国会質問

質問日:2014年 6月 4日 第186国会 厚生労働委員会

有期雇用特措法案

無期契約への転換先延ばし 有期雇用特措法可決 / 衆院 高橋議員が反対

 衆院本会議で5日、有期雇用労働者特措法が可決されました。労働契約法が定める“有期労働契約の反復更新が通算5年を超えた場合、労働者の申告によって無期契約に転換する規定”について、「特例」として最大で通算10年に先延ばしにする内容。日本共産党、民主、生活、社民は反対しました。
 4日の衆院厚生労働委員会の採決に先立つ質疑で高橋ちづ子議員は、「特例」の対象となる年収1000万円以上で高度の専門知識等を有する労働者が全体の0・06%にすぎないことを示し、「省令によって年収要件や業務を広げることになるのではないか」とただしました。
 中野雅之労働基準局長は「対象者が必要以上に拡大する事態を招くことはない」としつつ、法的担保は示しませんでした。
 不安定な細切れ雇用の反復更新が最大で10年も続くことについて、高橋氏は「どのように考えるか」と迫りました。
 田村憲久厚労相は、プロジェクトに参加するデザイナーなど専門分野で高い能力を身に付けたい人が対象であり、「その能力に適した雇用管理の措置をしなければならない」と正当化。中野局長は、プロジェクト終期が契約書に明記されても、終期までの雇用を約束するものではないことを認めました。
 高橋氏は、国家戦略特区法の付則に基づく立法であり「例外を原則にする労働法制は許されない」と批判しました。
(しんぶん赤旗 2014年6月6日付より)

関連:【国会質問】2014年 6月 4日第186国会厚生労働委員会「有期雇用特措法案に対する反対討論」

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 最初に伺いたいのは、本法案は、労働契約法第十八条の特例が中心となった法案であります。なぜ、労働契約法の一部改正ではなく、特措法として提案されたのでしょうか。

○中野政府参考人 昨年の臨時国会で成立いたしました国家戦略特区法附則第二条におきまして、労働契約法第十八条に定める通算契約期間のあり方に加えまして、労働契約が適切に行われるために必要な措置についても検討を行って、所要の法律案を平成二十六年の通常国会に提出することを目指すこととされたところでございます。
 これを受けまして、本法案では、対象となる労働者について、労働契約法十八条の特例を設けるだけでなく、労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置についての計画を事業主が作成し、厚労大臣が定める基本指針等に照らして適切なものとして厚労大臣の認定を受けた場合、特例の対象となる仕組みとしているところでございます。
 こうした内容を一体的に規定するため、労働契約法の改正ではなく、対象となる有期契約労働者に関する特別措置法という法形式をとったものでございます。

○高橋(千)委員 余り答えにはなっていないかと思うんです。経過はもうみんなが承知のことでありますけれども、だからといって、なぜ特措法なのか。私は、このつくりからいうと、むしろ時限立法にした方がいいんじゃないかと思っているんです。
 なぜかというのを続けて質問したいと思うんです。
 労働契約法の第十八条は、ずっと議論されているように、有期雇用契約を二回以上反復して五年以上たった場合、労働者の申し込みによって無期雇用に転換するみなし規定を置いているわけであります。
 昨年の臨時国会、研究開発促進法の改正並びに大学の教員等の任期に関する法律の改正が、文部科学委員会によって審議をされ、成立をいたしました。大学の研究職に限って、同様の無期転換ルールの特例を図るものでありました。
 十一月二十九日、衆議院文部科学委員会で、我が党の宮本岳志議員の質問に対し、提出者は、「これはそもそも、通常の民間企業の雇用とは違う、大学や研究開発の現場という特殊な性格を持った現場に限定をした話でございます。」こう答えています。
 そこで、さらに、資料の一枚目の上段にあるように、今言った発言を担保する形になっているんだと思うんですが、この委員会は附帯決議をしているんですね。その一で、「本法で労働契約法の特例措置を講じたことは、あくまで例外であることを踏まえ、その趣旨に反して他の職種にも適用されることがないよう十分留意すること。」「二 雇用労働政策の決定や法律の制定改廃は、労働政策審議会の議を経るというこれまでの原則を変更しないこと。」
 だから、よく解釈すれば、あくまで例外なんだから労働契約法という名前を使いたくないというのが皆さんの中にもあるのかもしれない。だけれども、これはおかしいですよね。そもそも文部科学委員会はこの法案の所管ではありません。自分たちは労政審も経ずに勝手に特例措置を決めながら、これはあくまで例外であって、ほかの職種については適用するなと言っているじゃないですか。今後は、やるときはちゃんと労政審を開いて決めなさいと。
 大臣、これはおかしく思いませんか。

○田村国務大臣 どの法案をどの委員会に付託するかというのは国会がお決めになることでございますので、政府として、それに対して物を申すというのは適当でないというふうに思っております。
 今般の法律は、中身を見ましても、研究開発力強化法というものを議員立法で改正されているということ、それから、先ほど委員もおっしゃられましたけれども、研究というような分野で活躍される方々というのは、一般の民間の企業とは異にする働き方というような形もあるわけでございまして、そういうところを鑑みながら、労政審に対しては経過や法案の概要というものを説明するということであったわけであります。
 ただ、我々も、労働というもの、雇用というもの、こういうものに関するいろいろな法律の改正等々、これに関しては、大きな制度改正も含めて、労働政策審議会のもとで御議論をいただくことが前提であるということは変わっていないわけでございまして、これからもそういうような方針で対応してまいりたいと考えております。

○高橋(千)委員 まず、国会が決めることだとおっしゃいましたけれども、それは仮に、今言ったように、研究職である大学の特殊な場面についての特例措置であるという仕切りを、政府としてやったんならいいんですよ。閣法だったら閣議決定ですから、大臣がその閣議決定に責任を持つじゃないですか。所管は文部科学委員会であっても、関係する厚労大臣として認めますということで閣議決定をして案を出すわけでしょう。
 だけれども、これは、そういうのを抜きにして、議員立法ですから、やはりそこは、議員立法で国会が決めたんだからそれはできるんだといったら、幾らでも例外をつくれちゃいますよ。名前は、特措法であったり、基本法であったりして、労契法はさわっていないという形をとりながら、穴をあけることができちゃいますよ。私は、こういうことはやはり安易にやるべきではないと指摘をしたい、このように思います。
 しかも、今御自分で、民間企業とは違うと、これは提案者が答弁したことですけれども、言っておきながら、今議論しているのは民間企業の契約法の話をしているわけですから、そこで、ここだけ違うのよということでやっているこの仕組みについて、やり方について、やはり私は異を唱えるべきだ、このように思います。
 そこで、契約法は昨年四月に施行されたばかりです。実際に無期転換ルールが初めてできるとしても、五年後、二〇一八年、平成三十年なわけですよね。そうすると、労働契約法は、そもそも、今読んだ資料の下の段に検討規定がついています。政府は、附則第一項ただし書きに規定する規定の施行後八年を経過した場合において、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、必要な措置を講ずるということで、検討規定を置いていますよね。
 五年たたないと無期転換というのは生まれないんだ、生まれてから三年たって状況を見て検討しましょうねと言っているわけでしょう。だから、まだ実績もなく、しかも検討規定もあるのに、なぜ今、特例なんですか。

○田村国務大臣 労働契約法第十八条、これの施行後でありますけれども、国家戦略特区ワーキンググループにおきまして議論がなされまして、部内で検討をいろいろとやってきたわけであります。これに関しましては、一定の高度専門労働者に関して、国会に対して法案を提出するようにというような旨の内容でございまして、労働政策審議会で御議論をいただいて、高度な専門知識を持っておられる方々、さらには高齢者等々、これは継続しての話でありますけれども、こういう部分も、これは事業主の方からお話があって、一定の合意を得た上で、今般のような形で法案提出という形になっておるわけであります。
 無期転換ルールというものは、この精神は維持しつつ、特例という形で、今般出させていただいておるということでございますので、無期転換ルールの趣旨、精神というものを曲げておるわけではないということでございまして、特例という形の中において、今般、このような対応をさせていただいておるということであります。
 なお、施行後に関しましては、またそれは一定の検証をしながら、その影響というものに関してはしっかりと我々としても検証してまいりたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 本来なら、見直し規定まで置いているものを、国家戦略特区法で、特例をつくること、またその期限まで決められたわけですよね、今国会でやりなさいと。これは労政審をちゃんと開いて決めなさい、そこまで縛られたということでは、私は、この成り立ち自体が非常に乱暴な議論だと指摘をしたいと思うんですね。
 それで、国家戦略特区ワーキンググループの八田座長提案では、特区内の適用対象に限り、無期転換しない約束を可能にするということを言っているんですね。これは十月四日のペーパーなんですけれども、どういうことかというのを、九月二十日の産業競争力会議課題別会合の中でもう少しわかりやすく言っているんです。要するに、五年たって無期転換が発生するときに云々ではなくて、契約を締結するときに、五年を超えた際の無期転換の権利を放棄することを認める、これにより、使用者側が無期転換の可能性を気にしないで有期雇用を行える、こういうことを言っているわけです。だから今から決めておけと言っているようなものですよね。
 これは明確に否定されたと思いますが、確認をします。

○中野政府参考人 今先生御指摘のような議論があったことはそのとおりでございまして、そのような議論を経て、昨年秋の臨時国会で国家戦略特別区域法が成立し、その附則によりまして、今般出すような内容の法律を今通常国会に出せということでございましたので、今般、我々が提案しておりますように、高度の専門知識を有する有期契約者であって一定の年収要件をクリアするもの、それから定年後引き続き雇用される高齢者について特例対象にするという内容としたものでございます。

○高橋(千)委員 聞いたことに答えていないでしょう。契約を締結するときに、最初から無期転換の権利を放棄するということはしないと明確に否定したはずですよねということを確認したいんです。

○中野政府参考人 そういう意味では、そういう考えは否定した上で、今国会に提出している法案内容になっているものというふうに承知しております。

○高橋(千)委員 承知をしておりますって、厚労省がきちっと特区法の中で、ちゃんと答えているわけでしょう。それをちゃんと言ってくださいよ、なぜだめなのかということを。

○中野政府参考人 そのときの議論でも我々申し上げておりましたのは、あらかじめ放棄しないと契約を結んでもらえないということで、本当に自由意思のもとでそのようなことができるかどうかに問題があるということで、我々はそのような法制度をつくるべきでないという主張を議論してきた経緯がございます。

○高橋(千)委員 「労使の交渉力の格差を背景として使用者が事実上その権利放棄を強要する状況を招きかねず、労働契約法十八条の無期転換のルールの趣旨を没却するものであり、こうした有期契約労働者の意思表示は、公序良俗に反して無効と解される」、このように特区法の審議の中で厚労省がお答えになっています。
 やはりこれを厚労委員会に残さなければ、特区の議論じゃないんですよ、そこが大事なんだと。絶えずこれは、この先々を見越しての提案がされているという背景がある中で、きちっと形を残しておくということが大事なのではないかということで、重ねて指摘をさせていただきました。
 そこで、大臣に、私、通告していなくて申しわけないんですが、大臣が述べたことについて一言言いたいことがあります。悪い意味ではないですので、大丈夫です。
 九月二十七日の第一回産業競争力会議フォローアップ分科会、言ってみれば厚労大臣が集中砲火みたいな、有期雇用、解雇ルール、労働時間法制の雇用三本柱、まあ医療もありましたけれども、集中的に規制緩和を迫られたという中で、大臣が踏みとどまっているのではないかと私は思っております。
 そのときに八田座長から、グローバルな企業が有期労働者を五年過ぎても雇いたいし、本人もそうしたいと思っているのに、正規雇用で長く雇うことはできないからと五年を前に解雇された、こういう事例を紹介して、事前に五年を延ばせると、今言った議論ですよ、今言ったように最初から決めておけば、誰も損しないじゃないかと発言があって、大臣は、本人も納得して事業主も納得しているんだったら、申し込まなければ無期転換にならないんだから、五年を超えても有期のままでいいという返事でしたよね。
 これはまさに正解なわけですよ。何でこんなことであの方たちは議論しているのかと思わず言いたくなるんですが。
 もっと言えば、何で、まだ五年たっていないのに、五年を前に解雇するのか、これは便乗雇いどめだと突っ込みたいところでありますが、余りにも労働法の成り立ちを無視した議論をし過ぎです。しかも、そもそも解雇規制に対しても、判例法理自体を、裁判所が立法するわけでないなどと否定をしている。
 幾ら何でも、大臣、これは譲ってはなりません。これは応援の意味で質問していますが、一言どうぞ。

○田村国務大臣 どこに行っても集中砲火を浴びておりまして、大変つらい立場でもあるんですが。
 それは私の素直な厚生労働大臣としての気持ちといいますか、まあ当たり前の話なんですけれども、それを申し上げただけでございまして、今もってそのときの考え方が変わっているわけではございません。

○高橋(千)委員 しっかりとお願いをしたいと思います。
 ただ、呼ばれなければ困るという議論がさっきからされているわけですが、最後は大臣同士で決めることだということをおっしゃっていましたので、最後までしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 そこで、特例の対象となるのは、三十日の委員会で、約一万一千人という答弁があったわけでありますよね。これはどういうことかというと、国家戦略特区で示された年収要件一千万円以上は大体二・一%、高度技能活用型は三・六%、これは掛けなきゃいけないわけですよね。そうすると、全体の〇・〇六%にすぎないわけです。
 ただ、この方たちが全て五年を超すプロジェクトに従事するわけではないから、さらに絞られることになるのではないか。
 もともと、有期契約は原則三年を上限とする、それを例外的に五年と認める人たちが、今話題となっている高度の専門的知識を有する労働者なわけですよね。ですから、もともと例外として認められている方たちなんですから、同じように、あらかじめオリンピックのような期間の決まっている事業として、七年なら七年という契約を認めるというように、この特例の世界で対応すればいいんじゃないでしょうか。

○中野政府参考人 ただいま先生の御指摘は、一回の契約で、恐らくそういう御趣旨だと思いますが、今回の法案で特例の対象とするのは、有期契約を繰り返して五年を超えて一定の期間に終了するプロジェクトに従事する、こういうケースでございますので、プロジェクトのそれぞれの進捗状況等によって適切に能力を発揮するためには、そのような種類の類型の働き方も必要であろうということでこの特例措置を提案している、こういうことでございます。

○高橋(千)委員 私は、本当に期限が決まっている、そしてその人材が必要である、そうであれば、こういうことも可能だよねということを確認しました。
 もう一度。

○中野政府参考人 一回の契約では、労働基準法によりますと、十四条で、三年が原則、それで一定の高度専門家は五年というのは、先ほど先生御指摘があったとおりでございます。
 それで、一定の事業について、終期がある場合、例えばダム工事などが典型でございますが、そういう事業の終了で、場所的概念としてその事業がなくなるようなケースにつきましては、その事業の完了までの有期契約、それは五年を超えても有効と解されるような規定は労働基準法にございますが、この法案で提案しておりますような形のものは、新たな法的枠組みをつくらないとできないものというふうに考えているところでございます。

○高橋(千)委員 私が言っているのは、まず、終期が決まっているのにはそういう対応ができる、だけれども、やはり細切れ雇用、要するに、一回の七年という雇用ではなくて、一年契約を結んでいって、成果を見ながら、そういう気持ちがあるから、これではうまくないんだということをおっしゃっているんだと。わかるんです、それは。
 だけれども、さっきから言っているように、〇・〇六%掛けるさらに何%かのレアケースであるわけだから、そこだけのために本当にこういう法律をつくるんだろうか。本当に必要であれば特例でちゃんと認めればいいだけであって、これをやはり、最初は限定的なんだけれども、法案成立後につくられる省令で、年収要件や業務というのは結局省令に委ねることになりますから、広げることになりませんか。

○中野政府参考人 省令に委ねる高度専門知識、技術または経験の具体的な要件につきましては、現在、労基法十四条に基づく、先ほどもちょっと議論になりました、一回の労働契約期間の特例の対象の高度専門家の例を参考に、法案成立後、労政審において検討することとしておりまして、その際には、対象者全員に年収要件を課すこととしておりまして、これは一千七十五万円をベースに検討。
 いずれも、こういう考え方につきましては、本年二月の労政審建議で示された労使の共通理解に即したものでありますので、対象者が必要以上に拡大するような事態を招くことはないというふうに考えております。

○高橋(千)委員 そうすると、これも見なければ確実だという担保はされない、法定をしていない限りはということを指摘したいんです。
 次に、一定の期間の終期を契約書に明示するのか、つまり、何年とか終わったときという表現ではなくて、いついつという、何月とか、そういうふうな表現なのかというのを確認します。
 仮にそれが十年後だったとして、十年後の何月何日と日付が明記されたとしても、そこまでずっと雇用が約束されたことは意味しませんよね、確認をしたい。

○中野政府参考人 まず、高度専門職を対象とする第一種計画においては、プロジェクト等の業務の開始日、御指摘の終了の日を記載する必要がございます。
 それから、同時に、法案成立後、紛争を未然に防止する観点から、労働基準法施行規則を改正いたしまして、認定を受けた事業主は、特例の対象となる労働者に対しまして、労働契約の締結、更新に際し、無期転換申込権発生までの期間等を書面で明示することを義務づける方針については、労働政策審議会でコンセンサスを得ているところでございます。
 無期転換申込権発生までの期間は、あくまでも有期労働契約を反復更新してきた通算契約期間でありますので、御指摘のように、十年間の雇用が保障されるという意味ではないということでございます。

○高橋(千)委員 改めて大臣に聞きたいんです。
 さっきの答弁でもそうだったように、結局、終期があるものだと言っていて、しかも、終期を書いていても、そこまで確実に雇用が約束されたものではない。つまり、契約はやはり更新を重ねていくわけですよね。
 そうすると、その細切れの反復更新が、今までは五年、五年も繰り返されたんだから無期転換しようねという議論をしてきたのに、それが倍になるかもしれない。つまり、不安定な時期がさらに続くことになるわけですよね。そういうことについて、どのようにお考えですか。

○田村国務大臣 今もお話ありましたけれども、高度な専門知識でありますとか、技術でありますとか、また経験、要は、一定の国家資格でありますとか一定の経験に基づいた、例えば、年収要件もありますけれども、システムコンサルタントでありますとかデザイナーだとか技術者、こういう働き方の方々がプロジェクトの中で働かれる、そのプロジェクトがなくなれば、そもそも、自分がやりたい、働く仕事自体がなくなるわけでありまして、にもかかわらず、長期の労働契約という話になると、違う仕事をやらざるを得ないわけであります。
 本人は、その専門職種で、自分でスキルアップをしながら、ブラッシュアップをしながらより高い能力をつけていきたいという方々が対象であるわけであります。そのために、その能力に適したような雇用管理の措置をしなければならないということでございますから、そのような意味で、企業は、一方で、例えばセミナーを受ける等々あれば、そういうものに対しての支援でありますとか、また、自己啓発のための休暇等々も含めてとっていただくというような対応もしていただかなきゃならぬわけであります。
 そういうことを含めますと、やはり、そういう方々が選ぶような形態の働き方だというふうに御理解をいただければありがたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 別に、さっきの、大臣が産業競争力会議で議論をしたように、お互いが納得すればという議論だってあるように、これだって、終期があるんだ、仕事が決まっているんだというのがわかっているのであれば、無期雇用にしたとしても、本人は、ここでやめたいと言う権利はあるわけです。労基法にちゃんと労働者の権利は認められております。また、使用者側だって、仕事がなくなったんだということで、合理的な理由があれば、それは解雇ということだってあり得るわけですよね。
 それを、そこは避けたい、そこは避けたいけれども、一年間の契約更新はやはりやっていくんだということでは、それは、延びた期間が、プロジェクトが終わるまでの間安心できるという意味ではないということが言いたいわけですよ。それは事実ですよね。

○田村国務大臣 あくまでもプロジェクトというものにこれは着目しております。例えば、それ以外にもその会社に同じような職種があって、そこで働いている方々がおられる場合もある。しかし、これはあくまでプロジェクトということにおいて雇用をしておるわけでございます。
 そういう点に着目しているところから、そのまま、先ほど言いましたように、一回の労働契約の延長というようなもの、こういうものの特例でありますけれども、これなんかの場合も、実際問題、そこに職場がなくなるからそのような形があるわけでありまして、今回の場合は、同じ職場であってもプロジェクトというものを組んだときに、そのような形が使えるのを、どう工夫して新たな働き方として特例をつくるかということでございます。
 そのような観点から考えれば、雇う側にしてみれば、やはりプロジェクト。御本人も初めはプロジェクトですけれども、その職種がその会社のどこかにあるという場合になれば、そこでまたいろいろな問題が起こってくるわけであります。ですから、若干、先ほど私が申し上げたのとは違った形態であるのではないかというふうに考えております。

○高橋(千)委員 ですから、使用者の側にだけ解雇というリスクを負わなくてもいい、その上で、都合のいい時間だけ雇うことができる、そういう側に立った議論じゃないか。お互いによければ、本人だってそのときにやめることができるんだからということを指摘しているんですよね。プロジェクトだからいいんだという議論ではないし、本人の不安が消えないということは、消えないというか、これまでよりもふえるということは、やはり指摘をしなくちゃいけないなと思うわけです。
 本来は、さっき言っているように、三年という期限があり、あるいは例外だと五年という期限が労基法であるわけだけれども、それを長期に反復雇用してきたことを是正するのが目的だったはずなわけです。
 だけれども、前回の労働契約法の改正というのは、半年間のクーリング期間を置けば、五年を超えても実は雇用できるということが出されたわけですよね。しかも、必ずしも半年ではない。つまり、一年間の契約であれば半分で半年なんだけれども、もっと短い契約であればその半分でよいということ。つまり、六カ月の契約であれば三カ月でいいということで、細切れ雇用をすれば、細切れを重ねていけば、要するに、ちょっと休めばまたずっと有期で雇うことも可能だ。そこまで変えちゃっているんですよ、今回の契約法というのは。
 その上さらに特例まで必要ないじゃないかということを重ねて聞きたいんですが、どうですか。

○中野政府参考人 クーリング期間の御指摘については先生御指摘のとおりでございますが、今回の法案における特例は、クーリングを行わず、同一の使用者のもとで有期労働契約を繰り返し更新した場合における無期転換申込権発生までの期間について、特例を設けるものでございます。
 こうした特例が設けられなければ、プロジェクトの終期が不確実な場合もある中で、プロジェクトの進捗状況や成果に応じて高度専門職を雇用し、その能力発揮を前提とした事業遂行を確保することは困難であると考えられます。また、クーリングにより労働契約を締結しない期間を設けることは、事業継続や雇用の安定の観点からも問題を生ずることになろうかと思います。
 このため、本法案による労働契約法の特例は、一回の有期労働契約の期間を定めるものではなくて、労働者の特性に応じた能力発揮ができるよう、適切な雇用管理に関する特別の措置とあわせて、無期転換申込権発生までの期間の特例を設ける、こういうものでございます。

○高橋(千)委員 時間が来たので、残念ながら言い切りにしますけれども、ですから、そういう指摘もあって、さまざまだけれども、しかし、みなし規定というものを残した。だから、その様子を見ましょうということで見直し規定を入れたんじゃないですか。それをやってもみないうちに、一人も無期転換をされていないうちにこの特例が始まるということが、私はどうしても承服できません。
 前回の法律をつくったときに、三割、三百六十万人が無期転換になるであろうということが言われてあったんですね。事業所の調査の中で、四割の企業が何らかの形で無期にしていきたいと答えていますし、そのうち一%は、もう契約の最初から無期にすると答えています。非常に前向きだと思うんですよね。
 つまり、本当に必要であれば、別に五年を待たずに無期転換をすればいいのであって、そういう努力をしているところがあれば、まさにそういうところにこそ応援をするべきだと思います。
 今の労働行政をめぐる議論は、原則は先送りして例外は前倒し、いつの間にか例外が原則になる、こういう傾向が非常に強いと思って、重ねて、許されない、反対であるということを指摘して、終わりたいと思います。

 

――資料――

【資料1】研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改訂する法律案に対する付帯決議、労働契約法附則

【資料2】無期転換ルールの特例の仕組み

 

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