国会質問

質問日:2014年 5月 15日 第186国会 本会議

医療・介護総合法案に対する反対討論

「国民の生存権を否定」/ 高橋議員反対 医療・介護総合法案を可決 / 衆院本会議

 15日の衆院本会議で医療・介護総合法案の採決が行われ、自民、公明両党の賛成多数で可決しました。全野党が反対しました。日本共産党の高橋ちづ子議員は反対討論で「国民を医療や介護から追い出すもの」だと批判しました。
 高橋氏は、厚生労働委員会で与党が全野党の反対を押し切って採決を強行したことに「満身の怒りを込めて抗議する」と表明。19本もの法律を一括審議する乱暴なやり方の上、審議も尽くされたとは到底いえないと批判しました。
 法案にある「地域包括ケア」は、強引に病床を削減して重度の患者まで在宅や介護に追いやり、高齢者の「漂流」を深刻化するものだと指摘。過重労働の看護師に医療行為を移せば医療崩壊に拍車がかかると指摘しました。
 介護保険でも要支援者へのサービス(訪問介護と通所介護)は保険給付から外され、ごく少数の人しか専門的サービスを受けられないことが明らかになったと強調。特養ホームの入所制限や利用料倍増(一定所得者)によっても、多くの高齢者が必要な介護からしめだされると批判しました。
 高橋氏は「社会保障を本人と家族の責任においやり、『介護の社会化』という理想も投げ捨て、憲法25条(生存権)を否定する本法案は廃案にすべきだ」と力をこめました。
(しんぶん赤旗 2014年5月16日付より)

 

――議事録――

○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表して、医療介護総合法案に反対の討論を行います。(拍手)
 初めに、昨日の厚労委員会において、全野党の反対を押し切って採決を強行したことに、満身の怒りを込めて抗議をします。
 本法案は、十九本もの法律の改定を含んでおり、内容は多岐にわたります。一括審議に付すこと自体、極めて乱暴なやり方と言わざるを得ません。
 参考人質疑と地方公聴会の十一時間を含めても、わずか三十九時間の審議しか行われていません。しかも、参考人や陳述人からは、撤回を求める声や強い懸念が相次いで示されました。どんなに貴重な意見が出されても、採決ありきと一顧だにされないなら、国会の存在意義が問われます。
 医療事故調の創設にかかわる問題は、医療界や遺族などからさまざまな意見が寄せられ、法案から切り離し、集中審議を行うべきと求めましたが、それすら実現しませんでした。
 本法案は、審議が尽くされたとは到底言えず、審議を打ち切って採決することは、断じて認められません。
 次に、本法案についての主な反対理由を述べます。
 本法案の大きな柱とされている地域包括ケアシステムは、その趣旨とは大きくかけ離れ、国民を医療や介護から追い出すものにされています。
 我が国の地域医療は、医師不足や看護師不足が進み、医療崩壊と言われるほど深刻な危機にあります。
 本法案は、診療報酬改定とあわせ、高度急性期の病床を削減し、患者を在宅医療や介護へと、いわば川上から川下へと誘導する仕組みをつくろうとするものです。そのための地域医療構想の策定に当たっては、新たに民間病院にもペナルティーを科して、病床規制を行おうとしています。
 今でも、早期退院が迫られ、患者は、リハビリもないまま、在宅に戻されています。特養ホーム待機者五十二万人を超える中、ショートステイの長期利用など、高齢者の漂流している実態が明らかになってきました。
 政府は、重度でも在宅でのかけ声のもと、医療行為を看護師に移す特定行為を訪問看護の切り札と認めました。法施行後、省令によって拡大もできるといいます。今でさえいつ医療事故が起きてもおかしくないという現場の叫びを、直視すべきであります。これでは、医療崩壊に拍車がかかるのは明白です。
 政府は、医療から介護へ、病院から在宅へと描きますが、現場からは深刻な声が相次ぎました。
 まず、要支援者向けの訪問介護と通所介護は、介護保険サービスから外され、市町村が行う総合事業に移され、ボランティアなどの多様な担い手が行うとされました。
 参考人質疑の中でも、要支援は軽度者ではないこと、変化に気づき重症化を防ぐ、尊厳を持った自立した生き方を支援するヘルパーの専門的な役割が浮き彫りにされました。
 厚労大臣は、必要な人は専門的なサービスをと言いながら、受けられる人が少数にとどまることを認めました。介護認定によらないチェックリストに誘導し、水際作戦にもなりかねません。
 さらに、昨日の安倍総理の質疑でも、自治体の特性、ニーズを生かす、サービスを抑制するものではないと答弁を繰り返しましたが、一方で、給付費の伸び率管理をしているのですから、詭弁にすぎません。
 特養ホームへの入所を要介護三以上に締め出すこと、一定の収入ある人の利用料を倍にすることなど、介護が必要なのに介護保険から締め出される高齢者がふえることは避けられず、認められません。
 最後に、本法案は、安倍内閣が進めようとする社会保障と税の一体改革の具体化であり、社会保障を本人と家族の責任に追いやるものです。認知症の夫を死亡させたのは妻の責任と断じた名古屋高裁判決は絶対容認できませんが、今向かっているのは、まさにそういう社会ではありませんか。
 介護保険創設当初の、介護の社会化という理想も投げ捨て、憲法二十五条を否定する本法案は、廃案にすべきです。
 以上申し述べて、反対討論を終わります。(拍手)

▲ このページの先頭にもどる

高橋ちづ子のムービーチャンネルへ
街宣予定
お便り紹介
お問い合わせ
旧ウェブサイト
日本共産党中央委員会
しんぶん赤旗
© 2003 - 2020 CHIDUKO TAKAHASHI