国会質問

質問日:2014年 10月 31日 第187国会 本会議

女性の活躍推進法案

長時間労働 是正こそ/高橋氏指摘「女性活躍」審議入り

 安倍政権が今国会の“目玉”の一つに位置づける女性活躍推進法案が31日、衆院本会議で審議入りしました。同法案は、女性の登用促進のために、雇用主に対し実態把握と数値目標を含む行動計画策定などを求めています。日本共産党の高橋ちづ子議員が質問にたち、「女性登用に本気であるなら、男女雇用機会均等法を抜本改正し、非正規から正規雇用への流れをつくるとともに、均等待遇を実現して男女ともに人間らしい働き方を保障する法整備を目指すべきです」と求めました。
 高橋議員は、首相が「女性の活躍」を成長戦略の中核にすえると述べたことに言及し、「その趣旨は、あくまで企業の競争力を高めるために、女性の『活躍』でなく『活用』ということではないか」と指摘。真に「女性の活躍」をうたうなら、▽長時間労働を抜本的に変える、実効性ある労働時間規制に踏み出す▽労働者派遣法改悪や「残業代ゼロ制度」など労働法制改悪をさせない▽男女の賃金格差・間接差別をなくす―ことに焦点をあてるべきだと提起しました。
 有村治子女性活躍担当相は「女性が輝く社会を実現するためには、希望に応じて能力を発揮できる環境整備が必要だ。そのためには長時間労働を是正することが極めて重要だ」と答弁しました。
 高橋議員は「女性たちは『強い日本を取り戻す』という安倍政権の野望のために、都合よく利用されることを望むはずがありません。日本共産党は女性への差別を解消し、男女がともに人間らしく働き、暮らす、ルールある社会実現のために力を尽くす」と表明しました。
(しんぶん赤旗 2014年11月1日付より)

 

――議事録――

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案について質問します。(拍手)
 政府と経団連などが主催し九月に行われた女性が輝く社会に向けた国際シンポジウムのハイレベル・ラウンドテーブルで、総理は各国の女性たちを前に、二十一世紀こそ女性に対する人権の侵害のない世界にと強い決意を表明されました。
 しかし、足元を見れば、ジェンダーギャップ指数、百四十二カ国中百四位が示すとおり、先進国として恥ずべき状況です。働く女性の二人に一人が非正規雇用であり、賃金は男性の半分にすぎません。働く女性の四割以上が年収二百万円以下です。それは、将来の無年金、低年金につながります。女性の貧困は無視できません。
 この事実そのものが、人権を脅かす問題ではないですか。
 経団連は、女性の活躍は、女性のための施策ではない、企業の競争力を左右する経営戦略、日本経済の持続的な発展を可能とするための成長戦略そのものであると提言しています。
 総理は、成長戦略スピーチで、女性の活躍はしばしば社会政策の文脈で語られがちです、しかし私は違いますと宣言し、女性の活躍を成長戦略の中核に据えると表明されました。その趣旨は、あくまで企業の競争力を高めるための、女性の活躍ではなく活用ということではありませんか。
 法案は、基本原則で、家族を構成する男女が、職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨とすることを掲げています。
 子育て世代である三十代の男性は、五人に一人が週六十時間以上の長時間労働です。専ら女性が家事、育児負担を担い、保育所不足も追い打ちをかけ、妊娠、出産を機に六割が退職せざるを得ない状況です。世界一の長時間労働である日本男性と、世界一睡眠時間が短いのが、日本の働く女性なのです。
 仕事と家庭の両立、職場での女性の活躍を阻んでいるのは、この長時間労働だという認識はありますか。残業時間の上限規制を法定化するなど、長時間労働を抜本的に変える、実効性ある労働時間規制に踏み出すべきです。
 政府は、労働法制改悪を、あたかも女性や子育て世代に資するかのように言い繕っています。しかし、労働者派遣法の改悪、残業代ゼロ制度、限定正社員制度が、ハードワークと非正規の二極化をもたらすことは明白です。
 輝きたい女性は際限のない長時間労働を甘受しろということですか。家庭責任を負う女性は、両立どころか、今以上に正規雇用から締め出され、不安定、低賃金に固定化することになるのではありませんか。
 女性の活躍をうたう本法案は、ここにこそ焦点が当てられなければなりません。
 法案は、女性の登用促進のために、雇用主に対し、実態把握と数値目標を含む行動計画策定を求めています。その項目は、今後国が定める指針によるとされています。
 これは、限られた女性の登用だけでなく、正規、非正規を問わず、働く女性全体の労働条件、職場環境の改善を目指すものでなければなりません。
 とりわけ、男女賃金格差、コース別雇用管理や雇用形態等の違いによる間接差別をなくすことを位置づけるべきではありませんか。
 また、非正規労働者の比率、産休、育休等両立支援制度の取得状況等も含めて実態を明らかにし、改善のための数値目標、行動計画策定と公表を義務づけるべきです。
 なぜ、公表する情報は事業主任せなのですか。また、国は、民間企業と横並びを決め込むのではなく、先んじて女性登用と格差是正に努めるべきではありませんか。明確にお答えください。
 女性登用に本気であるなら、男女雇用機会均等法を抜本改正し、非正規から正規雇用への流れをつくるとともに、均等待遇を実現して、男女ともに人間らしい働き方を保障する法整備を目指すべきです。
 最後に、法律で夫婦同姓を義務づけている国は、先進国で日本だけです。
 一九九六年、法制審議会は、選択的夫婦別姓制度導入を含む民法改正の法案要綱を答申しましたが、いまだ法改正は実現していません。答申後、法制化が実現していないのはこの民法改正だけであり、国連女性差別撤廃委員会からも再三厳しい勧告がなされています。
 人権侵害のない世界を目指すのであれば、まず、女性に対する差別的規定の残る民法を改正すべきです。答弁を求めます。
 女性たちは、強い日本を取り戻すという安倍政権の野望のために都合よく利用されることを望むはずがありません。
 日本共産党は、女性への差別を解消し、男女がともに人間らしく働き、暮らす、ルールある社会実現のために力を尽くす決意を表明して、質問といたします。(拍手)

○国務大臣(有村治子君) 高橋千鶴子議員の御質問にお答えをいたします。
 女性の貧困についてお尋ねをいただきました。
 生活や就業などの面でさまざまな困難を抱える女性が安定した生活をできるようにすることは、女性の活躍の基礎となるものです。
 すべての女性が輝く政策パッケージに基づき、母子家庭に対する生活、就業に関する包括的な支援や、来年四月に施行する生活困窮者自立支援法に基づく支援などを着実に進めます。
 女性活躍の趣旨についてお尋ねをいただきました。
 安倍内閣が目指しているのは、全ての女性が、それぞれの希望に応じ、職場においても家庭や地域においても、個性と能力を十分に発揮して輝くことで、活力ある社会を実現することです。
 子育てと仕事の両立を望む方もいれば、家庭で子育てに専念したい方もいます。さまざまな状況にある女性が希望に応じた活躍ができるよう、取り組みを進めてまいります。
 女性の長時間労働に関するお尋ねがありました。
 女性が輝く社会を実現するためには、男女がともに仕事と家事、育児、介護等を両立でき、働きたい女性がやむを得ず離職することなく、その希望に応じて能力を発揮できる環境を整備することが必要です。
 そのためには、長時間労働を是正することが極めて重要です。
 すべての女性が輝く政策パッケージに基づき、ワーク・ライフ・バランス実現のための法的措置の検討、企業の職場風土や意識改革の促進、テレワークの導入促進などを関係省庁とも連携して推進いたします。
 事業主行動計画策定指針に位置づける事柄や、行動計画等の義務づけに関するお尋ねをいただきました。
 本法案における指針の内容は、厚生労働省の労働政策審議会の審議を経て決定することを予定しており、その指針に即して各事業主が行動計画を策定することになります。
 行動計画の策定に当たっては、事業主が抱える課題は、業種により、また事業主によって多種多様であることから、各事業者が、状況把握、課題分析の結果を踏まえ、課題の解決を図るためにふさわしい項目を選択し、目標を設定することにしています。
 その中で、非正規雇用に関する課題への対応等につきましても、必要に応じて、行動計画において目標や取り組みが盛り込まれるものと考えております。
 事業主が公表する項目と国の取り組み姿勢に関するお尋ねがありました。
 事業主の情報に関しては、公表範囲そのものが企業の姿勢をあらわすものとして、求職者が就職先を選ぶ際の判断材料になると考えます。
 また、御指摘のとおり、国は率先して女性が活躍できる職場づくりに努めるべきであると考えております。
 今月十七日に取りまとめた国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針に基づき、各府省は、目標数値を盛り込んだ取り組み計画を本年末をめどに策定、公表し、取り組み状況について毎年度公表いたします。(拍手)

○国務大臣(塩崎恭久君) 高橋千鶴子議員にお答えを申し上げます。
 まず、長時間労働に関する認識や労働時間規制についてのお尋ねがございました。
 我が国における長時間労働は、仕事と生活の調和や、女性の活躍の障壁となっていると考えております。このため、企業に対する監督指導の強化など、働き過ぎ防止に取り組んでいるところでございます。
 さらに、現在、労使の代表が参画する労働政策審議会において、時間外労働の限度のあり方も含めた長時間労働抑制策や年次有給休暇の取得促進策、子育てや介護等の事情を抱える働き手のニーズに対応したフレックスタイム制の見直し等について検討を進めており、結論を得た上で、次期通常国会をめどに法的措置を講じてまいります。
 男女を通じた人間らしい働き方に向けた法整備についてのお尋ねがございました。
 女性が、出産、子育てを通じて安心して働き続け、活躍できる社会の実現に向けては、性差別や妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いを禁止する男女雇用機会均等法や、均等・均衡待遇の確保を目指すパートタイム労働法を土台とした上で、新法によって、企業に対して、女性の活躍推進に向けた定量的な目標、取り組みを盛り込んだ行動計画の策定等を求めていくことで、女性がその能力を十分に発揮できる環境を整備していくことが重要と考えています。
 同時に、企業が行動計画を策定する際に踏まえることとなる指針において、長時間労働是正など働き方改革に向けた効果的取り組みや、非正規雇用から正規雇用への転換に関する効果的取り組みを盛り込むこととしたいと考えております。
 こうした取り組みにより、男女を通じた人間らしい働き方ができる社会の構築を目指してまいります。(拍手)

○国務大臣(上川陽子君) 高橋千鶴子議員にお答え申し上げます。
 選択的夫婦別氏制度の導入等を含む民法改正についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、平成八年二月に法制審議会から民法の一部を改正する法律案要綱について答申を受けましたが、この中には選択的夫婦別氏制度の導入等が含まれております。
 選択的夫婦別氏制度の導入等を含む民法改正にかかわる問題は、いずれも我が国の家族のあり方の根幹に深くかかわるものであり、国民の理解を得ながら行う必要があると考えておりますが、現時点においても国民の間にさまざまな意見があることから、今後も引き続き、国民各層の意見を幅広く聞き、各方面の議論の推移を注視していく必要があるものと認識しております。(拍手)

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