国会質問

質問日:2014年 10月 10日 第187国会 災害対策特別委員会

火山観測体制について

現場近くで火山観測を / 高橋氏、測候所の無人化批判 / 衆院災特委

 日本共産党の高橋ちづ子議員は10日の衆院災害特別委員会で火山観測体制についてただしました。
 高橋氏は、昨年の「地震火山観測研究計画」では、東日本大震災をうけ、研究を防災・減災に生かすべきとされたことを確認。高橋氏は、その指摘が生かされていないとして、2000年の北海道有珠山噴火時の北海道大学火山観測所の取り組みを紹介し、「ホームドクターのような専門家がそれぞれ(の火山で)必要だ」と求めました。
 文部科学省の磯貝啓介大臣官房審議官は、「指摘の点も含め人材の育成に努めていきたい」と応じました。
 また、高橋氏は火山監視体制について、「47の火山を24時間監視している火山監視・情報センターのデータを集中しているだけだ」と指摘し、「現場に近いところでの観測体制が必要だ」と主張。西出則武気象庁長官は、「気象庁では最新の技術を使って適切な監視体制を取っている」と答弁しました。
 高橋氏は気象庁の測候所が昨年までに96カ所廃止・無人化し、09年に測候所が廃止された東京都・大島では、昨年の土砂災害で土砂災害警戒情報を気象庁の現場の職員も知らなかったとし、情報を防災に生かす「人」が現場にいることの大切さを強調しました。
 また、高橋氏は小規模の噴火ながら登山客に甚大な被害が出た御嶽山について触れ、避難計画に登山客をどう位置づけていくのかとただしました。
 山谷えり子防災担当相は、「登山者等への情報提供や避難活動を含め、登山客・観光客への対応策について見直したい」と答えました。
(しんぶん赤旗 2014年10月11日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 御嶽山の噴火災害や広島の土砂災害を初め、この間の連続した災害で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 また、何度も活動の中断を余儀なくされる中、奮闘されている救助捜索隊の皆さんに心から敬意を表したい、このように思います。
 さて、世界の活火山の七%に当たる百十の活火山が分布する我が国において、それにふさわしい人員など、観測体制は確保されているのでしょうか。
 一九六五年から地震予知計画、また、一九七四年から火山噴火予知計画が、科学技術・学術審議会測地学分科会の建議に基づき実施されてきましたけれども、二〇〇八年の建議からは、地震及び火山噴火予知研究の観測研究計画の推進について、つまり、地震予知と火山噴火予知の研究を統合した観測研究が開始をされてきました。
 その後、二〇一一年の東日本大震災を踏まえ、昨年出された建議は、どういう特徴を持っているでしょうか。
○磯谷政府参考人 お答え申し上げます。
 地震、火山に関する研究につきましては、御指摘のとおり、科学技術・学術審議会の建議による研究計画に基づきまして、関係機関、大学等において実施されてきているところでございます。
 平成二十三年三月の東日本大震災を踏まえ、それまで地震及び火山噴火予知のための観測研究計画として実施されてきた研究観測計画について、より防災、減災に貢献する研究活動を重視すべきであるとの指摘を踏まえまして、地震や火山噴火の現象を理解し、地震や火山噴火の発生を予測するほかに、災害の直接的な原因の発生、推移を予測し、防災、減災に貢献することといたしております。
 本計画に基づきまして、現在、噴火現象の解明、噴火の事前予測、降灰や溶岩噴出などの即時予測のための研究の三本柱で関係機関や大学等において研究を進めておりまして、文部科学省としましては、今回の御嶽山の噴火も踏まえまして、関係機関等と協力しつつ、火山観測研究の充実強化に努めてまいりたいと考えてございます。
○高橋(千)委員 今、より防災、減災という言葉を強調されていたと思います。
 昨年一月の「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」、この建議の中で、「今般の大地震発生やそれに伴う巨大な津波の発生の可能性を事前に国民に十分伝えられなかったことが、被害の深刻化を招くこととなった。」このように明記をした上で、今後は、研究は研究ではなくて、やはりその成果を防災、減災に貢献できる体制にするというふうにまとめられたということは、非常に意義のあることではなかったかと思っております。
 そういう点でも、今回の御嶽山の噴火災害も、また一つ教訓になったのではないか、残念ながら、生かされなかったことがあるのではないか、このように思っております。
 そこで、二〇〇〇年の、きょうも少し先ほどの議論の中で出ておりましたけれども、北海道の有珠山噴火のときは、北海道大学有珠火山観測所が百四十四時間以内に噴火をすると予告をして、随時会見を行いました。結果として、周辺一万人以上が避難をして、百四十三時間目に噴火をするわけですけれども、犠牲者をなくした、そういう成果があったわけですね。
 このときにテレビに出ずっぱりだった岡田弘北大名誉教授が、いろいろなところでコメントをしておりますけれども、九月三十日付の室蘭民報の中で、御嶽山は気象台や名古屋大学が観測をよくやっていると評価をしています。
 その上でおっしゃっているのは、「近年、国が合理化を進め観測現場を縮小する方向にあり、本来あるべき現地主義、現場主義が失われていると感じている。多くの人が入山しているシーズンであり、社会的リスクが高まっていましたから、群発地震があった時点で安全策としてレベル2に引き上げるべきでした」と指摘をしています。
 確かに、過去の経験則ではレベルを引き上げるのは無理だったと、さっき長官はおっしゃったと思うんです。でも、それだけではない、さまざまな要因、登山客が火口の付近までいるんだよ、そういうことを全部考えて引き上げるべきであったというコメントをしているわけですね。やはりそこは非常に、連携という点でも、あるいは絶えずそこを見ているという点でも、教訓的なものがあると思うんです。
 ここで岡田名誉教授が指摘しているのは、一つの火山に対してホームドクターのような専門家がやはり必要なんじゃないかなと。
 そういう体制が望ましいなと思いますが、いかがでしょうか。
○磯谷政府参考人 お答え申し上げます。
 人材育成あるいは研究者の支援ということも含めまして、御指摘の点も含めて、文部科学省におきましては、先ほど御紹介いたしました災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画に基づきまして、全国の火山噴火メカニズムあるいは火山噴火予測等に関する大学、関係機関等の研究について支援を行うとともに、人材育成につきましては、本計画の中で、複数の教育・防災業務機関が連携し、観測研究を生かした教育活動を継続して、若手研究者や防災業務に携わる人材などを育成することとされており、その推進に努めているところでございます。
 また、これに関しまして、火山研究は地震研究との共通の科学的背景を持つことから、地震分野との研究計画を一体的に進めることとしておりまして、これにより、先生御指摘のような意味での研究人材の裾野も広がるものと考えているところでございます。
 また、今回の御嶽山の噴火を踏まえまして、災害の軽減を図るためのさまざまな課題が多くあることが改めて認識されたことから、まずは科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会において検討することといたしまして、本日、一回目の会合を開催することといたしております。先生に御指摘いただいた事項も含めて、この有識者の会合において検討をお願いしたいと考えております。
 年内には研究の充実強化、人材の育成などに関する基本的な考えを取りまとめまして、文部科学省として、関係機関や大学等と協力しつつ、火山観測研究及び人材育成の充実強化に努めてまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 よろしくお願いしたいと思います。
 日本は、大学で火山観測研究に従事する研究者は四十名程度だと言われています。さっき言ったように、百十活火山があるわけですよね。それで四十名というのは非常に厳しいわけで、活火山が八つしかないイタリアと比べても数十倍の開きがあるわけです。今お話しした北大の有珠山研究所も、当時は五人だったのが、今、二人になっているということであります。
 そういう意味では、今回御嶽山を重点観測に加えるという報道もありましたけれども、それだけではやはり済まないわけであって、今裾野を広げるとお話ししていただいたと思うんですが、やはり、予算も当然なんですけれども、活躍の場をきちっとつくって、ポスドクの手当てということもあるわけですけれども、しっかり育てていくという体制をぜひつくっていただきたい、このように思います。
 そこで、次に、気象庁に聞きたいと思うんです。
 資料の一枚目に、これは気象庁がつくっていただいた資料なんですけれども、二十四時間体制で監視している火山ということで、百十の活火山を地図に落としてあります。そのうち赤のところが、二十四時間体制、常時観測火山。四十七あります。
 そのほかに、四カ所で火山監視・情報センターというのがあって、あとは、連絡事務所というのが左の方に書いてある、このような体制になっているわけですけれども、この火山監視・情報センターの定員がどのように推移してきて、どのような役割を果たしているのか伺います。
○西出政府参考人 火山監視・情報センターは、平成十三年十月一日に、気象庁本庁及び札幌管区気象台、仙台管区気象台、福岡管区気象台にそれぞれ設置しており、当初の定員は六十一名です。その後、これまでに火山活動監視体制の強化等を図ってきたところでありまして、現在の定員は七十七人であります。
 また、気象庁本庁には火山業務の運営管理を行う職員を、気象研究所には火山の研究を行う職員を、地方気象台には火山防災情報の利用促進を図るための職員などを配置しており、火山監視・情報センターを含めた火山業務に携わる職員は、気象庁全体で百五十三人です。
○高橋(千)委員 そこで、資料の二枚目に定員の推移というものをつけておいたわけですけれども、六十一人でずっと推移していたのが、若干ふやしていただいた。ただ、二〇一二年以降は、定員管理がかかって漸次削減をされている、そういう状況にあるわけです。
 ですから、二十四時間監視といっても、二十四時間そこに張りついているわけではなくて、そこに地震計があったり傾斜計があったり、そういうもののデータをここの四カ所のセンターで監視をしている、情報の集約をしている、そういう関係になっているわけですよね。
 ですから、今回の御嶽山のときも、地震が事前にあったというふうな話も、解説情報という形では出しているんですけれども、それを本当にどう使うかという点では、それは自治体は、入山規制一ですよとなれば、それ以上はならないというさっきの議論になっていく。そういう意味でも、やはり現場に近いところでの観測体制が必要なのではないか。
 もう少し踏み込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○西出政府参考人 火山の監視につきましては、委員御紹介のとおり、各火山に観測機器を整備するとともに、大学等研究機関や自治体、防災機関からの観測データの提供も受けて、さらには、全国の地震活動の監視のために、全国的に展開している地震のネットワークも集めまして、火山活動を各センターで二十四時間体制で、人を二十四時間張りつけて監視しております。これによりまして火山活動の異常の有無を把握できる体制となっております。
 以上のように、気象庁では、最新の技術を活用した適切な監視体制を整備し、今後も、必要な監視体制の確保を図ってまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 最新の技術がどんなに蓄積されていっても、それを使うのは人なんだということを忘れてはならないのではないかと思うんです。
 資料の三枚目に、「測候所等の経緯」と書いてあって、経緯とは何かと思うかもしれませんが、これは、八年度の五カ所から始まって、これだけの測候所が廃止された数であります。そして、(3)とかと書いているのは、そこに働いていた人たちです。これは、全廃計画があってから、百あったのが九十六カ所廃止されて、五百七十一人の方が気象台などに集約をされるというふうなことをやってきたわけですね。
 きょう、ちょっと時間がないので紹介だけにとどめますけれども、昨年の伊豆大島の災害のときにも、測候所があればということが指摘をされました。さっき話をした、火山の連絡事務所が大島に残っているわけなんですね。この火山を監視するために二人の方が残っているんだけれども、一応気象庁のメンバーであるけれども、測候所はないし、情報は一緒にいる役場の人たちと同じレベルでしかないわけですね。そのことが非常に問題だったのではないかということで、元測候所職員の気象庁OBの声なども紹介されて、やはりあればよかったのになということが言われているのと同時に、廃止をしなかった奄美大島の名瀬測候所が地域の職員の方と連携をして重要な役割を果たしているということを紹介しています。
 これは、基本は同じだと思うんです。地方気象台に火山防災官が少し配置をされておりますけれども、本当に役割を発揮する点でも、この教訓を生かす必要があるのではないかと思っております。これは、ちょっと時間がないので、指摘にとどめます。
 最後に大臣に伺いたいんですけれども、先ほどから登山客の問題が指摘をされています。噴火の規模は小さいけれども、登山客がいたので、今五十五名ですか、大変甚大な被害になったということです。
 情報提供について随分議論がされました。ただ、避難計画にどう位置づけていくのかという、そもそもの問題なんですね。
 内閣府が出している避難計画の手引などには、登山客の数を把握しろ、その程度しか書いていません。あるいは、大規模火山の対策への提言を見ますと、周辺の住民がどう逃げるかという計画しか全然ないんです。登山客は眼中にないんですよ。
 そこがそもそも出発点として非常に足りなかったということを踏まえて、ぜひお言葉をいただきたい。
○山谷国務大臣 避難計画に登山客をどう位置づけていくかということでございますけれども、内閣府等が開催した火山情報等に対応した火山防災対策検討会により平成二十年三月に取りまとめられた、噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針においても、登山、入山規制の確実な実施など、登山者や観光客等を対象とした対応策の必要性が述べられています。
 しかしながら、今回の御嶽山噴火のように、大勢の登山者がいる中で突発的な噴火が起きるケースまで十分に考慮されていたというふうには言えない面がございます。
 そこで、今回の噴火を踏まえまして、国の職員が積極的に火山防災協議会に参画し、登山者等への情報伝達や、避難誘導を含む登山者や観光客等を対象とした対応策について、いま一度見直しを進めていきたいと思っております。
○高橋(千)委員 その防災協議会があるのはまだ三十三火山にすぎず、十分動いているとも言えません。引き続いて提言をしたいんですけれども、また次の機会をぜひお願いいたします。
 終わります。

 

――資料――

【資料1】火山監視・情報センターにおいて火山活動を24時間体制で監視している火山(常時観測火山)

【資料2】火山監視・情報センターの定員の推移

【資料3】測候所等の経緯

【資料4】「大島測候所あれば…/小泉改革で決定 4年前廃止」(東京新聞2013年11月2日付)

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