国会質問

質問日:2015年 8月 21日 第189国会 厚生労働委員会

確定拠出年金法等一部改定案

確定拠出年金 個人型拡大「大きな柱」
高橋衆院議員追及 厚労相認める

 日本共産党の高橋千鶴子議員は21日の衆院厚生労働委員会で、掛け金を自己責任で運用する個人型確定拠出年金(DC)を主婦らに広げる確定拠出年金法等改定案について質問しました。
 高橋氏は、安倍内閣が「豊富な家計資産が成長マネーに向かう循環の確立」(日本再興戦略2014)を合言葉に私的年金拡大を目指していることに言及。改定案の最大の注目点が「公的年金の加入者すべてが個人型確定拠出年金対象者拡大となること」(みずほ総合研究所)とする業界の見方を示し政府の認識をただしました。
 塩崎恭久厚労相は、「老後に向けた継続的な自助努力を支援する」ものだとしつつ個人型DCへの加入対象者拡大は「一つの大きな柱」と認めました。
 高橋氏は、DCの法改定(2010年)以降、確定給付企業年金(DB)が減少傾向にある一方、企業型DCが伸張(加入者は505万人)している実態を示し、厚生年金とDC、国民年金基金を合わせて100兆円の「巨大なマーケットが開かれる」と指摘しました。
 高橋氏は、年金や退職金をもたない中小企業向けの簡易型DC創設などで、体力ある大企業が移行するのは問題だと指摘。香取照幸年金局長は、企業のリスクが大きいと認めつつも、移行をさせるための改正ではないと答弁しました。
 高橋氏は、違法な個別商品勧誘に近い投資アドバイスや、従業員の拠出の上限をなくすべきだと業界が要求していることに言及。個人資産との境目がなくなり、賃金の後払いである企業年金の性格を変質させるものだとしてDCの拡充はやるべきでないと強調しました。
(「しんぶん赤旗」2015年8月22日付)

 

 ――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、法案のみでお願いをいたします。
 日本再興戦略二〇一四においては、「豊富な家計資産が成長マネーに向かう循環の確立」という文脈の中で確定拠出年金について語っております。
 資料の一枚目に「年金制度の体系」をつけておきました。いわゆる三階部分と言われる企業年金は、確定給付企業年金、DB、厚生年金基金を合わせて今八十四兆五千億円あると聞いております。また、確定拠出年金、DCが八兆六千億円、このうち個人型DCは九千億円と聞いております。国民年金基金三兆六千億円と合わせれば百兆円の市場が今現実にある。GPIFの積立金残高が百四十兆円で、世界最大の機関投資家と言われていることと比べても、まさに豊富な資産であり、しかし、今まだないところが随分あるわけですよね。三階部分がないところ、それどころか、一階の国民年金しかないところにも拡大をしようというわけですから、まさに巨大なマーケットと言えるのではないかと思っております。
 そこで、「改正法案の最大の注目点は、個人型DCの加入対象者を拡大し、基本的には公的年金の加入者全てが確定拠出年金の加入対象者となることである。」これはみずほ総研の言葉なんですが、そういうふうに業界は見ているわけですね。
 大臣は、この点、どのような認識を持たれているでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回御審議をいただいております法案は、いわゆるライフコースとか、あるいは働き方の多様化が進む中で、企業年金の普及拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するため、確定拠出年金等の法改正を行う、こういうものだというふうに思っております。
 特に、公的年金の給付と相まって国民の老後所得の保障を図る観点から、先ほど来いろいろ出ておりますけれども、私的年金の加入率向上を図ることが重要だというふうに考えておりまして、その観点から見れば、個人型の確定拠出年金の加入対象者の拡大は一つの大きな柱であるというふうに認識をしているところでございます。
 今回の法改正によりまして、結果として資産運用の活性化につながる可能性もあるわけでございますが、本法案の目的は、あくまでも、企業年金の普及拡大や老後に向けた継続的な自助努力の支援、繰り返して申し上げてまいりましたけれども、この自助努力の支援を目的としたものでございます。
○高橋(千)委員 公的年金と相まってとか自助努力の支援、これは私が先ほど読み上げた再興戦略の中の文脈に出てくるわけで、一つ一つこれは後で議論していきたいんですが、一つの大きな柱だとおっしゃいました。
 ですから、先ほど来議論があって、四千万人の対象者が今現時点でいる中で、わずか〇・五%。それを、全ての、今のここの「年金制度の体系」にある六千七百十二万人をターゲットにして、〇・五%がですよ、するということが可能になるわけですね。そういう点での、大きな柱ということをおっしゃられましたけれども、巨大なマーケットが開かれるということだと思っております。
 この確定拠出年金制度が始まったのは二〇〇〇年であります。私は二〇一〇年の法改正のときにも質問しているんですけれども、その直前に、年次改革要望書の中でアメリカが、DCへの拠出を労働者にもと要望をしておる。そのときも既にこのような話をしましたけれども、結局、先ほど足立委員がアメリカの陰謀だと言う人がいるとか言っているわけですが、陰謀ではなくて、表から、正面からアメリカが要望して、結果としてそうなっているということをあえて指摘をしておきたいと思います。
 私がそのとき指摘をしたのは、企業が責任を持たなくても済む確定拠出年金にまさか一本化しちゃうなんてことはありませんよねと。そうだと言ったんじゃないですよ、ありませんよねということを聞いた。そのとき民主党政権でございました。藤村副大臣が、いや、そんなことはまずないと強調されて、確定給付型の企業年金が依然として中心的役割を果たしていると答弁をされたわけです。
 しかし、めくっていただきたいと思うんですが、二〇一〇年ですけれども、もう五年たっていますけれども、それ以降、DBは下り坂になっているわけです。その一方で、企業型DCはどんどん伸びて、今や四千四百三十四規約、加入者五百五万人に伸びているわけであります。
 そこで伺いますが、今回は、百人以下の小規模企業を対象にした簡易型DCの創設、また個人型DCに対して小規模事業主が掛金を納付する、そういう制度を創設するわけですよね。これでまたさらにどのくらいの伸びを見込んでいるんでしょうか。
○香取政府参考人 二十三年以降、今のお話で、確定給付型の企業年金の加入者は減少傾向にあるわけなんですが、特に中小企業の企業年金の実施割合は低下をしてきているということで、実は中小企業、規模の小さい企業が企業年金を持ち切れなくなっている、あるいは新しくつくることが困難になっているというのが恐らく現状ではないかと思っております。
 その意味で、できるだけ中小企業の方々にも三階部分を保障するという意味で、企業年金を普及していく、拡大していくということは、多分この措置はとても重要なんだろうと思っております。
 今回、百人以下の小規模企業については、いわゆる簡易型という、手続を簡素化した確定拠出型を用意する、あるいは、それもできないさらに小さいところについては、従業員が入っている個人型の確定拠出に対して事業主がいわば合わせて拠出をするという形で、いわゆるマッチングの逆のような形になりますが、従業員個人個人の自助努力を企業が個別に支援するような小規模事業主掛金納付制度というものをおつくりして、支援をしたいというふうに思っております。
 今回の制度をつくることで、できるだけ多くの中小企業で三階部分ができるようにということで御支援したいと思っておりますけれども、もともと、今減少傾向にあるということもありますし、個人型は、先ほどからの答弁で申し上げていますが、非常にまだ加入割合が少ないということ、もう一つは、そもそも任意の制度だということもありますので、何か目標を立てるとか、あるいは、ここまで持ってくるというような数量目標というものを用意してやるということは、なかなか行政としては難しいと思っておりまして、できるだけ多くの中小企業がつくれるように御支援を申し上げる、基本的にはそういう方針で臨みたいと思っております。
○高橋(千)委員 目標はなかなか言えないというお答えでした。
 現実に、今、中小企業が、企業年金どころか退職金もそもそも制度として持っていない、そういうところに、こうしたDCに一定の掛金を若干出すことによって、あるいは簡素な制度にすることによって、それが、今までなかったものがふえていくということだったらとてもいいなと思うんですけれども、もともと力のある、DBをやっているような企業が、いやいや、うちも簡素な方でお願いよ、そういうことを別に狙っているわけではないですよね。ただ、そういう議論もあったと思いますが、いかがでしょうか。
○香取政府参考人 DB、DCに関しては、本日の御答弁の中でも申し上げておりますが、私どもとして、例えばDCに移行させる、あるいはDBを維持するというような考え方には基本的に立っておりませんで、それぞれの企業の労使の御判断でやっていただくということになります。
 ただ、制度設計の特性として、DBは、給付が決まって掛金がそれで変動するという仕掛けになりますので、いわば事後的な経済変動ですとかあるいは平均寿命の伸びでありますとか、そういった社会経済変動が全て掛金に反映されるということになりますので、企業は責任を持ちますが、企業もかなり大きいリスクを負うことになります。特に、今の企業会計基準ですと、例えば運用利回りが、予想利回りが下がると、その分、足元で債務認識をしないといけないということになりますので、非常に企業会計に与える影響が大きいので、DBに関して言うと、かなり体力のある企業でないと、現実問題、維持できなくなるということがございます。これは今回の法律改正の中には出てまいりませんが、DB。
 他方、DCは、個人が自分の責任で掛けていく、企業はそれを支援するという制度ですので、先ほどの御質問にもありましたが、個人個人の給付はある程度保証されるわけですが、責任も個人が持つということになります。
 今、これは審議会の議論や政府、党等の方針というものがありますが、DBとDCのいわば中間型のような、ハイブリッドのような新しい制度を用意するとか、いろいろな形で、リスクを分散するような形でつくりやすいものをつくっていくという形で、DB、DC、それぞれの制度設計を生かしながら新しいそういった形もつくっていく、そういった形で全体として上げていくということを考えていますので、DBからDCに移行させるためにDCをつくりやすくするというような趣旨で私ども臨んでいるということではございません。
○高橋(千)委員 企業の側にとっては結構リスクが大きいからということで少し置きかえが進むのかなという懸念を持って、あえて指摘をさせていただきました。
 新しい制度の議論がもう始まっているわけですよね。今おっしゃったハイブリッドの問題なんかも、加入者と使用者がともにリスクを分け合おうじゃないかみたいな議論があったりとか、いわゆる確定給付だけれども、将来、JALのように約束した年金を割ることもそれはあっても仕方がないんじゃないかとか、そういう議論は既に始まっているわけですよね。そのことに対して非常に懸念を持っておるわけでありまして、これはまたそういう機会に議論していきたいなと思っております。
 そこで、厚生年金基金の特例解散を認める法改正、二〇一三年に行いました。現在の基金数、解散や代行返上がどのようになったのか、また、この一連のてんまつをどのように見ているのか、伺います。
○香取政府参考人 厚生年金基金につきましては、二十六年四月から、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律、一昨年の法改正で、基本的には制度を畳む方向になってございます。
 二十五年度末、二十六年三月時点で五百三十一基金が、法施行直前の段階ですね、存在しておりました。二十七年七月末現在で百十五の基金が解散をいたしました。二十一基金が代行返上いたしまして、代行部分を返上して、残りの資金で確定給付型の企業年金に移行してございます。
 残り三百九十七のうち、かなりの部分は基本的には代議員会等で解散または代行返上の方向に向けた議決を行っておりまして、基本的には解散、代行返上の方向で動いております。一部、存続を予定している、あるいは、まだ方針が未定というところも若干残ってございますけれども、全体としては、基本的には五年間の期間の中で解散ないしは代行返上で他の企業年金に移行するという方向で動いている。
 その意味では、法律改正の後、順調にという言い方も変ですが、法律の想定どおりに、少しずつ、基金はそれぞれ身の振り方を決めておられるということだと思います。
○高橋(千)委員 この質問をしたときにちょうど香取局長もまた答弁をしているわけですけれども、実は、これは特例解散ということで、去るも地獄、残るも地獄の状態だったわけですよね、実際には。
 私が取り上げたニットの基金などは、本当に景気が悪化していく中で、どんどんどんどん抜ける方が多くなっていく、そうすると、残ったところに積立金の準備の分がどさっとかかってきて、給料よりも多く払わなきゃいけない、だから、返すためには一括して返さなきゃいけない、これは大変だというふうな議論があったわけで、それで三十年かけて返していこうという特例制度をつくったんだけれども、この資料の三枚目を見ていただくと、特例解散基金数、二十六年度で二十八、その後四と四くらい、この程度しか実際はない。
 局長は今、一応順調にとおっしゃったけれども、思ったよりも特例を使わずに代行返上なり、あるいは存続、要するに一定余力があって存続をしているところがあったと思っているわけですね。
 やはりそれは、私があのときのてんまつをどう見ているかと伺ったのは、何であのときあれほど大変なことになったのか。発端はAIJの投資顧問問題が大きくクローズアップされた結果だったんですけれども、結局、責任準備金を積まなければならない、国際会計基準である程度余力がなければならないんだけれども、それから見ると全然足りないよと。なぜ足りないのかというときに、予定金利を五・五%に積まなければ絶対その準備金は足りないことになっている。絶対無理なのに、今の金利が非常に低金利であるにもかかわらず、やっていますというふうなことを見せかけたというのがAIJの問題であった。そして、AIJにかかっていない厚生年金基金もそういう目標を持たざるを得なかった。だから、現実と実態の乖離が激しくあったわけですよね。
 そのことをわかっていながら、打つ手がなくて放置をした、その責任はきちんと認めなければならないと思うんです。そうじゃないですか。
○香取政府参考人 この御議論は二年前の法案のときに高橋先生としたかと思うんですが、基本的には、予定運用利回りをどのように設定するかというのは代議員会の決議で規定をする、例えば五・五、あるいはその昔であれば四・六とか七・幾つという時代もありましたが、そういった数字を時々の状況に合わせて基金の中できちんとお決めいただくということがきちんとできなかったということで、それは、基本的には、私どもは、労使の合意で運用される基金ですから基金の責任だということですけれども、きちんと指導ができたかどうかということであれば、私どもも幾つかの反省点はあったのではないかというような趣旨の御答弁を申し上げたかと思います。
 今回、今お話のあった特例解散、先ほどちょっと数字を申し上げませんでしたが、特例解散が三十六で解散基金が百十五ですから、二割強ぐらいが特例解散を使っているわけですが、法律が通ってから、現在、基金はそれぞれ解散なりあるいは代行返上して移行する手続をとっておりますけれども、やはりこの間、安倍政権になりましてアベノミクスの効果がありまして、株価あるいは債券も含めて、厚生年金基金が持っておられた資産がかなり財政状況がよくなっているということもありまして、実は、解散時点で必要になってきますいわば責任準備金との乖離がかなり小さくなっていて、あの当時代行割れをしていたといった基金でも、かなりの部分、代行返上が可能な形になってきているということで、この間の経済状況の好転というのが今の状況に結果的には少しプラスになっているのではないかと思います。
 先ほど順調にと申し上げましたのは、最終的に解散したのは百十五ですが、一応、解散の内諾までとれているところ、あるいは代行返上の内諾がとれているところが全体で四百、三百九十七ございますので、その意味では、基本的には、基金としては今後の方向性については方向が見えてきていて、あとはいろいろな形で具体的な手続をとる段階に入っているという意味で、何といいますか、順調にと言うとちょっと、日本語は難しいんですけれども、着々と前に進んでいるということではないかと思いますということで申し上げました。
○高橋(千)委員 思いのほか時間が足りなくなって今困っているんですけれども、なので、今、ここの問題はあと一つだけ、確認で答えていただければありがたいかなと思うんです。
 結局、瞬間的にアベノミクスで状況もよくなった、好転した、その際に解散しちゃった方が後々楽よねという判断もあったと思うんですね。結局、でも、その後に政府が検討していたのは、厚生年金基金の受け皿はDCなんだと思っていたわけですけれども、そこのところは思いのほか進んでいないというか、把握もされていないということでした。
 これはやはり、かなり痛い目に遭ったからまたリスクをとって運用云々というのはなかなか厳しいなというのが現実なんじゃないかなと思いますが、そこら辺、一言だけ。
○香取政府参考人 済みません。では、ちょっと数字だけ申し上げます。
 先ほど、百三十六基金の解散を申し上げましたが、解散基金のうち、上乗せ部分を持って解散した基金は百ございます。このうち二十二は、先ほど申し上げましたように、確定給付型の基金に移行しました。基金を構成する企業、総合型が多かったので複数の企業が入っているわけですけれども、基金の中の一部の事業所が確定給付型に移行する基金あるいは移行を予定している基金が六十一、加入者への分配を予定している、分配するということは解散するということになりますが、これが九、検討中が八ということになりますので、その意味では、何らかの形で、残った資金を使って他の企業年金に移行している、あるいは移行する予定のところというのが大半を占めるという状態ではないかと思っております。
○高橋(千)委員 ですから、DCが受け皿ではなかったということで確認をしたかったんです。当然ですよ、基金の中には、一定規模があって、余力があってDBに移れた、そういうところもあったということを踏まえて質問しておりますので。
 これは、ちょっと問いがまだいっぱい残っておりますので、ここは指摘にとどめたいと思います。
 そこで、少し飛ばします。
 日本証券業協会などは投資アドバイスを導入すべきだと言っているわけですよね。これは、特定の金融商品を勧めることは金融商品取引法で言うと投資助言に当たるし、確定拠出年金法の百条の違反にもなると思うんですよね。証券業協会は、いやいや、別に個別を勧めるわけじゃないんだ、アドバイスは必要なんだということを言っている。政府はどう考えていますか。
○塩崎国務大臣 日本証券業協会が投資アドバイスを導入すべきと、こういうことを今御質問いただきましたが、確定拠出年金法におきましては、個別の商品に言及せずに一般的な投資の知識を向上させるための投資教育を行うこととされている一方で、加入者の不利益となる運用商品を過剰に勧めるリスクを避けるために、運営管理機関が特定の運用商品を勧奨することは禁止されているというたてつけになっているわけであります。
 日本証券業協会が提案をしております投資アドバイスは、確定拠出年金の運用商品について、専門知識を有する法人が加入者に対して個別の商品の選び方を提案するものと承知をしているわけであります。
 投資アドバイスの導入については、特定商品の勧奨を禁止する確定拠出年金法上の規定や、金融商品取引法上の投資助言業務との関係など、整理すべき課題があり、慎重に検討する必要があると考えております。
○高橋(千)委員 これは二〇一三年三月のDC法令の解釈通知改正のときに既に議論になって積み残しになったものでありますから、今後浮上してくるおそれがあるのかなと思って指摘をいたしました。
 実際にモデルとしている米国の投資アドバイスは、個別商品に言及するものであるということで、そうなってしまうと、本当にどこに区別があるのかなということがあるわけですよ。つまり、本当に個人の中のいわゆる自由な投資と、今やっているDCやDBというのは政府が減税措置をした中での一応、一定の規制を持っているわけですから、それとの境目がなくなってくるんじゃないかということを指摘したいと思うんです。
 その点でもう一つ伺いたいのは、マッチング拠出。これは前回の法改正で行ったわけなんですけれども、企業型DCというのは本来は企業が掛金を払うものなんだけれども、企業が許されている範囲、つまり、今言った減税の範囲、残りがあったら加入者が払ってもいいというものであります。それを、上限を撤廃するべきだという意見もございます。本来、賃金の後払いである企業年金の性格を変えるものであり、これは認めるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 いわゆるマッチング拠出は、企業年金が従業員の福祉の向上を図るものであって、事業主拠出が基本であることから、事業主の掛金負担が従業員に転嫁をされて従業員拠出が基本となることがないように、事業主の拠出を超えて従業員が追加で拠出することができない仕組みとしております。
 マッチング拠出の規制につきましては、社会保障審議会の企業年金部会におきましても、規制の存廃についてさまざまな意見があり、今後の検討課題と整理をされておりまして、厚生労働省としては、こうした整理を踏まえながら、引き続き議論を行っていく必要があると考えております。
○高橋(千)委員 あとは要望にとどめます。
 これで終わりますけれども、この審議会の中で、全銀協が上限を撤廃すべきだと言っていることに対して質問が出て、極端な話で、事業主が千円で従業員が五万円、こんなことだって認めるんですかというのに対して、結果として、イエスですと答えているわけなんですね。そうすると、事業主の負担が限りなく少なくなって、リスクを従業員が負うということだってありなんだという議論が現実にされている。
 やはりこれは、大臣の答弁の中にもあったと思うんですが、もともとなぜ不可にしたのかということをちゃんと踏まえないと、これでは、本人の拠出を任意として、その運用方法までみずから選択しちゃうとなったら、貯蓄とどこが違うんだということになっちゃって、全く境目がなくなってしまうという点で、やはりこれはきちんと分けるべきだということを指摘したいと思います。
 最初にお話をした公的年金との関係について質問する予定でしたが、全く時間がなくなりましたので、次の機会にしたいと思います。
 ありがとうございました。

 

――資料――

【資料1】年金制度の体系(現状)

【資料2】DB・DC導入後の動向

【資料3】厚生年金基金の解散・代行返上の状況

【資料4】「年金の目減り 影響を分析へ」(産経新聞2015年2月15日付)

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