分がわからないと意味がわからないということなので、整理をさせていただきたいと思います。順々に聞きますので、一遍にお答えにならないでいただきたい、わからなくなっちゃうので。
 まず、昨年の法改正で、年金の特例水準の解消が決まりました。これは何度も見た当時の資料なわけですね。資料の一枚目につけておきました。三年間で段階的に引き下げられる、ことし十月に一%だ、三年間で二・五%ということになっております。
 ただ、アベノミクスによって消費者物価二%上げを目指しているわけですから、これが仮に本当に単純に二%上がった場合、当然物価スライドということが働くわけであります。
 そこで、仮にことし物価指数が二%増となった場合、年金にこの二%がいつ反映されるか。同時に、その場合、特例水準が一気に解消されるということでありましょうか。

○田村国務大臣 よく頭を整理してお答えさせていただきたいと思います。
 まず、ことしの十月から一%引き下げられるわけでありますから、二・五%の特例水準の残りが一・五%。
 そして、ことし、消費者物価が二%上がる、足元は実はまだ上がっていないんですが、マイナスでございますけれども、上がるというふうなことが仮に起こったとするならば、来年の四月にこれが反映をされるということでございまして、物価スライドで二%上がるわけでありますけれども、一・五%残っている特例水準が解消をされるわけでございます。
 でありますから、そうなれば、来年度、特例水準が、二・五%分、これが全てことしと合わせて解消をされるということでございます。

○高橋(千)委員 そういうことなんですよね。要するに、三年間、三年間と思っていたんだけれども、物価が仮に二%一気に上がってしまった場合は、来年度はこの残りを三年間を待たずに解消されるのだということがわかりました。
 それで、二%マイナス一・五%で〇・五%というところまでなるわけですが、その先があるわけですよね。マクロ経済スライドが発動されることになるわけですけれども、これも、ですから、物価が上がり、かつ、特例水準が一気に解消されたことによって、マクロ経済スライドもすぐ発動される、こういうことになるわけですよね。
 では、ことしの十月と比較してどのようになるのでしょうか。

○田村国務大臣 ことしの十月と比較して。(高橋(千)委員「はい」と呼ぶ)
 先ほど言いましたけれども、まず特例水準が解消されます。残り〇・五%あるわけですよね。二%物価が上がって、本来年金がスライドするはずですけれども、残りの一・五%の特例水準が解消されますから、残り〇・五。この〇・五に対してマクロ経済スライドがかかってまいります。
 ちなみに、平成二十六年四月からのマクロ経済スライドがどれぐらいかかるかということを見込みます。これはあくまでも見込みでございますから、確定値ではございませんが、見込みで一・三%ぐらいかなということでございますが、〇・五しかありませんから、かかるのは〇・五の部分だけでございまして、金額的には変わらないということになります。

○高橋(千)委員 そういうことなんですね。
 資料の二枚目に、厚労省から数字をいただいて整理をしました。これは本当に単純な計算でありますけれども、仮に来年も二%、二%と物価が上がった場合、どうなるのかということなんですが、二〇一四年のマクロ経済スライドの数値は一・三%であろう。そして、二〇一五年は一・二%。ただし、ここの「備考」に書いているんだけれども、「特例水準はすべて解消しマクロ経済スライドが発動」するんだけれども、「切り下げは〇で止まる」。さっき大臣がおっしゃったことですよね。ゼロでとまってマイナスにはならないということなので、二〇一三年の十月と二〇一四年の四月は、基礎年金の標準で比較をすると六万四千八百七十五円で同額である、厚生年金も同額である、そういう意味ですよね。
 その翌年になりますと、たとえ二%上がったとしても、今のように、今度は大っぴらにマクロ経済スライドが働くので、〇・八%しか上がらない、そういうことになるのではないかなと思っております。
 ですから、まず、一気に解消されるということが意外に知られていないだろうということ、それから、マクロ経済スライドというのが、ずっと騒いでいたけれども、実際に発動されるのは今回が初めてである。
 そういう中で、物価はもし仮に二、二と上がっていったとしても、年金はほとんど上がらない、〇・八%しか上がらないというのが実態なんだ。そこに増税がやってくるということなので、やはり、ここは、まずよく実態を知っていかなければならないということと、年金額がふえないのに痛みだけは来るという増税は改めて反対をしたい。
 それから、さっきの議論を聞いていますと、大臣、昨年の民主党の大臣がおっしゃったことを、同じことをおっしゃっていました。つまり、物価が下がったときに年金を下げなかったんだ、上げ過ぎたんだからそれを取り戻しただけですよとおっしゃったんですが、でも、物価が下がったときに下げないできた年金というのは、十二年分あるわけですよね。それを一気に解消するということの痛みというのは、それは半端じゃない。それで、段階的に三年ですよと言ったわけですよ。その段階的に三年も、一気に今回来る。そういう痛みなんだということをやはりちゃんと踏まえて、今後議論をしなければならないなと。
 もう一言、もしあったらお願いします。

○田村国務大臣 そういう見方もありますが、もらい始めの方は別にして、ずっともらわれている方々は高い水準でずっともらわれてきておるわけでありますから、その累積というものがそのまま年金の財政の穴になってきておるということも、一面から見れば言えるわけですね。
 ですから、そこまで返してくださいと言っているわけではないわけでございまして、今までもらわれた部分はそのままの中において、適正な水準に三年かけてお戻しをさせてくださいということを、もちろん、今言われたとおり、その間に物価が上がれば三年が二年になるということもあるわけでございますけれども、そのような形で昨年政府が法案を提出されて、これは我々も賛成をしたということでございます。

○高橋(千)委員 きょうはこれ以上はこの話はしませんけれども、結局、ずっともらっていたわけではないし、それから、ずっと物価が下がっていたという認識もない中で、一応、数字的には二・五%ということが言われた。それにしても、十何年のトータルであったものが今回一気に解消されるんだという点での重みというのは、やはりかなりの痛みであろうということを議論して、そういう低年金の高齢者の実態ということをやはりよく今後も議論していく必要があるのではないかなと思います。
 そこで、きょうは、厚生年金基金について質問をいたします。
 きょう、随分議論をされてきたところでありますけれども、改めて質問します。
 まず、簡単な認識を確認いたします。企業年金は賃金の後払いであり、賃金の一部である、だからこそ受給権が保護されるのは大前提である、これはよろしいですよね。

○田村国務大臣 今そのような形で、労働契約といいますか、就業規則等々に書かれておったりですとか契約されている場合には、そういうふうになるわけでございます。賃金の後払いの部分という意味、この上乗せ部分に関してそういう意味合いというものは、仮にそうであったとするならば、当然、これは企業とそれから働く方との契約の中で成り立っているというような、そんなものであろうというふうに思っております。

○高橋(千)委員 何かすきっと言ってくださらないんですけれども、契約であればというお話だったけれども、基本的には、退職一時金の後払いとか、そういう中で進んできた制度であろうと思います。
 平成十二年から適用されているILOの国際会計基準、これによって改めて会計の実態が明らかになってきたということがあるわけですけれども、この中で企業年金は退職給付会計ということにくくられているわけで、まさにこれは賃金の後払いという位置づけをされている。それに、やはり日本がグローバル社会に踏み出す中で、この基準をとってきたという歴史があるわけじゃないですか。なのにここだけ、いやいや、すきっとは言えないんだというわけにはいかないということで、一言言っておきたいと思います。
 そこで、積立資金の不足から企業が厚生年金と企業年金との調整を主張したということがあって、それで、きょう議論されてきた代行制度というのができたわけでありますけれども、その当時、労働者側は、企業年金を厚生年金に肩がわりさせるものである、社会保障を私企業の都合のよい仕組みに変えようとしている、こういう主張をされていたと思います。今日も非常に共通する部分があるのではないかと思っています。
 そうした中、代行部分を担保するための最低責任準備金が不足する厚生年金基金、いわゆる代行割れ基金は、二十三年度末で、五百六十二あるうち百六十基金、約五千二百億円の代行割れと言われています。
 この流れの中で、さっき以来お話しされているスケールメリット、代行部分を利用して、スケールメリットで景気のいいときに稼いだところはもうとっくに返上しておりまして、あとは上乗せ部分だけの確定給付あるいは確定拠出の方で運用されている。
 残されたのが、中小零細の企業が、解散したくてもできない、あるいは倒産して先に抜けられちゃう。幾つかの企業でグループを組んでいるのに、倒産して先に抜けられちゃうと、その分の負担が全部自分に来る。そういう中で抜けるに抜けられない。そういう事情が今日まで起きてきたのがこの法案を出した背景だと思うんですが、もっと早く出してほしかったと思うわけですね。
 それで、具体例で話したいと思います。
 青森県の蓬田紳装という株式会社、これは、資本金一億円のうち九千万円を村が出資して、七七年に設立した、五十五名の従業員がいる会社であります。東日本ニット厚生年金基金に加入をしましたけれども、この基金が、二〇一一年の四月から、指定基金となりまして、健全化計画を求められたわけで、保険料の掛金を引き上げなければならなくなったわけですね。
 それで、掛金が、たった五十五名の会社で、毎月二百七十万円、年間三千二百四十万円。いやいや、とてもじゃないが無理だというので、脱退させてほしいと言ったら、一括返還が必要ですというので、二億二千六百万円。そうすると、もう給料も何も払えなくなっちゃう、吹っ飛んじゃうよということで、何とか分納できないか、長く返すということで頑張りたいということを言っているんです。
 ところが、それで今分納しているんですけれども、半年ごとに掛金が上がっちゃう。それで、さっき二百七十万と言ったんですが、ことし三月は三百二十二万円ということで、はね上がっているんですね。
 実は、ニットの業界というのは、大概海外に出ちゃったので、不況業種に指定されています。でも、ここは大変企業努力をやって黒字だったんです。東京のデパートにある大概の紳士服はここが縫っておりまして、そういう大変な実績があります。だけれども、個人の事業所の努力ではどうにもならない。だって連帯責任なんですよ。連帯責任で、どんなに頑張って黒字にしても、結局、その負担を背負わされる。そういうのが長く放置をされてきた。
 こういう実態をどう認識されているかということと、今回の改正でこのような事業所がどのように救済されるか、御説明いただきます。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 今先生お話ありましたように、実は、一度代行割れの状態になりますと、先生、先ほど、運用がよくて積立金があることで給付ができたというお話がありましたが、代行割れしますとレバレッジが逆にききますので、実はどんどんどんどん状態が悪くなっていくという状態になります。
 そのこともありまして、もう代行割れしている基金については、早期に解散をしませんとどんどん傷が深くなるということで、今回、できるだけ早期に解散ができるようにということで、さまざまな手だてを講じるという考え方で臨んでいるわけでございます。
 お話ありましたように、実は、事業所間の連帯債務というのが、いわば途中で、足抜けといいますか、抜けたときでも事後的に債務が追っかけてくるということが起こるということで、今回、この事業所間の連帯債務というものは外すということにいたしました。
 それから、分割納付を今回三十年まで延長して、少ない金額で返せるようにする。
 さらに、分割納付の利息が変動金利だったものですから、事後的にその額が変わってしまう、これについても、固定金利ということで、初めの段階で将来的な債務が確定できるようにするといったような措置を講じまして、できるだけ早期に、少ない負担で解散ができるようにということで、今回手だてをさせていただいたということでございます。

○高橋(千)委員 この連帯債務を外すということをもっと早くできなかったものかということを重ねて指摘したいと思うんですね。
 資料の三枚目に、二〇一一年二月の朝日新聞の記事をつけておきました。これはAIJ問題が発覚する直前なわけですけれども、中小企業の年金が深刻であるということで、私が紹介した基金がこの中に実は入っているんです。高リスク運用でもう悪循環になっているということを、背景を書いています。まさに、こういう、受給権の保護ということをさっきお話をしてきたつもりですけれども、実際には、ファンドに投資して運用する基金、その中で損金が出てどうにもならなくなっているという実態が紹介をされたわけです。
 それで、国は何もしてこなかったわけじゃないんだとさっき大臣はおっしゃいましたけれども、まず、指定基金が今どのくらいあり、健全化計画によりどのくらいの企業が改善をされているのか。また、この制度について、二〇一一年の十一月十六日の通知によって、基金の基準とか健全化計画の承認についての見直しを行っています。その理由と変化についてお願いします。

○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 指定基金でございますが、現在、九十五ございます。指定基金につきましては、健全化計画を策定していただいて御指導申し上げているわけですが、掛金の引き上げあるいは給付の適正化等健全化計画を策定いたしまして、計画どおりに動いているという基金は、このうち三十二ということになってございます。
 御指摘の一昨年に出しました通知は、従来、指定基金を指定する場合には、過去三年連続して代行部分の積立水準が九割を下回っている、代行割れ〇・九という状態になりますと指定をするということをしていたわけですが、できるだけ早期に私どもとしてはコミットしていきたいということで、単年度で積立水準が八割を下回った場合には指定をする、三年九割、単年度八割ということで指定をするということで、早い段階から財政健全化に取り組んでいただけるようにそれを促するということで、こういった通知で手当てをさせていただいた、改正をさせていただいたということでございます。

○高橋(千)委員 今説明があったように、三年間で責任準備金の〇・九、九割というのが要件だったものを、単年度で八割であればもう指定するんだよと。それで当然指定基金がふえたわけですけれども、そうやって早期に図るというお話だったと思うんですね。
 でも、何でそうなっちゃっていたのかということの中に予定利率の問題があるわけですけれども、五・五%が一律ではなくなった平成八年以降も、五・五%に張りついている企業が大変多かった。超低金利でありながら、五・五%以上で設定しなければ、もともとこの計画は破綻しちゃう。つまり、実態はそうではないんだけれども、そういうことがあるわけですね。
 さっき紹介したニットの健全化計画を見ましても、五・五三%に予定利率を設定しているんですね。それが、今の実態に合わせなさいということで、国の厚生年金がやっている利回りに合わせなさいと言ったら、一気に半分の利率になったんです。実態がそうなんです。実態がそうなのに、五・五%で計算上整えないと準備金を最初から割っちゃう。ここは、五・五三%でも〇・七を割っていたんですね、実は。
 そういう実態があったから、AIJの問題が起こったんでしょう。利率が、低いにもかかわらず、高くて運用できていますよということを取り繕わなければ、最初からこれはもう破綻していたということがあったわけですね。
 だから、現実を見れば、もう既に超低金利なんだから、そんな予定金利で回れるはずがないんだということはわかっていたんです。そのことについて、なぜ手をこまねいていたんでしょうか。

○田村国務大臣 二十三年度末時点において現存する五百七十七基金において、今、五・五という予定利率、こういうものをもう既に変えていいですよという話であったわけでありますけれども、四百八十五基金がこの予定利率を五・五で設定しているということで残ってきたわけであります。
 本来、決算報告書を見ればどういう状況かわかるわけでございまして、予定利率が五・五では運用実績とは乖離が生じてきてこれはまずいなというような場合に関しては、当然のごとくこの乖離部分は積み立て不足になっているわけでありますから、ここは掛金を引き上げるということをやっていただかなきゃならぬわけでありまして、指導をしてまいったわけでありますけれども、なかなかそれを実行いただけない。いろいろな、こちらもメニューも用意したりなんかしたんですけれども、正直言いまして、代議員会等々で、これがなかなか、変えていくために一定の決議をいただかなきゃいけないわけでございまして、そういうものの制約もあったのでありましょう。
 ただ、そうは言っておられませんので、さらに、この積み立て不足を掛金引き上げで埋める期間というものを二十年から三十年に引き上げる等々の努力はしてきたわけでございます。その中においてなかなかこれが実現できないということでございますから、いよいよ、今回のような特例解散等々でこの積み立て不足に対しての一定の解決をそろそろしていこうということで、この法案を提出させていただいたということでございます。

○高橋(千)委員 乖離があるのがわかっていた、まずいな、だけれどもなかなか総員の、議決要件があるから厳しかったんだよと言うけれども、そうはいったって、それで結局掛金がすごく上がっちゃったら、やっていけないですよね。
 そういう実態があるんですから、やはり、矛盾を掛金とかで解決するのも限界があるじゃないですか。だから、現行制度のもとでも本当は大臣は解散命令ができるんですよね。今、法改正で、五年後には解散命令ということにしているんですけれども、解散命令すればできる。しかし、一度もやってこなかった。なぜですか。

○香取政府参考人 御指摘のように、現行制度でも大臣には解散命令が出せるということになってございますが、過去、解散命令を出した例はございません。
 この問題はなかなか難しい問題でございまして、現行制度で解散命令を出しますと、例えば積み立て不足の分については即座に即金で返さなきゃいけないとか、いわばトタで解散をするという形になる。なかなか、そうなりますと、そういった基金側の対応等々のことも考えますと、先ほどからありますように、給付の抑制なり追加的な掛金の引き上げということで基本的には対応していただくということで、御指導申し上げるということでやってきた。いよいよ、私どもとしても、考え方を、腹を決めて、特例的な措置を講じた上で、解散の御指導を申し上げるということで今回踏み切った、そういうことでございます。

○高橋(千)委員 腹を決めるのが遅過ぎるんですよね。だって、出すと即座に返さなきゃいけないから大変だと言っているけれども、もう倒産して逃げちゃったところをどこまで追っかけるんですかという話なんですよ。それを全部ひっかぶって、残った企業が一生懸命経営努力しても大変な思いをしている。だったら、それを解散する方法をきちっと整えておけばよかったんですよ。それを整えておかなかったんでしょう、そもそも。そこは何も答えなかったけれども、基準をつくっておかなかったから命令が出せなかった、そういう実態じゃないですか。
 だけれども、本当は、そうはいっても、労働者の受給権はちゃんと守られる仕組みがあるわけですよね。これはちょっと通告していなかったかもしれないんですけれども、企業年金連合会によって支払い保証制度というものもあります。この活用をもっと強化して、守っていくということもありと思いますが、いかがですか。

○香取政府参考人 支払い保証制度については、御指摘のような用意がございますので、もちろんそれを活用するということもございますが、先ほどの解散命令との関係でいきますと、解散命令自体がかなり強力な権限ということになりますので、やはりそこは現実的な問題の解決の手法として、最後の伝家の宝刀としては持っていたわけですけれども、そこまで発動をするということは過去やってこなかった、そういうことでございます。

○高橋(千)委員 私的企業の年金を、厚生年金という公的年金の一部を肩がわりという形で、全体の、要するに、上乗せなんてもともとないわという労働者まで結局連帯債務になるわけですね、広い意味でいえば、代行割れというのは。そういう仕組みをつくってきたという中での国の責任というのは、やはりきちっと果たすべきではなかったかなと思います。
 それで、さっき言ったように、AIJの投資顧問の事件を生んだきっかけだったという話をしたんですけれども、この事件を通していろいろなことを精査したわけですよね。
 一九九〇年代の日米金融協議を契機とする金融自由化の流れの中で、投資顧問の参入とか運用規制の緩和などが行われて、本来なら国債などの安全性の高い資産を五割以上として、株式、外貨建て資産、不動産、それぞれ五対三対三対二の割合で配分割合の上限を定めた、こういうものも平成九年に撤廃をされてきた。いわゆる自由化の流れですよね、早い話が。
 そういうことがどうだったのかということが問われていたと思うんですけれども、いかがでしょうか。これは大臣に伺いたいと思います。

○田村国務大臣 当時は当時のいろいろな要請がある中で、そのような形でいろいろなものに運用ができるようにという流れであったんであろうというふうに認識いたしております。
 ただ、一方で、これは我々も反省をしなければいけないところでありますけれども、やはり、経済状況、こういう状況をずっとバブル崩壊後つくってきてしまった。つまり、運用利回りを上げようにもなかなか上げられないというような環境をつくる。そんな中において、世界的な金融不安が定期的に、定期的にとは言いませんけれども、一定程度の時期に起こるというふうなことがある中で、それぞれの基金の財政が毀損をされていくということでございます。
 とにかく、長期間にわたるデフレ、こういうものを続けてきた一つの影響というものが、この基金の財政状況にも出てきておるんであろうなということでございますので、デフレを解消して、アベノミクスということで、とにかく経済を立て直すということをやっていきませんと、この基金の問題一つではございませんけれども、いろいろなところに支障は来すわけでございまして、全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 そこで、今株価が上がった、アベノミクスが今は成功したかに見えるこの瞬間に、だから自由度が高いものに舞い戻るのではなくて、早く解散をしっかり整えていって、安定的な制度にやはりやっていくべきだと私は思います。
 経団連は、ことし一月の提言の中で、中小企業も含めて雇用の流動化、多様化が進んでいる、だからもっと運用型の拠出年金を緩和するべきだということを盛んに言っているわけですよね。中途引き出し要件の緩和とか拠出限度額の大幅な引き上げ、あるいは加入対象者を主婦や公務員まで拡大するなど、つまり、一番最初に受給権の保護という話をしましたけれども、リスクの高い拠出型にぐんと重点化をしろ、簡単に言えば、老後の保障は自己責任よということを強調しているわけであって、しかし、そこは、丸々そうと言っては、厚生労働省としてはそれはうまくないですよねということで、最後に一言伺って、終わります。

○田村国務大臣 個人的な感想では、この確定拠出型がもう完全なる積立型だと私は思っています。それは個人勘定で動くわけでありますから、これは全く賦課になり得ようのない制度でありますが、いろいろな制度があると思うんです。
 ただ、私どもは、厚生年金という意味で、国民の皆様方の一定生活の質というものを担保する年金制度というものを準備させていただいております。
 あと、確定拠出、確定給付、いろいろな制度がありますけれども、それぞれの選択の中においてお選びをいただくメニューであるというふうに認識をいたしております。

○高橋(千)委員 終わります。

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