国会質問

質問日:2014年 10月 31日 第187国会 災害対策特別委員会

災害対策基本法一部改正について

災害対策基本法改定案を可決/交通規制は早めに

 衆院災害対策特別委員会は10月31日、大規模災害時の緊急車両の通行確保や放置車両対策の強化を盛り込んだ災害対策基本法改定案を全会一致で可決しました。(4日の本会議で可決)
 採決に先立つ質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は、一昨年の大雪をふまえ、早めの交通規制で立ち往生を解決できた北海道の教訓を示し、政府のとりくみについて質問しました。国土交通省の深澤淳志道路局長は、普段雪の降らないところでも除雪の優先区間の設定や早めの交通止めの実施、豪雪地帯との連携強化などを行うとのべました。
 高橋氏は一方で、道路法67条2ですでに「長時間放置された車両の移動」の規定があり、現行災対法でも警察官による強制排除措置や移動時に破損した車両への損失補償の規定があることを指摘し、災対法の改定でなく現行法の活用が必要とのべました。
 また、高橋氏は、移動時に破損した車両の損失補償について、「道路管理者である自治体が負担することになる。予想を超える財政負担となった場合は国の支援が必要だ」と求めました。山谷えり子防災担当相は「適切な対応を検討したい」と応じました。
(しんぶん赤旗 2014年11月5日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 今回の災対基本法の改正は、大規模災害時における迅速な道路啓開と放置車両対策に絞った改正であります。今冬の関東甲信地方の大雪被害と車両の立ち往生、孤立集落の発生などが契機になったものと承知をしております。
 私は、この関東甲信地方の大雪被害の時期に、それにも関連しまして、ことし二月二十四日の予算委員会で質問したことがございました。
 それは、北海道が昨年三月の暴風雪被害を教訓に、今冬から予防的措置で通行規制をかける区間を拡充して、大規模な立ち往生を防ぐことができたという教訓だったわけです。これは、気象警報が出されていない段階で、パトロール結果をもとに特殊通行規制区間を二十六区間指定し、うち十五区間で初めて通行どめの措置をとったといいます。
 昨年の十月に道路管理に関する検討会報告書というものが出されていますが、そこにこういう指摘があったのが実際に実行されたということと、いろいろな調査がありまして、立ち往生した当事者、つまりドライバーの八四%が、実は、立ち往生しているんだけれども、車内で携帯電話も使えたし、スマホやラジオで情報を得ようとしていた。つまり、適切な情報さえあれば、なるべく外出を控えるとかそういうことにつながるという、さまざま教訓的な興味深い内容があったと思っております。
 そこで、早目の規制で放置車両そのものを起こらなくするということは非常に重要だと考えますけれども、国交省にその後の取り組みを伺いたいと思います。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、北海道では従来から、暴風雪のおそれがある場合は通行どめの措置を実施してきたところですけれども、平成二十五年三月に発生した暴風雪被害を教訓に、予防的措置として通行どめ措置の拡大を図ったところであります。
 ことしの二月の関東甲信地方を中心とした豪雪につきましては、ふだん雪が余り降らないところで記録的な豪雪となりました。各地で通行どめや大規模な立ち往生の車が発生いたしまして、社会的に大きな影響を与えたところです。
 こうした経験や北海道の取り組みを参考といたしまして、今後の改善策としては、まず、ふだん雪が降らないところにおきましても、関係道路管理者が事前に調整して除雪の優先区間を設定する、除排雪用の資機材の適切な配備それから協定等による調達、立ち往生車両の発生を抑制するために早目に通行どめを実施する、豪雪地帯との除雪機械等の連携の強化、冬タイヤ、チェーンの準備の呼びかけ、さらには、ツイッターによる通行どめ情報の提供など情報提供の充実を行うこととしております。
 これから降雪期を迎えるに当たりまして、冬期道路交通を適切に確保するよう努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 本当に、ふだん降らないところですと、わずかな、東北の我々にしてみると余り影響がないようなところでも、備えがないということで大きな被害にもつながった。それを踏まえて、事前のさまざまな取り決めをしておくということがやはり大事なのかなと思っております。
 その上で、そうはいっても、実際に放置車両が起こってしまった場合ということで今回法案が出されているということは理解ができるところなんですけれども、まず伺いますが、道路法の六十七条の二には、長時間放置された車両の移動についての規定が実際にございます。ただ、適用実績が全然ないと聞きました。その理由はなぜでしょうか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、道路法第六十七条の二におきましては、長時間放置された車両について、現場に当該車両の運転者等がいない場合に限り、道路管理者が移動できることとなっております。
 おっしゃるように、実際に適用した事例につきましては、私ども把握しておりません。
 道路に長時間放置された車両の多くは違法駐車であり、その場合は、警察が当該車両の移動を実施しているものであります。また、これまでの災害時における放置車両につきましては、運転者を探して、同意を得たときは移動するといった措置を講じてきたところであります。
 以上です。

○高橋(千)委員 なぜかという理由は、違法だから、道路法の世界ではないという趣旨ですか、今言ったのは。確認します。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 道路法にこのような規定はございますけれども、これまでに適用した事例がないということでございます。

○高橋(千)委員 ですから、なぜかということを聞いているんですよね。なぜだと思うかということです。伺います、もう一回。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたけれども、これまでの事例におきましては、長時間放置された車両につきましては違法車両として警察の方で移動を実施していただいておりますので、そういうこともあって、なかったものと理解しております。
 以上です。

○高橋(千)委員 二十九日に、国交省が放置車両の移動について大がかりな訓練をしていたということをニュースで拝見しました。
 本来なら、実際に移動しなくちゃいけないときだって、多分、地方整備局の重機をお借りしたりとか、さまざまな手だてをするわけですから、やはり、道路法の世界でできると書いてあるものを、不足するものがあれば、例えば損失補償がないだとか、きのうそういう説明を受けましたけれども、報道にもありますけれども、一切お答えにならなかった、そこの部分を補足して、つまり、どっちみち改正しなければならないんだったら、まず道路法の改正をするとか、そういうことは考えられなかったんでしょうか。

○日原政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正法案は、道路そのものの状況は当然ですけれども、それだけではなく、例えば、多数の負傷者が発生しているとか、あるいは集落が孤立しているなど、その先にある災害現場の状況を勘案して、緊急通行車両の通行を確保するために適用されるということでございます。
 したがって、消防活動や救助活動といった災害応急対策全般の観点に重点を置かれた改正でございますので、道路法ではなく、災害対策基本法の改正として措置することといたしたものでございます。

○高橋(千)委員 その趣旨はわかります。
 そうしたら、もう一回、済みません、局長に、国交省に伺います。
 そういう趣旨で、では、災害全般ではない、通常の、しかし違法駐車だけではない、警察は警察で別途ありますけれども、そうではない場面で、必要がない、つまり、道路法の六十七条の二が活用される場面が今後も一切ないかもしれないけれども、必要ないというふうに思っていらっしゃるのか、どうですか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、災害対策基本法を改正するということで、委員も御指摘ございましたように、損失補償の規定も設けていただくこととなっております。今後、同様な事態が生じた場合は、円滑な、かつ迅速な道路啓開が行われると思っております。
 それから、道路法の六十七条の二につきましては、先ほど申し上げましたように、これまで事例はございませんけれども、これに該当するものがあれば、今後こういうこともあり得るのではないかと考えております。

○高橋(千)委員 あればということでした。やはり、全てが災対法ではないんだと。道路は道路でちゃんとやるべきことがあるんじゃないかと思ったので、改めて質問させていただきました。
 放置車両が移動する範囲が五十メートル内というふうに書かれているわけですよね、この六十七条の二には。つまり、移動されても、自分の車両が五十メートル以内であれば見えるだろう、そういう趣旨だとおっしゃっていました。なかなかそれが困難だというのかもしれないけれども、今の災対法だってそういう議論がされていくわけですから、非常に大事な中身ではないのかなと思ったので、その活用をやれるときはやった方がいいのではないかということで、改めて指摘をさせていただきました。
 同じように、今度は警察に伺いたいんですが、現行災対法七十六条の三第一項で警察官が強制排除措置ができるということ、そして、やむを得ない場合は、車両の破損についての損失補償規定があると思いますが、確認をしたい。その上で、実際の運用がどうなっているのか伺います。

○倉田政府参考人 お答えいたします。
 災害対策基本法第七十六条の規定によりまして緊急交通路を指定した場合には、同法第七十六条の三の規定に基づきまして、緊急通行車両の通行の妨害となる車両等を警察官が移動することができることとされております。
 その運用に当たりましては、できるだけ車両等を破損しないことが原則でございます。具体的には、まず車両の所有者等に対しまして移動等の措置をとるよう命じることとなりますが、命令の相手方が現場にいないような場合におきましては、警察官みずからが移動措置等をとることとなるものでございます。その際、やむを得ず破損をした場合には、同法第八十二条の規定に基づき、損失補償を行うこととなってございます。
 なお、この七十六条の三の規定につきましては、阪神・淡路大震災を踏まえ、平成七年の法改正によって設けられたものでございますが、今までのところ、破損を伴う車両の移動実績については把握はございません。

○高橋(千)委員 こちらも、破損を伴う実績は把握はされていないという答弁だったと思います。
 今回、通行禁止区域の設定の考え方が変わるわけですよね。つまり、アクセス道路も含めてやるんだと。それは理解できるんです。
 だとすれば、結果として、区域の指定をするときの判断をもう少しシンプルにすれば、つまり一定の幅を持たせれば、警察官ができるのではないかというふうに思うんですね。しかも、ここは準用規定がありますよね。つまり、現場にいるのは警察官ではなくて自衛官だったりする、しかし、それは職務遂行について準用するということで、規定もあるわけなんです。それで、損失補償の規定ももともとあるということで、そういう形の整理というのもできたのではないかなということを改めて感じたものですから、意見をさせていただきました。次の質問があるので、ここは指摘にとどめます。
 それで、三・一一の大震災を踏まえて、警察庁は、二〇一二年三月に、大規模災害に伴う交通規制実施要綱を通知しています。人命救助を最優先に、第一局面は、規制する緊急交通路を、やはり必要なんですが、それを順次縮小していく。第二局面として、通行を認める車両、最初は警察とか消防とかいう緊急車両に絞るんですが、それをだんだん拡大していく。この流れというのは、非常に合理性があるなというふうに思っております。
 その中で、要綱には、民間事業者などの規制除外車両の通行の必要性についても考え方が示されました。また、円滑な運用のために、事前届け出制度を言っているわけですけれども、どのように機能させていくのか、説明いただきたいと思います。

○倉田政府参考人 お答え申し上げます。
 災害対策基本法第七十六条の規定によりまして緊急交通路を指定しまして交通規制を行う場合、医療機関が使用する車両など、発災直後から緊急交通路の通行を認めることが適切と考えられる車両につきましては、事前の届け出を受け付けておくことにより、迅速な対応を確保することとしております。
 こうした制度を機能させるためには、民間事業者に対する制度の周知が重要でありますことから、各都道府県警察におきまして、関係事業者や事業団体に対する連絡を密に行うなど、周知に努めているところでございます。
 今後とも引き続き、民間事業者等の規制除外車両の事前届け出制度につきましての周知を行い、制度が適切に運用されるよう努めてまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 非常にこれも参考になるなと思いまして、伺わせていただきました。時間があれば、最後にも一言伺いたいと思うんです。
 それで、今回、車両の移動と損失補償を規定したということは、毎年のように立ち往生が雪で発生している福島県ですとか、一昨年、県管理国道で同じように立ち往生があった青森県横浜町などにも聞いてみたんですけれども、やはり、歓迎する、非常に悩ましい問題であったというふうにおっしゃっていました。同時に、手続の簡素化を希望しております。
 とはいっても、さっき言ったように、警察の場合だって、できるけれども、実際にやったことはないということです。
 それで、大雪の場合は、現場まで救助隊が行くこと自体が非常に大変なわけですね。そういう中で、いかに道路をあけるかという点では、やはり技術的、人的にも体制が不足をしています。
 そこで、七十六条の七で、国土交通大臣による指示という規定もありますが、どういった場合に行うのか。それで、指示するだけでなくて、やはり現場が戸惑うことがないように応援するということが当然必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○日原政府参考人 お答えいたします。
 国土交通大臣による指示につきましては、道路全体のネットワークという観点から行うものでございまして、例えば、幹線道路につきまして、直轄国道において道路啓開をしていた場合に、部分的に迂回路をどうしても確保しないと通行が確保できない場合、その迂回路についての道路啓開を担当している道路会社等に指示するというようなことが想定として考えられるというふうに思っております。

○高橋(千)委員 そうすると、なかなか応援という雰囲気ではないなというふうに聞いているんです。
 それで、八十二条の損失補償の規定についてなんですけれども、車両の破損については実費負担、負担は道路管理者がするという仕切りになっています。
 実際には、そもそも今まで実績がないから、どういうことが起きるかというのはなかなか想像しがたいことがあるわけですね。緊急を要して、予想を超える財政負担になった場合というのもやはりあり得るだろう。そのときに、道路管理者に過重な負担とならないように、国の財政支援というのも何らか考える必要があると思いますが、大臣の見解を伺います。

○山谷国務大臣 損失補償に要する負担についてです。
 原則、通常の維持管理経費の範囲内でそれぞれの道路管理者が負担すべきものですが、例えば大規模な災害により地方公共団体において当該経費の範囲を超え損失補償に係る負担が大きいものとなる場合には、地方公共団体の対応状況等をよく伺った上で、国として適切な対応を検討してまいりたいと思っております。

○高橋(千)委員 今、適切なということをおっしゃっていただきましたので、ぜひと思います。
 やはり、最初に考えたのは、財政負担でためらってはならないなと思ったんです。だけれども、さっきお話ししたように、それぞれの自治体は、人命が最優先ですので、そんなことは言っていられないという気持ちで、この制度そのものを歓迎しています。だからこそ、逆に、使い勝手のいい、なるべく手続が簡素化されるということと同時に、しかし、予想を超える負担があった場合には国がちゃんと手当てするよという姿勢がやはり本当に大事なのではないかということを重ねて要望したいと思います。
 それで、最初に紹介した北海道のその後についてなんですけれども、朝日新聞が道内百七十九市町村にアンケートを行って、三月二日に北海道版で公表されております。
 昨年の暴風雪を踏まえた対策は六割が実施していて、それなりにできているということなんですが、まだまだ、例えば暴風雪があったときに地震が来たらどうしようとかとなると、全く考えていないところが多いということで、教訓がさまざま残されているなと思っています。
 きょうは時間がないので、一言指摘で終わります。
 さっき紹介した青森県横浜町では、自衛隊に出動要請しても、たどり着かないわけなんですね。やはり最後に活躍したのは地元の消防団、そして、地元の住民の皆さんがトイレを貸してくれたり、おむつを提供してくれたり、さまざまに力になってくださったという点で、立ち往生したときの一時避難所を事前に決めておいたり、やはり住民とのことを、きょうは事前ということが随分テーマに出てきたんですけれども、そういうことを、車両は移動するけれども、では、人をどうするのかということもあわせてよく議論していく必要があるなと思っておりますので、一言指摘をして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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