国会質問

質問日:2014年 4月 23日 第186国会 厚生労働委員会

医療・介護総合確保法案

入院患者追い出し強いる / 高橋議員 医療・介護法案を批判

 入院医療と介護保険サービスを大もとから切り捨てる医療・介護総合法案の審議が23日の衆院厚生労働委員会で始まりました。日本共産党の高橋ちづ子議員は「入院患者を早期に追い出し、在宅介護も切り捨てるものだ」と批判しました。
 政府は2025年に向けて、看護師配置が最も手厚い病床(患者7人に看護師1人)を36万床から18万床に半減させるなど病床削減を進める計画です。法案では都道府県が地域医療ビジョンを策定することとされ、その実現のための強い権限を与えられます。
 高橋氏は、都道府県が医療計画に盛り込んでいる基準病床数に対し既存の病床数は18万床以上も上回っており、病院側は希望を聞かれても、基準の枠内で削減を迫られると追及。原徳寿医政局長が「25年にどんな患者がいるかは計算できる」と答えたのに対し、高橋氏は「実態でなく数値から出発している」と批判しました。
 高橋氏は病床削減などの要請に従わない民間病院には補助金や融資を認めないなどペナルティーが科されると追及。原氏は「最終的には懐に武器をしのばせているということ」だと答弁しました。「医師不足などの事情で病棟が稼働していない場合でも削減するのか」と高橋氏が迫ると、田村憲久厚労相は「正当な理由があるかで判断する」と答えました。
 政府は病床削減のため、4月の診療報酬改定でも入院日数のさらなる短縮を病院に押し付けました。木倉敬之保険局長が「単純な患者追い出しにならないよう注意している」と釈明したのに対し、高橋氏は「長期の入院ができなくなり、まさに単純な追い出しに向かうものだ。『受け皿』とされる在宅介護も切り捨てられる」と批判しました。
(しんぶん赤旗 2014年4月24日付より)

 

――議事録――

○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本法案は、重要広範議案として、四月一日に総理への本会議質疑を行いました。随分間があき過ぎてしまったわけですけれども、同時に、先ほど来随分議論がされているように、余りに多くの法案を一括して審議することは、やはり納得いきません。
 十九本まとめれば、一つ一つを見ていけば、幾ら我々だって少しは賛成するものが入っているかもしれないわけですし、また、本数の問題じゃなくて、過去に、年金特例という、後納を認めるよという法案と、企業年金が、たった二本なんだけれども真逆の、我々からいうと真逆の法案が一緒に採決ということで、なぜそういうふうなやり方をするのかということを指摘したことがあったんですね。
 国会のいろいろな日程感というものがあるかもしれないけれども、やはりそこは、本当に真摯に一つ一つに向き合うべきではないかというふうに思っています。
 また、少なくとも、少なくとも医療事故調についてはやはり切り離して、これは採決だけ切り離すというのではなくて、それ専門の集中的な審議をしなければならない、私はこのように思っていますが、まず、提出者として、大臣に伺いたいと思います。

○田村国務大臣 何度かきょうも御答弁させていただいているんですけれども、やはり二〇二五年を見据えて、医療提供体制の見直しをしなきゃならない。あわせて、地域包括ケアシステムというものを確立していかなきゃならない。そして、主治医機能というものもしっかりと一つ見越しながら、在宅医療というものに対しても力を入れていかなきゃならない。いろいろな要因があります。介護という要因がそこに入ってくる。
 そういう意味からいたしますと、介護の法律と医療の法律というものを一緒に御審議いただいた方が、より効率的に、また効果的にいろいろな御議論をいただけるのではないか、こういう思いの中で、この法律を一緒に出させていただくわけであります。
 そのほかにも幾つか入っております。今言われました医療事故調査委員会のお話に関して申し上げれば、この法律はそもそも、今般、事故の再発防止という意味で出させていただいておる、医療の質の向上という意味で出させていただいておるということでございまして、そういう意味からいたしますと、これはやはり再発防止というものは、医療において大変大きな役割といいますか、位置づけであるわけであります。
 地域でいろいろな医療を提供いただくのに、そのような質の向上等々ということも、その側面から見ていただければ、いろいろな制度に関しましても、またいろいろな御意見も出てくるのではないか、このような認識のもとで、この法律も、法律といいますか、これも御一緒に提出をさせていただいたということでございまして、委員には委員のいろいろなお考えがあられるというふうに思いますけれども、どうか意をお酌み取りいただきながら御議論をいただければありがたいというふうに思います。

○高橋(千)委員 大臣にはこの問題でこれ以上は質問しませんけれども、事故調の問題というのは、まさに二〇〇六年の医療制度改革の委員会審議をしている最中に福島の県立大野病院の問題があったわけです。あれを契機として、事故調のようなものをつくらなきゃいけないということで、ずっと議論を積み重ねてきました。
 我々は地方公聴会で福島に行ったわけですけれども、結局、このような問題が起きるのであれば、産科医を、一人だけというときは絶対できないということで、医師を全部引き揚げちゃった。これでもう深刻な医師不足になったわけですね。
 やはりそういう問題があって、しかし、当事者がいて、御遺族がいて、さまざまな議論を積み重ねてきたんですね。これを簡単には、この法案と関連しますよ、しますからといって、この法案の中でなかなか議論がしにくい。
 要するに、そのこと自体を、ちゃんと参考人を呼んだりしてお話を聞いて、みんなで議論するという時間がやはり必要なんです。そういうことをぜひ委員会として検討していただきたいと委員長に要望いたします。

○後藤委員長 御指摘の点については、また理事会で御相談させていただきます。

○高橋(千)委員 では、そこはお願いいたします。
 そこで、〇六年の医療制度改革は、まさに二〇二五年ということが盛んに言われたわけであります。団塊世代が七十五歳以上となるということで、二〇二五年の姿ということが言われたわけですが、それが今法案のまた大きなテーマでもあると思うんですが、政府がそれをどのように描いているのか。
 住みなれた地域での暮らしが継続できるということが本会議でも何度も強調をされました。しかし、そんなきれいな言葉では本当はないんだろうと思うんですね。
 政府は、日本再興戦略に位置づけた健康寿命延伸計画、これで、医療・介護費の伸びを五兆円程度抑制すると言っています。まずは、やはりこの医療費削減ありきではないのか。そして、そのツールの一つがベッド数の削減であります。
 資料の一枚目、一体改革のときに示された、現状を投影した場合にどのようなベッド数が必要になるのかということを描いたものであります。
 政府が認めた数字は、二〇二五年、一般病床が百二十九万床必要であるということを言っていたわけですけれども、精神病床などを入れて二百二万床と言っていた、これをどう変えようとしているのか、伺います。

○原(徳)政府参考人 資料にお示しいただきましたのは、現状投影型ということで、平成二十三年度現在の病床数、あるいは入院医療ですね、それを前提とした上で、二〇二五年まで延ばしたものでございます。
 今般、この中でこれをどうしていくか。例えば、精神病床まで含めますと、入院計で二百二万床まで必要になる。これをこのまま伸ばしていくことができるかということについては、大きな疑問がございます。
 その意味では、人や物も含めて、効率的に効果的な医療を進めていく必要があるだろう。そのために、今回、病床の機能分化や連携をしっかりと進めて、入院医療そのものの強化をすると同時に、また退院後の生活を支える在宅医療や介護サービス、生活支援や介護予防を充実する、こういう一連の流れをつくっていきたいと考えているわけであります。
 その点において、二〇二五年に、ではどれだけの病床を考えているかということでございますが、これにつきましては、今回、機能別にそれぞれ、都道府県が、二次医療圏ごとにそれぞれ算定をしてくることになりますので、その結果を見ていきたいと考えております。

○高橋(千)委員 今局長がお答えいただいたことが、二枚目の、これからの姿ということであるのかなと思っているんです。
 病床を、高度急性期、一般急性期、回復期、亜急性期、長期療養という形で分けていく。今は、診療報酬に応じて、七対一、十対一、十三対一、十五対一、療養病床という、いわゆるワイングラス型のような姿になっているのを、ヤクルト型と言うそうでありますけれども、こういう形に移していくんだと。
 しかし、これをよくよく見ますと、七対一入院基本料を取る約三十六万床、最も手厚く診療報酬が出ているところを十八万床まで減らすわけです。これを計算しますと二年間で九万床を減らすということで、これが、局長さっきおっしゃっているように、現状を投影したものをそのまま延ばしていっていいのか、効率化が必要だと言うけれども、しかし、だからといって、この減らし方が適切なのかということが問われなければならないと思うんですね。
 そこで、まず創設されたのが病床機能報告制度でありますけれども、その理由、いつまでに何を報告させるのか、伺います。

○原(徳)政府参考人 まず、病床機能報告制度では、地域の医療機関が担っている医療機能の現状をまず把握をしたい。その上で、それぞれの医療機関が将来どのような医療機能を担っていくのかという方向をまず聞いてみたい。そういうふうに考えているわけであります。
 先ほど申し上げましたが、先ほどの医療ビジョンを、地域医療構想をつくっていく段階で、将来に必要なそれぞれの機能の病床が何床、何床というのが出てまいりますので、それに向けて、初めは、それぞれの医療機関が現状からどう変わっていくのかという意向を聞いていく。その上で、都道府県としては、二次医療圏ごとに、それぞれどういう方向で、各医療機関がどのような方向に変わっていくのかを、最終的にビジョンの形で書いていくというふうに考えております。
 その意味で、病床機能報告制度につきましては、法案が成立して、一番初めは平成二十六年の十月から運用を開始したいと考えておりまして、これは毎年一定の期間に状況は報告していただくということを考えております。

○高橋(千)委員 三枚目を見ながらちょっと聞いていただきたいんですが、まず一つ確認は、現状把握をして将来の病床をどういうふうにやっていくかというのを聞いてみたいということ、つまり、各医療機関の希望ですよね。とにかく、こうあるべきだではなく、こうしたいということを聞くのだということをまず一つ確認したいと思います。
 その上で、都道府県は、先ほど大臣も県の権限が強まるのだというお話をしておりました。本当にそうなんですね。地域の医療需要の将来推計や報告された情報等を活用して、二次医療圏ごとの各医療機能の将来の必要量を推計して、地域医療ビジョンを策定するとしています。
 ただ、既に各都道府県は、昨年度から五年間の医療計画をスタートさせたばかりなわけですね。これとの関係はどうなるのでしょうか。

○原(徳)政府参考人 先ほどの機能報告のところの話もちょっと補足させていただきますと、当面は、今ある現状がどうかというものをまず御報告していただいて、例えば医療圏域での状況を把握する。それから、将来は、計算によって、一定の機能別にどういうベッドが必要かが計算上出てきます。それに向けて現状を動かしていくときに、それぞれの医療機関が、将来自分たちはどういう機能を担っていくか、まずは聞いてみる。その上で、各医療機関の機能の調整をするというのが協議の場になっていくわけでありまして、その上で都道府県が将来像を示していくということになります。
 今御質問のありました医療計画そのものでございますけれども、医療計画の一部としてこの地域医療構想というのは入ってくるというふうに考えておりまして、医療計画、大きなところでは五疾病五事業という形で今回つくっていただいたわけでありますけれども、その中に、今度は病院のベッドの機能というものが新しく加わってくる。現在の医療計画に追加をしていっていただく形で、この地域医療構想を書いていっていただく。次回の、平成三十年になりますか、そのときの医療計画の改定というのは、完全に情報をマージさせた形でしっかりとつくっていただく予定でございます。

○高橋(千)委員 ですから、最初は手挙げといいますか、それぞれの医療機関の希望を聞きながら、その向かう先は、またかなり厳しいものが待っているということなわけですよね。
 それで、まず、今の医療計画の一部だという答弁をされました。都道府県別医療計画における基準病床数と既存病床数、これを比較しますと、一般病床及び療養病床において基準病床を下回っている、少ない自治体というのは三県しかないんですね。千葉、静岡、兵庫だけです。全体としては上回っている。足しますと、十八万四千三百三十三床も上回っているわけですね。
 そうすると、手挙げして、いろいろ希望を出したとしても、この域を出ない。つまり、既にオーバーよというのが見えているわけですよね。そうすると、そこから出発するというか、そこの枠の中でもっと削減しよう、そういう話にしかならないんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

○原(徳)政府参考人 お答え申します。
 最終的に、例えば二〇二五年の時点でどのような状況の患者がいるかというのは、ある意味では計算で出てまいります。ということは、それぞれの、例えば急性期の患者、あるいは高度の急性期の医療が必要な患者の数というのは出てまいりますので、そのような方々が実際に、例えば二〇二五年の時点で、それにふさわしい病棟に当てはまっていただく必要があるわけですね。
 逆に言いますと、医療機関側が、いやいや、私のところは高度急性期をやっていますといっても、患者さんがいなければ高度急性期の医療じゃないわけですので、そこは、これから病床の機能というのを、今は定性的に高度急性期とか急性期とか言っておりますけれども、いずれ、どういう医療をしているかの中身を定量的にあらわした基準をつくってまいりますので、おのずと患者像によって果たすべき機能というのは当然限られてくるので、余り恣意的に、自分はこれをやりたいだけで決まっていくものではないということを申し添えておきます。

○高橋(千)委員 ある意味、計算上はそうなると局長おっしゃいました。
 私は、この先また議論していくんですけれども、計算といいましょうか、実態ではなくてやはり数字から出発しているのではないか、そういうことを言いたくて議論をしています。
 それで、地域医療ビジョンを計画倒れにせず実現する仕組みについて、この表現ぶりは医政局長が全国の会議で表現した言葉であります。何のことかというと、要するにペナルティーのことだと思うんです。
 資料の四があるんですけれども、地域医療ビジョンの実現についてということで順々に書いておりますね。まず、協議の場を設けるということ、その間に都道府県知事が講ずることができる措置ということで、新規開設を許可する際に条件つきで認めるですとか、さまざま書いているわけなんです。それで、真ん中のところに、「「協議の場」の協議が調わず、自主的な取組みだけでは機能分化・連携が進まない場合」と書いています。
 この自主的な取り組みだけでは進まない、これはどういう場合を指すのか、そして、都道府県知事は当該医療機関に何を要請するのか、具体的にお答えください。

○原(徳)政府参考人 できるだけその地域の将来の患者の状態、患者像を想定しながら、それぞれの医療機関がどういう役割を果たしていくかを真剣に考えていただいて、それぞれの機能の分担をしていただくというのが求めている姿であります。
 ただ、その場合でも、やはりそれぞれのお考えがありますので、必ずしもそれが完全にぴったりとその将来像に合わないという場合には、やはり、ある医療機関にはこういう機能を担っていただこうとか、そういう形でお願いをしていく必要がある。そういう場合に、協議の場で調わない場合での措置というのは、先生お示しになられました四ページの中に書いてあるわけでございます。
 協議の場が調わないというのは、例えば、考えますと、今もう既に急性期の機能はこの医療エリアに要りませんというのに、さらに急性期の病床をふやしたりであるとか、今、五十、五十ある慢性期と急性期のところを、百全部、急性期にするんだとか、そういうようなことの申し出があるとか、それを譲ってくれないとか、そういうことが考えられるわけです。
 先ほど申しましたように、実際に、例えば、急性期の患者さんは限られているわけですから、幾ら急性期をやるといってもそこに患者がいなければ急性期の機能を担うという結果にはならないわけですので、そこは将来像を考えれば、患者像に合わせた形で皆さん納得していって協議が調うだろうと私どもは考えているわけでありまして、そこをうまく都道府県に調整をしていただきたい。それができなければ、いろいろとステップがあるということでございます。

○高橋(千)委員 今局長おっしゃったように、本当に急性期の患者さんはそこまでいないのに我も我もと手を挙げる、そういう状況であれば、それはそうかもしれませんよ。でも、それはやはり極端な例ではないかなと思います。
 これに従わない場合の措置として、医療機関名の公表、各種補助金や融資対象からの除外、地域医療支援病院などの不承認といった措置を決めているわけですね。その意図を簡潔に説明してください。

○原(徳)政府参考人 ここは先ほども御答弁したんですけれども、基本的には病院というのを潰すわけにはいかない。というのは、患者さんがそこに現におられて医療がされている以上は、その病院をどんどん潰していくわけにはいかない。
 ただ一方で、必要な機能をそれぞれの医療圏で実現していくためには、具体的な病院にそれぞれの機能がうまく張りついていないといけないわけでありますので、その地域の中で話し合いをしていった中で、うまくやらない場合に、都道府県知事から、公的病院には指示をしたり命令をしたりする。あるいは、民間の医療機関には、要請をして機能を変更していただく場合もあろうかと思います。
 それに従わない場合にどうするかというところで、最終的には名前の公表もしますよというようなところを、ある意味では、一応、懐に武器を忍ばせている、そういうようなことで、それを実際に使うということを想定しているわけではないということで、これは例えでございます。

○高橋(千)委員 懐に武器を忍ばせているということで、実はかなり厳しい措置を準備している。
 今回、公的病院に対しては当然指導することができるわけですけれども、民間病院に対しても、そういう要請をして、かつペナルティーがついているということで、そうすると、これはどうやって選ぶんですかというときに、協議の場のあり方ですとか、さまざまな課題が出てくるんだろう。本当に公正公平に将来必要なものということで見ていけるのかなという疑問はありますよね。ちょっときょうは時間の関係で、そこまでは行きませんけれども。
 そこで、大臣に伺いたいと思うんです。
 この報告制度、病棟単位で報告するというわけなんですけれども、ただ、病棟が稼働していない、その背景にはさまざまありますよね。つまり、さっき言ったように、急性期の人がいもしないのに我も我もと、そういう場合ばかりではなくて、やはり、本来は必要なんだけれども、医師不足である、どうしてもいない、そういう地域のさまざまな事情があって、数字だけではわかりません。
 これは本会議でもその趣旨を少し述べたんですけれども、北海道のある市立病院に行ったときに言われたことなんです。医師がいなくて一病棟閉鎖しているんだと。だけれども、その病院が何もしていないわけじゃないんですね。臨床研修医制度を採用して、本当に定着のために医師住宅とか環境を整えて、もちろん奨学金とかも整えて、地域で、本当に地域医療で骨を埋めよう、そういう人を育てる努力をしていますし、それこそ、きょうずっと議論のあった認知症の支援なんかでも、健康町づくりみたいな、健康広場みたいな取り組みの中核となって頑張っている、そういう病院なんです。
 だから、その努力がされている中で、本当は病棟を復活させたいと頑張っているところに、いや、だって、ここは動いていないでしょうという形で、削減ねというふうなことがやられては困るよねと思っているわけですが、いかがでしょうか。

○田村国務大臣 日本の国は、医師の数は確かにOECD諸国の中で加重平均するところよりかは少ないわけでありますが、かと言って半分とかいうわけではないわけであります。
 しかし一方で、病床数が多いのは確かでありまして、千人当たり大体十三病床、十四病床ぐらい。フランスがたしか六ぐらい、アメリカ、イギリスは三ぐらいということであります。百床当たりの医師の数は、日本は十六、七人ですかね、それに対してフランスが五十人、イギリス、アメリカが七十人とか八十人、九十人というような、そういう状況であります。
 でありますから、今、医師をふやそうということで、医学部の定員枠をふやして、一方で、先ほど来言っておりますとおり、このまま病床数をどんどんふやしていくわけにはいかない。そうなれば、当然のごとく同じような状況がずっと続くわけでありますので、そういう意味では、限られた中においてどのような医療提供体制というものを整えていくかという大変な苦労をこれからしていかなければならぬわけであります。
 今言われたところからいきますと、病床数が余っているのが、正当な理由がなく病床の全部もしくは一部業務を行っていないということになれば、公立病院であれば、都道府県が今、命令をすることができる。今般、法律の中において、民間に対しても、医療計画を行うに当たって必要があれば、正当な理由がなければ、同じような状況であれば、これは要請ができるという形であります。
 でありますから、正当な理由というものがどうであるかということを判断するわけでございまして、それは、勘案できる事情があれば、そのときには命令でありますとか要請はしていかないという話でありますし、そうでなければ、そのような形もあり得るということになろうと思っています。

○高橋(千)委員 いろいろおっしゃいまして、一つ一つ反論する時間がありませんので、今私が言ったような、今は一病棟閉鎖になっているけれども、医師をふやしたいんだ、その上でこういう医療をやりたいんだという場合もありますよね。それは当然勘案しますということでよろしいんですね。

○原(徳)政府参考人 さまざまな理由があるのは確かだろうと思いますので、それは一律に、使っていないからすぐだめとかそういうような話にはならないということは確かですが、どの場合がよくてどの場合がいけないか、それぞれの事情をやはりしっかりと聞いた上で判断していただくことになろうと思います。

○高橋(千)委員 本当にそれをやらなければ、医師が不足して地域医療が本当に壊れてきているのに、そこをまた、閉鎖しているから減らしましょうねと言ったら、どんどん悪循環になるわけなんですよ。だからといって、たらたら維持しろということを言っているわけじゃないんですよ。必要なものと言っているんだから、そこをちゃんと、現状を見てほしいということを言っているわけであります。
 次に、都道府県に強い権限の話なんですけれども、今の資料の(2)のところで「開設許可の際に、不足している医療機能を担うという条件を付けることができることとする。」つまり、これは逆に言いますと、今こういう分野が必要なんだ、それを担うという条件がなければ開設を許可しないよという意味ですよね。そうすると、これも都道府県の権限が大変強いんです。
 ただ、今真っ最中やっている議論で、地方分権一括法、うちの委員会ではないんですが、指定都市への権限移譲、これが審議中であります。そうすると、この指定都市との関係はどうなるんでしょうか。

○田村国務大臣 これは、地方分権一括法の中で、指定都市の要請を受けて、このような形で指定都市が開設許可というような形で権限を移譲するというような話になっておるわけであります。
 しからばどういう関係になるのだ、この法律とでありますけれども、指定都市が開設許可を行うに際して、これは事前に都道府県と十分に協議をいただくということでございまして、そのような規定を設ける予定であります。

○高橋(千)委員 ここも分権といいながら、一方では、この間ずっと市町村に主体となってくれと言っていて、今回は県ということで、その中で出てきた今回の事態なのかなと思っておって、少し課題として考えているということであります。
 それで、きょう、残りの時間でどうしても質問をしたいのが、次の、資料の五枚目ですけれども、七対一入院基本料の見直しということであります。これは、病床再編を進めるためには診療報酬でも誘導するということだと思います。
 資料の五番、七対一入院基本料の見直し。
 七対一というのは、平均在院日数十八日以内ということで、自宅あるいは在宅復帰機能を持つ病棟及び介護施設である場合、つまり、自宅等そういう施設に退院する患者の割合が七五%以上、受け皿がもうあるよ、うちに帰るような人たちだというのが七五%以上あるというのが要件として新設されました。かなり厳しいのではないか。さらに退院を促す仕組みになるのか。
 また、ここにある一番目の特定除外制度、この見直しで、難病等の長期療養患者の扱いがどうなるのか。
 済みませんが、二つあわせて質問をいたします。

○木倉政府参考人 御指摘の急性期医療を担っていただきたい七対一の看護配置の病棟の見直しでございます。
 これはやはり、真に急性期医療の必要な患者さんということで対応していただきたいということで、前回の改定におきましても十八日の要件とかは見直したところでございますけれども、今回の見直しにおきましても、患者さんの病態、重症度、それから、看護の必要度だけじゃなくて医療の必要度もきちんと図れるような指標に見直すということで、患者さんをきちんと把握していただきたい。
 それから、今先生の御指摘の在宅への復帰。これは、在宅といいますのは、御指摘いただきましたように、自宅だけに限らずに、慢性期の患者さんを受けとめるような病棟あるいは介護の施設、老健施設等も含めて受けとめていただきたいということと同時に、整備をしていただきたいということであります。
 これを、受け皿の方でも、地域包括ケアの病棟をきちんとやって、リハビリをしていただいて在宅に送り出す、それから、在宅の方でも、主治医機能あるいは訪問看護ステーションの機能を強化することと同時に、評価を進めておるところでございます。
 それから、この七対一病棟に入っていらっしゃる、特定除外制度と言っておりますけれども、長期間の入院が必要な方も入っていらっしゃる実態がございました。
 これにつきまして、その方々について、これまでは平均在院日数要件の算定から除外しておったわけでございますけれども、これを今回、算定に入れますけれども、その算定をする場合に、これが一定割合はやはりいらっしゃらなきゃいけない患者さんでありますので、その存在の今の実態を踏まえて、クリアできるような要件として、在院日数の設定を、今回も配慮しておるところでございます。
 単純な追い出しにならないように、それぞれの必要な病棟で治療を続けていただけるように、十分注意をして見直しを進めてまいりたいというふうに考えております。(高橋(千)委員「難病と聞いたんです」と呼ぶ)
 恐れ入ります。今の最後の特定除外制度、これは、難病患者さんであるとか障害の患者さんで、長期に、九十日を超えてその病棟にとどまっていらっしゃるような方について、在院日数の計算に入れますけれども、一定割合はいらっしゃること、そういう実態の調査も踏まえまして、それも前提を置いて、この見直しを進めておるところでございますので、それの追い出しとならないように注意してまいりたいというふうに思っております。

○高橋(千)委員 時間なので指摘にとどめますけれども、これはすごく深刻な話なんですね。在院日数をとにかく短縮せよということがずっとやられてきて、それで、例えば眼内レンズの手術みたいに一泊で終わるもの、そういうので平均を縮めていったもの、これはカウントしない。今言ったような、難病さんとか、そういう長期に入院の必要な重度の人たちは、今度はカウントするわけですよ。そうすると、全体として入院日数が広がっちゃうじゃないかということで、非常に厳しくなる。
 一定の割合だと言っていましたけれども、そういう中で、やはり、簡単な追い出しにはしないといっても、実際にはそういう方向に向かっていくのではないか。だから、きょうずっと議論されてきた介護がその受け皿になるということで、介護の世界でも軽度外しとか、さまざまなことが起こっているということで、続きはまたやりたいと思います。
 終わります。

 

――資料――

【資料1】現在の性・年齢階級別の医療サービス利用状況をそのまま将来に投影した場合における入院患者数等の見込み(厚労省)

【資料2】「次期診療報酬改定における社会保障・税一体改革関連の基本的な考え方」(概要)(厚労省)

【資料3】病床機能報告制度と地域医療構想(ビジョン)の策定(厚労省)

【資料4】地域医療構想(ビジョン)を実現する仕組み(厚労省)

【資料5】7対1入院基本料等の見直し(厚労省)

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