国会質問

質問日:2014年 5月 12日 第186国会 厚生労働委員会

医療・介護総合確保法案―地方公聴会

医療・介護総合法案 地方公聴会で批判・懸念 / 介護難民生む■サービスに格差

 医療・介護総合法案を審議している衆院厚生労働委員会の地方公聴会が12日、大阪市と甲府市で開かれました。陳述人から積極賛成の声はなく、批判や懸念が相次ぎました。

大阪

 大阪会場で、社会福祉法人「こばと会」の正森克也事務局長は、要支援者への訪問・通所介護を市町村の事業に移す問題について、「(要支援から)要介護になるのを防ぐために創設されたものだ。拙速に移行せず、『予防』効果の検証が必要不可欠だ」と指摘しました。
 特別養護老人ホームの入所者を要介護3以上に限定することについても、高齢者の総合的な生活を支える重要性をあげて批判。一定の所得者は利用料を2倍に引き上げることについても「現状の負担でさえサービスの利用控えが起こっている」と指摘しました。
 日本共産党の高橋ちづ子議員は、専門的なヘルパーに代わってボランティアなどの活用が狙われている問題点について質問。正森氏は「引きこもりなど配慮を要するお年寄りは多い。ヘルパーは質問するのでなく詮索、発見しチームに伝える。ボランティアでは困難だ」と指摘しました。
 介護問題研究会の吉年(よどし)千寿子座長も「専門家の目があってこそ生活支援は成り立つ」と強調。「自治体の財政力によってサービスが低下しかねない」とのべました。
 大阪発達総合療育センターの船戸正久副センター長は「『療育』の視点が欠如している。消費税(増税分)はどこへ行くのか。小児科の切り捨ては困る」と訴えました。

甲府

 甲府市の公聴会では4氏が陳述しました。
 山梨県医師会の今井立史会長は、「在宅医療推進の成否をにぎる医師や看護・介護スタッフなど受け皿は不足しており、(現場からの)ちゅうちょする声は多い」と述べ、「拙速な推進は介護難民をつくり出す。介護サービスが市町村の事業となり市町村間に差がでることは大きな問題点だ」と指摘しました。
 山梨県立大学看護学部の流石ゆり子教授(老年看護学)は、法案の課題として「独居高齢者や老々介護となっている方々など、サービス利用者の声を十分に聞く必要がある」と述べ、要支援1、2の認定者が地域支援事業に移されることについて、「市町村への丸投げでは(市町村の財政事情などから)サービスに格差が生まれる」と指摘。「絵に描いた餅でなく、体制やさまざまなスタッフの研修制度などがどうなっているか、法案の吟味が必要だと思う」と主張しました。

(しんぶん赤旗 2014年5月13日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 きょうは、四人の参考人の皆さんの出席をいただいて、大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。
 早速質問していきたいと思うんですが、最初に藤垣参考人にお伺いいたします。
 最初に、地域包括ケアシステムに薬局がないという御指摘だったんですが、厚労省をかばうわけではなくて、「医療・介護サービスの提供体制改革後の姿」という新しい資料の中に薬局がしっかり入っていまして、外来医療、在宅医療、歯科医療、薬局という形で位置づけられているんだなと思って、さっき一生懸命捜していました。
 でも、それは、医療と薬局、薬剤は一緒だという単純な考えではやはりいけないと思うんですよね。つまり、今まで院外処方をかなり進めてきたという経過がありますし、そういう中で、では本当に二十四時間の医療につき合っていけるのかという問題と、医療と介護と連携しなくちゃいけないのに、医療の分野に薬局があるというだけでは済まない。
 そこで、大阪の取り組みを紹介されて、基金を紹介されたと思うんですけれども、やはりよほど意識的に位置づけて、そして基金にちゃんとそういう予算をとるんだというふうにしていかないと厳しいのかなと思うんですが、少しその趣旨について伺えればと思います。

○藤垣哲彦君 先ほどパワーポイントでもお見せいたしましたように、基金につきましては、これは三師会それから関係団体と現在議論をしているところでございますので、ここでうちがどうだと言うのは控えた方がいいのかなと思っております。
 少しだけ、例えば女性の復職支援等々につきましては、パワーポイントにも書かせていただきましたけれども、それは今ちょうど議論の最中でございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 やはり具体的な提案をして位置づけていかないと、基金はいろいろ使えますよといっても実際には非常に枠が狭いという中で充実させていくことが必要かなということで考えさせていただきました。ありがとうございました。
 次に、船戸参考人に伺いたいと思うんですけれども、小児がないという指摘をいただきました。
 きょうトランジションという言葉が出たんですが、実は、難病法案のときも、小児慢性疾患はトランジションが積み残しになりました。また指摘をされたということであります。また、NICU自体が全国で不足していますよね。そういう中で、さらにその後方支援もちゃんと位置づけていかなきゃいけない。その上で、今、在院日数の短縮問題、実は、重度心身のところが今度はカウントされてしまうということで、非常にこれは厳しいことになるのではないかと思っております。
 なので、課題が非常に多いですので、まずやるべきは、国のこれから出していく指針の中にちゃんと小児の分野が入っていくこと、そして地域の協議の場にちゃんと入っていくことをまず提案したいなと思うんですが、いかがでしょうか。

○船戸正久君 ありがとうございます。
 まさにそのとおりだと思います。小児が置き去りにされないように、ぜひお願いしたいと思います。

○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 次に、正森参考人に伺いたいと思います。
 現場の取り組みを紹介しながら、初動の見きわめが大事なんだとおっしゃってくださったこと、非常に大事なことではないかなと思います。私も、委員会の質疑の中でさまざま指摘をしてきたことなんですが、生活援助に対して、やはり単なる家事代行だというふうな言い方をする方や、あるいは、家事代行だからボランティアでもいい、そういうふうな形で何か生活援助が介護から出されちゃうのかなと非常に危機感を持っております。
 そこで、改めて、具体例なども紹介していただいて、生活援助の意義や支えるヘルパーの役割について御紹介いただければと思います。

○正森克也君 議員がおっしゃいましたように、単なる家事代行という位置づけではなくて、例えば、お掃除や食事のかかわりを通じてその方の御家庭に入りながら、実際やっていることは、その仕事をやりつつも、その方の生活状態の見きわめとか観察というのが、やはり私たち、ヘルパーさんの最も気を使う部分だろうというふうに思っています。
 特に、例えば、ケアマネジャーさんがこのプランでというふうにおっしゃったことでも、実際に生活の中に入ってヘルパーさんがかかわれば、あれ、こんなこともできていないのかとか、こういう生活リスクがあるんだなということが次々と発見されるというようなケースというのは幾つも出てくるわけですね。
 しかも、そのことを確かめていく作業というのが、先ほども言いましたように、非常にかかわりに配慮を要するお年寄りに対してその確かめをやっていく作業というのは、単純に質問したりとか詰問したりとかそういうようなかかわりではなくて、何げなく、さりげなくかかわって、観察をしながらそれを発見して、チームに伝えていく、必要機関に伝えていくというようなかかわりが必要になってきます。
 こういったことが、例えば単にお弁当を配る方だとかボランティアさんの方で専門的な勉強をなさっていない方で気づけるのかというと、非常に困難だろうというふうに思うことから、私は、個別のかかわりは違う、集団的な支援と個別の御家庭に入るホームヘルパーさんの専門性は全く別だというふうに言ったところです。
 特別養護老人ホームの中でもボランティアさんやアルバイトさんというのは本当によくおいでになりまして、私の働いております、いのこの里という老人ホームでも、年間延べ三千人ぐらいのボランティアさんがお越しになるわけです。ですから、私どもが別にボランティアさんを軽視しているとか専門性を否定するというようなわけではなくて、彼らの本当に目指すところは、お年寄りとのかかわりの中でみずからの生きがいだとか役割とか自己実現を目指しておられるという方ですので、その貴重な気持ちを責任のある仕事で、何かあったら責任が問われるような形で使っていくというのは、本来筋が合わないのではないかなという思いもございます。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 実際にボランティアさんと一緒に活躍していただいている中で、やはり専門的な役割はなぜ必要なのかということを具体的に指摘していただいたと思います。ありがとうございました。
 その上で、専門的な支援が必要な人はちゃんとやるんだということが何度も何度も答弁をされているわけなんですが、その鍵を握っているのが地域包括支援センターでのケアマネジメントということになって、適切なというふうなことを言われるんです。しかし、これは本当に難しいのではないかなと思っておりますが、ケアマネジメントについて、ケアマネさんがかかわる意義、課題について伺いたいと思います。

○正森克也君 ケアマネジャーさんは、要介護の方と要支援の方のケアマネジャーさんなんですけれども、要支援の方のケアマネジャーさんは地域包括支援センターで請け負うことが多くあります。その地域包括支援センターのケアマネジャーさんではもう手がいっぱいになるので、私どものような民間のケアマネジャーの方に依頼をされるということでお受けするケースもたくさんございます。
 ケアマネジャーさんは、やはり三十件ちょいぐらいのケースをお持ちになって、大体月に一回ぐらいの訪問が義務づけられておりまして、限界かなというふうに思っております。
 そのときにケアマネジャーさんが御本人さんと出会って収集した情報は必ずしも間違いではございませんが、その中で、ヘルパーさんを送り込んでいって日常的にお世話をする中で発見される、ケアマネジャーさんが気づかない情報というのはやはり多いというのも事実です。それを全部ケアマネが責任をしょい込むというのは、ちょっとそれは問題が違って、ケアマネジャーさんはそういった方たちとの協力、共同、連携をとりながら専門性を発揮していくわけですから、チーム労働の一員という位置づけになっているわけですね。その大切なチームのヘルパーさんが取り外されてしまって、全部ケアマネの責任だよというようなことにしてしまうというのは、ちょっとケアマネさんとしてはというか、問題の考え方が違うのではないかなというのが私の意見です。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 正森参考人にもう一点伺いたいと思うんですけれども、補足給付について、今回、預金で見るということが提起をされているわけなんですけれども、資産要件、不動産なんかを対象にしないのはおかしいんじゃないかとか、正直者がばかを見るという指摘までもあるわけですけれども、私はそもそも、ほかの制度に波及するのではないかというおそれも考えていて、この仕組みそのものを入れるべきではないと思っておりますけれども、どのようにお考えか、伺いたいと思います。

○正森克也君 補足給付のことなんですが、例えば、先ほども私、最初の発言で述べましたが、食費、居住費、それから介護にかかわる費用という三つの分類に分かれて、食費と居住費が介護にかかわるものでないから自分で払いましょうということになっておるならば、これは、補足給付というのは完全に、介護給付という形じゃなくて、いわゆる福祉的費用になるわけですね、いわゆる貧困に関する生活支援になるわけです。
 それは、例えば介護保険という一つのお財布の中からなぜ払うのかということになるわけですから、そういった意味では、もう補足給付そのものを介護保険財源から外してしまって、国でちゃんと生活保護行政としてそれ用の予算を別途とるということでしたら、補足給付をこれぐらいという形で、基本全額で、できない人の補助は国がやるという考え方でいいのかと思うんですけれども、ただ、今の補足給付の位置づけは、生活も食事も全部一体的に提供するのが老人ホームの仕事なんだけれども、でも、在宅の高齢者と不公平が生じるので、一定、公平にするためにお金を本人から負担してもらいましょうということになれば、それは介護と一体のものだから介護保険の財布の中から補足給付をやるのが妥当だという議論になろうかというふうに思います。
 そういった意味で、補足給付というのは、基本、在宅の方の生活実態と合わせていくということが議論の前提にあるべきであって、かかる費用を基本全額やって、それは財産にまで波及してということになってくれば、それはもう生活保護行政といいますか、完全に切り離してしまうという考え方ですから、もしそれを言うのであれば、介護保険財源からとるということもやめた方がいいんじゃないかなと、論拠が立たないというのが私の意見です。
 それから、生活実態からいいますと、例えば、おじいさんが老人ホームに入られるんですけれども、奥さんは持ち家で住んでおられるというようなケースがあるんですね。おじいさんは、例えば十二、三万円の年金をお持ちで、三段階というようなことになっているんですが、奥さんが住んでいるおうちが、例えばマンションを自分で持っていたというようなことになりますと、この方はたちまち、六万円、七万円ぐらいの生活費を今までは老人ホーム、いのこの里に納めておったんですが、多分十一万とか十二万円ぐらいになってくるかと思います。そうすると、年金の余りが一万円か二万円ぐらいにしかならなくて、このおじいさんの年金を当てにしていた奥さんの生活そのものがもう途端にままならなくなるだろうと思います。
 そういうことになると、この制度が実現した瞬間に、そういった御家庭のおばあさんたちはみんな自分の持ち家を売るというようなことになりますし、そして賃貸住宅に移って、一定の、二千万を切った段階でまた生活が安定していくというようなことになります。
 Iさんというんですが、八十を超えたおばあさんにそのことをどう御説明して、本人にどないして自分の家を売却させ、そして新しいところに住まわせてと、こういうような労力も含めまして、一体誰がどのようにチェックしてやっていくのかということを考えると、極めて現実的ではないのではないかなというのが私の考えです。

○高橋(千)委員 ありがとうございました。
 時間になりましたので、一言。吉年さんには、アンケートを紹介いただいて、この会報の中に書いているんですけれども、私も思ったんですが、どちらとも言えないという回答が実はすごく多いですよね。それが、実は、マンパワーが不足していたり、やはり公的介護の不足している実態を反映しているんじゃないか、深い回答だったねというふうに言っているのが、私、すごく大事なことかなと思って、四年前、大阪で介護保険のシンポジウムでお世話になったんですけれども、改めて、皆さんが呼びかけている公的介護拡充ということで頑張っていきたいなと思っております。
 きょうは本当にありがとうございました。

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