国会質問

質問日:2014年 5月 21日 第186国会 厚生労働委員会

年金法案

年金解明の人員必要 / 高橋氏 非正規雇い止め批判

 日本共産党の高橋ちづ子議員は21日の衆院厚生労働委員会で、持ち主が分からない年金記録の解明に政府が引き続き責任を持ち、非正規職員の雇い止めをやめ、解明に必要な人員確保を求めました。
 持ち主が不明な年金記録5095万件については日本年金機構が今年3月末までに紙台帳とコンピューター上の記録の照合を終えましたが、いまだ2097万件が解明されていません。今後は「訂正請求権」を法定し、厚労省のもとで調査、訂正します。
 高橋氏は「政府が最後まで責任を持つのか」と追及。田村憲久厚労相は「これからも政府の責任として解明に結びつくように努力する」と答えました。
 高橋氏は、年金記録問題の特別委員会の報告書に「年金機構に移行する過程での、旧社会保険庁職員の退職者増、処分者の不採用に起因するベテラン人手不足も、深刻な問題として尾を引くことになった」と明記されていることを紹介。未解明の記録に加えて新たな記録訂正が恒常的にあるなど人員体制強化が必要にもかかわらず、日本年金機構の職員は約4割が1年契約などの非正規で、雇い止めも進められていると批判しました。
 田村厚労相は、「つきあわせ(照合)が終わった。状況を勘案して体制を組む」と説明し、「必要な人員は確保する。正規化に向けて積極的に登用もする」と述べました。
(しんぶん赤旗 2014年6月1日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 ちょうど七年前、第一次安倍政権の命取りともなった消えた年金問題。私は、年金は老後の支えであり、その人の生きてきたあかしでもあるわけですから、この年金問題を世に出して、また、先ほど長妻委員おっしゃっていましたが、千三百七十万人が記録に結びついたと。そういう意味で、民主党が最初にこのことを取り上げた取り組みは評価できると考えております。今いらっしゃいませんが。
 しかし、国会でのその後の論戦は責任のなすりつけ合いの様相が強く、社保庁解体、解雇という形で、その責めを前線の職員のみが負う形にされたことに、私は強い怒りを持っています。
 資料の一枚目に、朝日新聞の昨年の十一月十三日付のものを書いておきました。「社保庁解雇 政治のパワハラだった」。思い切った見出しでありますけれども、読む時間がありません。アンダーラインを引いておりますので、ぜひ見ていただきたい。三段目の真ん中に、「長年にわたり蓄積されていた旧社保庁問題の責任を末端の職員に転嫁したのは「政治のパワハラ」と言わざるをえない。」、最後に、「ツケは国民にも及んでいる。」
 私は、まさにこのことは当を得ているものだ、このように言わなければならないと思います。時間があったら続きをやります。
 そこで、平成十九年五月二十五日、安倍総理出席のもと、ここの委員会で年金機構法案が採決をされました。このときも強行採決と言えるものでありました。消えた年金五千万件と言われた記録問題は、七年間取り組んできたわけですが、本法案が一つの区切りとなるのでしょうか。今も未統合の記録は二千百万件残されており、当時、柳沢厚労大臣は、「私どもがどこまでも責任を負っていかなければならないもの」と答えていらっしゃいます。年金記録について政府が最後まで責任を持つという点は変わらない、このことを大臣に確認いたします。

○田村国務大臣 今までも解決に向かって努力をしてきたわけでありますが、いまだ二千九十七万件が、記録が未解明のままということで残っております。
 現状、定期便等々でしっかりとそれぞれ被保険者の方々に対して情報を提供させていただきながら、一方で、ねんきんネットという形で、結びついていない記録というものを開示させていただいて、しっかりとこれを記録に結びつけていく、スマートフォンでもそのようなことができるようにしていく、このような努力を続けながら、これからも政府の責任としてしっかりと未解明記録が解明に向かって結びついていくように我々は努力してまいりたい、このように考えております。

○高橋(千)委員 民主党さんのときは、一期四年ということを何度もおっしゃいました。
 ことしの三月末で、コンピューター上の記録の七億二千万件、紙台帳の全件照合を終えたということでよろしいのか、確認をしたいと思います。
 実は、一時は費用対効果で問題があって照合自体を断念するという報道があって、そのこと自体を野党時代の田村大臣が細川元大臣に追及をした、やめることもあるのかと。これは、やめてもいいよねという意味を少し含んでいるのかなというふうに私は聞いていましたけれども、そういう場面もあったわけであります。なので、最初にまず聞いたわけです。
 改めて、未解明記録、今二千九十七万件ですね、今後どのように解決を目指していくのか、簡潔にお願いいたします。

○樽見政府参考人 簡潔にお答えいたします。
 ことしの三月末時点で、お話のありました紙台帳、コンピューター記録、ひもづいたものについての確認は終わったというところでございまして、なお二千九十七万件残っているわけでございますけれども、昨年一月から、インターネット上でこうした持ち主不明の記録を検索できるサービス、ねんきんネットの中でそういうサービスができるようにしてございますので、こうしたものを充実していく。ねんきんネット自体についても、スマホで使えるというふうにもなりましたし、充実していく。
 それから、私どもの中でのいろいろな記録の確認ということを一通りやったという状況でございますので、これからは御本人からの申し出が重要であるというふうに考えてございますので、ねんきん定期便を初めとして、多くの機会を使って国民の皆様に申し出の働きかけを行うということをしていきたいというふうに思っています。
 引き続きまして、皆様の協力をいただきながら、あらゆる機会を捉えて年金記録問題にしっかりと取り組んでいきたいと考えてございます。

○高橋(千)委員 確認をいたしました。
 ちょっと、年金記録問題特別委員会の報告が、これからはやはり個人の皆さんにお願いするしかないというふうに言っているわけですから、どうしても、これは本当は一番最初に言わなきゃいけなかったせりふだったんですけれども、何か政府が責任を国民に転嫁しちゃったのかなというふうに受け取られかねないんですよ。そうではないんだということを重ねて確認させていただいたということです。
 それで、二千九十七万件の内訳が二枚目の資料で、後でやります苦情申し立ての処理状況の資料が三枚目で、四枚目に、これからの訂正手続の創設ということで、総務省ではなく厚生労働大臣が訂正請求権を得た方たちの窓口となるということを示したポンチ絵がございます。
 そこで、大臣がこれから、かつてであると第三者委員会に当たる人たちになると思うんですが、地方に民間有識者から成る合議体を置く、ここで審査の基準をまずつくるということ、それから、裁決までどの程度の期間を目途とするのかということなんですよね。これは総務省の第三者委員会のスキームを当然踏まえるものだと思うんですが、やはりそれ以上のものでなければ、つまり、厚労省に来たらがくんと時間がかかるようになっちゃったよとか、全然解決しなくなっちゃったよというのでは困るわけですよね。そこをどういうふうに考えているのか、伺います。

○田村国務大臣 総務省の第三者委員会でございますけれども、これに関しましては、その申し立てられたことが、内容でありますけれども、社会通念に照らして明らかに不合理でなく、一応確からしいことということでございまして、これは前も申し上げましたが、私が総務副大臣をやっているときに第三者委員会をつくらせていただいたわけでございまして、幅広に、やはりこういうものに対して、しっかりと記録の訂正に結びつけていくということで基準を設けたわけであります。
 そういう意味からいたしますと、実際問題、受け付けから、あっせんされるものに関しては、おおむね四カ月か五カ月ぐらいの期間でやっておったわけであります。
 今般、我々は新しい仕組みをつくるわけでありますけれども、これに関しては、当然のごとく、社会保障審議会の中の分科会において審議をされるわけでありまして、審議、判断基準というものはそこでつくっていただくわけでありますが、この第三者委員会の考え方というものをもとに、しっかりした対応、体制を組んでまいりたいというふうに思っております。
 予算に向かって、この人員をしっかり確保できるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 大臣が総務に行ったときにこれをつくったわけですけれども、一応確からしいという、物すごい、今までになじまなかった言葉が、しかし、これが威力を発揮して、この第三者委員会のあっせんを見ますと、各進捗状況が九七・七%ということで、受け付けたものがかなりの形で処理をされているということがあったわけでありますよね。
 ただ、年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会とりまとめというのがありますけれども、これからは厚労省に行くんだから、厚労省はもっと確かな証拠を手にするであろう、だから、その一応確からしいという判断基準が必要な事案はおのずと限られてくるであろう、つまり、もっと具体的な証拠のもとに解決が進むであろうということを厚労省に言っておりますので、そこをしっかりと受けとめていただいて、これまで以上の結果が出てくることを望みたいと思います。
 そこで、今、行政不服審査法の見直しが総務委員会でやられているわけですけれども、不服申し立てという仕組みがなくなったわけですね。だけれども、今回、ちゃんと請求権を得たことによって、請求する人の権利が狭まったり、再審査を申し出たんだけれども受けるところが同じで返事も同じだ、そんなことはありませんということで、一言お願いします。

○樽見政府参考人 年金記録の訂正手続でございまして、今回、その訂正請求権、訂正あるいは不訂正の決定というところがいわば法律上の処分ということになって、それに基づいて不服申し立てができるというふうになるということが利用者の方々にとってのメリットということになるわけでございます。
 この訂正手続については、地方厚生局に設けます、民間有識者から成る合議体である地方審議会の審議の結果に基づいて、厚生労働大臣から権限の委任を受けた地方厚生局長が訂正または不訂正の決定を行うということにしてございます。
 これに関する不服申し立てにつきましては、行政不服審査法に基づきまして、地方厚生局長の上級庁である厚生労働大臣に対して審査請求を行うということにしています。
 したがいまして、審査請求を受けた厚生労働大臣は、大臣が定めた基本方針に基づいて地方厚生局長が適正な審議、決定を行ったかどうか、あるいは、地方厚生局における事実関係の調査が不十分でなかったかどうかという観点から審査を行いまして、訂正決定が妥当か否かを判断するということにいたしておりまして、端的に申しますと、訂正決定を行ったところと審査請求に対する回答を行うところは別でございます。

○高橋(千)委員 そんなのは当たり前じゃないですか。別だけれども、厚生労働大臣が委託する厚生局が最初はやって、次は厚生労働大臣ですよ、だけれども、厚生労働大臣が再審査をしたのに結果が同じですよということはないですよねということを聞いているわけなんです。前段の説明なんか要りませんよ。当たり前のことじゃないですか。そこを確認したかったわけです。違うということではなくて、さらに審査をして、権利をちゃんと守っていくんだということを確認したかったのであります。
 次の問いに対して、イエスかノーかで、今のをもう一回確認をさせてください。
 それで、次の問いは、もっとシンプルなことでありまして、実は、解明された記録というのは、五千万件のうち、統合できなかったものも含めて二千九百九十八万件あるわけですよね。だけれども、苦情申し立てという形で受けたのは、二十八万四千件、一%に過ぎないわけです。つまり、残りの九九%というのは窓口で解決しているということですよね。そういうことでしょう。
 だから、全部が全部、そういう複雑な仕組みをたどるのではなくて、窓口で解決できるというものは当然あるんだ、そこがやはり決め手なんだということを確認したかったのです。

○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 最初の点につきましては、失礼しました。
 要は、審査請求を受けた厚生労働大臣の方で、上級庁として、改めて、先ほど申し上げたような点について十分審査を行った上で判断をするということでございます。
 それから、二点目でございますが、この手続を経なくてもというところは、実は現在も、年金事務所における記録回復基準というものを、この第三者委員会のあっせんの経験などを整理してつくってございまして、それが今回、この仕組みが変わることによって、ちょっとその数字につきましては、済みません、私、今、はっきりと申し上げることができませんけれども、年金事務所における回復基準がなくなってしまうというようなことではなくて、引き続いて、事務所段階で解決できるものについては解決していくということで取り組むつもりでございます。

○高橋(千)委員 それでいいんです。つまり、権利救済の仕組みがきちんとできて、今までより狭まったものではないということ、同時に、だからといって、必ずそういう複雑な仕組みを通らなくても、年金事務所の窓口できちんと対応ができるんだということを確認したかったんです。
 それで、年金記録問題に関する特別委員会の報告書、ことしの一月に出ていますけれども、「年金機構の問題点の根底には「人手の質と量の不足」があるが、年金機構は各種基幹業務の充実はもとより、今後の制度改正や徴収対策強化のため、ますます人的必要性は大きくなる。」と書いています。それで、要員の増、ふやすということとともに、業務フローの見直しによる人手のひねり出しが必要であると。人手のひねり出し、ちょっと変わった表現をしていますけれども、やはり、体制というのが大事だということを指摘しているんだと思うんです。
 そこで、まず、簡単に答えていただきたい。
 記録問題のために雇用した有期雇用契約職員は何人で、これまでに、そのうち何人を雇いどめにしましたか。

○樽見政府参考人 お答えいたします。
 平成二十二年一月の日本年金機構の発足から二十五年末までに雇用いたしました有期雇用契約職員の数は、延べ約四万人でございます。
 一方で、機構発足以降、二十五年末までにおいて退職をいたしました有期雇用契約職員の数は、延べ二万五千人ということでございます。
 記録問題対応のためということの御質問でございますが、この有期雇用職員については、中でのシフトといったようなこともございますので、記録問題対応のために雇用した、あるいは、記録問題対応に従事していた職員の退職者数という形での数は把握をしてございません。
 なお、有期雇用職員の退職理由というところにつきましては、期間満了によるもの、あるいは、自己都合によるもの、正規職員等への職種変更による退職といったようなものを含めまして、さまざまでございます。

○高橋(千)委員 記録問題に限らないという御答弁だったと思います。そうだと思うんですよね。逆に言うと、正職員が記録問題に集中的にぐっとシフトをしましたので、だからその分、逆に窓口が手薄になったり徴収の方が手薄になったりして、全体として回ったんだということがあったと思います。
 だけれども、二万五千人が雇いどめになった。期間満了と言えば済むという話ではないということは、この間ずっと議論してきた話ではないでしょうか。
 それで、資料の五枚目にあるように、日本年金機構の職員配置状況、これを見ますと、正規職員、准職員が一万三千八百九十人に対して、特定業務契約職員、これは一年契約ですね、アシスタント契約職員、合わせて九千百七十三人、つまり、四割が一年契約などの非正規雇用であるという状態になっているわけです。そういう中でさまざまな支障があったということは、実際に指摘がされていることではないか。
 それで、大臣に確認をしたいんですけれども、まず、まだまだ記録統合問題は残っている、対応されなければならない。
 また、年金個人情報の適正な管理のあり方に関する専門委員会とりまとめの中に指摘がされているんですけれども、当初は、いわゆる消えた年金に属する記録問題が非常に多かったんだけれども、今は、むしろ八割以上が厚生年金の記録であり、かつ、七割以上がここ十年間、新しい記録問題が起こっているという指摘がありますね。そういう形で、今後も新しい記録訂正問題というのは残念ながら恒常的にあるという指摘がされています。
 ですから、仕事量が減っているという条件はやはりまだないですよね。そのことを確認したいのと、そういう意味で、合理性のない雇いどめはやめて、やはり希望する人の正規化を含め、体制の確保をしっかり行うべきではないでしょうか、大臣。

○田村国務大臣 日本年金機構でありますけれども、平成二十年の七月でありますが、日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画、これが閣議決定をされておるわけでありまして、職員の必要人数の管理を行う必要があるわけであります。そういう意味で、一定程度退職を毎年していくわけでありますけれども、今、正規職員と准職員、この確保に努めておるんですが、現在、一万四千人体制というふうな状況であります。
 日々必要な人数というのは確保していかなければならぬわけでありますが、今、年金記録問題はまだいろいろと続くということは、それはそのとおりであります。一方で、やはり紙台帳とコンピューターとの突き合わせ、これは一応二十五年度で終わったということでございますので、そのような種々の状況を勘案しながら体制を組んでいかなきゃならぬわけであります。必要な人数は必要な人数としてしっかり確保をしていく必要があろうと思います。
 一方で、正規化に向けて、これも積極的に登用をしておるわけでございまして、そういう部分で、必要な人数、また必要な人材に関しましては、正規化に向けてもこれからも対応してまいる、このような状況でございます。

○高橋(千)委員 最後に正規化へ向けてとおっしゃったことをしっかりお願いしたいなと思うんですね。
 記録問題の報告書には、「年金機構に移行する過程での旧社会保険庁職員の退職者増、処分者の不採用に起因する“ベテラン人手不足”も、深刻な問題として尾を引くこととなった。」こういう指摘がございます。
 ですから、昨年十月に、私は、五百二十五名の職員の解雇問題を取り上げました。社保庁の職員が一万名近く年金機構に引き継がれたことが何かすごい大問題かのように、そういう議論さえあったんですね。だけれども、そういう本当に長い間、四十年という記録をずっと守ってきて支えてきた人たちがまるでいなくなるということはないですよねということが指摘をされた、経験者が少ないということ自体が問題とされたということをやはりきちっと受けとめていただきたい、このように思っているんです。
 本当に、解雇撤回を訴えている皆さんが、社保庁の解体直前の職場の様子を訴えていました。解体直前に、毎日のように記者会見をされて、あれをやる、これをやる、例えば、土日も開きますとか、東京に職員を集めます、それで、あなたはいつ行きますかとなって、翌日には職員を募集される。本当に怖くて、要するに、休むとは言えない。だから、独身者は東京に行くし、課長クラスはとにかく休日出勤、そういう中で体を壊していく人が次々、あるいは退職に追い込まれる人が次々起きるわけだけれども、そうやってやめていくと、逆に解雇回避努力の中で頭数に入っちゃった。そういう大変な思いをしてきたということをやはり指摘しなければならない。
 そういう意味で、最初の朝日新聞の記事に戻るわけですが、もうこれ以上は言いませんので、やはり記録問題、本当に最後まで丁寧にやっていくということをきょうは確認させていただきましたので、そのために人の確保ということをやっていただきたいと指摘をして、終わります。

 

――資料――

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