国会質問

質問日:2015年 8月 5日 第189国会 厚生労働委員会

医療法等一部改正案

 医療法改定案を批判
高橋氏「営利化を進めるもの」

 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は5日の衆院厚生労働委員会で、病院や診療所などを傘下におく新法人「地域医療連携推進法人」を創設する医療法改定案について、医療の営利化を進めるものだと追及しました。
 高橋氏は、新法人について病床削減を進める地域医療構想を推進するものだと指摘。2025年に16万~20万床削れるとの内閣官房専門調査会の病床削減推計について、「過疎化が進んでいる県ほど大きく削減され、都市部でさらに増やす方向だ」と批判しました。塩崎恭久厚労相は「患者の移動なども含め、現実を見た上で地域の医療構想をつくって、それに見合った医療供給体制を構築していくことが大事」と答えました。
 高橋氏は、財政諮問会議で塩崎氏が「地域医療構想の策定支援、医療費適正化計画の前倒し・加速化」と表明していることなどにふれ、新法人の背景には、医療費の削減と、アメリカに倣って医療の営利化・産業化をめざす安倍内閣の狙いがあると主張しました。塩崎氏は「(製薬産業や医療機器など)医療のど真ん中ではないところについては産業化をして、効率化を図る」と認めました。
 高橋氏は「そのど真ん中(医療)が小さくなる議論で市場化が広がる」と批判しました。
(しんぶん赤旗2015年8月9日付)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 お二人の経験ある医師の発言に非常に感銘を受けておりましたが、私、医師でもありませんし、お話をしているといつも質問を最後に残してしまいますので、きょうは、先週の質疑で残したところから始めたいと思います。
 これはしかし、関係があるんですね、今回の法案に。社会福祉法の審議で通告していたものの、時間切れでできなかった問題であります。
 まず伺いますのは、昨年成立した医療介護総合法に基づく新しい総合事業、これがことし四月から始まっておりますけれども、ことしの実施状況、また、三年後、これは完全実施になると思いますが、予定自治体などがどうなっているのか。まだ未定だとか検討中の自治体などがあると思いますけれども、どのように対応していくのか、伺います。
○三浦政府参考人 要支援者の方々への訪問介護や通所介護につきましては、高齢者の多様なニーズに対応するため、全国一律の基準に基づくサービスから、地域の実情に応じて市町村が実施できるよう、ことしの四月から、地域支援事業の総合事業へ移行しつつあるところでございます。今年度は百十四の保険者が総合事業を実施予定と承知しているところでございます。
 その際、地域での多様なサービスの整備など、地域の支え合いの体制づくりの推進には一定の時間を要すると考えられますことから、円滑な事業実施のために、法律上、平成二十九年三月末まで実施の猶予期間を設けておりまして、平成二十九年四月からは、全ての市町村で総合事業を実施していただくこととなっております。
 国といたしまして、市町村が総合事業に取り組む際の参考とするガイドラインをお示しするとともに、移行に向けた市町村職員を対象としたセミナーを開催するなど、市町村の取り組みを支援しているところでございます。
 引き続き、総合事業の円滑な実施に向けた支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 今、平成二十九年の四月からは全てとお話をされましたけれども、資料の一枚目につけておいたんですが、二十七年度中は、保険者数が全国千五百七十九のうち、まだ百十四であると。四月から始められたのは、まだ七十八にすぎないわけですよね。二十九年の四月に始めるのが圧倒的に多くて、千六十九。でも、それでも、まだ未定あるいは検討中の保険者が百十九残っている。
 だから、今のお答えは、当然やることになっているんだというお話なわけですけれども、それをどうするんですかというのを聞いたわけなんです。
○三浦政府参考人 市町村の皆様方、職員の皆様方に対しては、さまざまな機会を設けて、この総合事業への移行について、できるだけ早く取り組みを進めていただくようにお話を申し上げているところでございます。
 あわせて、先ほどセミナーと申しましたけれども、既に先行している自治体や、あるいは総合事業を導入するに当たってのコツなども含めて、いろいろな情報提供をしているところでございます。
 今後とも、そのような努力を引き続き続けてまいりたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 資料の二枚目に、自治体ごとの、都道府県別実施予定保険者数というのをつけたんですけれども、まだゼロがいっぱいあるんですよね。そして、一番多くても大分の十だ、つまり、二桁にもいかないのが実態である。だから、相当これは、昨年の医療介護総合法のときに、我々、要支援外しじゃないかとか、さまざまな指摘をしたわけですけれども、やはりそれはかなり無理があったのではないかと思っております。それを、特段の決め手もない中で、とにかく二十九年の四月には始めるんだと言っているということを、まず、一つ大きな問題ではないかと指摘をしたいと思うんですね。
 その上で、資料の一枚目の下の絵を見ていただきたいんですけれども、「多様な主体による生活支援・介護予防サービスの重層的な提供」ということで、高齢者の在宅生活を支えるため、ボランティア、NPO、民間企業、社会福祉法人、協同組合等の多様な事業主体による重層的な生活支援、介護予防サービスの提供体制の構築を支援するんだということで、家事援助だとか、交流サロンだとか、声かけだとか、配食だとかというイメージの絵があって、主体があるわけですね。
 そうすると、これは、まさに先週、社会福祉法を採決したわけですけれども、社会福祉法人が、この中での重要な担い手として期待されているということですよね。どういうふうなことを期待しているのか。
○三浦政府参考人 おひとり暮らしの高齢者や認知症の高齢者の方々などが増加しております。生活支援ニーズの高まりが見込まれているわけでございまして、配食や見守りなどの多様な生活支援サービスの提供体制を構築するということが重要と認識しております。
 地域における生活支援や介護予防サービスの充実につきましては、市町村が中心となって、元気な高齢者を初め、住民が担い手として参加する住民主体の活動や、今御指摘ございました社会福祉法人、そしてそのほかNPO法人や社会福祉協議会などの多様な主体による多様なサービスの提供体制を構築していくということが重要でございます。
 地域の実情に応じて支え合いの体制づくりを構築していくという観点から、社会福祉法人も多様なサービスの提供主体の一つとしてこうした役割を担っていただきたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 そうすると、先週随分議論いたしました、社会福祉法人の責務規定というものを設けて、無料または低額の地域公益活動を責務とするということが言われたわけですよね。その一環として社会福祉法人に担わせるということを期待しているのかということを言いたいのですが。
○三浦政府参考人 総合事業は、それぞれのサービスに応じて、これは介護保険の財源を使って、サービスの提供に応じた報酬といいましょうか対価をお払いするという仕組みでございまして、例えば、社会福祉法人が介護予防・生活支援サービスにおいて何らかの活動やあるいはサービスを提供したということになれば、一般的には介護保険の財源からその費用を払うというのがルールではないかと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 これはまず、要支援外しという議論をしたときに、何度も当時の田村大臣が、予算は介護保険の予算と同じなんだから、介護保険の仕組みの中ではないけれども、予算はそこから出ているんだから同じなんだということをおっしゃった。今、総合事業は対価を支払うんだからとおっしゃった。だけれども、同じじゃないですよね。明らかに違うでしょう。
 だって、これは、介護予防・生活支援サービスというのは、例えば通所型サービスであれば、A、B、Cとタイプ分けされていて、雇用労働者によるサービスだが人員基準を緩和しているパターン、ボランティアが主体のパターン、あるいは、専門職にお願いするけれども独自基準である、要するに人件費は出さない。そういうことで、料金だって、自治体がボランティアを使うかあるいは専門職を使うかによって全然違うわけですよね。そもそも、介護保険でいうと利用料一割負担、これを下回ることが条件になっている。
 だから、社会福祉法人を指定事業者として受け皿になっていってもらうとしても、結果として、これは低額の、いわゆる介護保険のサービスで本来ならやっていた仕事とほとんど同じ仕事をやらせることになる、理論的にはそうなりませんか。
○三浦政府参考人 この介護予防・生活支援サービスは、先ほど申し上げましたとおり、多様な主体による多様なサービスの提供ということになります。したがいまして、サービスの種類も、それぞれの自治体の実情に応じて、また提供主体の実情に応じて多様なものが出てくるだろうと考えております。そのサービスの内容にふさわしい対価を介護保険の財源からお払いするというのが、それぞれの市町村としての役割ということになろうと考えております。
○高橋(千)委員 答えになっていないでしょう。
 だから、先週あれだけ議論したんですよ、無料、低額の地域公益活動を責務規定にしたと。今言ったのは、介護保険よりも利用料を安くしろというのが至上命題なんですよ。それを担い手の一人として考えているということは、やはりそういう責務規定もあることだし、サービス料は前より安くなるけれども、それも一つだよということに理論的になるじゃないですかと言っています。
○三浦政府参考人 サービスのありようにつきましては、それぞれの法人の状況によりまして異なるものもあろうかと思いますけれども、一般的なお話としては、先ほど来申し上げていますように、それぞれのサービスの内容に応じてそれぞれの自治体からお払いするというのがルールだということでございまして、無料、低額ですとか、さまざまな社会福祉法人としての自主的な動きというのはあろうかと思いますけれども、介護保険の制度といたしましては、先ほど来の、同じようなサービスの内容に対する評価ということになろうと考えております。
○高橋(千)委員 これは実は大臣に通告しているんですね。
 それで、私、社会福祉法人は援護局長でしょうと言ったら、いや、大臣に通告しているからおりませんと言って、きょういらしていないんですね。だったら、大臣に答えてもらうしかありません。
○塩崎国務大臣 もう言うまでもなく、社会福祉法人は、社会福祉法に列挙されている社会福祉事業のほかに、地域の幅広い福祉ニーズに対応する公益事業を行う法人として社会福祉法に位置づけられている法人であるわけでありまして、今回の改正案では、全ての社会福祉法人につきまして、地域における公益的な取り組みの実施を今先生御指摘のように責務として位置づけておるわけで、幅広い地域の福祉ニーズに対応していくことが期待をされているということでございます。
 この場合、地域における公益的な取り組みは、社会福祉法人が地域の福祉ニーズに応じて自主的に創意を凝らして実施をしていくことを期待しているものであって、あらかじめ特定の事業の受け皿となることを想定しているものではないわけであります。
 地域における公益的な取り組みというのは、無料または低額の料金によりまして、既存の制度の対象とならない福祉サービス等に対応していくものであって、介護保険制度における市町村の総合事業や生活困窮者自立支援法の任意事業を市町村の委託を受けて実施すること自体、地域における公益的な取り組みに該当するものではないというふうに思います。
○高橋(千)委員 結論としては、否定されなかったということだと思います。
 つまり、それは自主的にという言葉が間に入っているので、最初からこれをやると決めていないだけなんだと。そうでしょう。いろいろあるんですから。既存の制度ではないメニューというのはいろいろある。そういうものに地域公益活動というものを責務として書いたから、これは自主的にやっていただきますということになるわけで、だから私たちは社会福祉法を、政務官、手を振って否定をしておりますが、そういう意味だと思います、私たちは到底賛成できなかった。
 本当はそれを最後に一言言いたかったわけですけれども、まだ法案は通っておりませんので、これからも引き続いて、ぜひこの部分は削除なり廃案なりをしていただきたいということを言いたいなと思います。
 これが後でちょっともう一度出てきますので、続けていきたいと思うんですが、次に、川上の病床機能再編について質問をいたします。
 先ほど来、中島委員が病床一割削減問題を指摘されております。四枚目に同じ資料をつけてあるんですけれども、これは、朝日新聞は「病床「一割削減可能」」と書いているんですが、ほかの新聞は、「病院ベッド二十万床削減」と書いているのもあれば、四十一道府県に病床削減要請などと見出しが躍ったわけであります。
 これは、まさに今回の法案の審議に最も関係があるなと思って機会を待っていたわけでありますけれども、この記事のリードを読みますと、「政府は十五日、二〇二五年に全国の入院ベッド数を十六万~二十万床削減できるとする目標を発表した。」なので、一割程度という見出しなんだなと思って、朝日はこれを日本地図に落としているわけですけれども、バックデータは五枚目についております。
 ただ、これは注意しなければならないのは、ちょっと細かくて大変恐縮なんですけれども、パターンはA、B、Cと三種類あるわけなんですよね。だから、一つではないんだけれども、それを一つの例で記事になっていたということは一つあるかと思います。
 それで、社会保障制度改革推進本部の下に設置された医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会の第一次報告、この中で具体的な数字が出された。それを総括したのが、先ほど来出ている、病床の機能をどういうふうに分けるか、二〇二五年の姿というのがこの六枚目の資料。先ほど来、中島委員がやっていることと、そこまでは一緒です。それで、病床機能を四つのカテゴリーに分け、現状、六年後の姿、二〇二五年の姿を報告してもらう病床機能報告制度をもとに、レセプトデータによる実際の医療動向、受療率などを分析して出されたデータであります。
 私は、この問題を何度も質問してきました。ぱっと気がついたのは、やはりこれは地図に落としてしまうと、東北では宮城を除いて二割以上三割未満の削減なわけです。東京、神奈川、大阪などの都市部では、むしろベッドをふやす必要があるというふうになっている。
 これは、大臣、覚えていらっしゃると思うんですが、昨年十月の地方創生特でも質問をいたしました。
 医療資源が少なく過疎化が進んでいる県ほど逆にベッドが大きく削減されて、医療資源が集中している都市部でさらにふやす方向にならないか。つまり、どういう意味かというと、現状を機械的にデータ化してしまうと、医師不足で病棟を閉鎖せざるを得ないところが、結局、病棟がないから、使っていないんだから要らないねというふうになったり、そこの町に診療科がないために地方から都市部へ通院している場合、そこで足りちゃっているということになってしまう。そういうふうなデータ化の仕方をすると、要するに、資源がないところはどんどんなくなっていく、過疎化にどんどん拍車がかかるということになるよという指摘をしたわけです。
 このとき、私は、あの広い北海道が、全国の平均と比べて、十万人当たりの医師数が札幌と旭川の医療圏だけで全国並みの平均になる、要するに平均を引き上げているんですね、だけれども、ほかの医療圏は全部平均以下で、一番下の宗谷は九十・八人で全国平均の半分以下だ、こういうことが現状追認されてしまったら大変じゃないかという質問をしたわけです。
 そのとき、塩崎大臣は、私の質問意図を捉まえていただきまして、例えば札幌と旭川だけに患者さんが行っているという現状を前提にやるということであると、それは間違ったことになると答えてくださいました。私は、まさに我が意を得たりと思ったわけであります。
 そこで、今回の報告を見て、改めて大臣の認識を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 御指摘の病床推計は、もう何度も申し上げているとおり、内閣官房の調査会が、厚労省が取りまとめたガイドラインに基づいて、一定の仮定を置いて計算をしたということでございます。
 地域医療構想における将来の病床数は、地域ごとに人口の変動や高齢化の進展の状況を織り込みながら、今後、病床の機能分化、連携を進めることを前提に、将来の客観的な医療需要と、その医療需要に対する必要病床数として推計するものであると思います。したがって、将来、人口が減少する地域では、医療需要が減少するので必要病床数が現在よりも少なく算出をされる、一方で、人口が増加する地域では、必要病床数が多く算出されることになるということだと思います。
 将来の客観的な医療ニーズに基づいて、全ての患者がその状態に応じた適切な医療を受けられるというのがこの医療構想の原点の問題意識でございますので、切れ目のない医療提供体制を構築するためには、患者の移動なども含めてよく現実を見た上で地域地域の医療構想をつくっていただいて、それに見合った医療供給体制というものを構築していくということが大事ではないかというふうに思います。
○高橋(千)委員 地域ごとにということ、意を含んで答弁していただいたと思うんですけれども、日本地図に落とした県ごとでもやはりちょっと差が出ちゃったなということを思うと、県の中だともっとリアルに出ますよね。今の、北海道の中における旭川と札幌のように出ちゃうわけですよね。
 それをどういうふうに整理をするかといったときに、やはり客観的な数字に頼らざるを得なくなっちゃうわけです。本来は、この病床機能報告制度というのは、都道府県が報告をまとめて、自分たちで地域医療構想をつくるという話だったわけですよね。だけれども、事務負担が大きいといった言葉を捉えて、みずほ総研に丸投げをしちゃった。それが中央にがばっとデータが来て、今お返しをする段階なわけでしょう。そうすると、そのお返しされたものを見て、実際に地域の特徴を踏まえながらやっていくというのはなかなか厳しい。やはり、既に出ている指標、ガイドラインに頼らざるを得なくなる。
 内閣官房のデータだって、結局は厚労省のガイドラインに頼って試算したものですから、そこを、今の趣旨をどう入れ込んでいくかというのを伺いたいと思うんです。
○二川政府参考人 具体で都道府県が地域医療構想を立てるわけでございますけれども、地域医療構想区域ごとに立てる、こういうことでございます。
 先ほど来申し上げているように、地域医療構想区域は、二次医療圏をベースとはいたしますけれども、必ず二次医療圏と合わせなければいけないわけではなくて、その地域の患者さんの受療動向をよく勘案していただいて、二次医療圏と違った区域にしていただくということも十分あり得るわけでございます。
 また、現在の患者さんがどこの医療機関にかかっているか、このデータはあるわけですけれども、それが、便利だから隣のところへ行ってかかっているのか、いや、そうじゃなくて、自分のところに医療機関がないので隣までわざわざ行っているんだというようなケースの場合に、それを現状追認するのかしないのかという部分につきましては都道府県の政策判断といったところでございますので、そういった部分の需要見込みということにつきましては、地域医療構想を立てる段階で各都道府県の構想策定会議において検討いただきたいところでございます。
○高橋(千)委員 今、このデータを出した専門調査会の報告書の中に、どういうふうに書いているかというと、いいことも若干あると思います。
 例えば、「現在、二次医療圏間や都道府県間で患者の流出入が見られるが、今回の医療提供体制改革により、急性期、回復期及び慢性期の医療機能については、適切な構想区域の設定を前提に、基本的には、当該構想区域の住民の医療ニーズを当該区域の医療機関で対応する「自己完結」をできるだけ目指すことが望ましい。」「現状を全て追認することになってはならず、地域差の是正をはじめとして、病床の機能分化や効率化を着実に進める必要がある。」
 この機能分化や効率化の方は別として、住民のニーズを大切にすること、自己完結であること、現状追認ではなく、やはり住民のニーズを大切にしてやっていくというこの思想は私はとても大事だと思いますが、それはいいですよね。
○二川政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたとおり、患者さんの受療行動につきまして、それでよいとするのか、いや、それではいけないんだと考えるかにつきましては一つの政策判断が入るものだというふうに考えておりまして、各都道府県におきまして、その実態を十分精査し、地域医療構想に反映させていただきたいと考えております。
○高橋(千)委員 結局、県任せになっちゃうわけですよね。国がこうやって数字を示しておきながら、指標を示しておきながら、いろいろあっても、内閣官房もここまで言っているねと言っているにもかかわらず、それは県が判断することですと言うと、どうしたって県が出された数字を飛び越えるようなことはできないだろうと指摘しなければならないと思います。
 それで、実は、自己完結というのは重要だけれども、自己完結できなければ医療圏を広げることだってありだという議論をしてきたわけですよね。だから、さっきから言っているように、ここになくて隣の医療圏に行っている、では、それ自体を医療圏にしちゃいましょう、そういう議論もされているわけで、それでは全然私は納得がいかないわけです。
 全国で最も入院数の少ない長野県を目指すというのが、三パターンのうち最も小さい目標なんですよね。それでも、慢性期病床を二〇二五年までに二十四万二千床に減らすというもので、そういうスパンでこの目標が立てられている。その受け皿として、在宅型の地域包括ケアがセットで体制を整える必要に迫られているのではないかと思います。
 そこで、いよいよ、地域医療構想の中心的担い手が地域医療連携推進法人だと思いますけれども、地域医療構想との関係はどう法文上整理されているのか。簡潔に。
○二川政府参考人 地域医療連携推進法人は、先ほど来御答弁申し上げているとおり、地域医療構想を達成するための選択肢と位置づけているわけでございます。
 具体的な改正医療法案の規定に即して申し上げますと、医療法案の第七十条の二第三項におきまして、地域医療連携推進法人は医療連携推進区域というものを定めて、自分たちがどの範囲の区域で連携をするのかということで区域を定めるわけでございますが、その医療連携推進区域は、構想区域、いわゆる県の定める地域医療構想区域を考慮して定めなければならない、こういった規定がございます。
 また、同様に七十条の三第二項で、都道府県知事は、地域医療連携推進法人を医療連携推進認定するに当たっては、地域医療構想との整合性に配慮するということが規定されているところでございます。
○高橋(千)委員 ことし二月の「地域医療連携推進法人制度の創設及び医療法人制度の見直しについて」の報告の中で、非営利新型法人の参加法人の範囲について、今おっしゃった、「事業地域範囲内における病院、診療所又は介護老人保健施設を開設する複数の医療法人その他の非営利法人を参加法人とすることを必須」、こっちは必須として、もう一つは、「非営利新型法人の定款の定めるところにより、地域包括ケアの推進のために、事業地域範囲内で介護事業その他地域包括ケアの推進に資する事業のみを行う非営利法人についても参加法人とすることができる。」と、できるというふうな規定になっているんです。
 先ほど来議論しているように、川上から川下へということでは、本来だと介護事業が入らないと完結しないという理屈になるんじゃないかなと思いますが、これはどのように考えていらっしゃるのか。
○二川政府参考人 今回の地域医療連携推進法人におきましては、御指摘のとおり、医療機関を開設する医療法人等の参加は必須ということでございますが、介護事業等を行う非営利法人は加えることができるということで、任意というふうになっているわけでございます。
 これは、地域医療連携推進法人制度創設の趣旨が、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供することを目的にするものでございまして、法文上も、病院等の業務に関して連携を行うということを目的にするということが書いてあるといったことでございまして、医療を中心にいたしまして介護まで視野に入れる、こういった制度というものでございます。
○高橋(千)委員 相当苦しい答弁だと思うんですよね。
 医療法だから介護事業者のことを義務規定みたいには書けなかったというのが単なる理由じゃないかなと思うんですけれども、ただ、七十条の七には、地域医療連携推進法人は、地域医療構想の達成及び地域包括ケアシステムの構築に資する役割を積極的に果たすように努めなければならないと、これは責務規定になっているわけですよね。積極的に果たすように努めなければならない。それは当然、社会福祉法人の参加を期待している、してもらわないと困ると思うんですよね。
 そうしたら、どうするんでしょうか。例えば、出資して介護事業所をつくったりするんでしょうかね。それとも貸し付けとか、何らかの資金援助などで取り込むということが念頭にあるんでしょうか。
○二川政府参考人 地域医療連携推進法人は、確かに地域包括ケアシステムの構築に資する事業を行う法人も参加法人とすることが可能ということでございまして、地域医療構想の達成とともに、地域包括ケアシステムの構築にも資することができるような法人制度であるというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、社会福祉法人に限らず、介護事業その他の地域包括ケアシステムの構築に資する事業を行う非営利法人が参加するといったこともあり得るわけでございます。
 しかしながら、参加をするという方法と、それから、法人内で評議会というものがございますが、評議会の中でそういったことを視野に入れながら連携を推進していくという方法もあろうかということでございます。
 また、地域医療連携推進法人につきまして、参加法人間で資金融通ができるというふうになっているわけでございますけれども、医療法人間におきましてはそのようにしようと考えてございますけれども、社会福祉法人につきましては、今般の社会福祉法人改革に鑑み、資金融通の対象から除外する方向で検討していくものと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 わかりました。資金融通はしないと。
 その上で、社会福祉法人に限らず非営利の事業者ということもありますというと、だんだん、もっともっと対象はちっちゃくなっちゃうかなと思うんですよね。
 それで、もともと、昨年の日本再興戦略において、地域包括ケアを実現するため、複数の医療法人や社会福祉法人等を傘下に置く非営利ホールディングカンパニー型法人制度の創設が求められていた。地域包括ケアをやるためにやるのに、これは任意ですからとかそういうことを言っている場合じゃないと思うし、それだと本当に、大臣自身が認めているように、何のためなのかということになるわけですよね。
 そうすると、全国社会福祉法人経営者協議会調査によれば、会員法人六千八百七十三法人中、約半数の三千四百六十九法人が単数施設法人なんですね。つまり、一法人一施設の小規模法人。これは、なかなか、二次医療圏を網羅するサービスというのは厳しいと思うんですよね。だから社会福祉法人改革の中に規模拡大まで書かれている、そういうことに全部リンクしていっちゃうのかなというのが一つと、それから、二〇一三年の社会保障制度改革国民会議報告書や日本再興戦略などでも、今言ったように社会福祉法人の規模拡大が求められるとしている。
 そういうことを考えたときに、施設数の割合というと、社会福祉法人が四割強、営利法人も四割強なわけですよね。そうすると、ほとんど同じくらいの力関係になっている。それを、だんだん、地域包括ケア、要するに今の参加法人の中に営利法人も入れざるを得なくなるんじゃないか、そういうことになるのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○二川政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたとおり、地域医療連携推進法人につきましては、参加法人として参加をし、連携をより強固にしていくといった形での参加の仕方もございますけれども、評議会といったようなところに参加をすることで、その地域の面的な医療、介護全体を視野に入れた連携について一定の発言をしていただく、こういった方法もあるわけでございまして、どういった方法をとるかにつきましては、それぞれの地域医療連携推進法人の関係者の中で十分相談をいただいた上で法人を設立いただくことが適当なのではないかと考えております。
○高橋(千)委員 参加をしなくても意見を言えるからという、それは物すごい詭弁じゃないですか。だって、参加をしたって、それぞれの法人がやりたいことを、御意見を伺わなきゃいけないわけですよね、地域連携法人に御意見を伺わないと決められない、そういう関係なわけですよね。本当に、地域から、当事者の居場所づくりという要求から発してつくり上げてきた社会福祉法人にとって、この連携法人と地域包括ケアの関係というのは、どうなっていくのかというのが非常に危惧されるところだなと思うんですね。
 それで、例えば、仮に社会福祉法人が参加するとして、医療法人と連携推進法人と、あるいは社員間の関係というのは、基本的に各一個の議決権とあるわけですよね。だけれども、例外規定がある。規模の大きさなどにやはり影響される、発言力にやはり差をつけられる、そういうことにならないでしょうか。
○二川政府参考人 今回の地域医療連携推進法人につきましては、原則としては一社員一議決権、すなわち参加法人一つについて一議決権ということを原則とはいたしておりますけれども、定款で別段の定めをすることは可能であるというふうにしておるところでございます。
 これは公益法人制度においても同様の仕組みでございますけれども、その際、定款で別の定めをすることはできるわけでありますけれども、医療機関の連携を図るという目的に照らし、不当に差別的な取り扱い、あるところだけは不当に差別をする、こういったような定款の定めは無効ということになるわけでございます。
 また、参加する法人、社員でございますけれども、社員が提供をした金銭等に応じて議決権の数を変えるといったようなこともしてはいけない、こういったことを規定してあるところでございます。
○高橋(千)委員 してはいけないと今例示したのは二つしかない、イとロだけなんですよね。そうすると、それ以外は認められちゃうということになるんでしょうか。
○二川政府参考人 参加する医療機関に、確かに大きな病院もあれば、小さな診療所といったこともあろうかと思います。その点につきましては、参加者、関係者の中で定款をおつくりいただく際に、例えば医療機関の病床数等を総合的に考慮して議決権の数を異ならせるといったような取り決めをすることは可能であるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 今おっしゃいましたね、病床数の違いで取り決めすることは可能であると。これで力のあるなしが、発言力のあるなしが変わってくるということがやはり懸念されると当然指摘せざるを得ないと思っております。
 まして、先ほど来言っている社会福祉法人との関係なども、本当に一施設しかない法人がどうなっていくのか。発言力もなかなかないという中で、本来自分たちが持っていた理念という関係がどうなるのかなということを、本当に懸念ばかりが広がるということになるかと思います。
 それで、今度は医療法人の話になりますけれども、地域医療連携推進法人に参加するかは任意である。だけれども、同一の医療圏の中で、要するに、連携法人の中に入った法人と、そうでない医療法人の競合をどう整理していくのかということ。
 ちょっと時間の関係で二つ言います。
 先ほど阿部委員も御紹介いただいたんですけれども、都道府県知事には、自主的な取り組みだけでは機能分化が進まない場合、ペナルティーを行う権限があるわけですよね、指導する権限がある。これとの関係なんですよ。
 当然、一つの医療圏の中に、連携法人と、そうじゃない、連携法人に入らない法人がある。そうすると、協議の場が一番決定権があると思うんですよね。知事にも権限がある。さっき紹介していた補助と融資の部分は、多分削除されています、今回の中には入っていないけれども、医療機関の公表などという形で厳しくペナルティーがあります。
 そういう中で、実際はどうなんだろうと。協議の場が本当に回っていくのか。あるいは、参加するように誘導策があるのか。つまり、地域医療介護総合確保基金などを活用すれば参加せざるを得なくなっちゃうとか、要するに、参加しないでなかなか基金はないよね、そういうふうなことになりかねないなと思いますが、いかがでしょうか。
○二川政府参考人 今回の地域医療連携推進法人におきましては、その区域内で医療機関を経営している場合でありましても、参加はあくまで任意ということでございます。したがいまして、その地域におきましても、地域医療連携推進法人に参加する法人と参加しない法人の双方が存在するといったことになるわけでございます。
 そういったことを前提に紹介、逆紹介等が行われるわけでございますけれども、そういったことにつきまして、地域の住民の方も参加をする、先ほど来申し上げている評議会というものがこの連携法人にございますので、そういった中で、医療機関が公平に扱われるように、そういったことを期待しているところでございます。
 それからもう一点、県の方の権限が、地域医療連携推進法人に参加しないときにはそういった権限が行使されるのではないか、こういった御懸念でございますけれども、県の方の病床削減の要請、こういった規定があるわけでございますけれども、これにつきましては、地域医療構想と反するかどうかということが基準でございますので、地域医療連携推進法人に参加するかどうか、こういった基準ではございませんので、参加しない医療法人が参加しないというだけをもって不利になることはないというふうに考えております。
○高橋(千)委員 参加するかどうかがペナルティーになるわけないでしょう。そんなことを聞くわけないですよ。そうじゃなくて、全体としてこのくらいの目標だとしたときに、連携法人は自分たちの中で融通してここまで減らしますと例えば決めたでしょう、こっちは、いや、私たちは参加しません、減らしませんとなったら、当然そっちがだめだという話になりませんか。
○二川政府参考人 地域医療構想を実現していくという過程におきまして、病床機能ごとに、この地域ではこの機能の部分が何床ぐらい必要か、こういったところがあるわけでございます。そういったことを目指していく上で、都道府県の方としてはいろいろな協議の場を通じてそういったことを実現していくわけでございますけれども、最終的に、医療法の規定という権限も最終的なものとしては定められているところでございます。
 そういったときに、例えば、ある医療機能が、非常に多い機能があるんだけれども、その多い機能の方をさらに増床しようというような医療機関が出る場合には、そういった規定が最終的に、できるだけ発動しないで実現していくことがいいわけですけれども、そういった逆のことをされる場合には、そういった規定の発動ということもあり得ないわけではないということでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、参加するかどうかということとかかわりはないことだというふうに考えております。
○高橋(千)委員 それはわかっていると言っているのに、何でだめ押しをするんですか。
 結局、ほとんど機能しそうにないなと。最終的には協議の場をやらざるを得ないんだからということを、なぜかなというふうに思っちゃうんですね。
 それで、なぜかなと思ったときに、やはり決定的に違うのは、知事が命令できるのは国公立病院なわけですよね。そもそも、非営利ホールディングカンパニーをやったらと最初にお話しされた松山さんだって、最初の一番の狙いは実は国公立病院なんだと言っている。それぞれに住民の運動があり、守ってほしいという運動があり、それでなかなか減らすことができないんだ、そこにやはり強制力をかけていくということが一つの狙いなのかなというふうに思っておりますが、どうお考えでしょうか。
○二川政府参考人 地域医療構想の実現におきましては、公立病院あるいは国立系病院、そういった公的な病院の統合を前提にするものではございませんで、あくまで各医療機関が、協議の場において自分のところの医療機関がどういった医療機能を担っていくべきかということを相談して、自主的な取り組みを進めるというのが、これが第一でございます。それと違う方向へ進むような医療機関がある場合には都道府県がそういった権限があるということでございまして、現状を維持することに関しての特別な権限があるわけではないということでございます。
○高橋(千)委員 現状を維持する、そんな質問はしていませんけれども。何でそういう答弁になるんだろうね。国公立病院をなかなか機能再編ができないからということを、これを最初に言っている人が狙いだと言っている、やはりそこがあるんでしょうという指摘をしたんです、私は。何でそういう答弁になるのかというのがよくわからない。
 これから先は、もう時間も残り少ないので大臣に答えていただきたいんです。
 結局、さっきから聞いていますと、あくまでも自主的なんだ、任意なんだ、県が決めるんだと言って、それどころか、内閣官房が出したんだと言って、厚労省は何の責任もないかのように言っているわけなんですよね。
 そんなはずがないでしょうということで、資料の最後のページにつけておきましたが、経済財政諮問会議、五月二十六日に塩崎大臣が提出した資料です。
 「中長期的視点に立った社会保障政策の展開」という、もっと資料はいっぱいあるわけですけれども、そういうテーマの資料の中に、重点改革事項として、「地域包括ケアシステムの構築:医療介護サービス体制の改革」となっていて、「質が高く、効率的な医療提供体制」とあり、「地域医療構想の策定支援、医療費適正化計画の前倒し・加速化」、これはわざわざ赤線で囲んである。それも、二〇一八年度改定で、もう間もなくであるにもかかわらず、それさえも待てないということで、前倒しをすると言っているわけですよね。
 だったら、やはり厚労省として、それは上にせっつかれたということは言えるけれども、結局、やると言っているわけじゃないですか、前倒しで。そうなったら、当然のことながら、さっきから自主的だとかいろいろ言っている数字だってやらざるを得ない、そういう立場で、大臣、言っているんじゃないんでしょうか。
○塩崎国務大臣 地域医療構想は、今後の高齢化が本格的に進んでいく中で、全ての患者がその状態に応じた適切な医療を受けられるようということで、将来の患者の医療需要とそれに対応する必要な病床数をそれぞれ都道府県で推計してもらって病床の機能分化、連携を進める、こういうものでございます。
 国においては、都道府県が地域医療構想を策定するに当たりまして十分な支援を行っていくということが必要であると考えておって、地域医療介護総合確保基金への財政支援を実施するほか、本年三月には地域医療構想策定のガイドラインを各都道府県にお示しを既にしているわけでありまして、あわせて、都道府県の担当者に対する研修会を実施してきているわけでございます。
 さきの医療保険制度改革の中で見直しがなされました医療費適正化計画につきましては、このような地域医療構想を踏まえて都道府県の医療費の目標を定めることとしているほか、地域医療構想の策定を行った都道府県は、速やかに医療費適正化計画の見直しを行うこととしているところでございます。国としても、今年度中に医療費適正化基本方針の策定や必要なデータの提供等の支援を行うこととしているところでございます。
 御指摘の諮問会議では、このように、都道府県が質の高い効率的な医療提供体制の構築を進めることができるように、国としてもしっかりできることは前倒して実施していくことを述べたものであって、医療費抑制先にありきというようなものではございません。
○高橋(千)委員 済みません、大臣、それはこれから言う質問の最後の問いですけれども。二つをまとめて答弁されちゃったわけですが、でも、やはりそういうことなんだろうなというのが何となく伝わったのかと思うんです。
 この資料の中に、「病床機能の再編、地域差の縮小」と、ちっちゃくて申しわけないんですが、こうやって書いていますよね。さっきから議論している、これはAパターンなわけですね。最小は長野県だと。そこに、ずっと分布をしている大きなところも縮めていって、目標を、そこに照準を合わせて、そこから逆算をしてベッドを削減しましょうというふうなことをやってきたのが今までの議論だったということなわけです。
 それで、同じ日の、この五月二十六日の民間議員の論点整理ペーパーでは、「インセンティブ改革」と称して、先ほどの人口推計を用いた二〇二五年までの病床の過不足について、「介護も含め、基金の配分、診療報酬、都道府県の機能強化」、今議論してきたこと全部です、「等によって、早期対応を図るべき。」と迫っています。
 特に、民間議員の新浪氏は、大臣のペーパーを受けて、大臣の報告を受けて、医療費適正化計画の改定前倒しをぜひとも実現してほしい、医療費の抑制については、地域間の格差を半減する目標をぜひ立てて、二〇一八年度、二〇二〇年度に向けて実効が上がるようにしていただきたい、そうすると、私の試算ではそれだけでも一兆円弱、八千億円程度の抑制ができると。それだけでですよ。だから、薬価とかそういうのは、またそのほかにあるわけですよ。
 そういうことを言われて、前倒ししますと言わざるを得ない、そういう中で今出てきている問題なんだ、そうすると結局、民間議員の発言に押され、医療費抑制ありきとなっているのではないか、これが問いだったわけですが、大臣、もう一回どうですか。
○塩崎国務大臣 実際、地域差があるということは間違いないことであって、医療費を持続可能なものにして、なおかつそれぞれの地域が地域の医療を決められるように、これから医療構想をつくっていくということをやっていく。
 そういう中で、それぞれの地域の持続可能ではないかもわからないというようなところについてはやはり直していかないと、その地域で、これから国民健康保険も市町村単位じゃなくて県単位になっていくわけでありますから、そういう意味では、当然そういった改革はやっていかなきゃいけないわけで、これは県によっていろいろな跛行性がある、努力をしないといけないということになりますけれども、しかし、それは結果として自分たちの負担というものにもはねてくる話でもございますので、そういう意味で、改革は前倒していくということは、それなりにやはり大事なことでありますので、しっかりとやっていかなければならないというふうに思います。
○高橋(千)委員 例えば、その議論の中で、さっき地域包括の話をしましたけれども、介護の軽度者の生活援助等は保険給付の対象から外す、また、通所介護などのその他支援は自治体事業で実施する枠組みに全面的に移行すべきだと。
 だから、今だって、随分議論して残したもの等があったわけですよ、それも全部外しちゃえと言っている。そうすると、その次に来るのは、介護度一、二を外す、そういう議論かなということさえも、現場ではすごく懸念が広がっているんですよ。そうやって抑制が迫られている中での今の改革なんだということで、しっかり、やはりそこに、わかりましたというわけにはいかないという頑張りをしていただきたいと思っております。
 それで、先ほど来議論になっているメイヨー・クリニックのようなホールディング型医療法人、総理が昨年一月のダボス会議で宣言したわけですけれども、先ほど阿部委員が丁寧に紹介していただいたんですが、今回の法案はそれとは大分離れていると思うんですね。
 これはやはり、医師会も、非営利ホールディングカンパニー型法人については、医療を営利産業として成長させたいという意図が明らかであり、全く認められない、そういう発言もしており、ストレートにはいかなかったんだろう、だからこそ、対極の非営利型ということで、かなり今回は抑制的な提案になったのかなと思っているんです。
 だけれども、結局、向かうところは、さっき向かうのかどうかという議論がちょっとありましたけれども、私はやはり向かうんじゃないかなというイメージを持っております。
 みずほ銀行産業調査部の昨年のレポートによると、やはり、このホールディング型法人のモデルとされる米国のIHNについては、医療費高騰に伴う保険者の管理強化とかニーズの多様化とか医療サービスの機能分化などが進む中で、MアンドAにより、同一地域内の病院や開業医、介護施設などの異なる機能を統合し、急性期医療から外来、在宅、介護等のケアサイクルを一元的に提供するIHN化が進んだと。傘下に、非営利の病院、介護施設等に加え、営利の関連法人や保険会社も保有している。
 ですから、日本と違って、公的保険がないし混在しているわけですよね。アメリカの場合は民間保険と混在しているし、州によっても制度も違う。そういう中で、要するに保険会社がホールディングに一緒に参加しているという中での、何というんでしょうか、このみずほの表現をかりれば、それ自体が特区のようなものだという表現をしている。だから、そのまま同じ仕組みを日本に導入することは難しいという表現をされていて、私もそうだなというふうに思うんですね。
 やはり、イメージとしては特区だと。だけれども、そういうことを日本も競争力会議の議論などで目指しているんじゃないのかということ。結局、さっきから、私、医療費抑制ではないかと言ってきましたけれども、それは裏表の関係で、医療費抑制の裏表は結局産業化なわけですよね。公的分野の産業化ということで、もっと医療の市場化を進めたいということは大臣自身が諮問会議の場で言っているわけですよね。
 だから、今度の法案が、まだまだ一気にではないけれども、その途上のものになるのではないかということを心配するわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 ダボス会議で総理が言及したメイヨー・クリニックにつきましては、先ほど来お話があったように、約百の医療機関が一体的に運営されて、地域で質の高い医療を効率的に提供する体制を構築した。
 私どもは、今回、この連携法人を考えるに当たって、やはり日本の中で、それも地域で、質の高い医療を効率的に提供する体制を構築する一つの手段として考え得るのではないかということで御提案を申し上げているということだというふうに思います。
 それで、今、産業化ということをみずから言っているのではないかということをおっしゃっていますが、それは必ずしも、午前中にも少し御意見がございましたけれども、この連携法人においても株式会社をその中に一つ二つぶら下げてもいいんじゃないか、こういう御意見もあるわけでありますけれども、私どもは、医療を中心に考えている今回の連携法人については、やはり非営利性を堅持するということが必要であって、地域医療連携推進法人全体の非営利性を確保するために、株式会社については参加できないということとしているわけです。
 なおかつ、しかし、産業化と言っていることについては、それは、医療のど真ん中ではないところについては産業化をできるところについて産業化をして効率化を図り、よって、よりよい医療が提供できるようにすべきではないかと。もちろん製薬産業などはその典型であるわけですし、医療機器も同じ、そういうことを申し上げているので、決して医療の産業化ということ自体を言っているわけではございませんので、誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
○高橋(千)委員 これで終わりますが、大臣がおっしゃったそのど真ん中の部分ですよね。結局、公的医療の部分がどんどん小さくなる議論が進んできて、それが結局、受け皿としての市場化が広がっているということを強く指摘して、終わりたいと思います。

 

――資料――

【資料1】新しい総合事業の実施予定、多様な主体による生活支援・介護予防サービスの重層的な提供

【資料2】平成27年度の新しい総合事業の都道府県別実施予定保険者数

【資料3】地域医療連携推進法人制度について(概要)

【資料4】「病床『1割削減可能』/25年政府目標 医療から介護推進/受け皿の整備課題」(朝日新聞2015年6月16日付)

【資料5】2025年の医療機能別必要病床数の推計結果(都道府県別・医療機関所在地ベース)

【資料6】2025年の医療機能別必要病床数の推計結果(全国ベースの積上げ)

【資料7】地域包括ケアシステムの構築:医療介護サービス体制の改革

▲ このページの先頭にもどる

高橋ちづ子のムービーチャンネルへ
街宣予定
お便り紹介
お問い合わせ
旧ウェブサイト
日本共産党中央委員会
しんぶん赤旗
© 2003 - 2020 CHIDUKO TAKAHASHI